健康生活TOP 飲酒 アルコールを上手に分解できる時間がある!”酔わない飲み方”とは

アルコールを上手に分解できる時間がある!”酔わない飲み方”とは

昼の飲酒

昔から昼酒は回ると言いますね。実際に昼酒がよく回るのかどうかはわかりません。探してみましたが、飲酒の時間帯と酩酊度を数値化した大規模な研究データは見当たりませんでした。

とは言え、小規模な研究に基づくのであろう医学関係者による医学情報では、飲んだアルコールを効率よく代謝する時間帯があることが示されていました。

どの時間帯にお酒を飲むのが、アルコールを早く代謝してくれるのでしょう。また、その時間帯ならたくさんお酒を飲んでもいいのでしょうか。

経験則的ではあるがアルコールを飲むのに適した時間帯はある

実際にアルコールを飲んだ際に、体内のアルコール濃度が低く抑えられる時間帯と言うのは存在しています。ですので、社会生活を営む上で、その時間帯を中心に飲酒することは好ましいと言えるでしょう。

しかし、その時間帯なら少々量を過ごしても健康を害することはないかと言うと、残念ながらそれは断言できないだけでなく、むしろ健康を害する可能性も否定できないのです。

実は昼酒も回りにくい時間帯がある

体内のアルコール濃度が低く抑えられる時間帯は、15時~22時の7時間です。と言うことは、最初の半分弱は昼酒と言っても良い時間帯ですね。

一方、22時と言うと、呑兵衛さんならちょうど調子が出てくる時間なのに、そこで打ち止めなのかという疑問も浮かぶでしょう。これは想像ですが、お酒に強い人はアルコール代謝のペースが落ちてきたぐらいの方が酔っぱらえて嬉しいのかもしれませんね。

一般的な社会生活を送っている人であれば、平日に飲み始めるのは、いいところ18時ぐらいからでしょう。食事をしながら飲んで、20時ぐらいで切り上げれば、アルコールが効率的に代謝できる22時までで大半が処理できますから、健康的だとも言えます。

もちろん、普段は全く飲まずに、土日のどちらかは15時から始めるのも悪くないでしょう。他の日に飲まないなどの対応が取れるのであれば、その日だけは多少量を過ごしても、一週間で見た場合問題ないかもしれません。

平日の15時から始めてしまうのは、社会的に問題なしとはしませんし、毎日飲んでいるのに土日は早く始めてたくさん飲むというのでは病気になります。

体内アルコール濃度が低く抑えられても量を過ごしてはいけない

体内のアルコール濃度が低く抑えられると言うのは、いくつかの理由が考えられます。

  • アルコールの吸収が遅い
  • アルコールの排泄が多い
  • アルコールの代謝が早い

この3つが中心になるでしょう。

アルコールは胃でも飲んだ量の20%ほどが吸収されますが、小腸上部での吸収がもっとも多く、そして早くなっています。ですので、空腹時にお酒を飲むと液体であるお酒は胃と十二指腸を素通りして一気に小腸で吸収されます。

一方、食べ物と一緒にお酒を飲むことで、アルコールが胃に滞留する時間が長くなるため、アルコール吸収は抑えられ、時間がかかるようになるため急激な血中アルコール濃度の上昇は抑えられます。

また、アルコールの一部は代謝されることなく呼気や汗、尿と一緒に排泄されますので、何らかの事情でその量が増えると、血中アルコール濃度は低くなります。

アルコール自体に利尿作用がありますから、脱水症状を防ぐ意味でも、お酒を飲むときは多めの「水」を摂るようにして下さい。お酒は液体であっても水分ではないと考えた方が無難です。

そしてアルコールの代謝です。アルコールは体内ではいくつかの酵素によって最終的には二酸化炭素と水にまで代謝されますが、大方は無害な酢酸に代謝された段階で代謝完了と言えるでしょう。

これはアルコール代謝の大半を担っている肝臓での代謝が早く行われているということですね。

このいずれが、特定の時間帯のアルコールの代謝を早めているのかはわかりません。しかし、アルコールの濃度が低く抑えられるということは、脳を始め体内のさまざまな器官がアルコールの悪影響から守られるので良いことです。

一方で、アルコールの排泄や代謝が早いからたくさん飲むということを行うと、排泄や代謝を行う器官には負荷がかかります。ですので、どの時間帯であっても、量を過ごすことのないように注意して下さい。

お酒の量は「飲める量」ではなく「飲んでも良い量」を自分で設定してそれを守ることが重要です。その量は、1週間に日本酒なら5合またはビールなら中ジョッキ5杯相当のアルコール量を基準に毎日に割り振って下さい。

朝酒・昼酒はアルコール依存症の入り口に立っていることを意識して

今回のテーマは、交代制勤務や深夜勤務など基本的な生活時間が、いわゆる9時-5時生活とは異なる時間帯で生活しておられる場合には、少し異なってくる可能性がある話題ですのでご自身で勘案してお読みくださいね。

例えば3交代制で、8時-17時・16時-1時・0時-9時と言うシフトがあったとして、深夜勤務で朝9時に退社した場合、昼の12時と言えば昼勤務の20時に相当しますよね。この場合に昼の12時のお酒を昼酒と呼ぶのは少々酷な気もします。

一般的な生活時間帯において昼酒はアルコール依存症かも

アルコール依存症の判断の手助けになる判別法はいろいろありますが、日本国内でアルコール依存症問題に最も強い、独立行政法人国立病院機構・久里浜医療センターが作ったテストがあります。

国際基準もいいですが、これは日本人向けなので、より私たちの生活になじむものだと言って良いでしょう。厚生労働省のサイトから引用します。

最近6ヶ月の間に、以下のようなことがありましたか。 はい いいえ
1 食事は1日3回、ほぼ規則的にとっている 0点 1点
2 糖尿病、肝臓病、または心臓病と判断され、
その治療を受けたことがある
1点 0点
3 酒を飲まないと寝付けないことが多い 1点 0点
4 二日酔いで仕事を休んだり、
大事な約束を守らなかったりしたことがある
1点 0点
5 酒をやめる必要性を感じたことがある 1点 0点
6 酒を飲まなければいい人だとよく言われる 1点 0点
7 家族に隠すようにして酒を飲むことがある 1点 0点
8 酒が切れたときに、汗がでたり、手が震えたり、
いらいらや不眠など苦しいことがある
1点 0点
9 朝酒や昼酒の経験が何度かある 1点 0点
10 飲まないほうがよい生活が送れそうだと思う 1点 0点

合計点が4点以上:アルコール依存症の軽い群: アルコール依存症の疑いが高い群です。専門医療の受診をお薦めします。

合計点が1~3点:要注意群: 飲酒量を減らしたり、一定期間禁酒をしたりする必要があります。医療者と相談してください。ただし、質問項目1番のみ「いいえ」の場合には、正常群とします。

合計点が0点:正常群

これは男性用で、女性用には朝酒や昼酒の項目はありません。

しかし、この内容を見てみると、寝酒の習慣があって、食事が不規則で、糖尿病や肝臓病がある人と言う、割合どこにでもいるおじさんの場合、昼酒をするようであればアルコール依存症と言うことになります。

ですので、朝酒や昼酒はよく回るかどうかより、その時間帯に飲もうと考えること自体が、アルコール依存症を招く可能性があるということを意識される方がいいですね。

昼酒は回るのに朝酒は迎え酒になるのはなぜか

二日酔いの時に迎え酒と言う最悪の飲酒法があるのは有名ですね。二日酔いによる頭痛などを、さらにお酒を飲んでアルコールで脳を麻痺させることで緩和すると言うものです。

どう考えても身体や頭に悪そうな飲み方ですが、迎え酒はよく回ると言う話はあまり聞きません。もちろん、二日酔いの状態で、すでに脳は正常ではないので、迎え酒が回っている感覚がないだけかもしれません。

しかし、実際に昼酒はよく回るという話題ほどに、朝酒による眠気や酩酊は話題になっていませんよね。

ここからは推論になりますので、特に研究データなどの根拠はありません。昼酒と言うことになると昼食と一緒に飲むことが一般的です。昼間っから食べ物抜きでお酒をあおっているようでは、先のテストをするまでもなくアルコール依存症と言えるでしょう。

皆さんの多くが経験されていると思いますが、昼食後に、堪えがたい眠気が襲ってくることは良くありますよね。この時にアルコールが入っていたら、さらに眠くなるでしょう。

この現象を指して「昼酒は回る」と言っている可能性があります。昼食後の時間帯は覚醒レベルが下がりやすいことが知られていますので、その時間帯のお酒はよく回ると言うことなのだと推測できます。

昼食後の眠気には短時間の午睡が有効だとされていますし、実際昼食後に15分程度の眠気とりの短時間睡眠をとる人も多いです。この時にアルコールが入っていると睡眠時間が伸びてしまい、その結果一日の睡眠バランスが崩れる恐れもあります。

ですので、休日であっても先にお話ししたように15時以降に飲酒を開始するぐらいにしておいた方が無難です。特に16時を回ると覚醒レベルの低下はあまり起らないようですので、そのあたりが休日の飲み始めには良いでしょう。

休日の、まだ日が高い夕刻に、チェダーチーズをおつまみにスコッチでハイボールなんて最高です。本物のチェダーは臭いので、外側を削ったやつが私は好きです。

アルコールの代謝で活性酸素が量産されるので飲酒量は控えめに

普通のアルコール代謝の経路は、アルコール脱水素酵素によってエタノールがアセトアルデヒドに代謝され、それがアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に代謝されることで行われます。

しかし、アルコールをたくさん飲むと、もう一つのアルコール代謝の経路が起動します。この経路が使われることによってアルコールの代謝は早まりますが、その際には大量の活性酸素が発生するのです。

アルコールは2段階で酢酸に代謝され中性脂肪になる

アルコールは、肝臓にたくさん存在しているアルコール脱水素酵素(ADH)と呼ばれる酵素で第一段階の代謝を受けます。この酵素は肝臓のほか、胃腸や腎臓、脳などにも少量ながら存在しています。

この代謝で出来上がるのが毒性の強いアセトアルデヒドです。第二段階の代謝でアセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に代謝されますが、遺伝的な要因でこの酵素の活性が低かったりなかったりする人が、日本人では半数に上ります。

その結果、体内にアセトアルデヒドが増え、顔が真っ赤になったり、酷く悪酔いしたりします。よく言われる「お酒に弱い人・飲めない人」の原因になっている酵素の多様性です。

こうした「お酒に弱い人・飲めない人」は、おのずとお酒を避ける方向になりますから、それは好ましいのですが、最初のアルコールを代謝する酵素の一部の活性が低い人もおられます。

ADHのうちの1つ、ADH1Bと言う酵素が遺伝的に低い活性しか持たない人では、最初のアセトアルデヒドの生成も遅いため、お酒を大量に飲んでも赤くならないのです。

こうした傾向のある人は、自分はお酒に強いと思っておられることも少なくありませんが、長い目で見た場合、むしろお酒による病気にかかりやすい体質ですので注意して下さいね。

そして、アルコールが無事に酢酸にまで代謝されると、この酢酸はTCAサイクル(クエン酸回路)と呼ばれるエネルギー生成の輪に入り、エネルギーを作り出した後は二酸化炭素と水になって体から出てゆきます。

ところが、アルコールを飲んでいる状態ではTCAサイクルの働きが弱くなるため、エネルギーとして使われず、この酢酸はそのまま中性脂肪に合成される流れに乗ります。

さらには食事由来の中性脂肪をエネルギーに換える働きも阻害されるため、肝臓に脂肪が溜まります。そして、でき上がった中性脂肪はそのままその場所、つまり肝臓に定着します。これでアルコール性脂肪肝の完成です。

アルコールにはもう2つの代謝経路がある

ADHによるアルコールからアセトアルデヒドへの代謝が追いつかなくなった場合、肝臓の中では別の2つの酵素によってアルコールが代謝されます。1つは活性酸素である過酸化水素を不均化する酵素カタラーゼによる経路です。

そして、もう1つはミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)と言う酵素による経路です。こちらの経路ではシトクロムP450と言うグループに属するCYP2E1を中心に、CYP1A2やCYP3Aと言う酵素が働きますが、その際に大量の活性酸素を発生させてしまいます。

カタラーゼによるアルコール代謝では活性酸素が消費される方向ですが、肝臓においてその比率は低いため、活性酸素の害を減らすには至りません。

そして、発生した活性酸素は肝臓の細胞を傷つけます。傷ついた肝臓は自己修復能力によって、まず繊維芽細胞を呼びよせその傷をふさぎます。さらにその傷跡は通常細胞に置き換わってゆくのですが、それには時間がかかります。

その間に次々と飲酒すると、傷跡ばかりが増えてゆきます。その結果、肝臓が線維化して使い物にならなくなる肝硬変ができ上がると言う訳です。

アルコールは代謝される時に肝臓を壊す

このように、肝臓は優れた解毒機能を持つため、少々飲みすぎたぐらいでは他の臓器に悪影響を出すほどアルコールを残さず、きちんと代謝してくれるのです。

しかし、一方で副経路の代謝方法までを動員するようでは、隠れたところで肝臓がどんどん壊されて行っています。ビール中ジョッキ1杯のアルコールを完全に代謝するには、2~3時間かかります。幅があるのは個人差の部分です。

多めの飲酒が常態化していると、先に紹介した副経路が活性化されますので、その分アルコールの代謝は早くなりますが、同時に肝硬変の進行速度も加速して行っています。

就寝前にはアルコールが抜けているように

寝ている間にお酒が抜けるからと言う考え方をする方も少なくありませんが、ちょっと考えてみて下さい。昼間は食べ物からの栄養を代謝したり、生活活動でできた老廃物の処理を行って腎臓に送ったりと言う仕事で忙しい肝臓です。

その肝臓に、睡眠中にアルコールの処理を行っておいてもらおうとしたら、肝臓は自分自身の傷を治す時間がなく、どんどん壊れてゆきます。

アルコールが代謝されやすい時間帯を選ぶということも大事ですが、それ以上に、起きているうちに処理しきれる程度の飲酒量に抑えるという、自己管理能力こそ最も重要だと言えるでしょう。

肝硬変は傷ついた肝臓の傷跡なのです。傷跡だらけになって機能を失ってしまうと、生命の危機に陥ります。それだけではなく、肝硬変の途中から肝がんを呼びよせることもよくある話なんですよ。

お酒を飲むなら夕方から宵の口に節度ある飲酒量を守って飲む

このように、お酒を飲むのであれば15時~22時の間、実際には17時~20時くらいの間に、食事をしながら飲むのがベストですね。食事の後で場を変えて飲みたいというのもOKですよ。でも、どんなに遅くとも22時には切り上げて下さい。

お酒の量はだいたい1日に日本酒なら1合まで、ビールなら中ジョッキ1杯までというのが目安です。そして、アルコールが入っても忘れないための簡単な飲酒のルールは「お代わり禁止」と言うことです。これを守っておけば割合健康的に楽しめますよ。

さらに別の記事に、飲酒量に関する細かいデータがありますので、ぜひ参考にしていただきたいです。

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