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お酒に酔ってフラッと貧血やめまい?アルコールによる脳貧血の予防法

お酒を飲む女性

お酒の席で少し酔いが回ったころに気分が悪くなったり、目の前が真っ暗になったり、めまいでフラッと来て倒れそうになったりという症状を経験する人は意外に多いようです。

いわゆる脳貧血の症状なのですが、中には冷汗が出て倒れてしまう人もいます。この症状自体はそれほど危険でないことが多いのですが、倒れたときに怪我をする可能性もあります。

それになにより、楽しいはずのお酒の席でたびたび体調不良を起こしていたのでは、せっかくの楽しい場が台無しになってしまいますよね。何とかならないものでしょうか。

脳貧血とは失神を中心とする症状なので治しておく方がいい

いわゆる脳貧血と言うのは、自律神経の働きを介した反射性失神の俗称です。また、前失神と言って、意識は失わないものの、めまいでフラッとしたり、目の前が真っ暗になったりする症状も含んでいます。

これは何らかの原因で、一時的に自律神経が障害されて血圧が下がり、脳に充分な血液が流れなくなることで起こっている症状です。

朝は朝礼・夜は飲酒で起こる血管迷走神経反射失神

失神と言う病態の中で最も多いのが反射性失神です。そしてその中でも一番は血管迷走神経反射失神と言うものです。これについて簡単に見てみましょう。

まず、身体の各部にある、外界や体内からの刺激を受け取る受容器が、何らかの信号を受け取ってその信号を脳に送ります。例えば立っている姿勢を長く続けているとか、お酒を飲んだとか言った刺激ですね。

私たちに身近なものとしては痛み刺激がきっかけになることもあります。注射や採血の際に気分が悪くなるのは、この血管迷走神経反射によるものです。

それを受け取った脳の各部位は、その刺激を延髄にある孤束核と言う部分へ投射します。するとそれは延髄の中にある2つの中枢に別々の信号として伝わるのです。

1つは血管運動中枢を抑制する信号です。この信号が送られると、末梢血管が拡張し血圧が低下します。急激な血圧低下は失神につながりますね。

もう1つは迷走神経核を刺激する信号です。迷走神経は運動神経・知覚神経としての機能の他、副交感神経としての大きな機能を持っています。このためここが刺激されると、心臓の動きがゆっくりになる徐脈が現れます。

徐脈はやはり失神につながる症状の1つです。このように、身体の様々な部位方脳に送られた信号によって、失神をもたらすような反射が出てくるのが血管迷走神経反射失神と言うことになります。

この血管迷走神経反射失神は、朝に多く起こります。朝礼で気分が悪くなって倒れる子供のほとんどが、この血管迷走神経反射失神によるものだとされています。

一方、この現象が夜に起こる場合には飲酒が関係しているという分析もあります。

血管迷走神経反射失神はお酒によって促進される

誰もが同じ刺激で失神に繋がる反射が起こるわけではありません。むしろ、失神や前失神を起こす人の方が少数派です。でも、子供時代、朝礼で倒れる人がいたことを思い出してみると、レアケースとは言い難いようです。

アルコールはそれほど大きな失神の原因ではありませんが、血管迷走神経反射失神を促進させる効果を持っています。ですので、血管迷走神経反射失神を起こしやすい人ではお酒は危険になるかもしれません。

また、男性に多い「排尿失神」と言う現象は、お酒を飲んでいる時に非常に多く起こります。膀胱が排尿していると言う信号を脳に送ることがきっかけで、それに対して失神をもたらす反射が帰ってくる現象です。

トイレで倒れて、脳卒中だと思われ、救急車を呼ばれるケースはこれであることが多いです。毎年ビヤガーデンの季節や忘年会シーズンになると、さまざまなメディアで一度は特集しているような気がします。

排尿失神は恥ずかしいものですが、怪我さえしなければ身体に悪影響はほとんどありません。それでもあまり格好の良いものではありませんので、何とか対策したいところですね。

脳貧血は受診して原因を探っておいた方が良い

失神と言うと大げさに聞こえるため、脳貧血とは違うものだと考えられるかもしれませんが、先にもお話しした通り、自律神経の働きを介して起こる反射性失神と前失神を合わせた物が脳貧血と呼ばれるものです。

脳貧血で倒れてしまうのが失神、目の前が真っ暗になったり、ひどいめまいがしたりするけれど意識を失わないのが前失神です。

そして、多くの場合失神や前失神は危険な病気ではありません。しかし、時々後ろに大きな病気が隠れていて、それが原因で脳貧血・失神を引き起こしている場合がありますので、一度受診して原因を調べておくことをお勧めします。

失神は循環器内科のある病院で診察を受けるのが良い

脳貧血と言う名前で病院へ行こうと思っても、どの診療科を受診したらいいのか判りませんよね。基本的には循環器内科を受診して下さい。まだ数は少ないですが、大きな病院では「失神外来」と言う診療科を設けているところもあります。

繰り返しお話ししているように、急な血圧の低下によって症状が現れます。血圧の低下ですので循環器内科のテリトリーですね。そして反射性失神ではやはり血圧の低下と心臓の徐脈が起こっていますので、循環器内科の専門エリアです。

最初は、近所の内科・循環器科の看板を上げておられるお医者さんを受診して、そこから病院を紹介してもらうのも良いですね。

脳・肺・心臓の他消化器系の病気でも失神が起こる場合がある

脳の病気で失神するのは何となくイメージしやすいかと思います。実際、脳血管障害で器質性失神がもたらされることもあります。前失神の段階で、目の前が真っ白になったり真っ暗になったりすることは割合よく見られます。

人によっては、お酒を飲んでフラっとする時に、この現象を経験する人も多いでしょう。その後から失神しても立ち直っても、この前失神の段階で頭痛を感じることがあれば危険信号です。

脳血管障害が起こっている可能性も否定できませんので、たとえ酔いが醒めた後で症状が消えていたとしても、必ずすぐに病院へ行って下さい。

同様に、胸の痛みを伴う症状であった場合は心筋梗塞の他、大動脈の壁や弁のトラブル、心筋症、肺塞栓症など致命的になりうる病気が潜んでいるかもしれません。

胸と言ってもみぞおちより下の痛みであった場合、消化器内出血が原因で血圧が低下した可能性もあります。吐血や血便などにも注意が必要ですね。

このように、失神・前失神の段階で、身体のどこかに痛みを感じた場合は、すぐに受診して下さい。

心臓や脳も大変ですが、消化管出血で血圧が低下するのはショック症状ですので、下手をすると大変危険です。お酒を飲んでいた時におなかが痛んで、目の前が暗くなったときは救急車を呼んでもらいましょう。

心配のない失神の場合は生活習慣の改善で対処する

たまにお酒の席でフラッとしたりする程度で、他の痛みや違和感もない場合には心配のない失神である可能性が高くなります。そういった場合には、何かの異常を感じたら受診することにして、とりあえずは生活習慣の改善で対応してみましょう。

また、不安があったから受診して、やはり異常はないから心配のない失神だと言う診断がついたときも同様ですね。

お酒でフラッとしてしまうなら飲まなければ良い

身もふたもない言い方ですが、これは結構確実に効きます。むしろ心配なのは、お酒を飲むとフラッとなって怖いと言う気持ちがありながら、これまでお酒を飲み続けていたことですね。

もちろん、社会人としてお付き合いの場を逃げられないケースもあるでしょうが、そのお付き合いはあなたの健康と引き換えにする値打ちのあるものかどうかを今一度考えてみて下さい。

業務上のお付き合いのお酒ではなくて、お酒が好きだと言う人の場合は、気分が悪くなるのにこれまでお酒をやめられなかったと言うのは、むしろアルコール依存症によるものではないかと言うことが気になりますね。

1分もかからないアルコール依存症のテストがありますので、一度試してみて下さい。

CAGEテスト ~飲酒状態の自己診断

1 飲酒量を減らさなければならないと感じたことがありますか。(Cut down)
2 他人があなたの飲酒を非難するので気にさわったことがありますか。(Annoyed by criticism)
3 自分の飲酒について悪いとか申し訳ないと感じたことがありますか。(Guilty feeling)
4 神経を落ち着かせたり、二日酔いを治すために、「迎え酒」をしたことがありますか。(Eye-opener)

2項目以上当てはまる場合はアルコール依存症の可能性がある。

もしこのテストで2項目以上当てはまったら、まずはアルコール依存症の治療に取り組んで下さい。診療科はアルコール依存症外来か精神科です。

お酒は適量を守って飲んでいる限り反射性失神などは起こりにくい

お酒の適量は、概ね1日に日本酒1合、ビールなら中ジョッキ1杯、ワインならグラス2杯程度です。ウイスキーならダブル1杯、本格焼酎(35度)なら70mL程度ですね。もちろん個人差がありますので、この数値が上限だと思って下さい。

この程度の量であれば、おそらくめまいでフラッと来ることは少なくなると思います。つまり、これまでもっと飲んでいて、めまいでフラッとなるのが気持ち悪いと思っていた人は、「飲み過ぎ」だったと言うわけです。

お酒による失神の原因の1つに、起立性低血圧があります。お酒の席で、トイレに行こうと思って椅子から立ち上がったらめまいがしたと言うような場合ですね。

起立性低血圧は脱水症状によって起こることがあります。お酒を飲むとトイレに行きたくなって脱水症状が起こりやすくなります。これは水分が多いビールであっても同じです。

その結果、起立性低血圧でめまいがするんです。めまい自体に危険性はありませんが、脱水は危険です。お酒を飲んで帰って、脱水状態のまま寝てしまうと、寝ている間に脳梗塞を起こしてそのままになると言うことが起きやすくなります。

特に夏場で、ビールをたっぷり飲んだ後は危険ですね。さらにそれで夏風邪でも引こうものなら、さらに血液が固まりやすくなるので大変危険な状態になってしまいます。

ノンアルコール飲料を上手く利用しよう

お酒の後の就寝前対策としては、上で紹介した適量のお酒(たとえばビール中ジョッキ1杯)あたり、飲み始めから3時間以上あけて就寝しましょう。2杯なら6時間です。そして、寝る前にコップ1杯の水を飲むのもお忘れなく。

また、先に排尿失神の例で紹介した通り、反射性失神でもアルコールは症状を促進させます。ですので、お酒は上で紹介した適量を守るようにしましょう。

最近では様々なノンアルコール飲料が普及しています。ビールテイスト飲料はもちろん、ハイボール風やチューハイ風の飲料も選び放題です。さらには日本酒風味のノンアルコール飲料もあります。

そうしたものを上手に利用して、いわゆる酒席であってもアルコールを摂らずに楽しむことは、特に若い人の間では常識になりつつあるようですね。素晴らしいことだと思います。

また、洋食の席では、ワインの代わりに発泡性のミネラルウォーターを選ぶも良いですね。フランス料理店では定番のペリエや、イタリア料理店ではサンペレグリノと言うことになると思います。

どちらもサントリーフーズが取り扱っていますから、普及率は高いでしょう。

お酒が好きな人にとっては、たかがめまいや脳貧血ぐらいでと思われるかもしれませんが、一度お酒から離れてみるのも悪くないですよ。意外に習慣とか惰性で飲んでいるだけと言う人も少なくないのです。

失神の予兆が現れた時の対処法!倒れてしまうのを予防しよう

目の前が暗くなってきたり霞んできたり、あるいは人の声が遠くに聞こえたりする「失神の予兆・前失神症状」が現れた時に、応急的な対処ができれば倒れてしまって大事になることは避けられますよね。

人前で倒れてしまうことを恥ずかしいと感じて、その気持ち自体がストレスとなって症状を悪化させることもありますから、対処法を知っておくことは悪くありません。

反射性失神は脳の血流が足りなくなることで発生する

何らかの原因で血圧が急に低下すると、脳に回る血流が減って、脳が酸素不足に陥り意識を失うのが失神です。ですので、横になっている時には失神はめったに起きません。

と言うのも、横になっている時は、頭と全身の高さがほとんど同じなので、血液が均等に回るからなのです。つまり、何らかの原因で失神して倒れると、頭に血が回るのですぐに回復できると言うことです。

失神で倒れた人の多くが、数十秒くらいで意識を取り戻すのはこのためです。一方、座った姿勢で失神して、背もたれに身体を預けていると、失神からの回復時間が長くなります。

ここに、失神回避のヒントがあります。つまり、気分が悪くなったときには頭低くすれば、それを和らげられると言うことです。例えば、席を立った時にめまいがしてフラッとなったら、すぐにしゃがみましょう。

それだけでかなり気分が良くなるはずです。もし、それではだめだったり、座った状態でめまいが来た場合には、状況が許すのであれば横になって下さい。「酔って気分が悪い」と言えば、場所さえあれば誰も横になることを咎めたりはしないでしょう。

このことはお酒の席でなくても同じことが言えます。何らかの原因で目の前が真っ白になったりして気を失いそうな感じがしたら、まずしゃがみ、それでもだめなら横になるのが一番です。

先に血管迷走神経反射の例として血液検査の採血時と言うのを紹介しましたが、採血で気分が悪くなったことがあると申告すると、ベッドに横になった状態で採血を行ってもらえます。

これは、血管迷走神経反射が起こった場合でも、頭を低くしているため低血圧による脳貧血状態を起こりにくくできるからなのです。

横になれない時は自力で脳に血液を送り込む

この方法は立っていても座っていてもできるのですが、立っていると不安定なので、ちょっと練習しておいた方がいざという時に素早く行えるでしょう。

まず、脚を交差させます。脚を組むのではなくて、膝から下、くるぶしあたりまでのあたりで脚を交差させます。その状態で膝同士を押し付け合いながら、下腹とお尻、太ももに力を入れます。

上半身へ血液を送る下半身の運動法

これだけで上半身への血流が増えますから、気分が良くなるまで力を入れたり抜いたりして下さい。だいたい10秒ごとに繰り返す程度で良いでしょう。

気分が悪くて、そんな姿勢を取ったら転んでしまいそうな時は、両脚と下腹、お尻に力を入れるだけでも効果があります。さらに、両手の指先を曲げて組み合わせ、左右にしっかり引っ張り合うことを行うとより効果的です。

この方法はいずれの方法も、普段から毎日行っておいて身体に覚えさせると同時に、ふくらはぎを中心に下半身の筋肉を鍛えて、血液を押し戻す力を付けておくと失神も起こりにくくなるでしょう。

そんな大きな動きをすると目立ってイヤだと言う場合、こぶしをしっかり握ったり緩めたりすることも少しは効きます。要するに身体のどこかに力を入れて血圧を上げれば良いのです。

生活習慣を見直せば失神予防は可能です!

失神に関しても、生活習慣を見直すことである程度は予防が可能です。とは言え、失神につながるような要素と言うのは、むしろ普段飲んでいるお薬の副作用と言う物が無視できないのです。

例えば血圧を下げるようなお薬では、下がり過ぎて失神を招くことがありますね。

失神と言う副作用を持つお薬は意外に多い

先にお話しした通り、脱水は失神に繋がります。ですので、利尿薬の副作用として失神と言う症状が現れることがあります。利尿薬は種類が多いですが、例えばラシックス(一般名:フロセミド)やダイアート(一般名:アゾセミド)などが良く使われます。

血圧低下が失神の原因ですから、高血圧のお薬で血圧を下げる働きを持った物が効きすぎると、やはり失神を招いてしまう可能性があります。ですので、いわゆる「高血圧のお薬」では、すべて失神に繋がる副作用が出る可能性があります。

さらに、狭心症のお薬である硝酸薬・ニトログリセリンも血管を広げる働きがあるため、血圧低下から失神を招くことがあります。

そして、抗うつ薬などの向精神薬の一部にも、こうした低血圧や不整脈から失神を招く副作用を持つものがあります。

ですので、何かの病気の治療でお薬を飲んでおられる方は、こうした反射性失神・前失神の症状が見られた場合には、すぐに主治医の先生に連絡して服薬指導を仰いで下さい。

熱中症を起こすような環境を避けるのも重要

閉め切った部屋で温度が高いと言った環境は失神の誘因になります。慣れのせいで自分ではそれほど暑いと感じていなくても、意外に脱水が起こっている場合があります。

ですので、適切な水分と塩分の補給を意識するようにして下さい。また、立ちっ放しはやはり原因になりやすいので、意識して座ったり立ったりを行うようにしましょう。

自律神経失調症の人ではこの反射性失神が起こりやすいので、バランスのとれた食事や充分な休息を意識して、ストレスが過大にならないように注意する必要があります。

筋力を付けると予防効果が期待できる

先にも少し触れましたが、特に下半身に筋肉が付くと、心臓へ血液を押し戻す効果がありますので、それだけ脳の血流が確保しやすくなります。

筋肉が少ないと、特に下半身に血液が鬱滞して、その分脳に回る血液が足りなくなるのです。ですから、ウォーキングなどで下半身、それも膝から下にしっかり筋肉を付けると効果的です。

筋肉が付くまでは、弾性着圧ストッキングなどでサポートしてやるのが良いかもしれませんね。お酒の席に出る時だけでも、強い圧力の物を選んで履いてみてはいかがですか。

一説によると、筋力の弱い人では、椅子からすっと立ち上がるだけで、腰から下にペットボトル1本分の血液が溜まってしまうそうですよ。
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