健康生活TOP 老化 【老化防止運動】活性酸素をうまく除去できる画期的な運動法

【老化防止運動】活性酸素をうまく除去できる画期的な運動法

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食生活の改善と運動は、生活習慣病や老化の防止において双璧とも言うべき重要な要素ですよね。そのどちらもが身体の中での酸化や糖化を抑えることに重点を置いています。

しかしながら、本来運動は身体の中に活性酸素を発生させるものなのです。その活性酸素を減らすことができるのも運動なのですが、そこには大切な要素が隠されていました。

この活性酸素と運動の関係をしっかり把握して、より健康や老化防止のために効果的な運動法を知っておきましょう!

運動は活性酸素を発生させてしまう!そのメカニズムとは

人間のすべての活動においてエネルギーは必要ですが、そのエネルギーを作り出す過程において、呼吸で取り込んだ酸素が重要な役割を果たしています。

身体の中では複雑な化学反応が順番に起こって、糖質・脂質・たんぱく質などの栄養成分と、呼吸で取り込んだ酸素が反応して、糖・塩基の一種にリン酸が2つ高エネルギー結合したATPと言う物質が作られます。

このATPが加水分解されてADPと言う物質とリン酸に分かれる際に、運動の際にも必要となるエネルギーが取り出されるようになっています。

ですので、運動のようにエネルギーを多く必要とされるときには、その副産物として、呼吸で取り込んだ酸素の一部が活性酸素となって身体の中により多く発生してしまうんです。

なぜ体の中に毒を作るのか?それは生物の進化によるもの…

自分の身体にとって毒になる活性酸素を、自分の身体の中で作り出すって変ですよね。それも生きて行く上で一番重要な、エネルギーを生み出すプロセスでそれを作るのは不合理です。

しかも単なる毒ではなく、老化を推進して、生物自身が早く死んでしまうように働く毒を作り出すのは、あまりにも変ですよね。

実は、これには生物の進化と言う、とてつもなく長い歴史の中にその秘密が隠されていたのです。

大昔のお話から現代の私たちまで

この地球上に最初の生物が産まれたころ、大気の中に酸素はほとんどありませんでした。ですので、当時の生物、昔の単細胞生物は酸素を使わずに生きていたのです。

ある時、太陽の光と水と二酸化炭素を使って自分で栄養を作り出せる生物が産まれます。今の植物のご先祖ですね。ご存知の通り、この働きでは栄養を作った後の廃棄物として酸素が発生します。

当時の生物たちにとって酸素は猛毒のガスでした。ですので多くの生物は、酸素を生む生物から逃げて暮らしていたのですが、一部の菌は酸素を利用して栄養物からエネルギーを取り出す能力を身に付けました。

そして長い年月の後、様々な生き物がこの菌を身体の中に取り込んで合体し、多くの生物が酸素を呼吸してエネルギーを取り出せるようになったのです。私たちもその遠い末裔と言えるでしょう。

現在、この最初の酸素呼吸生物は「ミトコンドリア」と言う名前で、私たちの細胞の中の小器官という立場を手にして元気で生きています。そして、その名残は現在でも遺伝情報にしっかり残っているのです。

細胞核には遺伝情報が書き込まれた、DNAと言うものが存在している事は皆さんよくご存知だと思いますが、ミトコンドリアにはそれとは別に、独自の遺伝情報を持ったmtDNAと言うものが存在しているのですよ。

こんな経緯があったので、本来酸素は生物にとって猛毒だったのですが、それをほとんど有効利用できるように進化したのが私たちです。

でも、まだ私たちも進化の途中なのでしょう。完全にはさばききれないために、ごく一部ではありますが、活性酸素種として毒の働きを持った廃棄物が発生すると言うメカニズムが残されているのです。

除去酵素と抗酸化物質で活性酸素を消滅させることができる!

こうして身体の中に発生する活性酸素ですが、現在生きている生物は、100%には届かない物の、おおむねそれを体の中で消滅させるメカニズムを持つところまで進化することができました。

そのメカニズムとは、一つが身体の中で作り出される活性酸素除去酵素です。そしてもう一つは多くの方々が興味を持っている抗酸化物質ですね。

活性酸素除去酵素の働きは限定的

細胞内のミトコンドリアがエネルギーを作り出す際の副産物として超酸化物と言う活性酸素種が産まれます。その細胞を傷つける力で、超酸化物は免疫機能において侵入者をやっつけるのにも利用されています。

一方、自分自身の細胞も傷つけてしまうため、体内にあるSODと略される酵素によって、過酸化水素に変化させられます。

こうして生まれた過酸化水素は、カタラーゼなどの酵素によって水と酸素に分けられ無害化されるようになっています。この酵素はマンガンを含めた金属を補助的に利用します。

小学校の理科の実験で、過酸化水素水から酸素を取り出す実験で、二酸化マンガンを触媒に使うのは、カタラーゼの働きをまねたものと言えるかもしれませんね。

食べ物から積極的に摂りたい抗酸化物質いろいろ

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食べ物から摂れる抗酸化物質にはいろいろなものがあります。

  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • ビタミンB2
  • プロビタミンAであるβカロテン
  • フラボノイド

などが有名ですね。
また、

  • 玉ねぎ
  • にんにく
  • ブロッコリー

などに含まれるアミノ酸のシステインも抗酸化物質の一つです。

ここで注目すべきはビタミンEです。活性酸素種の中で、除去酵素やフラボノイド、システインなどでは取り除けない一重項酸素や、ビタミンC・除去酵素で取り除けないヒドロキシラジカルを取り除く力を持っています。

そして重要なのは、活性酸素種を取り除くことで自分自身がビタミンEラジカルに変化してしまった後でもビタミンCによって元の姿に還元されると言う特徴も持っているのです。

ですのでビタミンEとビタミンCは、最も強力な抗酸化物質コンビと言えるでしょう。食べ物から積極的に摂りましょね。

運動による活性酸素の発生は呼吸に深く関係している

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運動を行うと、筋肉などにたくさんのエネルギーが必要になります。先にお話ししたATPやADPが活躍するシーンですね。それをもう少し詳しく見てみましょう。

ATPは糖質や脂質、たんぱく質から造られるアセチルCoAと言うコエンザイムを介して、呼吸で得られた酸素を利用して水と二酸化炭素が排出される過程で得られるのです。

先にお話しした通り、このATPがADPとリン酸に分解されるときにエネルギーが取り出されます。そして、そのエネルギーを得る過程において呼吸から得られた酸素の1%内外が活性酸素種に変容しています。

運動の負荷が大きいほど発生してしまう!

運動の負荷強度が大きいほどエネルギーもたくさん必要になり、呼吸も早く多くなりますから、それに比例して活性酸素の量が増えて行きます。

そして、さらに活性酸素を飛躍的に増やすのは、低酸素状態と呼ばれる段階だと言う事が判ってきました。

これはもともと、慢性閉塞性肺疾患(COPD)で酸素ボンベを利用している患者さんの体内には活性酸素が非常に多いところから得られたデータなのです。

COPDの患者さんは、進行性で肺が壊されていっていることから酸素の供給が追い付いていません。その患者さんに、ボンベから酸素を補給すると体内の活性酸素が一気に増えると言うデータが得られたことから判ったのだそうです。

これは供給側の不足で起こった現象ですが、同じように激しい運動によって酸素の消費が多すぎる場合にも、その状態から回復する段階において同じことが起こるのではないかと言う仮説が立てられました。

それに基づく実験で、やはりその仮説は裏付けられ、激しい運動の後、呼吸が落ち着いてくる流れの中で体内の活性酸素量は一気に増えたそうです。

つまり、体内で酸素が大幅に不足する状況を作ると言う事が、酸素供給が追い付いた時に、大量の活性酸素を生み出す原因になっている事が判ったのです。

しかし!活性酸素除去能力は鍛えられます!

一方、それほど激しくない運動であっても、運動開始時にはある程度の活性酸素が生み出されます。しかし、人間の身体には酸化還元の恒常性維持機能(レドックス・ホメオスタシス)があるので、活性酸素は除去され始めます。

その維持機能がスタートするスイッチとして、運動によって発生した活性酸素が利用されているのだそうです。

また、レドックス・ホメオスタシスが間に合う程度の、激しくないレベルの運動を定期的に行う事で、この活性酸素除去機能の容量を増やすことができると言う仮説に基づいた研究も進められています。

活性酸素の発生は筋肉だけじゃない!脳と肝臓を守ろう

激しい運動による活性酸素の発生は、主に筋肉の細胞で起こります。しかし、直接運動に関わらない2つの部位でも運動量に連動して活性酸素が発生する事が判っています。

それは脳と肝臓です。

抗酸化物質はやっぱり日頃から摂りたいもの

筋肉組織で発生する活性酸素の対策として、様々な抗酸化物質サプリメントが有効なのかどうかはいまだに結論が得られず、まだまだ論争が続いているようです。

しかし、一方で脳や肝臓における活性酸素の除去については、ビタミンCとビタミンEの血中濃度との間に相関性が認められたと言う報告もあります。

つまり、筋肉はいざ知らず、脳と肝臓は守れますよと言う事ですね。そしてやはり、予め一定の血中濃度があることが有利に働くようですので、運動前後にサプリで摂るのではなく普段から食べ物を意識するのがよさそうです。

痛風と尿酸、活性化酸素との関係

運動選手に痛風患者が多いのは有名ですね。痛風の原因である尿酸は、先にお話ししたエネルギー物質ATPが代謝され、再利用されなかった場合プリン体になり、尿酸へと変化することで体内に発生します。

これが血液中に一定濃度以上貯まると、体温の低い場所などで再結晶化し、痛風を引き起こすと言うわけです。ですので、激しい運動をするスポーツ選手はATPの代謝量も多いので、尿酸が痛風を引き起こしやすいと言うわけです。

最強の抗酸化物質、それは尿酸!

ほとんどの動物では、尿酸はさらにもう一段階代謝されて、無害な物質になり排泄されます。ですから、痛風は人間固有の病気に近いと言っても良いでしょう。

一方、ほとんどの動物では身体の中で合成できるアスコルビン酸(ビタミンC)を合成する酵素が人間にはありません。だから抗酸化物質のビタミンCとして食べ物から摂る必要があるんです。

そして、尿酸はビタミンCと同程度以上の強力な抗酸化物質で、活性酸素除去能力を持っているのです。

仮説の話ではありますが、人間は尿酸を強力な抗酸化物質として使えるから、体内でのビタミンC合成能力を持っていないと言う考えもあるようです。

また、逆の発想で、ビタミンC合成能力が欠けているから、強力な抗酸化物質である尿酸を、無害ではあるけれど抗酸化能力のない物質へ代謝しないようになっていると言う考え方もあるみたいですね。

いずれにせよ、尿酸は痛風の原因になる悪役としての側面だけではなく、人間を活性酸素から守る正義の味方としての側面があることも知っておいて下さい。

尿酸は水に溶けない

尿酸の活性酸素除去能力は高いのですが、一つの弱点として、あまり水に溶けないと言う事があります。

そのことが原因かどうかはまだはっきりしていませんが、非常に激しい運動を長時間続ける運動選手は、活性酸素の除去が追い付かず、尿酸も溜まってしまうと言う現象が起こるようです。

健康と老化防止のために!定期的に負荷の低い運動をしよう

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運動は激しくても激しくなくても心肺機能を向上させ、肉体的な耐久力をアップさせますから健康のためには運動は不可欠です。

一方で激しい運動は、これまでお話ししてきたように活性酸素による身体へのダメージとともに、プリン体の体内生成による尿酸結晶のせいで痛風を引き起こしてしまいます。

老化防止には毎日の運動とちょっとした食事への配慮を

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運動の種類は問いませんが、まずは定期的、できれば毎日一定量の運動を行う事が、身体の活性酸素処理能力を向上させます。同時にビタミンEを含むナッツ類やビタミンCを含むフルーツなどを毎日摂りましょう。

そして、運動は激しすぎないことが絶対条件です。客観的な運動強度ではなく、自分にとって息が苦しくなるレベルはダメだと覚えておいて下さい。

酸素が不足した状態を身体に与えると、老化を促進する活性酸素が大量に生まれます。少し息が早くなる程度の軽い運動を毎日少しずつ行う、これが活性酸素の害を確実に取り除く運動なので、生活習慣に取り込むようにしましょうね。

まったくの余談ですが、尿酸の原料になると言うプリン体は固有名詞です。英語表記(ラテン語でも一緒です)は Purine 、おやつに美味しいのは Pudding です。残念ながら全く縁もゆかりもないものですね。

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