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体は口から衰える!?口の老化「オーラルフレイル」をチェック

高齢者綺麗な口写真

人は口から衰えるってご存知ですか?ロコモティブシンドロームやサルコペニアと聞けばピンとくる方も多いかと思いますが、高齢になり身体の機能が衰えてやがては寝たきりになってしまう病気も、実は口の衰えから始まっているんです。

一体どういうこと?と疑問に感じる方も多いと思います。口の衰えが身体機能に影響を与える「オーラルフレイル」とはどのようなことか、ご紹介したいと思います。

病は口から!?オーラルフレイルとは一体何?

オーラルフレイルとは聞きなれない言葉かもしれませんが、オーラルは口腔(口)という意味で、フレイルは衰えるという意味です。ですからオーラルフレイルは直訳すれば「口の衰え」という意味になります。

ですがもう少し専門的に言うと、フレイルとは「高齢になって筋肉や活力が衰えた状態」のことなので、オーラルフレイルは「高齢になり口腔の筋肉や活力が衰えた状態」ということになります。

高齢になれば誰でも体のあちらこちらの機能がだんだんと衰えていきます。当然のことながら口や唇、頬や舌など口や口の周りにある筋肉や力も衰えていきます。

全身の身体機能が衰えていくのと同じように、口や口の周りの筋肉や機能が衰えていくことを”オーラルフレイル”と呼ぶのです。

後でご説明しますが、オーラルフレイルは全身や脳にも影響しますからしっかり自分の口や口周りの衰えを把握しておく必要があるのです。では、どんな状態が衰えているといえるのでしょうか?

口の機能が衰えるオーラルフレイルの症状とは?

高齢者悩むイラスト

口の機能が衰えるといっても、普段はあまり感じないけど・・・という方もおられると思います。噛むこともできるし、食べることも、おしゃべりにも何の問題もない、という方は現状では問題ないかもしれません。

しかし、フレイルの怖さは気付かないうちにだんだんと衰えていくというところにあります。

食べることや話すことは日常的な動作なので、昨日と今日の差や、今日と明日の差、先月と今月の差、というように日や月の単位くらいでは、自分で衰えを感じることはほとんどありません。

でも、衰えというものは自分では自覚ができないくらいとても少しずつ進んでいくので、決して安心することはできないのです。

ではオーラルフレイルの症状とはどのようなことなのか?今の自分にフレイルの状態がないかを含めて、確認することから始めていきましょう。

1.口から食べこぼすことはありませんか?咀嚼機能の低下

オーラルフレイルの初期段階で起こりやすい特徴は、咀嚼機能の衰えです。咀嚼とは物を噛むということです。食べ物を口に入れてしっかり噛み砕くことができているかどうかを確認します。

咀嚼機能が衰えてくると、食事をしている時に、口から物を食べこぼすことが多くなっていきます。もちろん食べ物の種類にもよりますが、少しでも口から食べ物を食べこぼすことがあれば、それはオーラルフレイルの兆候かもしれません。

また、たくあんやスルメイカのように噛みごたえのある食べ物を食べなくなったり、残したりするようなことが多くなっている場合も、その原因が食べにくいからであることが多く、すでにオーラルフレイルが進行しているのかもしれません。

2.飲み込むときにむせることはありませんか?嚥下機能の低下

次に、食事の時に少しでもむせることはないでしょうか?食べ物や飲み物を口に含み、飲み込む時に少しでもむせることがある場合、嚥下機能が低下していることが考えられます。

オーラルフレイルは口腔全体の衰えということですから、うまく飲み込めないこともオーラルフレイルの症状の1つです。

3.人と話をする時に発音しづらいことはありませんか?滑舌が悪くなる

口の機能は物を食べたり飲み込んだりするだけではありませんよね。人と話をする時にも口は重要な働きをします。

滑舌は人によってどの言葉が言いにくいのか、個人差が大きいので一概には言えませんが、オーラルフレイルが進行すると、次の行の言葉がいいにくくなります。

  • カ行「カ・キ・ク・ケ・コ」
  • パ行「パ・ピ・プ・ぺ・ポ」
  • ラ行「ラ・リ・ル・レ・ロ」

これら3つの行がはっきりと言えているかどうかを確認していきましょう。

まず、カ行ですが口の開きと喉の動きがスムーズであることが必要となる発音です。

次に、パ行は上唇と舌唇を合わせる動きと息を瞬間的に吐くことが必要になりますので、よりスムーズな唇の動きと正しい息の吹き方を必要とする発音です。

最後に、ラ行は唇の動きが滑らかであることが必要となります。この3つの行を正しく発音できるか確認してみましょう。

確認の仕方は、パ行であれば、「パ・ピ・プ・ぺ・ポ」と3回繰り返し、できればスピードを少し早めに発音して下さい。詰まらずに発音できればOKです。

さらに、「パ・パ・パ・パ・パ」と同じ音を10回ほど繰り返し、スムーズに言えるも確認してみましょう。

また、自分でははっきり発音していると思っていても、他の人が聞きにくいという場合がありますので、自分だけで判断せず人に聞いてもらって、正しく発音できているか判断することも重要なポイントです。

いかがでしたか?あれっ…わたしの口、衰えすぎ…!?なんて感じた方は要注意!オーラルフレイルの問題点は意外にも強烈なのですよ…

オーラルフレイルがあるとどうなるのか?

青ざめる高齢者イラスト

オーラルフレイルの兆候がないかどうか、確認してもらえたでしょうか?その上でもしオーラルフレイルの兆候がある場合は、どういう問題が起こるのでしょう。

先ほど述べたように、オーラルフレイルは食べこぼしや飲み込む時のむせ、滑舌の悪さなどが起こります。

食べこぼしや食べるときにむせが起こると食事を摂ることが面倒になったり、特定の食べやすいものだけを食べるようになってしまいます。そうなれば、体を維持するために必要なエネルギーが不足することや、栄養の偏りが起こります。

オーラルフレイルの問題点は、健康を維持するのために必要な栄養が摂りにくくなるということです。栄養が偏れば様々な病気を起こしやすくなり、健康を損なう原因になることは言うまでもありません。

食べ物が食べにくくなる

栄養が不足したり偏ったりする

身体機能が低下

次に、オーラルフレイルの影響によって話をする時に滑舌が悪くなるという場合は、自分が正しく発音しているつもりでも、相手が聞きにくければコミュニケーションがうまく取れなくなります。

そのため、人と会話をすることが面倒になったり、自分が正しく発音できないことに自分の自信をなくしたりする、ということが起こります。

つまり、オーラルフレイルがあることによって、他人とのコミュニケーションがとりにくくなり、社会にうまく溶け込めなくなる社会性の欠如が起こります。

滑舌が悪くなる

コミュニケーションがとりにくくなる

社会的に孤立する

社会性の欠如が起これば、一人でこもりがちになり、外出することも少なくなるでしょう。外出が少なくなれば、体を動かすことも少なくなるので、だんだんと体の機能全体が弱くなっていきます。

身体機能が衰えれば、皆さんもご存知のサルコペニアやロコモティブシンドロームなど寝たきりの原因を引き起こすこともありますし、脳機能の衰えは認知症を引き起こすことにもつながります。

つまり、オーラルフレイルは、口腔だけの問題ではなく、全身の運動機能や脳の衰えにもつながるといえるのです。

身体機能の低下・社会的孤立

全身のフレイル、ロコモ、認知症の発症

オーラルフレイルが進行するとこのような悪影響が引き起こされるので、予防や改善が必要なのです。

思っているよりも被害はありそうですね…。ドキドキしてきたあなた、さっそく予防法をみてみましょう!

良く噛み・良く食べ・良く話す!オーラルフレイルの予防のしかた

高齢者元気イラスト

では、オーラルフレイルを予防するにはどのような方法があるのでしょうか。これまでみてきたように、オーラルフレイルの要素は3つあげられます。

  1. 咀嚼する能力(噛む力)
  2. 嚥下する能力(飲み込む力)
  3. 発音する能力(話す力)

この3つの能力(力)を衰えないようにすることが、オーラルフレイルの予防につながります。

1.固い食べ物ものでも嫌がらずに!噛む力を鍛える

噛む力を鍛えるポイントは2つあります。1つは、少しくらい噛みにくくても固い食べ物ものを噛むようにすること。もう1つは、食べ物を噛む時は左右どちらか一方の側だけでなく、両側の歯をまんべんなく使うことの2つです。

たくあんやスルメイカ、リンゴなど、少し噛みにくい食べ物でも食べることを避けるのではなく、噛む力を鍛える練習だと思って食べるようにすることが噛む力を鍛えることにつながります。

また、チューインガムを噛んで噛む力を強くする練習もしましょう。噛むことは人間が生きる本能のようなものですから、噛む力が衰えることは、生きる力が衰えることにもつながってしまいます。左右両方の歯を使うこともお忘れなく。

2.誤嚥性肺炎の予防にも!飲み込む力を鍛える

飲み込む力は噛む力と大きな関係があります。食べ物を飲み込むには、良く噛んで飲み込みやすい大きさの食べ物の塊「食塊」を作る必要があります。噛む力が衰え飲み込みやすい食塊が作れなくなることが嚥下力の低下の原因になります。

飲み込む力を鍛えるためには、食べ物をしっかり噛んで食塊を作ることが欠かせません。飲み込む力を鍛えることと噛む力を鍛えることはセットで考える必要があります。

その上で、嚥下障害が起こるのは、食道を通るはずの食べ物や飲み物が気管のほうへ入ってしまうことが原因です。嚥下障害が起こるのは、気道に入り込んだものを息の力で押し返すことができないことも原因です。

そこで、意識的に「ゴホン」と咳払いをして、息の力で気道の筋肉を鍛えましょう。咳払いがしっかりできて、気管に食べ物が入らないようにすれば、誤嚥を防げます。

また、食塊を飲み込む力自体が衰えている場合も考えられます。飲み込む力を鍛えるためには、意識的に唾を飲み込む練習をしましょう。生唾を飲み込むように「ゴクン」と唾液を飲み込む練習をします。

咳払いの「ゴホン」と唾を飲む「ゴクン」の練習を行なうことで嚥下力全体を鍛えることができます。

日本人の死因の第3位は肺炎ですが、肺炎を起こす理由の多くは誤嚥によるものです。誤嚥を繰り返すことにより誤嚥性肺炎が起こるのです。嚥下障害を予防することは、肺炎を防ぎ、命を守ることにもつながるのです。

3.人と会話をして話す力を鍛える

話す力は発音の練習を行なうことで鍛えられます。先ほどあげたように「カ行」「パ行」「ラ行」をはっきり発音することを意識して練習をしましょう。

また、できるだけ友達とおしゃべりをしたり、カラオケで歌を歌ったりして、全ての言葉を発音する練習をしましょう。機会的に発音することとは違い、人と会話したりカラオケで歌を歌ったりすることは、全ての発音をスムーズにする絶好の練習です。

おしゃべりは特にどんなものにも共通する健康法ですね。私はみんなと毎日楽しくおしゃべりしているので心配ありませんね。いえいえ、きちんとお仕事もしてますよ!

入れ歯や義歯を使っている場合はどうする?

入れ歯や義歯を使っている場合でも、オーラルフレイルを予防する方法は同じです。入れ歯を使っていると、どうしても噛みやすい柔らかな食べ物が多くなるので、少し固めの食べ物を意識をして摂るようにしましょう。

総入れ歯や部分入れ歯の場合で、どうしても噛めにくい、あるいは飲み込みにくい場合は、入れ歯自体が合っていないことが考えられますので、歯科医に相談して具合をチェックして下さい。

口は使わなくなると、どんどん衰えていきます。オーラルフレイルを予防することは、全身の老化や衰えを予防することにもつながります。病は口から!を合言葉にして、お口のトレーニングを欠かさないようにしましょう。

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