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廃用症候群を防げ!寝たきりでも筋力低下を予防するリハビリ

高齢者を手助けする若者

高齢化社会をむかえ、男女ともに平均寿命が延びている一方、健康寿命とよばれる期間が短くなっています。健康寿命とはすなわち、健康で自立した期間を示し、介護を必要としない期間にあたります。

男女別で示すと、介護を必要とする期間は男性で約9年、女性で約13年といわれています。この期間が寝たきりになる危険性が非常に高く、廃用症候群に直結してきます。そしてさまざまな合併症が出現してきます。

廃用症候群と無縁の生活を送るためには、まずは健康寿命を延ばすことが大前提です。そのためにも、今からできる予防と対策についてまとめていきたいと思います。

廃用症候群とはいったいどのような状態を示すのでしょうか?

介護に携わっていない方にとっては、廃用症候群という耳慣れない言葉に、いったい何のこと?と疑問に感じることでしょう。そんな廃用症候群について、これから詳しく説明していきたいと思います。

廃用症候群の概念

廃用症候群とは、長時間の寝たきりから起こる身体の合併症を示しています。

高齢者は身体の衰えにより、活動性が低下してきます。また、病気をいくつも抱えてはたくさんのお薬を飲んでいることもあります。

そのため、過度の安静を重視するあまり、廃用症候群という身体の合併症が出現してきます。

病気になって安静にしていることはとても大切です。しかし、過度の安静がかえって身体の合併症を併発してしまうこともあるのです。

廃用症候群のきっかけ

人間は生きている機能を使わないでいると、その機能は少しずつ低下して、筋肉が拘縮してしまいます。これは高齢者だけに限らず、生きている人間なら誰でも該当してきます。

ここで廃用症候群のきっかけとなりやすいところって、どこだと思いますか?実は入院をきっかけに廃用症候群になりやすいというデータが出ています。高齢者はいくつかの病気を抱えており、入院する頻度が多くなってきます。

入院をすると多くの場合は安静を強いられますが、この安静が長期にわたってくると、思わぬ合併症が出現してくるのです。病気は改善しても、そのまま寝たきりになってしまうケースもあるのです。

整形外科病棟で大腿骨の頚部骨折で人工骨頭置換術を受けている高齢者の方がいます。この治療は安静を強いられる入院のため、そのまま寝たきりになってしまう方もいらっしゃいます。

かりに寝たきりになってしまった場合、家族にかかる負担は本当に大変なものです。介護の苦労は相当なものです。そのまま介護施設に入所という方も、中にはいるのです。

廃用症候群が診断されるとき

実のところ、廃用症候群に対して明確な診断基準は今のところ開発されておりません。

対象となる人物の状態をみて、主観的に判断しているところです。施設によっては、廃用症候群の評価表が導入されていて、この評価表を基に対応している模様です。

廃用症候群の治療とは?

廃用症候群の治療は、症状により異なってきます。後に廃用症候群の症状を下記に示しますが、症状によっては本来の病気が改善してから、治療を開始するケースもあるようです。ケースバイケースということになってきます。

廃用症候群の予後はどうなっているのでしょうか?

冒頭でも少し触れましたが介護を必要とする期間は男性で約9年、女性で約13年です。この期間が寝たきりになる危険性が非常に高く、廃用症候群に直結してきます。

男女ともに約10年という寝たきりの期間、あなたはどのように考えますか?

この長期にわたる期間、はたして介護ができるでしょうか?仕事なら仕方のないことですが、無報酬で家族の介護です。

廃用症候群とは、当事者だけに限らず家族にも相当の負担がかかってくるのです。

廃用症候群の原因は?高齢者が注意したいその特徴は

ではここから廃用症候群の原因となるものについて、いくつかまとめていきます。

一番の原因となるのはズバリ高齢者です

廃用症候群の対象人物として、一番に上がってくるのはやはり高齢者です。高齢者は年齢とともに身体の機能が低下しており、さまざまな病気を抱えています。

そのために必要以上の安静を重視してしまい、そこから廃用症候群へとつながってしまうケースが多々みられています。高齢者だからといって、身体を動かさないでいると、そこから思わぬ弊害が発生してしまうのです。

次に多いのが寝たきりの高齢者です

上記でも触れましたが、男女ともに約10年という寝たきりの期間があります。平均寿命は延びていても、寝たきりの期間がこれだけ長期にわたってくると、さまざまな弊害が発生してきます。

廃用症候群の合併症となる症状については下記に示します。

症状によっては治療を要するために安静の必要が出てくる場合もあります。安静の上、安静ときたら、寝たきりの期間がこれ以上に長期にわたることにもなるのです。

そして、寝たきりの期間は、当事者だけに限らず家族も巻き込みます。介護疲れから最悪の場合、命を落としてしまう家族もいます。廃用症候群とは、けして当事者だけの問題ではないのです。

そして栄養が極端に低下している方も大きく関係してきます

高齢者で栄養が低下してくると、脱水の兆候が出現してきます。日中の活動性も低下して、身体を動かすことがおっくうになってきます。少し歩いただけで疲れやすくもなり、身体を動かすのが辛く体力の低下を感じ始めます。

低栄養状態が続き体力が落ちてくると、廃用症候群へと直結してきます。廃用症候群になってしまうと、さらに栄養状態は低下し、ますます悪循環の道へとつながってしまいます。

悪循環に陥ってしまうと、そこから抜け出すことは本当に大変です。可能な限り、低栄養状態とならないように、食事の必要性をきちんと説明していきましょう。

余談ですが、低栄養状態の方が床ずれになってしまうと、その創傷部位が骨に達するまでポケット状に大きく穴が空いてしまいます。悪臭をともない、治療の改善がなかなか見込めないケースもありますので注意していきましょう。

生活不活発病という言葉をご存知ですか?

廃用症候群という言葉は医学的用語です。生活不活発病は廃用症候群を分かりやすく表現した言葉です。字のとおり、生活の中で活動がない状態を示しています。

廃用症候群はどちらかというと高齢者に多く使われる言葉ですが、生活不活発病は若い人たちにも広く使われている言葉ではないかと思います。

どちらも意味しているものは同じですので、状況によって上手に使い分けると良いのではないかと思います。

過度の安静が引き起こす廃用症候群の症状は様々

過度の安静により、思わぬ合併症が出現してくる廃用症候群ですが、症状と照らし合わせて主なものを下記に上げてみました。

  • 誤嚥性肺炎(食べ物が何らかの原因によって肺に入ってしまうこと)
  • 食欲不振
  • 便秘
  • 床ずれ(医学的には褥創(じょくそう))
  • 関節の拘縮
  • 筋肉の萎縮
  • 骨の萎縮(骨がもろくなってしまうこと)
  • 心臓や肺の機能が低下
  • 起立性低血圧
  • 圧迫性末梢神経障害(麻痺症状のこと)
  • うつ状態
  • せん妄(軽度の意識混濁が出現)
  • 見当識障害(日付や居場所が分からない状態)
  • 逆流性食道炎
  • 尿路結石
  • 尿路感染症(細菌による感染症。圧倒的に女性が多いのも特徴)
老化は避けることができませんが、高齢者だからといって必要以上の安静はさまざまな機能が低下してきます。

できるだけ活動性を低下させないように、日常生活を送っていくことが何より大切なのです。

廃用症候群の予防法を今から身に付けていきましょう

そんな恐ろしい廃用症候群ですが、未然に防ぐためにさまざまな予防法が呼びかけられています。日々の生活に取れ入れて、日中の活動性を高めていきましょう。

普段の生活での不活発度をチェックしてみましょう

まずはあなたの生活の不活発度を調べてみましょう。

  • 外に出て買い物をしている
  • 金融機関への手続きは自分で行っている
  • 金銭管理は自分で行っている
  • 家事一般を行っている
  • 毎日、お風呂に入っている
  • 美容院や散髪に行っている
  • 友人や知人と積極的におしゃべりをしている
  • 家族以外に悩みや相談ができる相手がいる
  • 趣味をもっている
  • 毎日、身だしなみに気を配っている
  • 歯磨き、洗面を忘れずに行っている
  • 心の底から笑っている
  • 毎日、活字に触れている
  • 適度な飲酒を心がけている
  • タバコは吸っていない
  • 3食パランスのとれた食事をしている
  • 早寝早起きを心がけている
  • 毎日、散歩をしている
  • 排尿、排便がスムーズである

※順不同

上記はあくまでも一つの目安となるものです。結局のところ、自己管理ができているかどうかの指標ともなりますね。

社会への参加や他者との交流を積極的にはかっていきましょう

高齢者は自宅に引きこもりがちとなり、社会への参加が極端に少なくなっていきます。社会につながっていることは、本人にとっても大切なことです。社会参加をとおして他者との交流をはかり、色々な刺激を受けることは生活にはりを持たせます。

現在の社会情勢をメディアから受けることも大切ですが、人を介して得た情報はまた格別の意味があります。おしゃべりすることにも意味があり、そこに笑いがあれば幸せホルモンがたくさん出てきます。

笑いの効果は人を介して得た方が、有効ともいわれています。社会参加を積極的にしていきましょう。

あなたの意欲や生きがいはどうでしょうか?

高齢者だけに限らず、生活に意欲や生きがいがある人は、見た目がイキイキとしていて若々しいと思いませんか?意欲や生きがいはその人自身を成長させていきます。

生きがいは何でも良いのです。たとえ人から認められなくてもいいのです。

それがあるだけで自分はイキイキとしていられる、そんな生きがい探しを今日から見つけてみてください。

筋力強化を目指してレジスタンス運動をしていこう

レジスタンス運動、耳慣れない言葉かもしれませんが、基礎代謝量を上げる運動として、脚光を浴びています。運動不足の方や高齢者にもお勧めできるとても簡単な有酸素運動のことを示しています。

レジスタンス運動の代表となるものは、

  • ダンベル運動
  • ストレッチ
  • 腹筋
  • 腕立て伏せ

など、筋肉に負荷をかけていく運動です。どれもが自宅で簡単に行うことかできます。

筋肉を使わないでいると、やがて筋肉はかたまって拘縮してしまいます。レジスタンス運動は筋力強化アップには抜群の運動法です。ぜひ、積極的にレジスタンス運動を取れいれていきましょう。

歩くことのできる人はなるべく歩行の時間をとるようにして足腰の筋力低下を防ぎます。横になっている時間の長い人でも、起き上がれる人はなるべく起き上がって過ごす時間をとるようにします。

また寝たきりの状態でも手や足が動かせる人はグー・チョキ・パーを繰り返したり足首を屈伸させるなどして関節を動かすようにします。

高齢者やまひのある人で寝たきりの人は衰弱が進みやすいため、リハビリが必要です。自分で動けない場合は体の向きを変えてもらったりマッサージをしてもらうといった補助でも効果が期待できます。

老化によって体の機能が低下してくると自然と活動量も減ってきます。高齢期に入ったら、身の周りのことはなるべく自分で行ったりウォーキングを日課にするなどして意識して体を使い機能低下を防ぎましょう。

身体の運動とともに食事リハビリも忘れずに

予防やリハビリはどうしても身体の面だけに集中してしまいますが、食事のリハビリも絶対に忘れてはいけません。

生きていくためには食事をすることが当然ながら必要となってきます。その食事一つにも質にこだわって、良質な食事を摂取するように心がけていきましょう。

良質なものを身体に取り入れていくことは、健康な身体を作っていく基本となります。そうバランスのとれた食事が何より大切なのです。

寝たきりゼロを目指していこう

平均寿命が延びている一方、寝たきりの期間も同時に延びています。男女ともに約10年という寝たきりの期間を少しでも短くするために、さまざまな打開策が試みられています。

しかし、現在の食に溢れた食生活や生活習慣病にかかっている人の増加などから、寝たきりの期間はますます延びてくるものと思います。

寝たきりゼロを目指していくためには、高齢者になってからではすでに遅いのです。若い内から健康な生活を心がけて、生活習慣病と無縁の生活を送っていくことが何より大切なのです。

廃用症候群は、必要以上の安静を強いられることで発症することが分かりました。高齢者だからといって、身体を動かさないでいると、さまざまな弊害が生じてきます。今まで普通に歩けていたものが、入院をきっかけに寝たきりになってしまうこともあるのです。

歩けない不自由さは当事者にしか分かりません。人間だから2本足で歩けるのです。そう歩けることはとても幸せなことなのです。

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