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老化防止の効果はビタミンB1とQ10を含む食品で得るのが一番

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老化と言う言葉からはさまざまな現象が連想されます。容姿の衰えや記憶力の低下、病気になりやすい状態、そして何より体力の衰えですね。一言でいうと「元気がなくなって行き、回復しないこと」なんですね。

最近では「元気の出るサプリ」としてすっかり定着した感のある、コエンザイムQ10。20歳ごろをピークに体内の存在量が減るため、40歳くらいになったらサプリを飲もうと言った宣伝が見受けられます。

また、世の中には他の栄養素や運動や生活習慣など、老化防止の方法がさまざま紹介されています。そんな中にあって、コエンザイムQ10とは、本当にサプリで摂らなければいけない物なのでしょうか。その働きから見て行きましょう。

そもそもコエンザイムって何だろう?コエンザイムQ10の3つの働き

コエンザイムと言うのはエンザイム(酵素)とともに働き、補うものと言う意味です。ですから日本語では補酵素と呼ばれていますね。

コエンザイムはQ10だけではなく様々な種類が存在します。最も重要な働きを持つものはコエンザイムA、略号CoAですね。さまざまな反応に寄与するので結合した物の名前を結び付けて命名されます。

糖質などの代謝の際に必ず登場する補酵素はアセチルCoAと言う名前です。名前くらいはお聞きになったことがあるんじゃないでしょうか。

CoQ10はどんな働きを持っているのか

名前が長いので、ここからはCoQ10と略しますね。これは大きく分けて3つの働きを持っています。

1つ目はエネルギーを作り出す働きです。

細胞内小器官であるミトコンドリアは栄養素からエネルギー物質であるアデノシン3リン酸・ATPを作り出します。

このプロセスの中で重要な働きを担っている、電子伝達系と呼ばれる複雑な4ステップのうち、最初の3ステップに関わるのがCoQ10なのです。

ですからCoQ10が不足するとエネルギーが作り出しにくくなります。

2つ目は心機能を改善する働きです。

これは1つ目の働きに関連するものですが、心臓は一時も休まず筋肉を働かせ続ける器官ですから、エネルギー不足はたちまち機能の低下につながります。

日本人の平均寿命は男性80歳代、女性で86歳代ですね。真ん中を採って、生まれてから83歳までとしても、心臓の筋肉は30億回以上も収縮と拡張を繰り返しているのです。

3つ目は抗酸化作用です。

これはCoQ10が直接合戦酸素種を取り除くのではなく、強力な抗酸化能力で活性酸素種を除去したビタミンEが、その働きでビタミンEラジカルに変化したものを還元して元に戻す働きです。

ビタミンEとCoQ10が一緒にある状態では、人間の体内では酸化ストレスがかかった時でも、活性酸素は増えずビタミンEも減りませんが、CoQ10だけは減って行きます。

つまりCoQ10は活性酸素を取り除いて変化したビタミンEラジカルを瞬時にビタミンEに還元しているんです。この働きはビタミンCの抗酸化力と共通しますね。

CoQ10は体内でも生合成される物質だけど…サプリでなく食べ物から摂りましょう

CoQ10は三大栄養素である脂肪や糖質、アミノ酸から体内で合成されます。

詳しい研究が進むまでは、必ず食べ物から摂らないといけない物質と言うことでビタミンQと呼ばれたこともあったのですが、生合成されることが分かったためビタミンからは除外されました。

CoQ10には酸化型と還元型がある

CoQ10の研究が行われていた初期の過程においては、体内にあるCoQ10の多くが酸化型として検出されていたため、大切なのは酸化型CoQ10(ユビキノン)だと考えられていました。

しかし、分析方法が進歩を遂げた現在、体内にあるCoQ10の95%以上が還元型CoQ10(ユビキノール)であることがわかりました。

先にお話しした通り、大変強い抗酸化力を持っているCoQ10は、自分自身は極めて酸化されやすい物質なのです。なので、分析するためにサンプルを調整している間に酸化されてしまっていたんですね。

実際、ある研究者の先生によると、還元型CoQ10を有機溶剤に溶かすと数分で酸化されたそうです。

体内で合成されるけれど食べ物からも摂らないといけない

体内で合成されることが分かったため、今度は「体内で合成されるのだからわざわざ食べ物から摂らなくても良い」と言う誤解が広がったそうです。

しかし、輸液によって栄養を供給されることになった人の血液検査のデータの推移から、体内で生合成されるCoQ10は必要量の半分ぐらいであることが推定されたそうです。

つまり、全体としての必要量の半分は食べ物から摂らなくてはいけなかったんですね。現在、日本とヨーロッパでのCoQ10の食品からの摂取量は1日当たり5mg程度だと推定されています。

これと輸液によって下がる血中濃度から計算すると、いわゆる還元型CoQ10サプリメントより、普通の食品から摂った方が吸収効率が数倍高い事が判ります。

あるサプリの広告によると1日当たり120mgを摂ると、摂らなかったときの3倍以上に体内の濃度が上がったとあります。仮に3.5倍だとすると、食べ物から0.5、生合成で0.5、サプリで2.5の割合ですね。

つまり、食べ物から5mg摂った分が0.5に相当し、サプリで120mg摂った分が2.5に相当するわけですから、食品からの吸収効率はサプリより5倍近く高いと推定することもできるわけです。

年齢を重ねると体内からCoQ10が減ってくる

実際に、体内のCoQ10含有量は、年齢を重ねるにしたがって少なくなってくると言うデータがあります。だからサプリで摂りましょうと言う話になるのですが、ちょっと待ってください。

このような商業的なデータを見ると、体内のCoQ10減少は加齢に伴う生合成能力の低下が原因だとされています。しかし、もともと必要量の半分は食べ物から摂れていたわけですよね。

加齢に伴って減少するのは生合成能力だけではない

CoQ10(ユビキノン/ユビキノール)の物質名の由来ですが、2000年代半ばにIT関連用語で少しブームになったユビキタスと同じものです。つまり「あまねく・どこにでも」と言うところから来ています。

つまり、動物性のものを中心に、様々な食品に広く分布している物質だと言うことなんですね。日本人の場合40%程度を肉類から摂っているとも言われています。

植物ではブロッコリー、大豆、シソ、ごま、ピーナッツなどにはそこそこ含まれています。

お魚では青魚に多く含まれています。一般的な食品全体としてみた場合、イワシの含有量がトップですね。少し下がって、鯖と豚の含有量が同程度と言う感じでしょうか。

いずれも若い時には多く食べますが、年齢とともに食べる量が減ると思いませんか。一方、歳をとると良く食べるようになる白身魚や鶏のささみにはあまり含まれていません。

また、これが意外な落とし穴だったんですが、たまごに含まれる含有量は30年前の1/3にまで減っているそうです。

これは、30年前にはイワシが豊富に獲れたため卵用鶏のエサに使えていたものが、現在では価格高騰で使えなくなっているんですよ。

また、昔は干鰯(ほしか)と言って、イワシを肥料に使っていたんですが、現在ではそんな贅沢なことはできなくなっています。ですので、必然的にCoQ10の供給源がお肉に偏ってくるんですね。

健康を維持するだけなら食べ物から摂る分で足りる!サプリは必要ないかも?

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このような事情がありますので、年齢を重ねてもお肉はしっかり摂るようにしましょうね。なにもコレステロールが急上昇するほど大量に食べる必要はありません。

「年齢を重ねたからお肉はもう要らない」などと枯れちゃわないで下さいと言うことです。

特別な事情がない限りサプリは必要ないかもしれません

CoQ10の団体によると、一日摂取量は100mgと主張しているみたいですね。もちろんサプリで摂って下さいと言うことです。

そのデータを基にした宣伝では、イワシが26匹とか牛肉を3kgとか、とても食べられない量が示されています。グラフから見ると豚肉やサバでも2.5kgくらいは要りそうです。

しかし、先に挙げた実験データから見れば食品からの吸収効率は5倍くらい高いので、イワシ5.2匹、牛肉600g、豚肉やサバ500gくらいで間に合います…食べられなくもないでしょうが、それでも多すぎますね。

一方、医薬品として用いられるCoQ10について見てみましょう。

日本では、医薬品として使用する場合のコエンザイムQ10の上限量は1日に30 mgです。

一方、食品として流通している海外メーカーコエンザイムQ10製品のその含有量はこの医薬品上限量を遙かに超えており、日本の健康食品でも医薬品として用いられる量を超えた製品が流通しはじめています 。

ただ、CoQ10については高用量での安全性が高いものだと言う認識もあるため、現段階では用量上限値は定めるに足るデータがないともされています。

しかしながら、ここに出てきた一日量30mgと言う公の基準をもとにすれば、吸収効率の高い食品による場合、イワシなら1匹半あまり、牛肉なら180g、豚肉やサバなら150gで一日量を満足します。

朝ごはんにイワシを一匹、お昼ご飯に豚丼(お肉75g)、夕食に牛のヒレステーキ90gくらいのうち、どれか二つを摂れば間に合っちゃいますよね。もちろん朝ごはんにステーキでもOKですよ。

元気を出すのに必要なもう一つの要素ビタミンB1

CoQ10がミトコンドリア電子伝達系に働きかけて、エネルギーを効率よく作り出すことで元気が出ることは先にお話しした通りなんですが、実はその前段階もあるのです。

その前段階を活性化しないと、いくらミトコンドリア電子伝達系が早く動いてもエネルギー不足になりますよね。

三大栄養素全部がエネルギーになる

エネルギーの産生は非常に複雑なので、大まかな説明にとどめておきます。

まず糖質はブドウ糖として吸収されエネルギーを使いながら代謝され、そのあと今度はエネルギーを生み出しながらピルビン酸と言う物質になります。そしてさらにアセチルCoAになってクエン酸回路と言うものに組み込まれるのです。

脂質は脂肪酸が分離されて酸化されるβ酸化の過程を経てアセチルCoAになり、クエン酸回路に入って行きます。

アミノ酸はピルビン酸やアセチルCoA、オキサロ酢酸になってクエン酸回路に入るものもあれば、最初からクエン酸回路中に存在するフマル酸やコハク酸、スクニシルCoAになるものもあります。

いずれにせよ、三大栄養素はすべてクエン酸回路と言う代謝の流れの中に組み込まれてエネルギーを作る流れを作り出します。この後にCoQ10の活躍するミトコンドリア電子伝達系があると言うわけですね。

そうなると、クエン酸回路が順調に働くことが大事になります。そしてそれをもたらしてくれるのがビタミンB1なのです。

ビタミンB1は豚肉や穀類、ナッツなどに多く含まれています。普通に豚肉を含んだ食事をしていれば必要量は充分摂れると思います。

何らかの事情で不足するようであればアリナミンのようなビタミンB1誘導体を主成分にしたOTC医薬品をお求めになるのが良いでしょう。

そしてここでも豚肉が出てきましたね。ヒレなど脂肪分の少ない豚肉は中年の星になるかもしれませんよ。

CoQ10の生合成を邪魔する医薬品がある

このように、CoQ10はちょっと食生活を見直すだけで充分摂れる物であることが判ります。一方で摂りすぎても目立った危険はありませんから、サプリで摂るのもOKです。

食生活だけで改善できるのに、高いサプリを買うのがもったいないかなと言う程度ですね。

しかし、お薬の中にはCoQ10の体内での合成を阻害するものもあります。そうしたお薬を使っている場合にはサプリも視野に入れましょう。

CoQ10が合成される経路は途中までコレステロールと共通している

詳しい経路は省略しますが、先にお話しした三大栄養素のすべてから代謝されてできるアセチルCoAと言うものがありましたね。これはHMG-CoAレダクターゼと言う酵素の働きでメバロン酸と言うものになります。

このメバロン酸はさらにいくつかのステップを経てスクアレンになり、コレステロールへと合成されてゆきます。

一方、スクアレンになる前の段階で生合成の経路は枝分かれします。そして、チロシンと言うアミノ酸から代謝されてできる物質と結びついてCoQ10が生合成されるのです。

有名なスタチン系のお薬はCoQ10の生合成を邪魔する

一般名が○○スタチンであるコレステロールの改善薬があります。商品名としてリピトールが最も有名ではないでしょうか。

もしコレステロールのお薬を処方されていたら、薬局で出されるお薬の説明書に「コレステロールを改善する・スタチン系の薬」と書いてないかを確認してみましょう。

このスタチン系のお薬は上でお話ししたHMG-CoAレダクターゼの働きを抑えることでコレステロールの生合成を邪魔します。

つまり、メバロン酸ができにくくするわけですね。でも、メバロン酸はCoQ10の原料でもありますから、このお薬を飲むと体内でのCoQ10の生合成が減ってしまいます。

このようなお薬を飲んでいる方は、CoQ10をサプリから摂ることをお考えになっても良いと思います。

酸化型(従来型)と還元型のどちらを選ぶか

これにはビジネスに関係するバイアスがかかっていない情報が見当たりませんでしたので、何とも言えません。

実際体内では還元型のCoQ10が95%以上と言うことですが、小腸で吸収される際に、酸化型であっても還元されつつ吸収されるからそのようになっているようです。

また、還元型が非常に酸化されやすいことは先にお話しした実験でも明らかです。ですので、pHが1.5~2くらいと強い酸性である胃を通って小腸にたどり着くころには酸化されてるんじゃないかと言う気もします。

脂溶性で空腹時の吸収が悪いCoQ10の吸収効率を上げることも目的にした、環状デキストリンで包摂してしまうと言う加工で、酸化が防止できるのかどうかも不明ですね。

従来型と還元型ではお値段にも差がありますから、どちらを選ばれるのかはご利用になる皆さんにお任せするしかないと思います。

安全だが多量に摂るのは無意味

アメリカで、医療用として毎日1200mgもの大量のCoQ10を16ヶ月間も投与しても、特に副作用はなかったと言う報告があります。

その他にも、高用量の使用でも安全性が高いと言う報告は数多く見受けられますね。しかしながら、一方でCoQ10は脂溶性なので体内に蓄積されると言う懸念がありました。

でも、この懸念も払拭されているようです。動物実験ですが、大量投与しても血中濃度が一定に達した後はそこで定常化して、それ以上は増えなくなったと言うデータが得られています。

安全性を証明すると同時に、より強い効き目を期待して摂っても、一定以上は身体の中に残ってくれないと言う性質もあることが証明されたようですね。

ですから、従来型と還元型を選ぶのと同じように、使う金額と睨み合わせてお考えいただくのも一つの方法じゃないかと思います。

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