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突然死につながる心室細動とは?知っておきたい公共の場での救命法

心室細動とは

心臓の病気で多いのが不整脈です。これは正常なら規則正しくリズムを打っているはずの心拍が不規則になる症状のことです。不整脈にはさまざまな種類があり、無症状のものもあれば命に関わる危険なものもあります。

危険な不整脈には、心停止につながる「心室細動」があります。もし人が意識を失って倒れたら、その原因のひとつには「心室細動」も考えられます。すぐに応急処置をしないと死に至る可能性が非常に高いです。心室細動とはどのよう病態なのでしょうか。

ヒトの心臓は左右の心房と左右の心室の計4つの器官から構成されています。心室は心臓の下半分にあり、心臓の血液を全身に送り出す役割を持っています。

心房は電気信号を受けて収縮し、心室は心房から電気信号を受けて収縮と弛緩を行います。この動きによって心房→心室→動脈へと血液が送りだされます。これが心臓の拍動(心拍)です。

正常な状態の心拍は力強く等間隔の周期で行われます。左胸に耳を当てたり、手首の動脈を指で押さえると規則正しいリズムを確認することができるはずです。ただし、なんらかの原因によって心拍の周期が異常になる不正脈が起こることがあります。

心室細動の場合は、心室に細かいけいれんが起こっている状態です。この時、心室は細かい不規則な動きをしているだけで規則正しい収縮が起こしていないために、心室から血液を送り出すことができません。

全身の血液の循環が止まるので血圧が急激に低下し数秒後には0となる心停止の状態に陥ります。脳に血液が行きわたらなくなるので意識は喪失してしまいます。心室細動で人が突然倒れるのはそのためです。

そして全身の器官に血液が送られなくなり、3分経過すると脳死の可能性も高くなります。最終的には心臓が完全に停止し、死にいたりますが、心停止から1分ごとに生存率がおよそ10%ずつ低下するとされており、一刻の猶予も許さない状態です。

心室細動が起きている人の命を救うためには、除細動(細動をおさめて正常な拍動を取り戻す)が必要です。方法には電気ショックによる除細動があります。もし公共の場で心室細動を起こした人に遭遇したら、まず救助を呼び、救急隊が到着するまでは応急処置をしなければなりません。

目のまで突然に人が倒れたら周囲の人もパニックになってしまいますが、心停止の場合は迅速な応急処置が生死を左右しますので、万が一のために是非とも救命方法を覚えておき、怖がらないで処置をとってください。

心室細動の応急処置

心室細動の原因のほとんどは心筋梗塞や心筋症といった心臓疾患によるものですが、健康な人でもスポーツ時に起こったり、体液のミネラルバランスが異常になった時に突然起こる場合もあります。症状は意識喪失、脈拍喪失、けいれんがあげられます。心室細動に気付いたら

1.救急車を呼ぶ
2.心臓マッサージを行う
3.自動体外式除細動器(AED)を使う

の順番で処置を行います。まず、倒れた人を仰向けにして呼吸の有無を確認します。呼吸がなければ心臓マッサージが必要です。不規則な呼吸は心停止の症状なのでこの場合も心臓マッサージを行います。

心臓マッサージは胸の中央に手のひらを置き、全体重をかけて胸が沈むくらい強く押します。1分間に100回以上のテンポで押し続けます。もし人工呼吸ができれば、心臓マッサージ30回と人工呼吸2回を繰り返します。

人工呼吸はあごを上に持ち上げて気道を確保し、鼻をつまんで口から息を吹き込みます。空気が気道から入って胸が上がるのを確認します。ハンカチや薄い布越しに行うと良いでしょう。ただし、口が汚物で汚れているなど、ためらわれる場合はしなくてもかまいません。

AEDは公共施設や店舗などに設置されていることが多いので、もし近くにあればAEDを使います。電流が流れる機器ですが誰でも使える簡単なものなので、その場にいる人がためらわずに除細動を行ってください。

AEDは音声ガイドが流れるのでその指示に従って操作を行えば除細動ができます。電気パッドを胸に貼って音声ガイドに従って電気ショックを流します。電気ショックが流れる際には注意のメッセージが聞こえるので、感電を予防するためにAEDから離れます。

電気ショックを流すタイミングはAEDが判断して指示を出しますので心配はいりません。電気ショックを流す時以外は救急隊が駆け付けるまで常に心臓マッサージを続けます。また、AEDがない場合には心臓マッサージを続けます。

AEDの使い方や心臓マッサージ・人工呼吸の方法は、学校や職場、地域などで講習会が行われることがあります。人命救急をする機会はめったにないかもしれませんが、自分には関係ないと思わないで機会があったら是非参加して方法を身につけておいていただきたいです。

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