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猛暑の夏においしいビール!尿道結石を悪化させるって知ってました?

私が小学生だったころ、祖母が茶飲み友達の家で倒れたことがあります。七転八倒の苦しみように、動揺した祖母の友達から「いま救急車を呼んだ」という電話をもらい、私はあわててニトログリセリンの錠剤をひっつかみ、自転車に飛び乗りました。

祖母には狭心症の持病があったので、その発作が起きたのかとおもったのです。そしたら救急車で運び込まれた病院で、お医者さんに「結石です」と。

祖母はそのとき、泌尿器科のお医者さんに、毎日たっぷり水を飲んでどんどんおしっこを出しなさい、と言われたそうです。ビールを飲むのもいい、と。

昔は医者もビールを勧めた

結石はシュウ酸の結晶です。シュウ酸は植物のえぐみや酸味ですね。このシュウ酸、キャベツやブロッコリーのなかまのほか、ホウレンソウや春菊にもたっぷり含まれます。

最近はサラダホウレンソウなんてのもありますが、あれはもともとのホウレンソウに比べると、生食できるくらいシュウ酸の量が少ない種類です。おひたしや鍋にすると水に溶け出してしまう、というだけあって、シュウ酸は水に溶けやすい性質を持っています。

水に溶けるので腸から吸収されやすい。そして血液に乗って体中を廻り、腎臓で漉されて原尿のなかに排出されます。原尿は尿のうすーい原液で、一日にポリタンク10コ分。これが尿細管を通るうちに濃縮されるんですが、そこで、やはり原尿中に排出されたカルシウムと結合します。

シュウ酸は水に溶けますが、シュウ酸カルシウムは水に溶けません。そこで析出して結石の子供みたいな細かい粒ができます。これがたくさん集まったのが尿路結石です。

尿路というのは、腎臓から膀胱を経て尿道にいたる、尿の通り道の総称。細かい結石の子供はどんどん腎臓から送られてくるので、尿路のどこかで大きく育ってしまうのを防ぐには、じゃんじゃん流して外に出してしまえばいい。

そこでビールです。ビールには利尿作用があります。これはもう実体験でご存じかと。夏、ビヤガーデン、キンキンに冷えた生中。飲んだ端からトイレに行きたくなります。これは冷えた水モノを一気に飲んだせいというより、アルコールによる利尿作用です。

ここでさっきの原尿の話。原尿が尿細管を通るうちに濃くなるのは、脳から出る抗利尿ホルモンというホルモンが働くからです。抗利尿ホルモンは、血液の量や濃さを調節するために、尿細管から体の中に戻す水分の量を調節しています。

アルコールは血液にまじって脳にやってきて、この抗利尿ホルモンの分泌を抑えてしまいます。それで、原尿を濃縮する働きが弱くなって、どんどん薄い尿ができ、トイレに行きたくなるというわけです。

残念ですが、尿路結石の方にビールはお勧めできません

ビールを中ジョッキで一杯。利尿作用のせいで、中ジョッキで摂ったビールよりも多い量の水分が出て行ってしまいます。体温が上がって汗もたくさん。一杯やって気分良くなっているうちに、血液が濃くなっていきます。

ビールのつまみは脂っこいものが多いです。唐揚げとか。動物性のタンパク質と脂質が血中にたくさんあると、尿中に排出されるカルシウムが増えます。あとは定番の枝豆。これにはシュウ酸がたっぷり。ビールを飲んだあと、水分とらなきゃと思ってウーロン茶を頼むと、これにもシュウ酸がたくさん。

カフェインにも利尿作用が。飲めば眠くなります。眠っているあいだにアルコールが分解されて、アセトアルデヒドを経て酢酸になって、利尿作用も収まったころ、あなたの腎臓はどろどろになった血液を濾しています。いつもより濃い目の原尿ができます。

しかもシュウ酸とカルシウム、つまり結石の材料がたっぷりの。これだけでも結石ができる危険性が高まっているのですが、眠っているあいだは、脳がさっきの抗利尿ホルモンをたくさん出しているので、さらに尿が濃くなります。

なぜならたっぷり眠りたいからです。せっかく休んでいるのに尿意に邪魔されちゃたまらない。だから尿意を抑えるために、尿の量を減らそうとして濃い尿をつくるのです。これはもう、結石ができるのに最適の状態です。

やっぱり水!

ビールのあとは水です。おなかががぼがぼになりそうなら、トイレに何度か行ったあとでも。とにかく水。寝る前にも水。スポーツドリンクなら砂糖の入っていないもの。砂糖は尿中にカルシウムを排出させます。

水以外ならカフェインの入っていないもの。麦茶もいいとおもいます。最後に、さんざん悪者にしてしまったカルシウムですが、食事といっしょに摂ると、腸のなかでシュウ酸カルシウムを作ってくれます。

尿の中でシュウ酸と結合してシュウ酸カルシウムになると結石のもとになりますが、腸の中なら大歓迎。体に摂りこまれずに外に排出されます。枝豆を頼むときは、鰹節のたっぷりかかった冷奴をごいっしょに!

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