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食後の腹痛や下痢は病気です!潰瘍性大腸炎を防ぐ食事の勧め

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監修

鈴木康夫主任教授

東邦大学医療センター佐倉病院

お腹は大変デリケートです。食べ過ぎやちょっとのストレスでも過敏に反応して腹痛や下痢をおこしてしまいます。

しかしそれがいつも食後にやってくるとなると潰瘍性大腸炎の疑いもあるので注意が必要です。

「お腹弱いから…」なんて言ってる場合じゃありませんよ!潰瘍性大腸炎という病気をしっかり把握しておきましょう。

近年増加し続ける潰瘍性大腸炎患者

潰瘍性大腸炎は原因がはっきりとわかっておらず難病に指定されています。

しかし腸に負担がかからない食事に加え、整腸剤などを飲むことによって症状は抑えることができます。たかが腹痛や下痢だと軽く思わないことが重要です。

じつは潰瘍性大腸炎は30年ほど前まではとても患者数の少ない病気でした。しかし近年になってグンと患者数がアップしてきました。とくに20代~30代の人に多いのが特徴であり、男女の差はありません。

では30年前と今を比べるといったい何が変わってきたのでしょうか?

それはやはり欧米化した食生活と格差社会の世の中によるストレスの増加でしょう。食べ物とストレスは直接的にお腹に影響を与えてしまいます。

潰瘍性大腸炎の原因は今だに不明なだけに、とにかく早めに気づいて対処することが大切です。そんな潰瘍性大腸炎が疑われる症状のひとつが食後の腹痛と下痢なのです。

潰瘍性大腸炎と過敏性腸症候群

なぜ食後すぐに腹痛や下痢がおこるのでしょうか?だって食べた物がすぐに出るわけではありませんよね。

その原因の多くは精神的なものだと言われています。なぜならば腸は脳とは別に、独立して動くことができるからです。

身体の機能のというのは脳からの命令がなければ動くことができません。

ところが腸は、たとえば交通事故に合い、脳死状態になったとしても、正常に動き続けるのです。これが「腸は第二の脳」と言われる所以です。

精神的なストレスで腸が過敏に反応してしまう病気を過敏性腸症候群といい、近年ではこのお腹の症状に子供から大人まで多くの人が悩んでいます。

食後は腸のぜん動運動が促されるために活発になるのが普通ですが、ストレスなどが加わるとそれが過剰に活発になりすぎて腹痛や下痢を起こしてしまうのです。

問題としては、過敏性腸症候群は大腸の検査をしても”とくに異常がない”と判断されてしまうのが特徴です。

だからといっていつもの精神的な腹痛や下痢だと油断していてはいけません。なぜならば潰瘍性大腸炎の初期症状はこの過敏性腸症候群とそっくりだからです。

潰瘍性大腸炎の症状

過敏性腸候症群だと思っていたら、じつは別の病気だった。ということがあります。

大腸の病気はいろいろありますが、代表的なものが潰瘍性大腸炎です。では過敏性腸候症群と同じ食後の腹痛、下痢以外の、潰瘍性大腸炎の特徴をあげてみましょう。

  • 血便
  • 白い粘液
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 発熱

痔の場合も血便が出ることがあります。しかし痔は真っ赤な鮮血なのに対して潰瘍性大腸炎の場合は大腸の中から出血するために赤黒い出血があるのです。

また便に白い粘液が付くのも特徴的であり、時には排便だけでなくおならの時でも粘液が出てくることがあります。また食欲不振による体重減少と、さらに症状が進めば発熱することもあります。

どんな病気なの?

大腸は部分によって名称が違ってきます。肛門から順にみていくと、

直腸

S状結腸

下行結腸

横行結腸

上行結腸

盲腸

と分かれます。潰瘍性大腸炎はまず肛門に近い直腸から炎症が起こり始めます。

症状がさらに進むとお腹の左側のS状結腸、下行結腸にまで炎症が広がっていきます。このため、食後の腹痛や下痢の時にとくに左側が痛む場合は要注意です!

そしてさらに症状が悪化してしまうと大腸全体に炎症が広がってしまい、重症レベルとなってしまいます。

出血は炎症によるものですが、大腸ガンなど命にかかわる病気が潜んでいることもあるので、出血した時点で必ず病院を受診してください。

潰瘍性大腸炎を疑い病院に行き診察を受けても、ハッキリと潰瘍性大腸炎だと診断されないこともあります。

しかし、いったん潰瘍性大腸炎と診断された場合は難病なだけにとてもやっかいなことになってしまいます…。潰瘍性大腸炎は完治することが難しく、良くなったと思っても何度も再発するパターンがとても多いからです。

ですから日頃から大腸の調子に気を配る食生活にしていくことが大切です。

まずはしっかりと乳酸菌が摂れる食生活にしましょう。ヨーグルトや納豆など、乳酸菌をたっぷりと含んだ食事をすることが大切です。

人によってさまざまな腸内環境を網羅的に改善するオリジナル配合で、腸内環境を整えるのをサポートしてくれます。


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また、腸に負担をかける肉を頻繁に食べるのではなく、できるだけ野菜や魚中心の食事を心がけてください。

和食は一番お腹に負担をかけませんので、ファーストフードなどのジャンキーなものは控え、和食を取り入れてください。

コーヒーやアルコールなどの刺激のあるものは控え目にしてください。お腹を冷やす食べ物も腸にとっては大敵ですので、控えるようにしましょう。

しかしあれもダメ、これもダメと徹底的に我慢してしまうのもよくありません。それは潰瘍性大腸炎の予測される原因が過敏性腸候症群と同じく、ストレスも大きく影響していると考えられるからです。

ですからある意味、潰瘍性大腸炎や過敏腸候症群などの病気は完治するという気持ちよりも、上手に付き合っていくという楽な気持ちを持つことも大切です。

とは言いつつも、気を付けてほしい点についてだけ下記にまとめておきますね。是非参考にしてください。

OK…積極的に取り入れよう

  • ヨーグルトや納豆などの乳酸菌を含む食品
  • 和食
  • 野菜や魚中心の食事
控えめにするもの

  • コーヒーやアルコール
  • お腹を冷やす食べ物

腸疾患の免疫異常

最近になり潰瘍性大腸炎は「免疫の異常」も原因ではないかと考えられるようになりました。

腸の仕事は消化吸収だけではありません。身体の中に入ってきた食べ物を分解して、無害なものにしてから吸収するという免疫の役割があります。

しかし何らかの原因でこの免疫の働きに異常がおこれば、身体に不要な有害なものまで吸収してしまうことになります。

腸の壁が身体という家の玄関のドアだとすれば、その玄関の鍵が壊れてしまった状態になるわけです。身体に害のあるものが泥棒のようにどんどん入ってきてしまうのです…これはこわい。これにより腸が炎症してしまうのではないかと考えられています。

早めに対処して予防する

ご紹介してきたように潰瘍性大腸炎は原因が不明なだけに完治が難しく、とてもやっかいな病気です。日常的に腹痛や下痢をおこしていては生活にも支障が出ますし、また何よりも精神的に落ち込んでしまいます。

食後にいつも腹痛や下痢が起こる人はひとりで悩まないで、一度病院の消化器科を受診されることをおすすめします。

潰瘍性大腸炎が増えてきたといっても、そこまで進行する人はまれです。

大切なのは潰瘍性大腸炎になる前に早めに気づいて、日頃の食生活や生活習慣などを見直すことです。潰瘍性大腸炎はたとえ原因不明といっても、やはり何らかの原因は必ずあるもので、火のないところから煙はたたない!まさにこれです。

ストレスをなくすことは難しいことですが、食事に気をつけることならば誰でも努力することができます。

潰瘍性大腸炎という火事をおこさないためにも、食後の腹痛や下痢が気になる方は、まず食生活を一度見直してみてくださいね。

★この記事の監修者

鈴木康夫主任教授

東邦大学医療センター佐倉病院

滋賀医科大学医学部卒業後、千葉大学医学部付属病院第二内科に勤務、アイルランド共和国トリニティー大学を2年留学、医学博士(乙種)取得、東邦大学医療センター佐倉病院内科(助教授~教授~副院長)経て現職、兼 IBDセンター(センター長)。 厚生労働省難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(研究代表者)

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