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乳歯の虫歯による悪影響と乳幼児に行う正しい歯磨きの方法

赤ちゃんが生後7か月くらいになると、下の前歯から順番に乳歯が生えてきます。歯が生え揃っていくとともに、母乳やミルクを卒業し、離乳食を食べさせる時期になります。その後、乳歯が生え揃ってくるわけですが、乳歯を大切にすることは、将来の歯の健康だけでなく、様々な病気の予防にも関わっています。乳幼児の歯を健康に保つ方法や病気との関係をご紹介します。

乳歯が健康でなければいけない理由

乳歯はやがて永久歯と生え替わるのだから、少しくらい虫歯があってもそのままで良いと考える人がいるかもしれません。確かに、永久歯と生え替わることはその通りですが、乳歯を健康にしておかないと、後々大変なことになってしまうのです。

乳歯のすぐ下の永久歯に影響が及ぶ

乳歯は生後7か月くらいから生え始め、だいたい3歳くらいまでに、全ての歯が生え揃います。この時、乳歯の下にはすでに永久歯がスタンバイしていて、体の成長とともに少しずつ乳歯を押し上げていきます。

この時、もし乳歯が虫歯であったり歯周病が起こっているとしたら、すでに形成されている永久歯にも虫歯菌や歯周病菌が入り込むことになります。表面上は乳歯しか見えない状態であっても、乳歯の虫歯や歯周病は、その奥にある永久歯にも影響を及ぼすのです。

ですから、乳歯がいずれ生え替わるといっても、決して虫歯になって良いというはずもありません。

乳歯は永久歯の歯ならびに影響を与える

乳歯のすぐ下には永久歯が待機していて、だいたい7歳くらいから12歳前後で、乳歯は永久歯と入れ替わります。ちょうど小学校の5~6年生くらいにあたります。この時、永久歯は乳歯の歯根を目標にして、歯茎の上に向かって出て行こうとしています。

もし、乳歯が虫歯になったりして、歯が本来の脱落時期よりも早く抜け落ちたり、治療のために抜歯されたりすると、永久歯がどこに向かって生えてよいのか、目標となる乳歯の歯根がないために、正常な位置に生え揃わないことがあります。

これが歯並びが悪くなる原因となり、将来に渡って歯並びの悪さのために、一生困ることになるかもしれないのです。ある調査では、歯並びが悪い人ほど就職率が低いというデータもあるようです。歯並びは人生の進路に関わる問題にもなるのです。

乳歯の歯周病は全身に悪影響を与える

歯の健康を守るためには、歯そのものも重要ですが、歯を支える土台となる歯茎も重要です。乳歯そのものは、いずれ永久歯と生え替わるのですが、歯茎や歯周の部分は、乳歯の頃から永久歯になっても替わることがありません。

もし、乳歯の時に歯周病にかかっていると、その影響が永久歯にも及ぶのは当然のことと言えます。そして、歯周病は決して歯や口の中だけの問題ではありません。歯周病菌が歯茎から侵入して血管をめぐり、様々な臓器や器官に悪影響を及ぼします。歯周病が原因で発症したり、悪化する病気には次のようなものがあります。

  • 糖尿病
  • 心臓病
  • 肺炎
  • リウマチ
  • 神経痛
  • 皮膚炎 など

これらの病気は、歯周病と大きな関わりがあると考えられています。子供のうちからこうした病気の原因を抱えるのですから、大人になってから病気を発症する確率も高くなるのは当たり前です。

正しい歯磨きの習慣は乳歯の時期が肝心

乳歯は正しい歯磨きの習慣をつける上でも、重要な役割をします。幼稚園や小学校低学年くらいのうちから、正しい歯磨きの習慣を身につけておけば、将来永久歯に生え替わった時でも、歯磨きの習慣は何ら変わることがありません。

しかし、乳歯の時から歯磨きの習慣がなかったり、間違った歯磨きの仕方が身についてしまうと、大人になってからその習慣を変えることはとても大変です。大人になってからでは、手遅れといっても良いかもしれません。

小さな頃から正しい歯磨きの仕方を身につけていれば、大人になってからも歯や口腔の衛生を保つことができ、歯のトラブルで困ることはなくなるのです。

大切な乳歯を守るためにママがしてあげること

生後7か月くらいで生え始め、3歳くらいで生え揃う乳歯をケアするのは、お母さんの仕事と言えます。歯が生え揃い始めたらまず行うことは、子供を寝かせて、お母さんが歯ブラシを使って歯を磨いてあげることです。

特に重要なことは、離乳食を含めて、食事が終わったら歯を磨くということを習慣づけることです。始めのうちはお母さんの仕事ですが、乳歯が生え揃う3歳くらいから永久歯に替わる12歳くらいまでに、歯磨きの習慣をつけることが大切です。

小学校の低学年くらいまでは、歯磨きがしっかりとできているか、お母さんがチェックしてあげましょう。この習慣さえ身につければ、将来にわたって歯磨きの習慣をしっかり身につけることができるのです。

歯ブラシが持てるようになったら自分で歯磨きさせる

自分で歯ブラシを持てるようになったら、できるだけ自分で歯磨きをさせる習慣を身につけさせることが重要です。始めは形だけでも良いので、歯ブラシを持たせ、終わったら必ずお母さんが磨き残しをチェックして仕上げをして下さい。

乳幼児の歯ブラシの選び方

乳幼児が使う歯ブラシも市販されています。歯ブラシ選びで最も重要なのは、自分の口のサイズに合ったものを使うということです。できるだけ、先の細いコンパクトな歯ブラシを選ぶようにして下さい。

例えば、子供が小学生の低学年だからといって、小学生低学年用の歯ブラシが良いとは限りません。成長の早さや骨格が違いますから、幼稚園児用がぴったりな子供もいます。できるだけ先がコンパクトで持ちやすいものを選んで下さい。

乳歯で最も虫歯になりやすい歯とは?

乳幼児から学童期に、歯磨きの習慣が身につくようになったら、歯ブラシの使い方や歯磨きの時に、注意することをアドバイスしてあげましょう。乳歯で最も虫歯になりやすいと言えるのが、奥歯の2本の間と前歯のすき間です。

奥歯は手が届きにくいことと、前歯のすき間に歯ブラシが届きにくいことが原因です。この問題を解決するためには、奥歯でも届きやすい、先が小さく柄の部分が細くて長い歯ブラシを使うことと、前歯は糸楊枝やフロスを使ってすき間を磨くことです。

正しいブラッシングの仕方は、厳密に言えば数種類ありますが、とにかく歯をゴシゴシと力を入れて磨くのではなく、歯の表面の歯垢を除去するように、小刻みに動かすということです。歯ブラシに力を入れても意味がないのです。

虫歯になりやすいお菓子とは?

育ち盛りの子供におやつをあげることも多いと思います。子供にとってもおやつは楽しみの1つだと思います。大切なことは、おやつには虫歯になりやすいものとなりにくいものがあり、できるだけ虫歯になりにくいものをおやつにすることです。

虫歯になりやすい歯の環境を表す指数を、『う食誘発指数』といいます。う食誘発指数はプラークや酸を作る力、口の中に滞留している時間などを総合的にみて、どのくらい虫歯になりやすいか数値にしたものです。

数値が高いほど虫歯を引き起こしやすいということになりますので、普段のおやつが虫歯にどのくらい関わるか確認してみましょう。虫歯になりやすいおやつのワースト10をあげてみます。

1.キャラメル 80
2.キャンディー・飴 70
3.カステラ 55
4.ビスケット 55
5.せんべい 40
6.かりんとう 40
7.ドーナッツ 35
8.チョコレート 30
9.ポテトチップ 18
10.アイスクリーム 10

虫歯になるおやつといえば、チョコレートやアイスクリームが思い浮かぶかもしれませんが、実際にはキャラメルやキャンディーなど口の中にある時間が長い食べ物や、歯に食べかすがつきやすいビスケットやせんべいの方が、虫歯になりやすいのです。

コーラを飲むと歯が溶ける!?

コーラなどの炭酸飲料を飲むと歯が溶ける、という噂を聞いたことがあるかもしれません。本当に炭酸飲料を飲むと歯が溶けるのでしょうか?この噂話の真相は実験によって明らかになっています。コーラを入れた容器に歯を入れておくと、数日で溶けてしまいます。

これはコーラが強い酸性の性質を持つからです。もし、コーラや炭酸飲料を何時間も口に入れていたら、歯の表面が溶けるという症状は起こり得ます。これを酸蝕症といいます。しかし、口の中は唾液の働きによって、おおむね中性になるようにできています。

酸性の食品や飲み物を食べると、一時的には口の中が酸性になりますが、唾液と混ざれば中和されるのです。例えば、レモンや梅干のような酸の強い食べ物を食べると、唾液の分泌が活発になりますが、これは酸性に傾いた口の中を、唾液によって中和する作用が強く働くためです。

ですから少しくらいコーラを飲んでも、歯が溶けるような心配はありません。ただし、酸性の状態が長く続いたり、唾液の分泌が悪くなったりすれば、口の中が慢性的な酸性の状態になり、歯を溶かして虫歯の原因にもなりますから、注意しなければいけません。

虫歯予防にはキシリトールを使いましょう

キシリトールをご存知の方も多いと思いますが、キシリトールは虫歯予防には大変効果的です。キシリトールには、虫歯菌のエサになる糖質が極めて少なく、虫歯菌のエサにならないという性質があります。

また、酸によって溶かされた歯を再石灰化する働きや、唾液の分泌を高めることで口の中が酸性になることを防ぎます。キシリトールを使ったガムやグミなどが市販されていますので、子供の口に合うものを選んで食べさせるようにしましょう。

口呼吸になっていないか注意する

口を開けたまま呼吸をする口呼吸の人を、大人でも見かけることがあります。口呼吸になっていると虫歯や歯周病にかかりやすくなるのです。そして口呼吸になる原因は、慢性鼻炎などの病気のためか、小さい頃からの習慣が原因です。

特に、小さい頃から口呼吸の習慣がついてしまうと、大人になってもなかなか直すことができません。子供が口呼吸をしていたら、しゃべる時以外は口を閉じるようにしつける必要があります。

また、口呼吸は骨格の形成にも影響を与え、顎の位置がずれ、出っ歯や受け口になったり、しまりのない間延びしたような顔になることもあります。容姿の問題だけでなく、喉に炎症が起こりやすくなり、風邪を引きやすくもなるので注意して下さい。

子供の時から糸ようじを使う習慣をつける

子供の歯磨きで磨きにくい部分は、前歯の間と2本の奥歯のすき間です。この部分のプラークを取るには、糸ようじを使うことが効果的です。本当はフロスが使えれば良いのですが、小さい子供には少し難しいかもしれないので糸ようじを使いましょう。

糸ようじは、歯ブラシで歯を磨く前に使うのが正しい使い方です。糸ようじで歯のすき間の汚れをかき出してから、歯ブラシで歯を磨くようにすると、磨きにくい部分の汚れもしっかりと落とすことができます。

歯磨き粉は何を選ぶ?

歯磨きの時に、歯磨き粉は何を使えば良いか迷う人もいると思います。子供用に味のついた歯磨き粉も市販されています。歯磨き粉には多少なりとも研磨剤が入っているのですが、歯垢の除去という点では、研磨剤自体の効果はほとんどありません。

歯磨き粉を使うと、メントールなどの清涼剤によって口がさっぱりして、歯を磨いた気持ちになります。気持ちも引き締まる気がするので良いかもしれませんが、虫歯予防のためには、ブラシで歯垢をしっかり落とすことが最も重要です。

歯磨きをした気持ちになることに満足せず、歯垢を落とすことを意識しながら、ブラッシングをしっかり行うようにして下さい。

デンタルリンスは子供にも使うべき?

デンタルリンスを使っている人もいると思いますが、子供にデンタルリンスが必要でしょうか?最近では、様々なデンタルリンスが市販されていますが、歯垢を除去するには、やはり歯ブラシによるブラッシングが基本です。

デンタルリンスは歯磨きの仕上げとして使う、補助的なものだと考えて下さい。また、デンタルリンスには刺激の強いものがありますので、うっかり子供に使ってしまうと歯磨きをするのが嫌になるかもしれないので、どうしても使うほどではありません。

乳幼児の歯磨きは、お母さんと一緒に歯磨きの習慣を付けるところから始まります。そして、それが大人になってからの習慣となります。始めから間違った歯磨きの仕方をしていると、後々取り返しのつかないことになりかねません。

ましてや虫歯や歯周病は、生活習慣病の原因にもなることも明らかですから、乳歯が生え始めた頃から、正しい歯磨きの仕方をしっかりと教えてあげることが、ママの優しさではないでしょうか?

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