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その名前からうつると思われがち・・・本当はうつらないものもらいの話

“ものもらい”の名称は迷信から

正式名称は麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と、霰粒腫 (さんりゅうしゅ)、この二種類の病気が、ものもらいの正体。麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は雑菌による急性化膿性炎症、霰粒腫 (さんりゅうしゅ)は皮脂腺の詰まりからくる無菌性の炎症です。主に関東圏で“ものもらい”と呼ばれています。

“ものもらい”の語源は「物を貰う」なので、他人から病気をもらってしまうイメージがわきますね。その印象から、ものもらいはうつる、と思われている場合が多くあります。

しかし、実際に名称の由来となったエピソードは日本各地に多く存在しますが、代表的なのは全く違う内容の言い伝えなのです。それは「目に出来物があらわれた時、人から物を貰うと、その出来物が治る」という迷信です。

人から物を貰って病気を治す“患者”を指すものだった“ものもらい”の名称が病気に定着して現在に至るわけですが、意味合いだけはうやむやになり、言葉の印象だけが独り歩きしているといえますね。

ものもらいはうつらない!

病気がうつること、感染とは、ウイルスなどの病原体が、人から人へ渡って寄生することにより、症状が起きる状態や過程をいいます。

しかし、ものもらいの原因の一つは“雑菌”です。目に雑菌が入り炎症が起きてしまう、または、もともとある雑菌が炎症を起こす状態なので、うつるものではありません。また、もう一つの原因は無菌性の炎症です。これは瞼の淵にある皮脂腺が詰まって炎症が起こります。こちらも無菌性なのでうつりません。

もし、流行したり、うつったりということに思い当たるならば、例えば複数の子どもが泥んこ遊びをして、皆、十分な手洗いがされていない状態で目をこすると、何人かは同時に“ものもらい”になり流行と感じるかもしれません。

また、家族に“ものもらい”の人がいて、家庭内で新たに“ものもらい”の人があらわれると、うつったように感じますが、実際にはその家庭は清潔を欠いている状態といえます。

ものもらいの症状を起こすのは、主に黄色ブドウ球菌が原因菌とされています。この黄色ブドウ球菌も人の皮膚や腸で活動する常在菌ですので、やはり、ものもらいは他人からうつって罹患するものではないことがわかりますね。

このことから逆に、誰でも、いつでも発症するといえる病気です。雑菌が増え炎症を起こさないためにも、常に清潔を保つことが大切ですね。

雑菌が原因のものもらい。雑菌はうつらない?

ここで、“じゃあ雑菌はうつらないの?”という疑問がわきますね。雑菌とは常に人の世界に常在する多種多様な細菌、微生物の総称です。特に、人に害をなす可能性があるものを指しますが、研究等において、目的とする細菌以外のものも雑菌と呼ぶ場合があります。

我々の生活に関わっている細菌類、主に食品の発酵に用いられる菌類などは雑菌とは呼びません。ですが、この場合でも、目的以外の細菌が発生すると、人体には無害でも雑菌と呼びます。

これらの雑菌は普段、あらゆる場所に存在していて、我々はいつもそれらを吸い込んだり付着させたりして生活しています。それでも、そうそう頻繁に病気になることはない理由は、人の免疫力の方が勝っているためです。

うつるといえばウイルスですが、雑菌との違いはやはり、病気が発生するしくみの違いといえます。ウイルスは自分の体を持たず、他の生物に寄生し、その体を利用して増殖していきます。必然的に、他の生物から生物へ渡り歩くことが感染となります。

ウイルスと雑菌は人体に有害という部分で“ばい菌”と一括りに呼ばれることがしばしばありますが、やはり、うつる、うつらない、の心配がある症状では原因がどちらにあるのかが重要になってきますね。

ものもらいがうつるとしたら

それでも全くうつらないとは言い切れないものもらい。ものもらいがうつる場合は、明らかに理由があり原因菌が目に入った場合です。その場合は注意する必要があります。

ものもらい自体は、場合によっては自然治癒するものですし、予後も重篤な症状を残さないとされていますが、目にできた炎症は自己判断が難しいので受診が必要です。

アデノウィルスなど、流行性の感染症は結膜炎を伴う場合もあります。ものもらいと混同しやすいので注意が必要です。この場合、非常に感染力も高いので発熱などの症状が伴うときは早めに受診しましょう。

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