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【ストレス】怒り感情をコントロールするアンガーマネジメントの方法

怒りをコントロールする男性

私たちは、人と何らかの関係を持たずに生きていくことはできません。それゆえに何らかの”あつれき”は避けて通れないことは誰でも分かっていますよね。にも関わらず、私たちは日常生活の中でムカッとしたりイライラしたりしてしまいます。

怒りは喜び、悲しみなどと同じ「感情」です。しかし、喜怒哀楽といわれるものの中でもこの感情が厄介なのは、人間関係に直接影響するばかりか自己嫌悪などに陥ってしまうことです。

誰も怒りたくて怒るのではないにも関わらず、つい怒ってしまうのはなぜでしょうか。そしてどのようなコントロール法があるのでしょうか。

今回は、怒りの感情を持ってしまう理由について触れ、怒りのコントロールにはどう向き合ったら良いかをお話しします。

不安、自己嫌悪…怒りの感情が呼び起こす負のスパイラル

「人間は感情の生き物」とよく言われます。そして人間は文字が表しているように他人との間で生きています。

他人の存在はとてもありがたいものです。でも時として、様々な理由から”すれ違い”などが生じると疎遠になったり、悪い評判がたってしまいます。私たちは、そうなることをわかっていながら毎日イライラしたり、むかっとしてしまうのです。

怒りを感じたりあらわにしてしまった後、自己嫌悪に陥ったまましばらくネガティブな感情を引きずってしまう…そんな経験はありませんか?

相手の気分を害してしまったと後悔する他に、次にあげるようなことが頭に浮かんでいるはずです。

  • (相手と)仲が悪くなったり、疎遠になってしまうのではないか
  • 怒りをあらわにした自分の評価が悪くなるのではないか
  • 自分には人の中でうまくやっていく資格がないのではないか
  • 自分には人の中でうまくやっていく資格がないのではないか

などなど

いかがでしょうか。思い当たる節がおありではないでしょうか。これらの気持ちはできるかぎり早い段階で断ち切りたいものですよね。

対策を考える前に怒りについておさらいしましょう。誰もが感じる怒りのようなネガティブな感情はどうして湧き上がるのでしょうか。

ストレスと怒りの密接な関係!怒りの正体は?

そもそも、人間だけが怒るのではないですよね。ここで、例として犬に吠えられた時の猫を想像してみましょう。逃げる場合もあるかもしれませんが、大抵の場合は毛を逆立て、”シャー”、”フー”などと激しく威嚇します。

これらは、「闘うか、逃げるか」という選択をしている結果です。どちらの行動を選ぶにしても、すぐ動けるような態勢になっているのですね。

ストレスという用語を始めて医学の分野に応用した生理学者のキャノンは、恐怖や緊張(寒冷なども含む)などのストレス刺激を受けた時、意思とは無関係に働く体の仕組みに注目をしました。

自分が生命の危機に晒されていると察知した時、頭で色々と考えていたら逃げるにも闘うにも遅いですよね。人間を含めた動物はこのような状況に即座に反応できる仕組みが常時備わっているのです。

怒りの感情は、自らの命を守る本能に由来しているということですね。そう考えるとあながち怒りもただの悪者ではないと考えられますね。

しかし、やはり怒りは厄介なもの。なぜかというと怒りの矢印は外に向いていると同時に自分をも攻撃しているのです。次に怒りの感情が心身に及ぼす影響について見ていきましょう。

怒りは万病のもと!自律神経を乱すきっかけに

私たちは自分の意思で血液の流れを止めることはできません。また消化も呼吸も無意識に行われています。全て生命を維持するための事柄です。

無意識下で働く神経を自律神経と呼びます。それに対し、意思でコントロールできる神経を体性神経と呼びます、知覚、運動などがこれに当てはまります。自律神経はさらに交感神経と副交感神経という、正反対の働きをする神経に分かれます。

交感神経 優位になると心拍数、血圧、血糖値上昇、発汗などが起こる
副交感神経 優位になると交感神経で高ぶった状態を鎮める。リラックスする

このように交感神経は戦闘態勢を作り、副交感神経はリラックスをするという役割を持っています。また交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキにたとえることができます。

この自律神経は寝不足やストレスで乱れやすいのですが、一度乱れるとなかなか元に戻すのは大変です。時間をかけて生活習慣から見直すことが必要になるからです。

怒りなど、ストレスにさらされた状態が続くと交感神経が優位な状態が慢性的になり、以下に挙げるような状態になります。

  • 高血圧
  • 高血糖
  • 免疫力の低下
  • 腸内では悪玉菌の増加

などなど

特に高血圧、高血糖などは心臓病などのリスクを高め非常に危険です。また、ストレスに晒された時などに下痢と便秘を繰り返す過敏性腸症候群などの疾患も自律神経が深く関わっています。

これらの不調の原因をたどっていくと、怒りなどのストレスに行き着きます。「病は気から」という言葉がありますが、怒りも万病の元の一つと言えそうです。

最近、いかに不調や病気を未然に防ぐことができるかという話題で盛り上がっています。怒りを少なくし、穏やかでいることが様々な疾患の改善や予防になるということが確認されれば、怒りの対処に関してもより注目が集まるでしょう。

病気や病気の程度にもよりますが、症状の改善など解決の糸口は意外と身近にあることになりますね。

客観的に自分を見下ろす習慣をつけよう

怒りの感情は「カチンとくる」、「イライラする」、「ブチっとキレる」、「ムカッとする」など様々に表現されます。これらの表現から、怒りと言えば瞬間的に発火するようなイメージがあります。

しかし、怒りといっても瞬間的、反射的に声に出して怒鳴ったりするだけが全てではなく、不愉快な感情を飲み込んでしまっている状態も含めます。そういったネガティブな感情にこだわっている間はなかなか冷静できませんよね。

それでも、この記事を読んでくださっている怒りのコントロールでお悩みの方には少しでも力になりたいと思います。以下に、冷静になるための考え方の例を挙げます。すぐにはできないかもしれませんが、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

怒りの感情を実況中継する

まず、怒りを客観的に分析してみましょう。例えば、怒りの段階は次の1~3のように発生から鎮静するまで3つのステップがあると考えてみます。

急性期 怒りの感情に火がつく
慢性期 怒りの感情が和らぎ、冷静になってくる
寛解期 怒りの感情は殆どなくなる

上記の三段階はあえて疾患のような名付け方をしました。寛解という言葉は、疾患の状態を表す用語です。完全にとまではいかなくても、症状が穏やかになって落ち着いている状態の事を指します。

怒りは感情の一つであって、決して疾患(病気)ではありませんが、ここでは”たとえ”として寛解という用語を使用しています。

怒りという感情はその後収まったかのように思えても、だいぶ経ってから、ふとした時に思い出すことがあるからです。記憶とは不思議なものです。

もちろん、この3つに当てはめた言葉を変えてもらって構いません。例えば怒りの発生、緩和、鎮火というようにです。

ちょっとしたことですが、このように怒りに対して距離を置いて捉えてみるだけでだいぶ冷静になれるような気がしませんか。

実況中継とまでいかなくても、その時にどんな感情がご自身を支配しているのか、それが先ほど述べたようにどのような程度なのかを他人になったような気分になって見つめることができたらいいですね。

私たちは、皆違う環境で生まれ育ち、異なる価値観の元に生活しています。日常生活から”あつれき”がゼロになることはないでしょう。ですがちょっとした心構えで減らせるはずです。

というのは、私たちは皆、物事を自分のフィルター、いわば色眼鏡を通して見ています。もっと言い換えれば「物差し」です。こうすべき、こうあるべきなどの「べき」を他人や物事に押し付けているのです。

もし、自分が他人の価値観で勝手に評価されていると分かったら、誰でも不快ですよね。

また、怒りの言い分でいうと、どちらが完全に正しいというケースはごく稀です。こちら側が正しい、あちら側が悪いという線引きははっきりしないことが多いのです。

ですから、どちらも正しいし、どちらも悪いというようなグレーゾーンを認められるようになるとだいぶ楽になります。「まぁ、いっか」というような余裕を持ちたいものです。

セロトニンを増やそう

散歩、ジョギングなど体を動かすことは気分転換になるだけでなく、神経伝達物質である「セロトニン」が産出されやすくなります。

セロトニンは、うつ病などで不足する物質です。すなわち、感情をコントロールする重要な役割を持っています。他にも、セロトニンを増やすには、次のようなことをすると良いと言われます。

  • 朝日に当たる(日光浴をする)
  • リズミカルな運動をする(ウォーキング、ジョギング、ダンスなど)
  • スキンシップをとる(マッサージをしてもらう、ハグをするなど)

うつ病などの患者さんが、脳内のセロトニンを抗うつ剤でコントロールすることがありますが、薬の依存には注意が必要です。なぜなら怒りにとっては逆によくない場合があるのです。

つまり、攻撃性が増してしまうと言う報告もあります。実際に、犯罪に繋がってしまったりと怖い話もあります。怒りを薬でコントロールすることは避けたいものです。

薬は必要な時に、必要な分を飲むべきです。依存することはよくありません。そもそも、薬では怒りの原因が解決できませんよね。根本的な解決・解消を目指すべきです。

脳を窒息状態から救え!深呼吸の必要性

怒りをはじめとする感情は、脳で生まれます。例えば、人に傷つけられそうになった時、反応するのは大脳辺縁系という部位です。

この部位は、人間以外の動物も共通して備えられており、「動物的な」あるいは「原始的な」脳と呼ばれます。辺縁系では、言葉で言うと反射的にカッとするような反応をします。

それとは逆の、ゆっくりとした反応をするのが大脳皮質という部位で「人間的な脳」と呼ばれています。大脳辺縁系で、衝動的な反応が起こるのに「待った」をかける重要な働きをします。

大脳辺縁系の働きは自らの危険を察知し素早く反応するということからも必要ですし、怒りに任せて怒鳴ったり、暴れたりすることにブレーキをかける大脳皮質の働きもまた欠かせません。

この2つの部位のバランスが人間を人間たらしめているといっても過言ではありません。ところが、大脳皮質の酸素不足が、怒りが生じた時にいわば「機能不全」をもたらしてしまうのです。

皮質は大脳辺縁系の暴走にブレーキをかける役でしたね。これは大変です。そういえば、怒っている時、不安な時は呼吸が浅くなっていることに気づかれておられるでしょうか。

怒りが頭を支配していて「頭に血が上って」、「心臓がドキドキして止まらない」ような時…そんなときは深呼吸が役に立ちます。

怒りで理性がどこかにいってしまっていると感じたとき、頭に血が上っていると思った時は、脳が酸素不足なのだと思いながらゆっくりと深呼吸をしてください。

おすすめは、怒りを感じているその場所からすっと離れ、静かなところで鼻からゆっくり吸い、時間をかけて吐く。これを少なくて3秒。空気が、体内にどのように入り、巡って、出て行くかを観察する気持ちで。

息を吐く時に嫌な気分も一緒に出て行くようなイメージができればなおいいですね。

頭ではわかっているけれど…?怒りを受け入れるには訓練が必要

以下に、怒りを覚えた時に使える心得を挙げます。

  • 必ずしも、あなたの怒りが正しいわけではないと知る
  • 相手にも事情があるかもしれないことを想像する
  • 善悪で判断していないか振り返ってみる
  • 時間に寛容でいるようにする

これらは全ての怒りに適応できないかもしれませんが、参考にされてみてはいかがでしょうか。もしかしたら「そんなことわかっているよ」と思う方もいらっしゃると思います。頭では分かっているけれど出来ない人は多いでしょう。

こういったスタンスを身につけることは至難の技です。しかしこういった覚え書きをどこかにメモして目の届く所に貼り、おまじないのように読む、それだけで気持ちが変わってきます。

私たちが怒るとき、大抵の場合は自分を正当化しています。家族や、一緒に働く同僚、上司、部下などに先ほどお話したような「期待」をして、合わない場合に勝手にストレスを感じているのです。

自分がもし同じことをされたら…他人の物差しで測られているとしたら嫌ですよね。自分がされてイヤなことはやめた方が賢明です。

上記の「心得」のリストのポイントは想像力です。私たち人間は、他の動物と違い「想像する」という素晴らしい能力を持っています。このことを忘れないでください。

怒りは本当に悪者?自分の気持ちを肯定して

これまで、怒りがいかに私たちの心身を蝕むかということに触れ、ちょっとした心の持ち方をお話しました。怒りの背景は様々ですから全ては当てはまりませんが、参考にしていただければ幸いです。

確かに怒りをはじめとするネガティブな感情はあまり歓迎できるものではなく、できればいつでも寛容で、陽気に、ニコニコしていたいですよね。

そもそも怒りという感情は、人間を含む動物が生命の危機にさらされたときに怒る反応だということも説明させていただきましたね。自分の心の中に沸き起こった感情にOKを出し、肯定的になることは悪いことではありません。

さて、怒りの感情を持たず、怒りを感じたとしても不機嫌をあらわにすることなく過ごしていたら、一体どうなるのか考えてみたことはありますか?

怒りは自分の生命を守る防衛反応です。怒りを感じない、あるいはあらわにしないでその度に飲み込んでいたらストレスを感じます。精神衛生上良くないですし、実際に生命の危機に面してしまいます。

また、怒りを感じるご本人の立ち位置が危険にさらされます。「あの人は何を言っても怒らない」、「あの人は鈍感だ。だから何を言っても大丈夫」などと、いい人と評価される陰で、馬鹿にされることもあるかもしれません。

場合によっては、的確に「スマートに」表現する能力も必要なのです。どのような形で表現するにしても、そのためにはこれまでお話してきたようにできるだけ客観的になって相手あるいは状況を受け入れることが必要です。

ここまで、誰もが厄介だと感じる怒りの感情についてお話してきました。怒りの感情を持つ背景は三者三様で、枠に当てはめることはできません。しかし「敵を攻略するにはまず敵を知る」ことから始めましょう。

この記事が怒りなどのネガティブな感情に悩まされている方の参考になれば幸いです。

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