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急な腹痛の原因は危険な病気!?知っておきたい症状と対処法

腹痛でうなる女性

日常生活の中で、ちょっと食べ過ぎて消化不良でお腹が痛くなったり下痢をしたり、といった経験はよくあることですよね。またこのように原因が分かっていて痛みも大したことがなければ、しばらくすれば自然におさまることは経験上でよく心得ています。

しかし急に強い腹痛に襲われた時はどうすれば良いのでしょうか。

ここでは緊急性の高くない腹痛と緊急治療が必要な腹痛について頻度の高いものを取り上げました。急な腹痛の原因と対処法についての予備知識をチェックしておきましょう。

様子を見て受診すれば良し!緊急性が高くない腹痛

急に強い腹痛が起こりますが、命には別条がなく救急治療の必要がない病気です。基本的に受診は診察時間内でかまいません。

急性胃炎

急性胃炎は日常で誰もが経験することの多い病気のひとつです。胃の粘膜に炎症が起きて胃が痛みます。「胃が荒れる」とはまさにこのことです。

【症状】

上腹部の痛みが特徴です。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲不振

を伴うこともあります。炎症が強い時は吐血・下血もみられます。

【原因】

  • ストレス
  • 暴飲暴食
  • 刺激物(香辛料・煙草・アルコール・カフェインなど)の過剰摂取
  • 薬(アスピリン系・抗生物質など)の服用
【対処法】

胃炎の原因を取り除けば回復していく病気です。上腹部の痛みがある時は刺激物の摂取を避け、1~2日間ほど通常の食事から消化の良い食事(うどん、おかゆなど)に切り替えて様子を見ます。

軽症の場合は市販の胃腸薬を服用するだけで回復します。薬剤師に相談して自分の胃に合ったタイプの胃腸薬を使ってください。

ただし腹痛が激しい時、吐血や下血を起こしている時は胃に潰瘍ができている可能性があるので内科、消化器科などを受診しましょう。

また市販の胃腸薬を2~3日服用しても回復しない場合も、薬の服用を中断して受診することをおすすめします。

急性胃炎を繰り返すと慢性胃炎を引き起こしやすいので、胃の弱い人は普段からストレスや暴飲暴食を避けるなど胃をいたわるように心がけましょう。

急性腸炎・急性胃腸炎

腸はデリケートなため下痢を伴う腹痛は誰にも起こりやすいものですが、急に腹痛と下痢に襲われる場合は、第一に「急性腸炎」が考えられます。

さまざまな原因で腸の粘膜に炎症が起こり、腸が収縮と弛緩を繰り返すために強い腹痛が起こるのです。

また急性腸炎の時には胃の炎症を伴うことが多いものです。これを「急性胃腸炎」と呼んでいます。

【症状】

急性腸炎の症状は、下腹部のさまざまな場所がしぶるように痛くなったりやんだりを繰り返し、下痢を伴うのが特徴です。胃に炎症が起こると吐き気・嘔吐も伴います。

軽い腸炎は2~3回程度の下痢でおさまりますが、炎症の強い場合は1日に10回以上の下痢をしたり、便が原形をとどめず水状の下痢を引き起こしたりします。またウイルスや細菌の感染が原因になっている場合は、発熱する場合もあります。

たいていは1日~数日で自然に回復しますが、下痢や嘔吐が激しい時には脱水に陥ってぐったりしてしまうこともあります。

【原因】

腸炎の原因はさまざまです。多くは暴飲暴食による消化不良や一時的な体力低下に伴う腸の機能の低下で起こっています。

急性胃腸炎の多くはウイルスや細菌の感染で起こる「感染性胃腸炎」です。代表的なものにノロウイルス性胃腸炎、腸炎ビブリオ、乳幼児のロタウイルス性腸炎が挙げられます。

【対処法】

下痢が始まったら、腸を休ませるために1日ほど絶食をします。下痢で水分がどんどん奪われ脱水が起こりやすいので、水分だけはこまめに補給しましょう。白湯、イオン飲料がおすすめです。軽い急性腸炎ならこれだけで回復していきます。

できれば個人の判断で市販の下痢止めを使うのはやめましょう。下痢や嘔吐にはウイルスや細菌を体外に排出させ早く治す役割があり、感染性胃腸炎だった場合に下痢を止めてしまうとかえって悪化してしまうためです。

下痢と腹痛が激しい、または嘔吐や発熱が見られる場合は、内科、消化器科を受診し、急性胃腸炎の原因を特定してください。

ウイルス性の急性胃腸炎だった場合は嘔吐や下痢でウイルスをどんどん出して自然に回復するのを待つしかありませんが、細菌性の急性胃腸炎なら抗生剤の投与で治すことができます。

また体力のない乳幼児や高齢者は感染性胃腸炎の症状が重くなりやすいので、早めに受診して治療を受け、重症化を防いでください。

過敏性腸症候群

時々急な下痢と腹痛が起こる人は、過敏性腸症候群かもしれません。過敏性腸症候群は器質的な異常がないのに便通異常が起こる腸の疾患です。

日本人の1~2割にみられ、慢性的な腹痛と下痢で受診する人のおよそ半数が過敏性腸症候群だといわれています。

いつ腹痛や下痢が起こるか分からないという不安から、外出できなくなったりうつ病を引き起こしたりすることもあるほど、本人にとっては深刻な悩みになりやすい病気です。

【症状】

過敏性腸症候群は、下痢や腹痛に加え次のような症状を伴うのが特徴です。

  • 電車やバスの中などトイレのない所で便意をもよおすことが多い
  • 会議や試験午前中に腹痛や下痢が起こりやすい
  • 排便すると腹痛がおさまる
  • 食欲はある
  • 休日、睡眠中は症状が出ない
  • 便秘型、下痢と便秘を繰り返す交替型もある
  • 腸内ガスが溜まりやすい
【原因】

過敏性腸症候群は、ストレスによる自律神経のバランスの乱れが原因で起こります。腸はストレスの影響が反映しやすく、不安や緊張があるとすぐに腹痛や排便異常が起こるのです。

「またトイレに行きたくなったらどうしよう」と不安が強くなることで、腸が過敏に反応し余計に症状が悪化してしまいます。

【対処法】

過敏性腸症候群の症状を自覚している人のほとんどは市販の胃腸薬で対処しているようです。しかし市販の胃腸薬では症状がなかなか改善しないことが多いので、内科や消化器科を受診して専門治療を受けることをおすすめします。

下痢型、便秘型、交替型のそれぞれの症状に合わせ、セロトニン受容体拮抗薬や消化管運動調律薬、また乳酸菌製剤や漢方薬などが処方されます。

合わせて自律神経のバランスを整えるために規則正しい生活を送り、暴飲暴食を避けて腸の調子を整えるよう心がけます。

ストレスで過敏性腸症候群を引き起こしている人は、ストレスの原因をはっきりさせて解決することも必要です。

胆石

「胆石」の痛みは3大激痛のひとつともいわれ、右上腹部に七転八倒の激痛が起こることで知られています。

胆石は胆嚢の中に発生する石のような結晶で、それ自体は存在しても無症状であることが多いのですが、胆石が動いて総胆管などの細い部分に詰まると強い疝痛を引き起こします。

胆嚢と胆石が発生する箇所

【症状】

右のろっ骨の下に痛みが起こります。食後2時間後くらいに痛み出すことが多く、痛みの強さは鈍痛から疝痛までさまざまです。痛みの感じ方も次のように個人差があります。

  • 背中に放散する感じ
  • 右の肩甲骨が痛む
  • 右の肩が張る感じ
  • 腰痛が起こる

また吐き気や倦怠感を伴ったり、胆管の詰まりによる胆汁の細菌感染が原因で発熱することもあります。

胆石の痛みを肩こり、腰痛、心臓の痛みと間違えて受診する人もいますが、胆石かどうか簡易に見分けるならば、右上腹部を押した時に圧痛があるかどうか確認することもできます。

【原因】

胆石にはさまざまな種類があり、ほとんどがコレステロールの摂り過ぎで作られる「コレステロール結石」です。胆石は脂肪やカロリーの多い食事を好む人に起こりやすくなっています。

【対処法】

消化器内科または内科を受診するとよいでしょう。胆石があっても無症状ならば治療は急ぎません。経口胆石溶解剤を内服して胆石を小さく溶かし、自然に排出させることもできます。

また手術をせずにお腹の上から超音波を当てて胆石を粉砕する「体外衝撃波胆石破砕術」を行なうこともあります。

しかし強い腹痛に発熱・黄疸を伴う場合は胆嚢炎を起こしている可能性があるので、すぐ内科か消化器科を受診し治療を受けてください。胆嚢を摘出する手術が必要になります。

胆嚢は摘出しても体の機能に差し支えがありません。

薬や超音波の治療だけでは胆石が再発しやすいので、2度と胆石の苦しみを味わいたくないなら胆嚢を切除してしまうのが一番ですね。

尿路結石

尿路結石は、尿路に結石ができる病気のこと。尿路とは腎臓・尿管・膀胱のことで、ほとんどの結石は腎臓と尿管に生じます。30~60代の男性に起こりやすい病気です。

尿路にできる結石の位置

結石が尿管をふさいで尿の流れが逆流した時、腎臓に高い圧力がかかるために激痛が起こります。その痛みは胆石・痛風と共に「3大激痛」と言われるほど強烈です。

【症状】

下腹部、腰、脇腹などに強い放散痛が起こるのが特徴です。また次のような症状を伴うこともあります。

  • 吐き気
  • 外陰部の痛み
  • 血尿
  • 残尿感

結石があっても自然に排出されてなくなることもあります。

【原因】

尿路結石の原因はさまざまですが、主に次の原因で起こることが多くなっています。

  • 尿路の細菌感染
  • 尿流停滞
  • 内分泌異常
  • ストレス
  • 食生活
  • 先天的な体質
【対処法】

尿路結石の特徴的な痛みが起きたら泌尿器科を受診します。

痛みを止める治療を行なってから尿検査、超音波検査などで結石の状態を確認し、内視鏡または体外衝撃波で結石を粉砕します。これらは開腹手術を用いず体に負担をかけず結石を小さくする治療法です。

結石は再発しやすいので、過去に結石の見つかったことのある人は再発防止のために次の対策を実践しましょう。

  • 水分を1日に2リットル飲む
  • 塩分を控える
  • カルシウム・ビタミンCをしっかり摂取する
  • 寝る前に食事をしない
  • 適度な運動をする

すぐ病院へ!緊急治療が必要な腹痛

これから紹介していく病気は緊急手術が必要だったり、治療が遅れると重篤化するおそれのある危険性の高いものです。強い痛みが起こったらすぐ病院へ行ってください。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは胃や十二指腸の粘膜に炎症が起こり、ただれたり組織が損傷したりしてしまう病気のことです。

胃潰瘍と十二指腸潰瘍が発生する位置

進行すると粘膜に穿孔が起こり、腹膜炎を起こす危険性が出てきます。

【症状】

胃潰瘍は食事中から食後に、十二指腸潰瘍は空腹時に上腹部が痛むのが特徴です。そのほか次のような症状がみられます。

  • 胸やけ・酸っぱいげっぷ
  • 膨満感
  • 食欲不振
  • 出血(コールタール上の黒い便・吐血)

穿孔が起こると腹膜に炎症が及び、強い腹痛や嘔吐が起こります。

【原因】

胃潰瘍の原因で多いのがピロリ菌の感染です。また薬による刺激、ストレス、食生活で引き起こされる場合もあります。

【対処法】

ほかの病気と症状がよく似ているため、原因を特定するためにも腹痛が起こったらすぐ内科・消化器科を受診してください。

問診、バリウム造影検査、内視鏡造影などの検査で胃や十二指腸の状態を確認し、潰瘍からの出血があれば内視鏡を使いながら止血を行ない、出血がなければ薬の内服で潰瘍を治療していきます。

もしもピロリ菌が見つかればピロリ菌の除菌も行ないます。また症状の重い場合は手術も必要になります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は再発しやすいため、炎症が治った後も薬を飲み続け、消化器に負担をかけない食生活を心がけるようにします。

大腸憩室炎

40代以上の人で下腹部の強い痛みと下痢があれば「大腸憩室炎」を引き起こしている可能性も疑われます。

憩室は消化器の壁にできるくぼみです。憩室という用語はあまり聞き慣れないかもしれませんが誰にでもできやすいもので、40代以上の人には大腸に憩室ができる「大腸憩室症」がしばしばみられます。

大腸憩室症はほぼ無症状で良性の病気なのですが、大腸憩室症がある人の1~2割には大腸憩室炎が起こるといわれます。

【症状】

  • 憩室がある部分の強い痛み
  • 下痢
  • 血便
  • 発熱

激痛の続く場合は憩室に穿孔ができて腹膜炎を引き起こしている可能性があります。

【原因】

大腸の憩室は腸に強い圧力がかかることで生じるもので、便秘、加齢による腸機能の低下などが原因となっています。

憩室に糞石(化石のように硬くなった便)が詰まって細菌感染を起こした時に大腸憩室炎が起こりやすくなります。

【対処法】

強い腹痛や下血に驚き、すぐ病院へ駆け込むことになると思います。専門科は消化器外科です。

経口大腸レントゲン検査や内視鏡検で憩室の存在と炎症が確認できれば、入院は必要になりますが抗生剤の服用と安静で回復させることができます。

ただし大量出血や憩室の穿孔など重い症状を引き起こしている場合には、手術も必要になります。

憩室の存在は自覚症状のないまま、検診などで指摘され気付くことが少なくありません。大腸憩室症の人は普段から食物繊維をしっかり摂取して便通を整えると、憩室炎の発症を予防することにつながります。

急性虫垂炎

「急性虫垂炎」は、15人に1人がかかると言われる比較的ありふれた病気です。「盲腸」と呼ばれてきましたが、盲腸の先にある虫垂に炎症が起こる病気で正式には虫垂炎といいます。

急性虫垂炎は全世代に発症し、10~20代に好発します。また子どもにもよくみられる病気です。進行すると虫垂が破裂して腹膜炎を起こす危険性があるため、受診を急がなければなりません。

【症状】

時間の経過と共に、カタル性(軽い炎症)→蜂窩織炎性(虫垂の化膿)→壊疽性(虫垂の穿孔)と進行していきます。

盲腸は大腸の右端にあり、たいていの人は「右下腹が痛ければ虫垂炎」と認識していると思います。しかし最初から右下腹が痛むわけではありません。

最初はみぞおちの痛み、次にへその周辺の痛み、4~6時間くらいで右下に痛みが移行していきます。最初は胃腸炎などと間違えてしまうことも多いようです。

次のような症状があれば急性虫垂炎と判断することができます。

  • 吐き気や食欲不振がある
  • 嘔吐を伴うことがある
  • 下痢はほとんど起こらない
  • 微熱が出る
  • 右下腹を手で押して離した時に痛みが強くなる(ブルンベルグ徴候)
  • 右足でケンケンすると右下腹に響く
【原因】

虫垂に糞石が詰まって細菌感染が起こり炎症が起こるのだと考えられていますが、はっきりした原因は分かっていません。

【対処法】

右下腹に限定した腹痛が続きほとんど下痢を伴わない場合は急性虫垂炎を疑い、すぐ受診してください。

血液検査、腹部エコーなどで虫垂の炎症が確認できた場合は、虫垂を切除する手術を行ないます。カタル性の場合は手術をせずに薬の投与で炎症をしずめることも可能です。

虫垂の位置と切除手術の図

炎症が進んで蜂窩織炎性、壊疽性まで進行している場合は手術が必要です。特に子どもは虫垂炎の発見が遅れて虫垂の穿孔から腹膜炎を引き起こしやすいので、虫垂炎が疑わしい場合はすぐに病院へ連れていかなければなりません。

ヒトの虫垂は退化しており、なくても体の機能に支障はきたしません。急性虫垂炎は薬で散らすこともできますが再発しやすいので、差し支えなければ手術で虫垂を切除してしまうのが一番ですね。

急性膵炎

急性膵炎は、胃のすぐ裏側にある膵臓が分泌する膵液で自らを消化して炎症を引き起こしてしまう病気です。

急性膵炎が起こる箇所と膵液の流れ

軽症で済む場合もあれば、他の消化器、肺、肝臓など周辺の臓器にダメージを与え命を落とす場合もあります。

【症状】

炎症が起こるとみぞおちから左上腹部に激しい痛みが起こります。

急に激痛が起こることもあれば、最初は鈍痛程度で数日間欠けて痛みが徐々に強くなってくる場合もあります。

  • 食事の数時間後に腹痛が起こりやすい
  • アルコールや油っぽい物をとった後に起こりやすい
  • 左側の背中や腰に突き抜けるような痛みがある
  • 嘔吐を繰り返すが嘔吐しても一向に楽にならない
  • 夜中に腹痛が起こりやすい
  • 発熱することがある
  • 胸膝位(四つんばいの姿勢をとってうつ伏せる)をとると楽になる

重症の場合は短時間で急性腹膜炎や多臓器不全を併発しやすく数日以内に死に至ることもあります。

【原因】

膵液が十二指腸へ流れなくなったり、膵液の分泌が過剰になったりした時に膵液の含まれる消化酵素が膵臓を消化し始めます。

膵炎発症の原因で最も多いのはアルコールの大量飲酒です。膵炎は大酒飲みの男性に多い病気ですが、女性では胆石が動いて膵管をふさいだ時に膵炎を引き起こすことも多くなっています。

【対処法】

急性膵炎が疑われる場合はすぐ受診しなければなりません。専門科は消化器内科です。

血清アミラーゼ検査・腹部超音波検査・造影CT検査などで急性膵炎の重症度を判別します。軽症なら入院し、絶食して輸液を投与し安静にします。重症の場合は集中治療室でバイタルサインをチェックしながら薬剤を投与して炎症をしずめます。

急性膵炎は再発しやすく飲酒の常用で慢性膵炎に移行しやすいので、急性膵炎が治った後も体調管理には注意が必要です。

急性膵炎を急性胃腸炎と間違えてしまうこともあります。

膵炎と診断するには血液検査やCT検査の結果が必要です!重篤化を防ぐため、腹痛が起こったらすぐに受診してください。

下腹部の急な激痛は危険!女性特有の急な腹痛

婦人科系で急な腹痛を引き起こす病気には、卵巣嚢腫茎捻転(らんそうのうしゅけいねんてん)と子宮外妊娠があります。どちらも強い痛みを伴い、緊急治療が必要です。

卵巣嚢腫茎捻転

卵巣嚢腫茎捻転は、卵巣嚢腫(卵巣にできる腫瘍)が肥大し、その重みで卵巣を支える茎がねじれてしまうことです。

正常な卵巣の大きさは直径2~3cmですが、嚢腫が肥大して直径5cmを超えると茎捻転が起こりやすくなると言われます。

卵巣嚢腫は婦人科系の病気の中でもありふれた病気のひとつで、ほとんどが良性の腫瘍です。

【症状】

卵巣嚢腫があっても普段は痛みがありません。しかし茎(卵巣の付け根)ねじれた瞬間、下腹部に激痛が起こります。吐き気・嘔吐・発熱を伴うこともあります。

卵巣腫瘍の茎捻転は左より右に起こりやすいのも特徴です。これは、左腹部にあるS字結腸が肥大した卵巣のクッションの役目をしているためだと言われています。

【原因】

卵巣嚢腫のはっきりした原因は分かっていません。30~40代に好発することから女性ホルモンの影響もあるのではないかと考えられています。

茎捻転は体の向きを変えた瞬間、激しい運動をしている最中などに急に起こります。

【対処法】

女性で何かのはずみで激しい下腹部痛が起こったら卵巣嚢腫茎捻転を疑い、至急病院へ搬送する必要があります。

ねじれた先に血液が流れなくなるため、時間が経過すると卵巣が壊死してしまいます。茎捻転が起こった時にすぐ手術をして、茎のねじれをもとに戻せば卵巣を温存することが可能です。しかし卵巣が壊死している場合は摘出しなければなりません。

卵巣嚢腫や茎捻転を予防する方法は特にありませんが、すでに卵巣嚢腫のある人は、定期的に検査を受けて嚢腫の大きさをチェックしておくこともおすすめします。

子宮外妊娠(破裂)

正常な妊娠の場合は子宮内膜に受精卵が着床して発育していきますが、何らかのはずみで子宮内膜以外の場所に受精卵が着床してしまうことがあり、これを子宮外妊娠(異所性妊娠)と呼んでいます。

子宮外妊娠の約90%は卵管で起こっています。当然、胎児が発育できる環境ではないため最終的には流産となってしまいます。また発育した受精卵が狭い卵管を圧迫して破裂を起こす危険性もあります。

ちなみに子宮外妊娠が起こる確率は妊娠全体の約1%です。

【症状】

正常妊娠と同様に生理が止まり、生理予定日を過ぎた頃に妊娠検査薬を使うと陽性反応が出ます。しかし不正出血や下腹部痛がみられ、おかしいと感じることがあります。

卵管に子宮外妊娠が起こり妊娠5~6週頃に卵管が破裂してしまうと、激しい下腹部痛と大出血を引き起こします。ショック状態を起こして時には命に関わる場合があるので、大至急病院へ搬送しなければなりません。

【原因】

卵管の機能障害、炎症による卵管の癒着によって受精卵がスムーズに運ばれなくなり、卵管に着床してしまうこと考えられています。また体外受精による妊娠も子宮外妊娠のリスクが高くなっています。

【対処法】

子宮外妊娠で破裂した卵管は摘出手術が必要になります。卵管は2つあるため片方を摘出してもその後の妊娠・出産に差し支えることはありません。

子宮外妊娠が見つかった場合には、入院して慎重に経過を観察するなどの措置がとられます。

診察時に腹痛の状況を医師に正確に伝えるコツ

急に腹痛が起こった場合は、病院で一刻も早く適切な治療をしてほしいですよね。医師にスムーズに迅速に診断してもらうには、患者が腹痛の状況を正しく伝えることも大切です。

最後に、問診で腹痛の状況を医師に的確に伝えるためのポイントをおさらいしておきましょう。

腹痛の状況
どんな痛みがあるのか シクシク、ズキズキ、我慢できない、など
どこが痛いのか みぞおち、脇腹、右肩、など
どんな時に痛みが強くなるのか 空腹時、食事の2時間後、など
いつから痛いのか 3時間前から、半日前から強くなってきた、など
ほかにはどんな症状があるか 嘔吐、発熱、出血、など
排便の状態 下痢の回数、いつから便秘をしているか、など
生理周期(女性) 妊娠の可能性など

どんな些細な症状でも医師に伝えておくほうが良いですね。

今回ご紹介した急な腹痛の原因は、あくまでも可能性として考えられる病気を取り上げています。必ずしも急な腹痛がご紹介した病気のどれかに該当するとは限らないので、腹痛が起こった時にはすぐ医療機関に相談し、適切な治療を受けるようにしてくださいね。

キャラクター紹介
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