TOP > > 子供の腹痛の原因!心配ない例と受診が必要な症状の見分け方

子供の腹痛の原因!心配ない例と受診が必要な症状の見分け方

ハグをするお母さんと2人の子供

子どもは体の機能が未熟なため、次から次へと体のどこかの具合が悪くなるものです。親はその度にはらはらしてしまいますよね。

特に子どもの症状で多いのは腹痛と発熱といわれます。中でも腹痛はあまり心配のいらないものも多いのですが、病院の治療が必要な重い病気も含まれるため、親はすぐ受診させるべきか適切な判断が迫られます。

ここでは子どもの腹痛の原因で特に多い病気を順にピックアップし、その特徴と見分け方のポイントをまとめました。

子どもの腹痛で最も多いのは意外にも「便秘」

子どもが腹痛を起こしたら、まず第一に「便秘」を疑ってください。実は子どもの腹痛の30~40%が便秘によるものなのです。

便秘の腹痛を起こしているのは、腸に溜まった硬い便と便から発生した大量のガスです。腸に便やガスが溜まった状態で腸がぜん動すると周辺の臓器が刺激されるため、強い痛みが起こります。

見分け方のポイント

次のような症状があれば、便秘で腹痛を起こしている可能性があります。

  • 下痢や発熱はない
  • まだ当日は排便していない
  • 排便が数日間なかった
  • もともと便秘気味だ
  • 左下腹部を押すとお腹が張っているのが分かる
  • 腹痛と共に吐き気や嘔吐が起こる

便秘による子どもの腹痛は夜間に起こることが少なくありません。これは、子どもの自律神経の発達が未熟で夜間に体調が変化しやすいためです。腹痛で夜間救急外来を訪れる子どもの70%が便秘といわれています。

深夜に子どもが急に目を覚まし、激しい腹痛を訴えると一緒に寝ていた親もビックリしてしまいますよね。転がりまわって苦しがったり嘔吐を伴ったりするため、救急車を呼んだほうが良いのではないかと慌てる人もいるほどです。

対処法

排便をすれば何事もなかったように腹痛が消え、ケロッと元気になります。

子どもが腹痛を起こしたら、下痢や発熱がないことを確認した上で市販の浣腸を1回試してみましょう。家庭で浣腸をするのが難しい場合、家庭で浣腸をして排便しても腹痛のおさまらなかった場合は小児科を受診してください。

子どものいる家庭は、子供用の浣腸を常備しておくことをおすすめします。「浣腸はクセになる」と言われていますが、子どもが便秘をした時だけ正しい方法で使えばクセになることはないので安心してください。

ただし浣腸を常用すると、腸が浣腸液に慣れて効果が出にくくなったり自力で排便する力が弱くなったりしてしまうので、頻繁に使うのは避けてください。

便秘を治すなら浣腸が最も効果的ですが、浣腸を使うことに抵抗のある人はお腹のマッサージを試してみてください。子どもを仰向けに寝かせておなかを「の」の字にマッサージします。マッサージには、腸に溜まっているガスを抜く効果もあります。

腹痛を起こしている子供と腹をのの字にマッサージしてあげる母親

また赤ちゃんには綿棒で肛門を刺激するのも効果的。綿棒の先にオリーブオイルをつけて肛門に1cm差し込み、ぐるりと回転させます。

eliminating-method-of-constipation-for-baby

やさしく便意を促す方法なので、普段から便秘がちな赤ちゃんの便秘予防に実践してあげるのも良いでしょう。

浣腸がないと排便できないほど便秘が慢性化している場合は、浣腸や薬に頼る前に食生活や生活リズムを改善し、自力でスムーズな排便ができる状態に導くことを優先しましょう。

また赤ちゃんの便秘が続く場合は、先天的な病気が原因となっている可能性もあるので、一度かかりつけの小児科に相談することをおすすめします。

幼稚園や学校で毎年流行!子どもに多い「ウイルス性胃腸炎」

年齢を問わず急な腹痛があれば、「ウイルス性胃腸炎」が疑われます。子どもの急な腹痛では、便秘の次にウイルス性胃腸炎が多くなっています。

ウイルス性胃腸炎は、ウイルスに感染することで起こる急性の胃腸炎です。昔から「お腹の風邪」と呼ばれていた胃腸症状のことで、「感染性胃腸炎」「嘔吐下痢症」とも呼ばれます。

ウイルス性胃腸炎の代表的な原因菌は「ノロウイルス」で、子どもには「ロタウイルス」「腸管アデノウイルス」による胃腸炎も好発しています。

ウイルスは感染した人の便や嘔吐物を経由して周囲に感染が広がりやすく、保育園や学校で集団生活を送っている子どもの間では毎年のように流行が起こっています。

見分け方のポイント

子どもに下痢と嘔吐が始まり、腹痛や発熱を伴うことがあれば、まずウイルス性胃腸炎が考えられます。またウイルスによって感染症の特徴が異なります。

ウイルス名 症状 流行時期 好発年齢
ノロウイルス 嘔吐・下痢に続き
腹痛・発熱が起こる
11月~3月 全年齢
ロタウイルス 発熱・嘔吐に続き
水状の下痢が起こる
3月~5月 生後6ヶ月
~2歳
腸管アデノウイルス 下痢が多く嘔吐は少ない
腹痛・微熱・のどの痛みを伴う
通年(主に夏) 3歳以下

免疫力の低い乳幼児は嘔吐や下痢が重くなりやすく、涙や尿が出にくくなる、ぐったりするといった脱水症状が出ることもあるので注意が必要です。

対処法

ウイルス性胃腸炎が疑われる場合は小児科を受診しましょう。市販の胃腸薬や下痢止めを使うとかえって悪化するので、使わないでください。

病院でウイルス性胃腸炎と診断されれば、幼稚園や学校に通っている子どもは学校保健安全法によって症状が消失するまでは出席停止となる場合もあります。

症状がおさまるまでは家庭で安静にし、脱水症状を引き起こさないようにこまめな水分補給を行ないましょう。

ウイルス性胃腸炎の原因菌をやっつける薬はありません。嘔吐や下痢と一緒に体からウイルスが出ていくのを待ちながら過ごすことで自然に回復していく病気です。

ただし、子どもが水分を取れなかったり脱水症状を引き起こしたりしている場合は、すぐに病院を受診して治療を受けましょう。特にロタウイルス性の腸炎は乳児の重篤化や合併症を引き起こしやすいので注意が必要です。

予防策

ノロウイルス・ロタウイルスによるウイルス感染症の流行期になったら、いつにも増してウイルス感染の予防対策を徹底してください。

これらのウイルスは非常に感染力が強いため、ウイルスに感染した人が利用した後のトイレの水を流すレバー、ドアノブなどを触った人の二次感染が起こりやすくなっています。流行期は身の周りにウイルスがうようよしている、と考えましょう。

消毒も重要ですが、一人一人が石けんを使った手洗いをこまめに行うだけでも感染の拡大を予防することもできます。まずは保護者が手洗いをしっかり行い、子どもの手洗いをサポートしてあげましょう。

ノロウイルス性の胃腸炎は牡蠣の旬となる11月~3月に流行するため「牡蠣を食べるのが原因」と誤解されがちですが、ほとんどは感染者からの二次感染となっています。食事も汚染されやすいので、特に主婦や調理従事者は衛生管理に十分注意しましょう。

またロタウイルスは任意接種できるワクチンがあるので、赤ちゃんが生まれたら早めに予防接種のスケジュールに組み込んでワクチンを接種しておくのもおすすめです。

子どもに牡蠣を食べさせなくても、流行期には幼稚園や学校からウイルスをもらって発症してしまうことが多くなりますよ。学校や地域の感染症流行情報をチェックし、予防対策を心がけてくださいね。

いわゆる食中毒、子どもは重症化しやすい「細菌性胃腸炎」

細菌性胃腸炎は、毒素を持つ細菌に感染することで起こる胃腸炎のこと。俗に言う「食中毒」にあたります。ウイルス性胃腸炎と同じ急性の胃腸炎ですが、流行に関係なく発症し、子どもはウイルス性胃腸炎より重症になりやすいといった特徴があります。

食中毒の原因になりやすいのは次に挙げる細菌です。

細菌名 症状 原因になりやすい食品
黄色ブドウ球菌 吐き気・嘔吐・腹痛が起こる 直に手指で触った物
(おにぎり・サンドイッチ)
カンピロバクター 下痢・嘔吐・腹痛が起こる
(乳幼児は重症化することも)
食肉
(鶏肉、鶏卵、牛レバー)
サルモネラ 激しい腹痛が起こり、
嘔吐・下痢・発熱を伴う
卵・食肉・うなぎ
腸炎ビブリオ 水状の下痢が起こり、
腹痛、嘔吐を伴う
魚介類
(寿司・刺身・塩辛)

見分け方のポイント

ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎は症状が似ているので、家庭で見分けるのは難しいものです。ウイルス性と細菌性では治療法が異なるので、すぐに受診して原因を特定してください。

同じ食事を食べた人が同時に胃腸炎の症状を起こせば、食中毒と推定できる場合もあります。

対処法

病院で検査を受け、細菌性と分かれば原因菌に有効な抗菌剤を投与することで治療が可能になります。医師の指示に従って治療を受け、安静にして過ごしましょう。

腹痛や下痢の原因が分からないまま時間が経過するのは危険です。すぐ受診するようにしてください。細菌性胃腸炎の中には、O-157で知られる「腸管出血性大腸菌性感染症」など、子どもや高齢者の致死率が高くなっているものもあるためです。

このように危険性の高い細菌性胃腸炎は一刻も早く処置をしなければなりません。早期に抗菌剤を投与すれば良好に回復させることが十分に可能です。

予防法

入手した食品がすでに細菌に汚染していたり調理時の衛生管理が不適切だったため、食事をした人が感染して発症してしまう病気です。家庭では、常に調理する人が衛生管理を徹底することがのぞまれます。

火が十分に通っていない魚や肉からの食中毒も多いので、まだ免疫力の低い乳幼児には普段から刺身や寿司など火の通っていない魚を与えるのを控えたり、肉はしっかり火を通して食べさせるといった配慮があると安心です。

どこも悪くないのにお腹が痛くなるなら「心因性の腹痛」かも

園児~中学生に起こりやすいのが、心因性の腹痛です。

子どもの心因性の腹痛は、大人がストレスで胃の痛みを感じるのと同じ。子どもだって精神的なストレスを感じた時には自律神経のバランスが乱れ、胃腸の機能が不安定になってしまいます。

特に子どもは自律神経の機能が未熟な上、まだ大人のように自分でストレスを発散させることができないので、ストレスがお腹の不調に結びつきやすいのです。

見分け方のポイント

症状に次のような特徴があれば、心因性の腹痛である可能性が考えられます。

  • 起床時、学校や幼稚園に行く前にお腹が痛くなる
  • 特定の曜日だけ、または毎日決まった時間にお腹が痛くなる
  • 休日、遊んでいる間は腹痛が起こらない
  • 食欲不振・吐き気・下痢・便秘を伴うこともある
  • 痛みの強さはさまざま
  • しばらく安静にしていると治る
  • 慢性的に腹痛が続くことがある
  • 検査しても悪いところが見つからない

対処法

安静にしていれば腹痛がおさまり発熱・下痢・嘔吐を伴わないようなら、急いで受診しなくても問題はありません。

しばしば腹痛を繰り返すようなら一度小児科を受診し、何か病気が潜んでいないか検査をしておく必要があります。体に悪いところがなければ、心因性の腹痛と診断されます。

まずは、心配な病気ではなかったことを喜びましょう。次に子どもの腹痛を起こしているストレスが何なのか知り、子どもがなるべくリラックスできるような環境を提供してあげます。

子どもはストレスを抱えていても、大人みたいに言葉で上手に伝えることができないものです。

親子間のコミュニケーションを増やし、親は子どもがどんなことを考えているのか、どんな悩みがあるのか引き出してストレスの原因を解決していきましょう。

へその周りが痛むのが特徴的な「反復性腹痛」

長期間にわたり繰り返し起こる子どもの腹痛に「慢性反復性腹痛」という病気があります。へその周辺が痛くなることから「反復性臍疝(さいせん)痛」と呼ばれることもあります。

反復性腹痛幼稚園~中学生の約10%が経験する病気で、ほとんどが心因性、およそ5%が器質的な原因で起こっています。

見分け方のポイント

症状に次のような特徴があれば、反復性腹痛の可能性があります。

  • 痛くなるのはへその周辺
  • 吐き気・冷や汗を伴うこともある
  • 下痢・発熱・嘔吐はほとんどみられない
  • しばらくすると痛みがおさまる
  • 腹痛は1ヶ月に1回以上、3か月以上続いている

対処法

下痢や嘔吐がなく重大な腹痛ではない可能性が高い病気なのですが、まれに器質的な病気(胃・十二指腸潰瘍や慢性膵炎など)が原因となって起こることもあるので、慢性的な腹痛が長期間続く場合は原因を特定させるために小児科を受診しましょう。

検査をして器質的な病気が見つかれば適切な治療を受けます。検査をしてもどこも悪くない場合は反復性腹痛と診断されます。腹痛が繰り返し起こっている間は、子どものストレスをやわらげたり体調を整えてあげる配慮が必要です。

子どもの消化器は機能が未熟なため、血行が悪くなって消化不良を起こしたり腸にガスが溜まったりしてけいれん性の腹痛が起こりやすくなります。

また大人より自律神経のバランスが不安定になりやすいので、ちょっとしたストレスでも腹痛が起こりやすいのです。

ほとんどは年齢的なもので成長すると自然と治っていきますが、親が「別にどこも悪くないのだから」と放置してしまうと、腹痛が日常生活の妨げとなって不登校を招くおそれがあるので、きちんと対処してあげましょう。

神経質な男の子に起こりやすい「周期性嘔吐症」

繰り返す嘔吐に腹痛を伴う場合は「周期性嘔吐症」も疑われます。血液中のアセトン(ケトン体)が増えるために起こることから「アセトン血性嘔吐症」とも呼ばれます。

「自家中毒」と呼ばれていた子どもの嘔吐も同じ病気です。自らアセトンの中毒を起こしているため、覚えやすく「自家中毒」という名前がついていたのです。

2歳~13歳の子どもに起こりやすく、特に幼児に多くみられます。女の子より男の子に多く、中でも痩せ型で神経質な男の子に起こりやすい病気です。

環境の変化、行事がある日の緊張や興奮、疲労といった心身のストレスが引き金になって発症することが多い病気です。そのほか、食べ物(チーズ・チョコレート)、感染症、生理などが原因で起こることもあります。

見分け方のポイント

何度も嘔吐を繰り返すので最初は食中毒を疑うことが多いかもしれませんが、下痢を伴わない場合は食中毒ではなく周期性嘔吐症ではないか、と考えることができます。

  • 元気だった子どもが急に青ざめて嘔吐し始める
  • 嘔吐を1日に数回~数十回繰り返す
  • 嘔吐は1日~1週間続く
  • 嘔吐は年に数回、周期的に繰り返される
  • 嘔吐物からりんごの腐ったようなすえったにおいがする
  • 重症になるとコーヒーかすのような物を吐くようになる
  • 腹痛、めまいを伴う
  • 下痢は伴わない
  • 朝方、夜間に起こりやすい

対処法

子どもは繰り返す嘔吐によって脱水と低血糖を起こしやすくなっています。場合によっては点滴で水分とブドウ糖を補給する必要があるので、小児科を受診してください。

特徴的な症状からだいたい周期性嘔吐症と推定でき、ケトン体の尿検査で陽性反応が出れば周期性嘔吐症と診断することができます。さらに検査を行ない器質的な原因が見つかればその専門治療を優先します。

周期性嘔吐症の根本的な治療法は特にないので、器質的な原因がなかった場合は、脱水に気をつけながら家庭で安静にして自然に回復するのを待ちます。

低血糖が血液や尿中のケトン体を増やし嘔吐や腹痛を引き起こすので、回復するまではこまめに糖分を補給することも忘れてはいけません。

成長と共に自然とおさまる病気なので、心身のストレスで起こっている場合はそれほど心配しなくても大丈夫です。ただし学校や家庭に悩みを抱えて発症している場合は、その原因を見つけて解決してやることも必要です。

赤ちゃんのジャムのような血便が特徴の「腸重積」は緊急治療が必要

2歳以下の赤ちゃんに起こる重大な腹痛に「腸重積」があります。腸重積とは、腸の一部が内側にめり込んで重なり、その先の血行が滞ると腸の壊死を起こしてしまう危険な病気です。

女の赤ちゃんより男の赤ちゃんに多く、特に生後6ヶ月~9カ月で好発しています。

腸重積が起こる原因ははっきり分かっていませんが、ウイルス性胃腸炎で下痢を起こした後に合併症として起こることが確認されています。

見分け方のポイント

緊急治療を要する病気です。まだ言葉の話せない月齢の赤ちゃんに起こる病気なので、次のような仕草や症状に注意してください。

  • 20分くらいの感覚で周期的に激しい腹痛が起こり、その度に激しく泣く
  • 痛みがおさまると泣き止んでケロッとしている
  • 腹痛の度に嘔吐する
  • イチゴジャムのような真っ赤な粘血便が出る
  • 右上の腹部を押すとソーセージのようなしこりが感じられる

対処法

 
腸重積が発症してから24時間以上経過すると、腸閉塞や腹膜炎を起こして命に関わる可能性が出てきます。赤い粘血便が出始めたら危険です。腸重積が疑われる場合は一刻も早く赤ちゃんを病院へ連れていってください。

X線検査・バリウム注腸造影検査などで腸重積が起こっていることを確認します。早期なら肛門から空気や食塩水を入れて腸を押し戻す「高圧浣腸」をすることで腸を元通りに戻すことができます。

しかし、高圧浣腸の効果がなかったりすでに腸の壊死が起こっている場合は開腹手術が必要です。腸の壊死している部分を切除して正常な部分を縫いつなげるといった大きな手術になります。

小中学生に多くこじれると危険な「虫垂炎」

小中学生の腹痛は「虫垂炎」が原因となっている場合もあります。虫垂炎とは大腸の右下腹にある「盲腸」の先端についている虫垂突起に炎症が起こる病気です。

人体における虫垂の位置

「盲腸」という呼び名のほうがなじみ深いかもしれませんが、最近は虫垂炎と呼ぶことが多くなっています。

小中学生に好発する病気で、2歳以下の子どもは発症しません。15人に1人の割合で発症する、よくある病気です。虫垂突起が細菌に感染することが原因で起こります。

見分け方のポイント

虫垂炎は右下腹が痛むことでよく知られていますが、最初から右下腹が痛むわけではありません。そのため間違った診断をしてしまい、虫垂炎がこじれてしまう場合があります。

次の症状がみられたら虫垂炎の可能性も頭に入れ、子どもの様子を慎重に観察してください。

  • 最初はみぞおち・へそ周辺の激しい腹痛が目立つ
  • 半日くらいかけて痛みが徐々に右下腹に移り、発熱を伴う
  • 吐き気、嘔吐を伴う
  • 下痢を伴うことはほとんどない
  • うずくまったり、背中を丸めたりする仕草がみられる
  • 右足を曲げる仕草がみられる
  • 片足でジャンプすると右下腹に痛みが響く
  • 右下腹を押すと圧痛がある

対処法

虫垂炎が疑われる場合は、すぐ小児科を受診する必要があります。子どもの虫垂炎は進行が速く、発症してから24時間以上経過すると虫垂が破裂して中の膿が飛び出し「汎発性腹膜炎」を引き起こしやすくなるためです。

汎発性腹膜炎とは、内臓を包み込んでいる「腹膜」の内側全体に膿が広がり炎症を起こす病気です。腹膜炎を起こすと命に関わることもあり危険です。

診察では白血球数の検査、お腹の触診、超音波検査の結果から虫垂炎かどうか診断します。

初期のカタル性の場合は抗生物質で治療することができます。しかし虫垂突起が腫れていたり穿孔(穴が開くこと)を起こしている場合は、すぐに手術で虫垂を摘出しなければなりません。

虫垂炎の根本的な治療は虫垂の切除手術です。抗生物質で治療した場合は再発する可能性があるので、治療法については医師とよく相談して決めるのがのぞましいです。

虫垂炎は最初に胃腸炎と間違えられることがあります。しかし子どもの虫垂炎は進行しやすいので、早く見分けてあげなければなりませんよね。

下痢がなく、ジャンプすると右下腹にひびくのがポイント。至急病院へ連れていってあげてください。

こんな仕草があれば要注意?子どもの腹痛と受診の目安

子どもはしょっちゅう腹痛を起こすので、大人はその度に受診するべきか家庭で様子を見るべきか悩んでしまい大変です。子どもの腹痛の特徴を把握しておくと、いざという時に冷静に判断することができます。

子どもの腹痛は表現に注意

大人と異なり、子どもは体調不良を的確に言葉で訴えることができません。まだ言葉の話せない赤ちゃんだと、ぐずったり火のついたように泣いたりしている時にお腹が痛い可能性もあります。

こんな微妙なメッセージも、腹痛が原因となっている場合もあります。日頃から子どもの様子をよく観察しておくと「あれ、もしかして具合が悪いのかな」と気づいてあげることができますよね。

  • 顔色が悪い
  • 体を丸めてじっとしている
  • 親にべたべたくっついてくる
  • 子どもの好きな話題(アニメなど)が出てきても喜ばない

また、子どもが「お腹が痛い」と訴えてくる時は、必ずしもお腹の具合が悪いとは限りません。胸の痛みをお腹の痛みと間違えている場合もあります。また、まだ言葉を覚えたての子どもは頭や耳の痛みもお腹の痛みと表現することもあるのです。

親は子どもの言葉や仕草、またお腹だけにとらわれず全身の症状にも注意して、子どもの病気に早く気づいてあげるようにしてください。

受診が必要な腹痛・あまり心配のいらない腹痛

子どもが腹痛を起こした時、通常の診察時間に受診すれば良い場合と夜間や休日でもすぐに受診して緊急治療を受けなければならない場合があります。

緊急治療の必要な「重大な腹痛」と様子を見て受診すれば良い「あまり心配のいらない腹痛」の見分け方をおさらいしておくと良いでしょう。

重大な腹痛

  • 血便が出た
  • コーヒーのカスのようなものを吐いた
  • お腹をぶつけた後にお腹が痛がり続けている
  • 体を折り曲げて痛がり、真っ直ぐな姿勢で立って歩けない
  • 寝ている時、腹痛で目が覚め、痛がり続ける
  • お腹を痛がり泣き止まない
  • 嘔吐と発熱を伴う
  • うとうとして元気がなく、ものを食べようとしない

対処法…一つでも当てはまる症状があれば、緊急医療機関の治療を受ける

あまり心配のいらない腹痛

  • 数日便が出ず、お腹を痛がる
  • おへその周りを痛がり、お腹をさすると痛みが和らぐ
  • 1日数回以内の下痢を伴う腹痛
  • お腹を痛がるが平気で歩いたり走り回ったりすることができる
  • お腹を痛がるが機嫌は悪くない
  • 繰り返しお腹を痛がるが痛みがないとケロッとしている

対処法…様子を見ながら通常の診察時間内に治療を受ける(症状が大きく変化したら緊急医療機関の治療を受ける)

迷う時は小児救急電話相談を利用して

夜間や休日に子どもが急に具合が悪くなった時、すぐ受診させたほうが良いのか家で様子を見れば良いのか迷う場合がありますよね。

こんな時は「小児救急電話相談」に電話で相談する良いでしょう。全国同一の電話番号「#8000」に電話をかけると、お住まいの都道府県にある相談窓口の医師や看護師につながり、適切な対処のアドバイスを受けることができます。

一般回線・携帯どちらからも利用できます。相談窓口の実施時間帯は都道府県によって異なるので厚生労働省のサイトで情報をチェックしておくのも良いでしょう。

小児救急電話相談事業(#8000)について |厚生労働省

普段から子どもの体調を観察しておきましょう

子どもが腹痛で苦しんでいる姿を見るのは親もせつないもの。早く痛みをやわらげてあげたいものですよね。

腹痛を早く治すためには、少しでも早く気づいて適切な対処をしてあげることが必要です。

普段から子どもの体調をよく観察しておきましょう。そうすれば、子どもに少しでも異変が見られる時に「あれ、おかしいな。どこか痛いのかな?」と気づいてあげやすくなります。

「お腹が痛い」と言える年代の子どもはすぐ気づいて対処してあげれらますが、まだ言葉の話せない赤ちゃんの腹痛は分かりにくい場合があります。今回の記事を子どもの腹痛のサインを見分ける時の参考にしていただけると幸いです。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る