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背中の痛みは危険?特に右側が痛い場合の原因と症状の特徴

背中が痛い男性

背中が痛いという場合、その原因には様々なことが考えられます。

もちろん姿勢が悪いせいで背中が痛くなってしまうということもありますが、実は危険な病気が原因で背中に痛みが出ることもあるのです。

背中が痛くなる原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか。背中、特に背中の右側に痛みが出る場合に、考えられるその原因についてみていきましょう。

背中の右側の痛みは胆のうや腎臓の病気の可能性あり

背中が痛いときに考えられる原因として、一番多いのは筋肉痛や筋肉の疲労によるものです。ずっと同じ姿勢で作業をしていたり、無理な姿勢をしていた、運動をやり過ぎてしまったなどというときに痛みが出ることがあります。

そしてその他に、病気が原因となって背中に痛みが出てしまう場合があります。その中でも、特に背中の右側に痛みが出てしまう可能性のある病気は胆のうや腎臓の病気です。

体の右側にある臓器の異常が、背中の右側の痛みとして出やすくなるのです。

背中の右側に痛みが出る可能性のある病気

  • 胆石症
  • 胆のう炎
  • 腎結石、尿管結石
  • 腎盂腎炎
  • 胃・十二指腸潰瘍
  • 帯状疱疹 など

それぞれの病気についてどのような病気なのか、背中の右側の痛み以外にどんな症状が現れたらその可能性が高いのかなどについて詳しくみていきましょう。

胆石症

「胆石」とは「胆汁」の成分が石のように固まってしまったものです。胆汁は、脂肪の消化を助ける役割のある液体で、「肝臓」で作られ「胆のう」に貯蔵されています。

肝臓はお腹の右上辺りにあり、内臓の中でも一番大きな臓器です。胆のうはその肝臓の下に貼り付くようにしてある、ナスのような形をした臓器になります。体の右側に存在しています。

胆のうには、肝臓で作られた胆汁が濃縮された状態で貯蔵されているのです。そして脂肪を含んだ食事をすると、胆汁は胆のうから十二指腸へと送り出され脂肪の消化を助ける役割をしてくれます。

胆石とは、胆のうの中で胆汁の成分が固まってしまったものです。(胆のう以外の場所で作られることもまれにあります。)その胆石が胆汁の流れとともに移動し、胆のうの出口に詰まってしまったりして激痛を引き起こす病気が胆石症です。

胆石症は特に、やや太めの40~50代の女性に多いとされています。

高齢化や食生活の欧米化にともなって、胆石を持つ人は増えてきています。ただ胆石を持っていても、特に症状の出ないまま一生を終える人も多くいます。胆石を持つ人の約3分の2は、無症状のまま済むとされるのです。

しかし症状が出てしまうと、それは非常に激しい痛みとなります。胆石症になると、次のような症状が現れてしまいます。

胆石症の症状

  • みぞおちから右上腹部にかけて、鋭く差し込むような痛みが出る
  • 右肩から背中の右側辺りまで痛みが広がる(腹部の痛みよりひどいことあり)
  • 冷や汗や寒気
  • 吐き気や嘔吐
  • 黄疸が出る(白目が黄色くなったり、尿が紅茶のような色になる)
  • 39度以上の高熱が出ることもある など

痛みは食事の数時間後に起き、1~2時間後には治まることが多くなります。これは食事によって胆のうが動くと、それが胆石を移動させて痛みのきっかけになるからです。しばらくすると胆石はまた元の位置に戻り、痛みが落ち着きます。

しかし胆石自体はずっと存在しているため、このような激しい痛みを繰り返してしまうことになります。そしてお腹の痛みだけでなく、右側の肩から背中にかけても痛みが出てしまうのです。

ただ全ての人にこのような激しい痛みが必ず出るというわけではなく、場合によっては右上腹部や背中の右側辺りに鈍い痛みを感じるだけということもあります。

黄疸は、胆石が詰まって胆汁が完全に流れなくなってしまうと発生してしまいます。場合によっては急性すい炎を引き起こしてしまうこともあります。黄疸が出たら、すぐ医療機関を受診してください。

白目が黄色くなっている、尿が紅茶のような濃い色になってしまっているといったことがあれば、黄疸が出ているサインです。

まれに痛みが治まらずに、39度以上の高熱が出てしまうこともあります。このようなときには細菌に感染してしまっています。場合によっては命に関わる症状になることもあるため、すぐ受診しましょう。

胆のう炎

胆のうに炎症が起きてしまった状態が「胆のう炎」です。急性胆のう炎と慢性胆のう炎があり、その大きな原因は胆石です。胆石症で詰まってしまった胆石がなかなか移動せず、それが原因になって炎症を引き起こしてしまっているのです。

急性胆のう炎も慢性胆のう炎も、食べ過ぎてしまったときや油っこい食事をした後でしばらくしてから症状が現れます。しかしその症状の激しさには違いがあります。

急性胆のう炎の症状

  • 右上腹部から右肩、背中の右側辺りにかけて激しく鋭い痛みが出る
  • 吐き気、嘔吐
  • 発熱(初期は微熱程度、進行すると39度を越える高熱になる)
  • 悪寒、冷や汗
  • 黄疸が出ることもあり
  • 進行すると右上腹部が腫れた感じになる など

急性胆のう炎が進行してしまうと、胆のうの壁に穴が開いてしまったりと危険な状態になることもあります。命に関わることもあるため、なるべく早く医療機関を受診するようにしてください。

慢性胆のう炎では、急性胆のう炎ほど激しい痛みにはなりません。右上腹部や背中の右側辺りに、シクシクするような鈍い痛みを感じるくらいです。胃がもたれる感じがして、胃炎や胃潰瘍と間違えてしまうこともあります。熱は出ません。

ただ場合によっては、こうした症状の影に胆のうがんが隠れていることもあります。食事の度に鈍い痛みがあったり不快感があるようなら、一度受診したほうがよいでしょう。

腎結石、尿管結石

尿の通り道(尿路)の「腎臓」「尿管」「膀胱」「尿道」にも石ができてしまうことがあります。これらをまとめて「尿路結石」と言います。尿路結石の中でも特に多いのは、腎臓に石ができる「腎結石」と尿管にできる「尿管結石」です。

「腎臓」は腰よりやや上辺りに左右ひとつずつある臓器で、尿を作ったりする働きをしています。できた尿を膀胱まで運ぶ管が「尿管」です。石のできてしまった場所が右側の腎臓や尿管だった場合には、右側のお腹や背中に痛みが現れるようになります。

ただ腎結石ではあまり自覚症状は現れません。腰から背中にかけて鈍い痛みがあったり重苦しいような感じがするくらいです。石があることに気がつかないままで、健康診断でたまたま見つかるということもあります。

それに対して、尿管結石では激しい症状が現れます。石があるとかなりの激痛が起きるという話を聞いたことがあるかもしれませんが、そのような結石の代表的な症状は尿管結石によって起きることがほとんどです。

尿管結石の症状

  • 突然、下腹部やわき腹から背中にかけて激しい痛みが起きる
  • 吐き気、嘔吐
  • 冷や汗
  • 男性は鼠径部や陰嚢、女性は外陰部にまで痛みが起きる
  • 血尿(肉眼ではわからない程度のこともあり)
  • 排尿痛、残尿感、頻尿など膀胱炎のような症状が出ることもある など

尿管結石は、腎結石の石が尿管に落ちたものです。石が尿管を塞いで尿の流れが悪くなってしまうために、「七転八倒の苦しみ」と言われるほどの激しい痛みが起きてしまいます。尿管を傷つけるために、血尿が出てしまうこともあります。

やがてその石が膀胱にまで落ちれば、痛みはなくなります。落ちた石はそのまま尿と一緒に排出されることがほとんどで、排出されてしまえばもう問題はありません。

ただまれに、石が残っていても痛みがなくなることもあります。痛みがなくなったからと放っておくと、気付かないうちに腎臓などで深刻な症状が進んでしまっていることもあります。

激しい痛みがあった時には、その後痛みがなくなったとしても念のため医療機関を受診するようにしておいてください。また痛みがなく血尿だけの場合にも、必ず受診しましょう。

一度石ができてしまった人は、再度できてしまうことが多くなります。定期的に検査をするようにしたり、普段から結石予防の生活を心がけるようにしてください。

結石は、特に30~60代の男性に多いとされています。また10人に1人は、生涯のうち一度は結石を経験すると言われます。

なお膀胱結石や尿道結石の場合には、頻尿や残尿感、排尿痛といった膀胱炎のような症状が現れます。細菌感染を起こして発熱してしまうこともあります。

腎盂腎炎

腎臓で作られた尿が集まる場所を「腎盂」と言います。腎盂に集められた尿は尿管を通って膀胱に溜められ、そして尿として排泄されていきます。

この腎盂や、腎臓そのものが細菌感染してしまったのが「腎盂腎炎」です。

細菌は尿の出口から侵入して、尿の通り道をさかのぼってきます。尿の通り道をさかのぼってきた細菌によって、膀胱が細菌感染してしまってのが膀胱炎です。そしてもっとさかのぼり、細菌が腎盂にまで達してしまうと腎盂腎炎となるのです。

腎盂腎炎は膀胱炎に続いて起きることが多く、膀胱炎の症状が先にみられることがよくあります。そして感染した腎臓がある側のわき腹から背中にかけて、痛みが出てしまいます。

腎盂腎炎の症状

  • 発熱(高熱)、悪寒、ふるえ
  • 感染したほうのわき腹から背中にかけての痛み
  • 吐き気、嘔吐
  • 頻尿や残尿感、排尿痛などの膀胱炎の症状
  • 尿が白濁する など

膀胱炎では頻尿、残尿感、排尿痛といった症状が現れます。そして微熱が出てしまうこともありますが、39℃以上の高熱が出てしまうことはありません。

膀胱炎の症状に続けて高熱が出て、わき腹から背中にかけての痛みがあるといったときには腎盂腎炎を疑い、なるべく早く医療機関を受診してください。早期に受診して抗菌剤を服用すれば治りやすい病気のため、心配する必要はありません。

胃・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸から分泌された消化液によって、自分自身の粘膜が傷つけられてしまうと胃・十二指腸潰瘍となってしまいます。大きな原因はピロリ菌感染ですが、ストレス・飲酒・喫煙も原因になります。

みぞおちの辺りが痛くなったり、吐き気、食欲不振といった症状が現れますが、進行して粘膜に穴が開いたような状態にまでなってしまうと、腹部や右肩、背中の辺りにまで痛みが出てしまいます。

帯状疱疹

帯状疱疹は体内に隠れていた水ぼうそうのウイルスが、再び活動を始めることで起こります。胸から腹部や背中などに現れることが多く、その左右どちらか片側の神経に沿って、チクチクとした痛みのある水ぶくれができます。

子供のころ、水ぼうそうにかかったという人は多いでしょう。実はそれが治った後も、水ぼうそうのウイルスは神経の中に隠れています。そして大人になって、ストレスがたまったり風邪をひいたりして抵抗力が落ちたときに突然、再び活動を始めてしまうのです。

初めは神経痛のようなチクチクした痛みだけが出ます。この時には、まだ水ぶくれのような目で見てわかる症状は特に出ていません。

その後4、5日してから、痛みの出た場所に赤い発疹ができます。それがやがて水ぶくれとなり、3週間から1ヶ月くらいで治っていきます。ただ水ぶくれが治った後に、半年から1年以上も痛みだけが続いてしまうこともあります。

痛みが出ている場所に水ぶくれなどがあれば、帯状疱疹になっていると気付きやすいでしょう。しかし目で見てわかる症状がないままに、チクチクとした痛みだけが出るという時期があるのです。このときは何の病気か迷いやすくなります。

腹部や背中にチクチクと刺すような痛みが出たときには、帯状疱疹かもしれません。症状の特徴は体の片側に、帯状に現れるということです。

異常を感じた際にはなるべく早く医療機関を受診しましょう。早い段階で抗ウイルス薬を服用するなどの治療を始めることで、軽い症状で完治させることができます。処方された薬は指示通りに飲みきるようにしましょう。

高齢者や薬の服用開始の時期が遅れてしまった人ほど、帯状疱疹の症状が治まった後にも痛みだけが続いてしまいやすくなります。そうなってしまうと厄介ですので、なるべく早く治療を開始することが大切です。

背中の痛みが右側以外にも!こんな危険な病気の可能性も

では背中の痛みが右側だけでない場合には、どんな病気の可能性があるのかについてもみておきましょう。

背中の痛みが右側以外にも出る病気

  • 心筋梗塞、狭心症
  • すい炎、すい臓がん
  • 子宮筋腫、子宮内膜症
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 変形性腰椎症
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 骨粗鬆症 など

この中でも心筋梗塞、狭心症、すい炎、すい臓がんは背中の左側に痛みが出やすいとされます。これは心臓やすい臓が体の左側にある臓器のためです。

「背中が痛い」という症状だけでも、その裏にはいろいろな病気が隠れている可能性があります。背中の痛みがずっと続いていて原因に心当たりがない、突然背中に痛みが出てしまったと言った場合には、一度医師の診察を受けるようにしてみてください。

「たかが背中が痛いくらい」なんて思っていると重大な病気を見逃してしまう危険もあります。

症状がなかなか良くならなかったり急に痛くなったりというときにはみてもらいましょう。

筋肉の疲労や疲れ目なども背中に痛みが出る原因になる

ここまでは背中に痛みが出てしまう可能性のある、注意をするべき病気についてみてきました。しかし背中に痛みが出てしまう原因は、このような病気以外にもいろいろと考えられます。

「ちょっと背中が痛い」といったときには、病気が原因になることよりも次のような理由によることのほうが多いかもしれません。普段の生活の中で、次のような心当たりはありませんか。

  • 長時間、同じ姿勢でパソコンをしていた
  • 立ちっぱなしだったり、無理な姿勢を続けていた
  • 普段はしないような運動をした
  • パソコンやスマホの見過ぎで目が疲れている、メガネが合っていない
  • 歯の噛み合わせがずれている
  • ストレスがたまっている など

長時間、同じ姿勢でいたり無理な姿勢を続けていたという場合には、筋肉が疲労したために背中に痛みが出てしまいます。ゆっくり入浴して体を温めたり、軽くマッサージをすると良いでしょう。

入浴は熱いお湯でなく、ぬるめのお湯にしましょう。血行が良くなって筋肉の緊張や疲労も改善し、痛みも楽になってくるでしょう。

ただし打撲のような急性の痛みの場合には温めないで冷やして下さい。一般的に、筋肉を痛めた直後でまだ患部が腫れている、熱を持っている、炎症があるというときには冷やすようにしましょう。

疲れ目やメガネの度が合ってない、歯の噛み合わせが合わないということも背中の痛みや体全体の不調に繋がります。このような原因には気がつきにくいかもしれませんが、視力や噛み合わせといったことが全身の状態にも影響を与えることを覚えておいてください。

そして精神的なストレスによっても背中の痛みが起きてしまうことがあります。ストレスがあると、気付かないうちに自律神経は乱れてしまっています。すると血流が悪くなったり、筋肉が緊張してしまったりするのです。

ストレスをなくすのが一番ですがそれは難しいと思われる方もいるかもしれません。

そのようなときにはまず、体のこりをほぐすことを考えてみてください。体がほぐれれば心の緊張もほぐれてきます。

以上のように「背中の痛み」という症状だけでも、その原因には様々なことが考えられます。

たかが背中の痛みと思わずに痛みがずっと続いている(目安は1週間以上)、突然背中に痛みが出た、ずっと痛いわけではないが繰り返し痛みが出るといったときには、一度、医療機関を受診してみてください。

もし胆のうやすい臓の病気かもしれないと思ったときには「消化器内科・外科」へ、腎結石や腎盂腎炎の疑いがあれば「泌尿器科」を受診するとよいでしょう。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は「整形外科」を受診してください。

ただ、何科にかかるべきか迷った場合には「内科」を受診するとよいでしょう。まず内科の医師に診察をしてもらい、もしも専門の科を受診したほうがよいと判断されれば、他の医療機関を紹介してもらえます。

もしもかかりつけの医療機関があるようでしたら、まずのそこを受診するようにしてみてください。

気になる症状があればまずはかかりつけの医療機関へ行ってみるのが一番ですね。

1人で気にしているよりは、医師に相談してみましょう。

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