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寝ても寝ても眠いなら過眠症チェック!症状と潜む危険な病気

目をおさえて眠る女性

毎晩十分な睡眠をとっているはずなのに、日中眠くてしかたがない…という人はいませんか?

日中に強い眠気が起こるのは過眠症という睡眠障害の疑いがあります。そして、そこには怖い病気が潜んでいる場合があるのです。

日中眠くて眠くて困っているという人、その症状は改善できますし、改善すべきなのです。

日中眠くてしかたがない!?過眠症の症状とは

夜間、しっかり眠っているはずなのに、日中も眠くてしかたがない・・。あるいは日中の眠気に耐えられなくなり、ところかまわず眠り込んでしまう、というような症状を大きなくくりで「過眠症」といいます。

過眠症は、日中、強い眠気に絶えず襲われ、覚醒の維持が困難な状態のことなので、病名というよりも、そうした状態のことを表わします。

過眠症の症状が起こってしまうのは、それを引き起こす根本的な原因がいくつか考えられます。そして過眠症が起こる原因の中には、まるで想像もしなかった怖い病気が潜んでいる場合もあります。

日中眠くてしかたがない、という症状がある場合、それを単に一時的な眠気や疲れが原因だと安易に決めつけず、その根本的な原因や隠れた病気を突き止めることで、はじめて過眠症の症状を正しく改善することができます。

日本睡眠学会による過眠症の定義

過眠症の症状を正しく理解するためにも、日本睡眠学会における過眠症の定義を確認しておきましょう。日本睡眠学会では、過眠症を次のように定義しています。

日中に過剰な眠気または実際に眠り込むことが毎日の様に繰り返して見られる状態で、少なくとも1ケ月間は持続し、そのため社会生活または職業的機能が妨げられ、あるいは自らが苦痛であると感じるものです。 ただし一回の持続期間が1ヵ月より短くても繰り返して過眠期がみられるものも含みます。

これを要約すれば、日中に過剰な眠気が頻繁に起こる状態が少なくとも1ヶ月以程度続き、社会生活に支障をきたしたり苦痛に感じたりする場合を総称して過眠症と定義しています。

この定義をさらに噛み砕いていえば、過眠症の症状は次のようにまとめることができます。

  • 日中に過剰な眠気が毎日のように繰り返し起こる
  • 日中に強い眠気が起こることで学業や仕事など社会生活に支障をきたしている
  • 日中に頻繁に起こる眠気が苦痛に感じる
  • 日中の眠気による不便や不快感が少なくとも1ヶ月程度続いている

夜しっかり寝ているはずなのに、日中に強い眠気が頻繁に起こることで生活に支障をきたしているような状態であれば、過眠症の疑いがあります。

過眠症の具体的な症状とは?10の項目で過眠症を自己チェック

「強い眠気」や「過剰な眠気」といわれても、どの程度のことなのかピンとこないかもしれません・・。そこで、もう少し具体的な症状をあげて過眠症かどうか自己チェックをしてみましょう。次の10項目の中にあてはまることはありませんか?

1 日中に眠くなり一日に少なくとも5回以上、生あくびが出る
2 日中に眠くなり自然にまぶたが閉じてしまうことがある
3 昼間はいつも頭がボーッとする感じがする
4 昼間でもまだ夢の中にいるような気持ちがする
5 仕事中や会議中にウトウトと居眠りをして人から注意を受けたことがある
6 自動車の運転中や機械の作業中などに突然眠くなり危険を感じたことがある
7 とくに理由もなく日中にからだのだるさや疲れを感じている
8 注意力や集中力が散漫になり勉強や仕事がはかどらないことがある
9 気分にムラがあり、簡単なことでミスや失敗をすることが多い
10 日中、何かに取り掛かろうとしても、どうしても意欲がわかない

こうした状態が1つでもあり、それが1ヶ月程度続いている、またはこの数ヶ月のうちに断続的にでも起っている場合、過眠症の疑いが強いと考えられます。

標準的な睡眠時間とは

厚生労働省の睡眠の指針によると年齢別に以下が標準的な睡眠時間だとされています。

年齢 標準睡眠時間
10代前半 8時間以上
25歳 7時間
45歳 6時間半
65歳 6時間程度

この基準よりも大幅に睡眠時間が長い場合や、標準時間程度の睡眠をとっているにもかかわらず、日中に強い眠気を頻繁に感じる場合は過眠症の疑いがあると考えられます。

過眠症と不眠症は表裏一体!過眠症の原因とは?

過眠症の定義やチェック項目にあてはまることがあるとしても、誰でも日中に眠気を感じることは少なからずあると思います。

夜遅くまで仕事をして睡眠時間が短くなっているときや、仕事や家事が忙しく疲れが溜まっているときなど、睡眠不足や疲労が重なれば誰でも日中に強い眠気を感じることがありますね。そうした状況でも過眠症と同じような症状が起こることがあります。

日中に眠くなる過眠の原因を突き詰めると、次の3つに分けられます。

1.脳の機能障害や脳の病気が原因

睡眠不足の自覚症状がこれといってなく、夜しっかりと寝ているはずなのに、昼間も強い眠けが起こるという状態です。こうした状態は、脳の機能に何らかの障害や病気が潜んでいる疑いがあります。考えられるのは次の病気です。

  • ナルコレプシー
  • 脳腫瘍

2.自覚症状がある睡眠不足や睡眠障害が原因

夜しっかりと眠れていないという自覚症状があり、そのために昼間に眠くなるという場合、昼間の眠気は夜間の睡眠障害が原因だと考えられます。具体的には次のような病気や障害が考えられます。

  • 概日リズム障害
  • むずむず脚症候群
  • 月経による睡眠障害
  • 加齢による睡眠障害

3.自覚できない夜間の睡眠障害が原因

自分では夜しっかりと寝ている感覚はあるが、昼間にも眠くなるという状態です。とくに睡眠不足などの原因に思いあたることがない場合でも、実際には夜間の睡眠に問題があることが原因で起こります。

  • 睡眠時無呼吸症候群
  • うつ病・仮面うつ病

どの選択肢も昼間に眠くなることは変わりませんが、眠くなる原因はそれぞれ異なります。この場合、専門的にみて過眠症といえるのは、実は1番だけです。そのほかの項目は、2番は過眠症ではなく不眠症、3番は自覚のない不眠症です。

「夜しっかり寝ているかどうか」は自分の感覚によって自覚するものです。昼間に眠くなるという症状が同じでも、自分が不眠だと考えれば不眠症になりますし、しっかり寝ていると感じるなら、過眠症になってしまいます。

過眠症の本来の意味は「夜しっかり寝ているはずなのに、日中も眠くて生活に支障がある」という状態です。すなわち、徹夜で勉強や仕事をしたり睡眠時間自体が短かったりすることによる睡眠不足が原因で昼間眠いというのは、正確にいえば過眠症とはいえません。

ですが、過眠症と不眠症は、表面上現れる症状がほぼ同じため、表裏一体のものと考えられ、厳密に区別することは難しいのです。病名を突き止めることも大切なのですが、それ以上に日中に極度に眠くなり生活上の不都合が起こっている状態を解決することのほうが重要です。

自分では過眠症だと思っていても、実は睡眠を妨げる何らかの病気が原因で日中の過眠症状が起こっている場合もあるのです。そうした根本原因を解決することが、過眠症の症状を改善することにつながります。

また、昼間に感じる眠気の度合いをはかるために、「エスワープ眠気尺度表」という指標があります。こうした指標を参考にして昼間の眠気をチャックしてみましょう。

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(クリックで大きな画像が見られます)

本当に夜しっかり眠っているというのは、あくまでも主観での判断!

実際には眠っていると思っていても不眠になっていることが多々あります。過眠と不眠は表裏一体のもとの考えるべきですね…。

1.脳機能の障害で起こる過眠症、ナルコレプシー

夜しっかり眠っているはずなのに昼間も眠くてしかたがないという場合や、実際に昼間も眠ってしまう病気の原因はいくつか考えられますが、最も代表的な過眠症としてあげられるのが、ナルコレプシー(ジェリノー症候群)という睡眠障害です。

ナルコレプシーにはいくつかの症状がありますが、特徴は日中に突然強烈な眠気に襲われ、そのまま眠り込んでしまうというのが典型的な症状です。

例えば、授業中や会議中、運転中や危険な場所での作業中など、常識的に寝てはいけない状況であっても、突然眠ってしまう病気です。

ナルコレプシーによる日中の眠気は、日中ずっと眠いというよりも、突然ストンと眠りに落ちてしまうような感覚があるのが特徴です。突然意識を失うことに近いといってもいいでしょう。

最近バスや自動車の運転手が突然意識を失う事故を多く耳にしますが、その原因の一つはナルコレプシーではないかとも考えられています。

ナルコレプシーは日本では600人に1人くらいの割合で発症していますが、そのほとんどは10代の思春期の年代が中心で、20代くらいまでの比較的若い人に発症する傾向が高い病気です。

発症における男女比の差もほとんどありません。

ナルコレプシーの原因

ナルコレプシーが起こる原因のほとんどは、脳の中にあるオレキシンという脳の神経回路のスイッチの役割をしている物質が不足することで起こると考えられています。

オレキシンは脳の中でちょうど電気のブレーカーのような役割をしていて、日中、神経のスイッチをONにしておくべきところをオレキシンが不足することでスイッチがOFFになってしまいます。

そのため、突然脳が活動を停止し居眠りを始めるのです。

発症ケースとしては稀ですが、脳腫瘍や脳梗塞によって脳の機能が損傷されナルコレプシーの症状が起こる場合もあります。オレキシンの分泌に関する何らかの機能が損傷することで過眠の状態が起こります。

過眠症の症状がひどい場合は脳腫瘍など重篤な病気が潜んでいる可能性も考えられるので、単なる疲れや気持ちのせいだとは考えずに、あらゆる可能性を視野に入れて対応を考えることが大切です。

ナルコレプシーを自己チェックする方法

日中に頻繁に起こる耐え難い眠りに加え、次の2つ以上の項目に合致する場合、眠気の症状の原因はナルコレプシーである可能性が高いといえます。

昼間の耐え難い眠気に加え、次のような症状が同時に起こっていないかチェックしてみましょう。

1 カタプレキシー(情動脱力発作)
笑ったり、起こったり、興奮したりすると突然全身の力が抜け、倒れこんだり、意識を失ったりする
2 金縛り(睡眠麻痺)
睡眠中にいわゆる金縛りの状態が頻繁に起こることがあり、とくに眠りに入るときに突然からだが動かなくなる
3 睡眠時の幻覚
眠っているときに幻覚をみることがある。夢なのか現実なのか区別がつきにくいほどリアルな夢を見ることがある
4 10~20代で発症している(あるいは10~20代の頃から症状が続いている

昼間の強い眠気に加えこうした項目に心当たりがあり、年齢的な要素を含めて合致する場合にはナルコレプシーの疑いが強いと考えられます。

もしこうした症状を感じる人が年齢的に中高年以上の場合は、可能性が全くゼロというわけではありませんが、ナルコレプシーとは考えにくいです。

また情動性脱力発作は単体では起こりづらい症状で、その多くはナルコレプシーより起こる併発症といわれています。これが起こる度合いには個人差が大きく、全く情動性脱力発作を起こさない患者もみられます。

他の原因についても確認したうえで、病気の正体を突き止めたほうが正しい診断につながります。

ナルコレプシーの対処法

日中の強い眠気の原因がナルコレプシーであるとすれば、自分だけで症状を改善することは非常に難しいといえます。根本的には、オレキシンの分泌異常を改善するための専門的な治療を受ける必要があります。

医師の診察を受けるとオレキシンの分泌異常を改善し、主にモダフィニル(モディオダール)という日中の眠気を抑える薬を処方されます。

ナルコレプシーは時と場合によってはとても危険な病気ですから、安易に民間療法的に治そうとするのは大変危険です。

2.寝ているつもりで眠れていない!睡眠時無呼吸症候群

毎晩しっかり眠っているつもりなのに昼間でも強い眠気が起こる場合、考えられる病気の一つに睡眠時無呼吸症候群(SAS)もあげられます。

この病気の認知度も高いのでご存知のかたも多いと思います。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に舌の付け根やのどの周りの部分が垂れ下がり、気道を圧迫して一時的に呼吸ができなくなる状態のことをいいます。

睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に何度も起こります。多い人では一晩で200回も呼吸が止まることもあります。

そのため、睡眠時無呼吸症候群の人は自分ではしっかり寝て休んでいるつもりでも、無意識のうちに呼吸ができなくなることが繰り返され、脳や体の休息が妨げられている状態になっているのです。

日中に強い眠気を頻繁に感じる原因は、睡眠時無呼吸症候群が起こり、脳や体が十分に休息できていないことが原因になっていることになります。

つまり、夜しっかり寝ていると思っているのは自分の思い込みで、実際には睡眠時無呼吸症候群が起こっているために脳もからだもしっかり休めていないのです。

睡眠時無呼吸症候群による睡眠リズムの乱れ

人が眠っているときは、およそ90分を1周期として深い眠りと浅い眠りを繰り返して眠っています。睡眠時間が6時間であれば4回の周期、7時間半であれば5回の周期で深い眠りと浅い眠りを繰り返すことになります。

このとき、何の問題もなければ眠ってからすぐに深い眠りに落ち、しばらくすると浅い眠りに戻り、2回目の深い眠りに落ちていくのが正常です。

ところが睡眠時無呼吸症候群の人は、眠ってから眠りが深くなる前に呼吸が閉塞してしまうので、本来の深い眠りの状態にたどり着く前に呼吸を確保する必要が生じるため、脳や体が微妙に覚醒し浅い眠りに戻ってしまうのです。

つまり睡眠時無呼吸症候群の人は深い眠りに到達することができないため、睡眠の質が低下し、いくら寝ても寝たりなくなる状態になり日中でも強い眠気を感じることになってしまうのです。

正常と睡眠時無呼吸症候群の睡眠リズムと眠りの深さの比較グラフ

正常と睡眠時無呼吸症候群の睡眠リズムと眠りの深さの比較グラフ2

無呼吸症候群の見分けかた

睡眠時無呼吸症候群はのどの周りについた余分な脂肪が大きく関わっているので、統計的にみれば中高年の男性に多い病気です。

ただし、年齢や性別に関わらず太っている人なら誰でも症状が起こりやすいともいえます。

  • 中高年の男性である
  • 太り気味か太っている
  • 大いびきをかいて寝ている
  • 寝ている途中で息苦しそうにしている
  • 朝目覚めてもスッキリ眠った感じがしない

こうした特徴にあてはまることがあれば、睡眠時無呼吸症候群の疑いが強いと考えられます。誰でも寝ているときの様子は自分では分からないので、パートナーがしっかりチェックをしてあげることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病!無呼吸症候群の改善法

睡眠時無呼吸症候群を発症する人の特徴は、中高年の太った男性に多いということです。要するに、太り気味で舌の根元やのどの周りに脂肪がたっぷりとついた人ほど、気道が詰まりやすく睡眠時無呼吸症候群を起こしやすいのです。

もちろん、女性であっても年齢が若い人でも、太り気味で脂肪が多くついていれば、睡眠時無呼吸症候群を起こしやすいといえます。

睡眠時無呼吸症候群は、肥満との関係が大きく、太っていることが根本的な原因です。そのため、睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病の1つだと考える専門家も多くいます。

根本的な改善方法をあげるとすれば、それはただ一つ、痩せることです。体重を減らし余分な脂肪を少なくすれば、自然に気道が確保され、症状は改善していきます。

また、睡眠時無呼吸症候群の人で晩酌など夜お酒を飲む習慣があると、飲酒によってのどの筋肉が緩むため、症状が発症しやすく悪化しやすくなります。寝酒を控えることや晩酌のお酒の量を減らすなど飲酒の習慣を少し変えてみると症状が改善する場合もあります。

その他にも次のような方法で睡眠時無呼吸症候群を防ぐ方法もあります。

  • できるだけ横向きではなく上向きで寝るようにする
  • 横向き寝になる専用枕を使用し上向き寝になるのを防ぐ
  • 布団の片側を高くしてからだが横向き寝になるように工夫する
  • 舌がのどの奥に落ち込まないように専用のマウスピースを使用する

睡眠中に気道の閉塞が起こらないように工夫することが、睡眠時無呼吸症候群の改善法といえます。

専門医が奨めるCPAP治療とは?

症状が重症で自分でできるだけの対処を行っても症状が改善しない場合、CPAP(シーパップ)という専用の装置を使うことも考えてみましょう。

睡眠時無呼吸症候群の原因は、舌の根元やのどの周りの脂肪などが気道を閉じてしまうことで起こるわけですが、CPAPは専用のマスクをつけ、空気の圧力によって気道を拡げ呼吸が止まらないようにする治療法です。

cpap引用画像

こうした治療法もあるので、自分に合った改善法や治療法をいろいろと試してみることも必要だと思います。

3.一般的な過眠症のイメージ?反復性過眠症はとにかく眠る

1日に16~18時間眠る期間が3~10日ほど続き、その後正常な睡眠時間に戻るというサイクルを起こす過眠症を反復性過眠症と言います。

長時間眠る期間を「傾眠期」、正常な睡眠をとる期間を「間欠期」といい、間欠期を数ヶ月ほど過ごすとまた傾眠期に陥ります。これをくりかえすことから周期性過眠症とも呼ばれます。

間欠期には過眠症の症状がまったく現れず、この期間に「過眠症かと思ったけど治った」と感じてしまい自覚症状が出づらいのも特徴です。

一般的にはこのように長時間とにかく寝てしまう、というものが過眠症というようにイメージされがちですが、この反復性過眠症は非常にまれな症状で、罹患者は少ないとされています。

反復性過眠症は意識障害に近い症状を起こすことも確認されており、

  • 目覚めたときにしばらく意識がはっきりしない(頭がぼーっとする)
  • 日常の行為(トイレや食事など)が記憶に残っていない

というような報告がされています。

実際に覚醒時に出る脳波であるアルファ波よりも、入眠時に出るシータ波が多く検出されたという研究報告もあります。

原因と治療法

発症率が非常に低いので、研究が進まず原因は詳しくはわかっていません。しかし、10代の男性に多くみられ、20~30代のうちに改善されていく傾向があるようです。

予防治療というかたちで、躁病にも用いられている炭酸リチウム系の薬が有効だと言われています。これは感情の浮き沈みを平坦にし抑える効果のある薬です。

ただし確信的な治療方法とはされておらず、自然治癒までの対策、といったところなのが現状でしょう。

4.うつ病が原因で起こる過眠症

日中に常に眠い状態が続く場合、うつ病の可能性も考えられます。うつ病の人は慢性的な睡眠不足のため、日常的にからだが疲れ、日中の活動も散漫になり、集中力が低下する状態が続きます。

うつ病になると常に疲労感や倦怠感、おっくうな気持ちが続くため、疲れたからだを休めようとして就寝時間も早くなることが多いのです。

しかし、就寝する時間が早くなっても日中の活動量が少ないため、実際の睡眠時間や睡眠の質は低下したままので、質の高い十分な睡眠が得られないのです。

就寝する時間が早く、ゆっくり体を休めているつもりでも、うつ病によって日中の活動量が少なくなるため、質の高い眠りを得ることができないのです。いくら寝ても寝たりない気持ちがするのは、うつ病が原因かもしれません。

うつ病には本人にも自覚があるうつ病と、本人にはうつ病だという自覚がない「仮面うつ病」の場合があります。

とくに仮面うつ病は、精神的な原因によって自律神経系や内分泌系のバランスが崩れて、しっかり眠ることができない場合があります。

この場合も、自分では毎晩しっかり寝ているつもりなのですが、実際には心やからだが十分に休めていないため、日中に強い眠気や疲労感、からだのだるさなどを感じることになるのです。

いずれにしても、昼間の強い眠気の本当の原因がうつ病であることも考えらます。うつ病が原因で日中眠くなるのか、日中眠くなるからうつ病になるのかは、専門家でも難しいところです。

うつ病が原因で起こる日中の眠気の対処法

うつ病には様々な症状があり個人差も大きいので、簡単に解決することは難しいと考えられています。うつ病による眠気は、根本的にはうつ病の原因を取り除かなければいけないからです。

そのためには次の3つのステップでうつ病による眠気を改善していきましょう。

  1. うつ病が原因で過眠症状が起こっているのか正しく診断する
  2. うつ病の原因を取り除く
  3. 眠りを良くする方法の実践

うつ病患者の9割には日中の眠気や不眠症状など睡眠障害が起こるといわれています。日中の眠気に加え次のような症状がないか確認してみましょう。

  • なかなか眠れない(入眠障害)
  • 夜中に目が覚める(中途覚醒)
  • 早朝に目が覚める(早朝覚醒)

日中の眠気に加えこうした症状に心当たりがあれば、うつ病による睡眠障害が影響して過眠症状が起こっている疑いが高いと考えられます。

うつ病は重篤になれば命にも関わる病気ですから、根本的に治療するには専門医の診断と治療が必要になります。

しかし症状が比較的軽度のうつ病であれば、うつ症状の原因となるストレスなどを解消することで症状が改善できる場合もあります。

うつ病が原因で起こる過眠症は、根本的にはうつ病を改善することが必要です。しかしこうすればうつ病が原因で起こる過眠症が治るというような単純な答えはありません。

ですが、こうすれば少しでも症状が改善するかもしれない、ということならたくさんあります。

それは次にあげるようなことを試してみることです。どれも凝り固まった気分が少しでも解消され、心の緊張や精神のリラックスが得られる、と多くの人が体験して知っていることばかりです。

これらの方法を理屈を考えず実行してみることで、過眠症という睡眠障害が少しでも改善する可能性は十分にあります。大事なことは「自分でやってみる」ということです。

  • 自分が好きな音楽を聴く(テンポがゆっくりした曲のほうが良い)
  • イルカの声のCDを聴く
  • 入浴はぬるめの温度でゆっくりと肩までお湯に浸かる
  • お風呂の中で、ため息をつく、愚痴や不満を口に出して言う
  • メールではなく、電話でとにかく人と話す
  • カラオケなどで歌を歌う
  • ヨガや瞑想を試してみる
  • 「大人の塗り絵」に挑戦してみる

うつ病が悪化していく背景には、自分だけで考え込んでしまい考え方が凝り固まったり、堂々巡りになったりすることも大きな要因です。

頭で考えるだけでなく、理屈はともかくとにかくやってみる、動いてみる、からだを動かしてみる、という行動を起こすことがとても大切です。

理屈なんかなくても、やってみたら気持ちが良かった、からだが軽くなった、頭がスッキリした、ということもあるのです。それが鬱々とした気分をリラックスさせるのです。

5.睡眠の周期がずれている…概日リズム障害

睡眠が正常な人は、毎日決まった時間になると眠くなり、決まった時間になると自然に目が覚めるものです。これは、体内にある体内時計がからだの活動をコントロールしているからです。

昼間眠い状態が起こるのは、この体内時計が正確に作動していないことが原因かもしれません。

体内時計は自律神経をコントロールして、日中は活動的に、夜間は休息をとるようにからだのリズムを保つ働きをしています。

自律神経の働く時間とその効果

ただし、厳密にいうと、体の中の体内時計は3つあり、それぞれ細かく調節しながら、全体として体内時計をコントロールしています。

サーカディアンリズム(24時間周期)
毎晩ほぼ同じ時刻に起こる強い眠気
サーカセミディアンリズム(12時間周期)
昼の12時~14時の眠気
ウルトラディアンリズム(90分周期)
睡眠中など90分周期の眠気

これら3つは同時に働いていますが、細かくみれば別々に働き、細かな活動の変化につながっています。

お昼を食べたあと午後に眠気が起こるのは、消化のためだけでなくセミサーカディアンリズムが働くからです。

また、実は眠っているときだけでなく、日中でも90分周期で覚醒と眠気が交互に起こっています。

仕事や家事、勉強などをするとき、始めはイヤイヤやっていても、だんだんと調子が出てきたという経験があると思います。これは、覚醒リズムが90分おきに変化するのも理由の1つです。

こうした、自分ではなかなかコントロールできないからだの覚醒と休息のリズム調節をとらえ、うまく利用することで全体として日中の眠気を少なくコントロールすることは可能になるのです。

規則正しい起床が鍵!概日リズム障害による過眠症を改善する方法

快適な眠りを作るために次のようなことに取り組んでみましょう。

  • 毎朝、同じ時間に太陽の光を浴びる(光を浴びるだけでなく、光を目から取り入れることが大事)
  • 朝食を抜かない、昼食を食べ過ぎない
  • 深夜までテレビやパソコン、スマホの画面などディスプレイを見ない
  • 午前10時と午後3時など日中決めた時間に必ず休憩を取る

6.月経周期に合わせておこる女性特有の眠気

女性に過眠症が起こる場合、女性ホルモンとの関係が影響している場合が多くあります。

女性の月経周期のうち、月経の終わりから排卵頃までは、女性ホルモンのエストロゲンが多く分泌されるので、心やからだの状態が安定し眠りに関してもとくに障害が起こることはありません。

ところが、排卵を過ぎた頃から次の月経まで、女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が多くなると、夜間の睡眠の質が低下し昼間の眠気が強くなることがあります。

このときに、いつもと変わらず夜もしっかりと睡眠をとっているはずなのに、日中に眠気を感じることが多くなるので、過眠症ではないかと考えてしまうのです。

しかし、これは月経に伴う女性ホルモンの分泌が睡眠に影響していることが原因で、女性なら多かれ少なかれ起こることなので、やむを得ないことかもしれません。これは過眠症ではなく、月経による不眠症状の1つです。

症状を訴える人が更年期の世代であれば、更年期障害によっって日中の眠気を強く感じることが多くなります。更年期障害によって起こる不定愁訴の一つなので、過眠症というよりも女性の宿命といえるかもしれません。

女性ホルモンの分泌による過眠症状への対処法

こうした女性特有の過眠症の場合、根本的にはエストロゲンを補充するか、エストロゲンの代替となるものを多く摂ることで症状が軽減できる場合があります。

イソフラボンは納豆など大豆製品に多く含まれていますが、液状にしたもののほうが吸収が良くなるので、次のようなもので摂るのがお奨めです。

  • 豆乳
  • 豆腐の味噌汁
  • 大豆やおからを入れたスープ
  • 7.加齢によって起こる高齢者の過眠症

    若いときは日中に眠くなることはなかったのに、歳をとると日中に眠気を感じやすくなることがあります。

    これは加齢によって睡眠を司るメラトニンというホルモンの分泌が減少するためです。誰でも歳を重ねるほど眠りが浅くなるため睡眠の質が低下することや睡眠時間が短くなることが日中の眠気に影響を与えています。

    高齢者の過眠症の改善法

    高齢者の過眠症を改善するには、日中の活動レベルをあげてみることが効果的です。碁会所や将棋教室などで頭を使ったり、昼カラオケに参加したり、生涯学習に励むことなど、やりがいのある趣味や勉強に取り組んでみてはどうでしょう。

    各自治体でも高齢者向けに様々なプログラムを実施しています。

    • オカリナ教室
    • 歌声喫茶
    • 陶芸教室
    • 伝統料理教室

    ・・・などを積極的に活用してみましょう。また、朝風呂に入りに行ってみることも良い方法です。

    高齢になると病気も多くなり睡眠障害を起こす原因も増えていきます。他人とのふれあいや励ましあいで気持ちを明るくすることも大切ですね。

    8.むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

    むずむず脚症候群とは奇妙な名前ですが、夜寝ようとして床についたときにふくらはぎや脚の裏などに虫が這っているようなムズムズとする感覚が起こり、睡眠時間が短くなったり睡眠の質が低下する病気です。そのため日中に眠気が起こります。

    原因は、脳内のドーパミンという物質の分泌が低下することが原因だと考えられています。

    ドーパミンは鉄分や葉酸が不足すると分泌が低下することが分かっているので、治療の第一段階として、鉄分と葉酸の摂取量を高めてみましょう。

    また、コーヒーなどカフェインの摂りすぎも症状を悪化させる原因になりますので控えましょう。

    9.原因不明の特発性過眠症

    ナルコレプシーのように日中の眠気が我慢できない過眠症として、特発性過眠症があります。

    しかしナルコレプシーよりも長時間、だいたい1~4時間ほど眠り込んでしまうことがこの過眠症の特徴です。

    特発性過眠症には2つのタイプがあり、

    • 夜間にとる睡眠が10時間以上
    • 夜間にとる睡眠が6~10時間まで

    といった分類ができます。夜間にぐっすり睡眠をとっているのにもかかわらず、日中に強い眠気を感じで1~4時間眠り込んでしまうのです。

    特発性過眠症は日中に4時間寝たとしても、眠気はおさまらずすっきりはしません。また感情の変化による脱力発作や幻覚、金縛りなどの症状が見られないことがナルコレプシーとの区別になります。

    原因は不明…治療や改善法は?

    現在、特発性過眠症の原因ははっきりと判明していません。ですので、有効な治療法なども見つかっていません。

    特発性過眠症は非常に罹患率が低くまれな症状であるためで、その有症率はナルコレプシー以下といわれています。

    治療にはナルコレプシーと同様に、主にモダフィニル(モディオダール)が処方されます。

    過眠症を改善するために!快眠スキルをアップしよう

    これまでみてきたように過眠症の原因は、決して一つではありません。人によって様々な病気や生活習慣などが影響して過眠の症状が起こります。

    良い睡眠の根底にある睡眠習慣を改善することで過眠の症状が改善に近づくことも多いのです。

    そこで重要なことは、睡眠環境を整えることです。過眠症は夜間の睡眠に問題があり、そのために日中に眠気が生じる場合も多いのです。

    そして夜間に質の高い眠りを得るためには、それなりに睡眠に適した睡眠環境を整える必要があります。

    睡眠環境を整える!寝床内環境に適した室温や湿度とは

    人の体温は一日を通して常に一定というわけではなく、だいたい1℃くらい変動しています。朝起きてから日中にかけて徐々に上昇し、日中の活動量が最も大きくなる時間帯に体温も最大になります。

    その後、活動量の減少とともに体温も少しずつ低下していき、夜寝るときにはさらに体温が低下します。

    この体温の低下を合図に人は眠りにつくのです。こうした体温の変化が適切に起こらないと、たとえ健康な人であっても睡眠の質は低下します。

    睡眠に関わる体温の変化に大きく影響を与えるのが寝床内環境です。寝床内環境とは、布団に入ったときの温度や湿度など体温の変化に直接影響を与える布団の中の状態のことです。

    眠るときの状況を想像すれば分かりますが、布団や毛布の中にからだを入れればその周りの温度や湿度は急激に上がります。しばらくすると温度や湿度は安定し体温の低下とともにまわりの温度も徐々に低下して眠りにつくことになります。

    湿度に関しては、寝ているときに皮膚から汗が蒸発するので、少しずつ上昇し眠りから覚める直前くらいに最大の湿度になります。起きたばかりの布団の中は、少し蒸している感覚が起こるのも、この寝床内気候が変化するためです。

    睡眠時や睡眠中の寝床の温度や湿度は、高すぎても低すぎても良質な睡眠を得られないことになるのです。そして、最適な寝床内気候は次のようにまとめられます。

    要因/季節
    室温 26℃ 18℃
    湿度 50~55% 55~60%
    寝床内温度 28~30℃ 32~34℃
    寝床内湿度 40~50% 50~60%

    例えば、夏のように環境が高い場合、温度が同じなら湿度が低いほうが質の高い睡眠が得られます。それは湿度が高ければ発汗抑制され熱が体内にこもり、体温が下がる妨げになるからです。

    また、温度や湿度は低ければ良いというものではなく、冬のように外気や室温が低い場合、温度や湿度が低くなりすぎると直接生命の維持に影響するため、質の高い眠りは得られません。何かの理由でエアコンが効かず、寒くて眠れないという経験もあると思います。

    このように質の高い眠りを得るためには、室温をはじめ寝床内環境が常に最適になるよう、上手にコントロールすることが大切なのです。

    夜8時以降はできるだけ照明を暗く!照明の強さが睡眠の質を変える

    昼間の眠気を解消するには夜の睡眠の質を高めることが大切です。夜しっかりと眠っていると思っていても、自分で自覚する睡眠の量や質と、実際にからだが必要とする睡眠の量や質との間にギャップがあることが日中の眠気につながるからです。

    質の高い眠りをとるには、日が暮れてから寝るまでの間に眠りのホルモンといわれるメラトニンをしっかり分泌させることが必要です。

    メラトニンは脳が光を強く受けるほど分泌量が抑制されるため、夜間はできるだけ室内を暗くすることが重要です。

    メラトニンの分泌が抑制される光の量は、30ルクスといわれていて、これは室内でロウソク2本分の光の強さに相当します。それほど部屋の明かりを暗くしなければ、メラトニンが正常に分泌されないことになります。

    実際には、夜8時以降は生活に支障がない程度で、できるだけ部屋の明かりを暗くするとメラトニンの分泌が促進され、これまでよりも深く質の高い睡眠が得られるようになります。

    現代で生きる私たちには、夜8時といえば、まだ仕事や家事をしている人が多いかもしれません。しかし、人類が誕生してから何万年もの間、人間は明るい日中に活動し、暗くなったら眠るという、からだのリズムを元にして生きています。

    過眠症のような現代病が起こる大本の原因には、様々な照明やテレビやパソコンなど、大昔では考えられなかった多くの光に、からだの進化が追いついていないともいえるでしょう。

    昼間は太陽の光をしっかり浴び、夜はできるだけ暗くする、こうした自然の法則に従って生活することで、本来の質の高い眠りを回復することができるのです。まずは、次のことから始めてみましょう。

    • 朝起きたらしっかりと太陽の光を浴びる(目でしっかり光を受け止める意識で)
    • 夜は眠る時間の少なくとも3時間前、できれば夜8時以降は室内を暗くする
    • 夜8時以降にはパソコン、スマホをできるだけ使わない
    • 夜8時以降はロウソク2本分の明かりだけで過ごす意識を持つ
    • 日中はしっかり活動し、夜はしっかり休息するという意識を強く持って生活する

    過眠症を起こす原因は脳の障害除けば、根本的には睡眠のリズムに狂いが生じていることが原因です。それは現代の文明社会で生きる私たちの宿命ともいえます。

    自然の中で生きる人間本来の生活を取り戻せば、こうした病気も改善できるはずなのです。

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