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入院というよりお泊り、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けよう

SAS、サザンオールスターズじゃありません。「Sleep Apnea Syndrome」睡眠時無呼吸症候群の略称です。交通機関の運転手が患っていて事故に繋がったり、プロレスラーの橋本真也さんが亡くなったのは、この病気の合併症である脳血管障害であったなど、もう世間の認知度は十分高くなっているようです。

しかし、いざ自分がそうじゃないかと不安になっても、入院して検査する必要があるとなると、二の足を踏んでしまっている人が多いんじゃないでしょうか。入院までして検査したのに、病気じゃなかったら恥ずかしいとか、もったいないとか。でも大丈夫です。病院には外来と往診と入院しかないから入院という表現を使っているだけで、実際には長めの時間外外来のようなものですよ。

睡眠時無呼吸症候群って?

「読んで字のごとく」とでもいうべき病気で、眠っている間に呼吸ができなくなる病気です。タイプはいくつかありますが、ほとんどの患者は呼吸をしようとしているのに、鼻と喉の奥の方がふさがれて、息が詰まってしまう状態になっています。

限界まで来たら、身体が何とか対応して無理やり呼吸をしますから、無呼吸で窒息して死んでしまうことはありません。ただ、その無理やり息を通した時に爆発的ないびきになったり、その動作で覚醒したりして、眠りの質が極度に落ちるのがこの病気です。

そしてこの病気は、一晩に何度も無呼吸と呼吸の回復が起こるため、充分な睡眠が取れず、さまざまな合併症を引き起こします。高血圧、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、動脈硬化、肥満症など、現代人の多くが抱えるメジャーな病気のほとんどを、合併する可能性を持っているのです。

病院へ行こう

ご近所に呼吸器専門外来や、睡眠時無呼吸専門外来がある病院があればベストですが、そうでなくても近所にある耳鼻咽喉科のお医者様で診察を受け、相談すれば検査のできる病院を紹介してくれます。

また、実際に治療開始となったら、そのお医者様が治療器具の継続使用に関するお世話をして下さいますので、初診は通い易い身近なお医者様が良いですね。

自宅にてスクリーニング検査

検査の流れは二段階で簡単です。まず、検査を行う病院から、自宅で使える簡単な検査器具(パルスオキシメータ)を借りて帰って、二晩のデータを取ります。そのデータが悪ければ入院検査という事になりますので、空振りは少ないですね。

この事前検査があるので、さらに気軽に検査が受けられるんじゃないでしょうか。大きめの腕時計のような装置を左手首に巻き、そこから伸びたコードの先についている大型クリップを左手の人差し指に被せます。場合によっては抜け止めのネットをかぶせることも。

その状態で夜寝て朝起きる、それだけです。これを二晩繰り返して装置を病院に返すと、そのデータを解析して睡眠時無呼吸症候群の可能性を探ってくれるのです。この装置は血液の中の酸素の量を測っています。

指先につけたクリップには、酸素の量を測る赤外線センサーが付いていて、指先の血流の状態を測るため針を刺したりすることもなく、苦痛はありません。無呼吸症状があると、血液中の酸素の量が不足していたタイミングがあることが記録されますので、それによって本検査をするかどうかの判断(スクリーニング)が行えるのです。

入院検査

パルスオキシメータの検査で、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと判断されたら、入院して無呼吸症状の観察検査を行います。これには、睡眠ポリソムノグラフィ検査という舌を噛みそうな名前がついていますが、中身は心電図や脳波計、呼吸や血圧、体の各部の動き、血液中の酸素などを事細かに記録する検査です。

私が検査を行った病院では夜8時からの検査でしたので、それまでに夕食を終えて病院に出向きます。仕事の帰りに定食屋さんでご飯を食べて、そのまま行きました。持ち物は保険証と診察券とお金だけです。一応、退屈しのぎの文庫本を一冊と。

入院前に書類にサインして、会計も済ませておきます。検査が終わるのが早朝なのと、規定料金ですから事前清算しておいて、検査が終わったらそのまま帰れるようになっています。保険診療ですが、なにせ個室利用になりますのでちょっと高めの3万円弱。

シャワーを浴びて、病衣に着替えたら検査開始です。何が大変かというと、この検査前の下準備なんですね。先に書いたように測定するデータが膨大なので、体中にセンサーを貼り付けられたり巻きつけられたり。

もちろん針を刺すようなことはないので痛くも痒くもないのですが、体中からコードが出てくるのはちょっと不気味です。なんだかSF映画の主人公になった気分ですね。一通りセンサーの取り付けが終わったら、検査技師さんが手際よくコード類をまとめて一本の束にしてくれました。

その先には極数の多い大型コネクタがついています。で、ベッドに横になって、コネクタを病室側から出ている相手のコネクタに接続すると検査開始です。なぜコネクタがついているか、それはトイレのためです。

夜中にトイレに行きたくなったらコネクタを外して、専用の小さなショルダーバックに入れて行くんです。良く工夫されてるなって感心しました。これで朝まで寝れば検査終了です。実に簡単でしょう。

終わったのは朝6時過ぎ、ハンバーガー屋さんで朝のセットを食べてそのまま出勤しました。後日、その結果を以て確定診断を付け、以後の治療方針を決定するわけですが、最も重症の場合、CPAPという装置を使うことになります。

このCPAPの有効性や設定を行うため、もう一度入院する必要がありますが、病院側でいろいろ工夫しておられるようです。実は私の場合、夜の二時くらいに起こされて「問答無用で重症だから、今からCPAPの適応テストをします」と言われました。おかげで入院は一回で済みましたが。

CPAPはいろいろありがたい

CPAP装置というのは、空気を鼻に送り続けることで、のどと鼻の奥がふさがれないようにするものです。最近の装置は高性能で、無呼吸が起こっていなければごく弱い圧力しかかかりませんが、呼吸が落ちてくると正常な呼吸になるまで、圧力を徐々に上げてくれる優れものなんですよ。

そして呼吸が正常になったら、徐々に圧力が下がっていきます。さらにその状態をずっと記録し続けてくれていて、メモリーカードを本体に差し込むだけで、情報をお医者様に持って行けるようになっています。

マスクはマジックテープでフィッティングを調整できますし、顔にかかる圧力を減らすため、顔にあたる部分はシリコン樹脂でできていて、空気の圧力で顔にあたるようになっています。つまり顔に着けただけでは周囲に隙間があるのですが、空気が出てくると膨らんで顔に密着するんですね。

また、マスクをつけてベッドにもぐりこみ、息を吸うと作動を開始します。本体のボタンで作動を止めてマスクを外すのですが、マスクを先に外して空気を全開で漏らすと自動停止します。本体とマスクをつなぐホースがちょっと鬱陶しいですが、さばき方に慣れれば何の問題もありません。

加湿器もついてますし、高性能フィルターもついているので、空気清浄器を鼻に付けて寝ているようなものですから、いつも快適ですね。風邪をひいて鼻が詰まるとこの装置が使えなくなりますから、健康に気を使うようになったおかげで、この6年間風邪もひいていません。

そして何より本来の治療目的、睡眠時無呼吸症候群が改善されたことのありがたさです。朝起きた時の気分の良さは最高でしたね。まるで、子供のころの夏休み初日の朝のような気分良さで目覚めることができました。

昼間に耐えがたい眠気が来るとか、家族から変に大きないびきを指摘されたとかがあったら、まずはお近くの耳鼻咽喉科医院で、睡眠時無呼吸症候群の相談をしてみて下さい。検査入院も、本当に拍子抜けするぐらい簡単で、手軽なものです。

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