TOP > > 食後の睡眠、問題は太るだけじゃない?生命を脅かす真のリスク

食後の睡眠、問題は太るだけじゃない?生命を脅かす真のリスク

仕事の都合で帰宅時間が遅く、食事はいつも寝る前…という習慣を続けてはいませんか?昔から食べて直ぐに横になるのはダメだと言われていましたが、実際に、満腹で眠ることは健康に大きなリスクを抱えやすくなります。

満腹で眠ることのリスク

食事と眠気の関係

食事をとると、血液は胃の消化活動のために首より下に集中しやすくなります。すると脳に送られる血液の量が少なくなり、眠気を覚える、気分がぼーっとしやすくなります。

特に夜間の食事は、日中の活動の疲れもあって眠くなりやすく、心理学的には疲れや問題から「逃げたい」という欲求が高まると、人は自然に眠くなりやすいと言われています。

食後の眠気は、インスリンというホルモンの乱れによっても起こりやすくなります。食事によって摂取された糖質により血糖値が上昇し、血液の高血糖状態が長く続くと、身体のだるさや強い眠気を感じやすくなります。

消化活動は内臓の「残業」

食べたものが体内で完全に消化されるためには、最低でも3時間は必要とされています。胃や腸に食べ物が残った状態で眠ると、内臓に負担がかかるため睡眠の質も低下する傾向にあります。

休むべき睡眠時に食べ物が体内に残っていると、身体は休むことができないまま食べ物を処理しつづけなくてはなりません。そのため朝、目覚めた時に疲れがとれない、疲労を感じるといったことの原因になります。

昔からよく言われている「食べて直ぐ寝ると牛になる」というのは肥満になるリスクを助長させるという意味合いだけでなく、消化に時間がかかる牛のように、消化が長引くため良くないという意味合いも含まれています。

実際に食べて直ぐに眠ると、体内に蓄積される脂肪量は通常に比べ増加します。消化に時間がかかると肥満になりやすくなり、カロリーが消費されにくくなるデメリットがあります。

注意が必要な病気・症状

逆流性食道炎の危険性

逆流性食道炎とは強い酸性を示す胃液や、消化途中の食べ物が食道に逆流して炎症を起こすことを言います。胸焼けや胸の痛みを覚え、慢性化すると食道ガンにつながるおそれもあります。

食後すぐに横になると胃酸が逆流してしまう可能性が高まるため、食べて直ぐに横になる、ベッドやソファで眠るといった行動は避けましょう。

食べすぎや脂肪分の多い食事は、胃酸の分泌量を著しく増加させるため、逆流性食道炎にかかるリスクを増大させてしまいます。特に夜間は食事内容に気を配り、食後から最低3時間は眠りにつくのを避けましょう。

糖尿病になる確率が増加

膵臓から分泌されるインスリンは、ホルモンの中で唯一、血糖値を下げることができる能力を持っています。

血糖値が上がると膵臓からインスリンが分泌され、体内のブドウ糖を活動のためのエネルギーに変換させていきます。インスリンを分泌するのもまた膵臓だけのため、働き過ぎれば当然膵臓も疲弊してしまいます。

1日に分泌できるインスリンの量は、遺伝子によって決められています。それを超えた量の糖を処理し続けていると、膵臓はやがてインスリンを分泌できなくなり、糖尿病にかかるリスクが増加します。

脳卒中になるおそれも

満腹になって直ぐに眠ると、脳に送られる血液が減少するために、睡眠中、脳卒中を起こす可能性があります。一晩の眠りが一生の眠りに…なんて事が、実際に起こってしまうかもしれません。

血糖値が上昇した状態は血液がドロドロ、ベタベタとした状態になります。この状態の血液は動脈硬化を助長させ、脳卒中や心筋梗塞といった血管の詰まりが引き金になる大病のリスクを高めます。

「糖尿病性網膜症」や「腎臓障害」といった合併症が起こりやすく、肥満の方は特にそういった危険が高まります。代用の利かない自分の生命を、毎日の食事が奪い去るなどというのは、考えたくもないことです。

食後の睡眠を防ぐためには?

ヘップバーンに倣え

食べて直ぐに横になるなとは言いますが、横になった時の姿勢によっては、そのほうが消化をスムーズにする効果がある事をご存知でしょうか。

オードリー・ヘップバーンが好んだ健康法のひとつに、食後に身体の右側を下にするというものがあります。文字通り、身体の右を下にして横になるだけなのですが、それにはきちんとした理由があります。

人の胃は三日月のような形をして左から右にカーブしているため、身体を右に傾けると重力によって、食べ物が腸へスムーズに向かいやすくなります。当然、左を下にしてしまうと逆効果ですので注意しましょう。

夕食は就寝3時間前までに

夕食は、できれば就寝の3時間前までに済ませてしまいましょう。3時間もすると体内では消化が沈静化して、胃腸がようやく一息つくことができています。

胃の中をカラッポにして眠ることで、内臓への負担はぐっと下がります。肝臓が脂肪や糖分を眠っている間に処理するため、朝には処理が終わってスッキリと目覚められます。

ホルモンの分泌も正常に行われるため、成長や美容にも効果が高く、朝食を美味しく食べられるメリットもあります。夕食の量は必要最低限に抑え、消化が負担にならないような工夫をしてみましょう。

仕事が忙しいあなたへ

いくら睡眠前の食事が健康に悪いとはいえ、疲れて帰ってきた夜に何も食べずに眠れというのも酷なことです。だからといって睡眠時間を遅らせるのでは本末転倒。そんな時には、食事内容を工夫してみましょう。

どうしても食事と睡眠の間隔が近くなってしまうという方は、消化に負担のかからない、おかゆ、柔らかく煮たうどん、お茶漬けなどのメニューがお勧め。

逆に揚げ物や肉類、甘いものなどは消化に時間がかかるうえ糖質の量が多く、上記で述べたような危険性を著しく高めてしまいます。

飲料についても同じ事が言えます。糖分を多く含むドリンクやお酒などはできるだけ控え、お茶やミネラルウォーターなどで効果的に水分を補給しましょう。

食後の入浴も効果的

食後は最低でも30分は食休みの時間を作ると、なお安心です。その時間を入浴にあてれば、入浴で消費されるカロリーと合わせて相乗効果をもたらすため、非常にお勧めです。

シャワーだけで済ませるよりも湯船につかるほうがカロリーを使うため、時間に余裕が無い場合でも、就寝前に食事をとった場合は、入浴してから就寝するのがお勧めです。

身体が温まると良質の睡眠をとりやすくなりますし、血行を促進させて消化を促す作用もあります。このように食事と睡眠の感覚が近い場合でも、工夫次第でリスクを避けることは十分に可能です。

長時間労働が抱える健康への害

現代において、深夜近くまで労働を強いられることはそう珍しいことではなく、また周囲にはインスタント食品を始めとする「低栄養・高カロリー」食品が簡単に入手できる世の中になっています。

そんな中で、私たちに求められる「自分の身を守る」ということ。食べるものを選択し、睡眠時間を確保するということ。それは言うほど簡単なことではないかもしれませんが、そう難しいことでもありません。

毎日の中で健康への意識を絶やさず、少しでも自分の身体をいたわってあげること。その思いやりを持つことが、労働と生活の間で健康を維持しなければならない私たちの大きな「支え」となるはずです。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る