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口が渇く、目が乾くのはシェーグレン症候群?症状とチェック方法は

目をひらき口をおさえる女性

エアコンが普及して生活環境が変わってから、乾燥しがちな空気の中で過ごす時間は圧倒的に増えました。口や目が乾燥して辛い思いをしている人が多いのはそのせいでもありますが、ドライアイ、ドライマウスとひとくくりにしてはならない症状があります。

特に40~60代の女性に多く見られる乾燥の不快な症状は、もしかしたら全身症状であるシェーグレン症候群の可能性があります。

これは目薬をさしたり飲み物を飲んだりするだけでは改善しない、難病に指定されている病気なのです。

乾きの裏に隠れた大病!シェーグレン症候群とは

世の中にはたくさんの難病、つまり現代の医療技術では治療が難しいとされる病気があります。その中でも国が研究や治療の対象に指定している病気を特定疾患といい、日本で指定している特定疾患は130種類ほどとされています。

その中にシェーグレン症候群という病気があります。一般にはあまり知られていない名前の病気ですが、国内には10~50万人もの患者がいると推測されています。

40~60代の女性に多く、男性に比べ女性のほうがおよそ14倍の発症率になっています。

シェーグレン症候群は全身の特定部位が慢性的な渇きに襲われ、その渇きにより様々な症状をきたす難病です。自己免疫疾患の一つで、分泌腺がうまく機能しなくなります。

同じ自己免疫疾患ですと、日本ではギランバレー症候群やバセドウ病、橋本病、リウマチが有名ですね。

症状としてどの部分が渇いてしまうかは個人によって異なります。

  • 唾液腺
  • 涙腺
  • バルトリン腺
  • 鼻腺
  • 汗腺

など目に見えて分かる部分もありますし、臓器や関節部に症状が出たり、痰を出す気管などに症状が出る人もいます。

患者さんの多くは

  • 口が渇く
  • 唾液が出ない
  • 目が渇いてゴロゴロする

など、口渇とドライアイの症状を訴えることが多いと言われています。

女性の場合は膣の渇きが激しくなることもあり、痛みや痒みなどの症状が出て婦人科を受診することもあります。

膣は高齢になると徐々に渇きやすくなりますが、シェーグレン症候群で膣の部位に症状が出ると、妊娠適齢期の若い方でも分泌液が出なくなります。

また、シェーグレン症候群は他の自己免疫疾患と同じように、うつ症状やだるさ、疲れなど精神科系の症状が出ることも多くあります。

渇きの症状は薬の副作用や糖尿病など、他の病気で起こることもあるので判断が難しいですが、渇きや疲労感が数ヶ月続くようであれば、一度何らかの病気である可能性を疑ってみることも大切です。
この病気は1930年代にシェーグレンという眼科医が報告したことから由来しており、国内でも1970年代から知られるようになりました。

元人気アイドルだった40代の女性タレントがこの病気にかかっていたことを報告したことで、この病名を知った人もいるのではないでしょうか。

シェーグレン症候群と紛らわしい他の症状

シェーグレン症候群は乾き症状が主にみられますが、それに似た症状がでる病気があります。

これらを正確に見分けるためにも、医療機関の受診は迷っていられません。

更年期の症状に似ているため女性は見極めが大事

シェーグレン症候群だと気付きにくいのは、多くが更年期の症状とよく似ているためです。

時間がたてばおさまるだろうと我慢してしまいがちですが、口や目の乾燥が強い場合には、本当に更年期なのかシェーグレンの可能性があるのかをきちんと調べることが大事です。

シェーグレン症候群は、50歳前後の女性の患者さんが多い病気です。未だシェーグレン症候群の発症原因は明確に分かっていませんが、環境・遺伝的な素因と自己免疫系の異常、女性ホルモンの4つが関わっていると見られています。

このうち女性ホルモンの原因については女性ホルモンが低くなることで引き起こされることが分かっています。

中年の女性は閉経を向かえるとともにホルモンバランスが崩れ女性ホルモンが低下しやすくなるため、中年女性が発症することが多いのではないか?と言われているのです。

ドライアイ

涙の分泌に異常が起こることで眼球の表面が乾燥する病気です。ドライアイの原因はさまざまで、

  • 加齢
  • まばたき不足による涙分泌不足
  • 空気の乾燥
  • コンタクトレンズの使用

が一般によく知られています。

目だけでなく口の乾燥や全身症状が同時にみられる場合には、単なるドライアイではないかもしれません。

ドライマウス

口の中が乾燥する、唾液が減るといった症状があります。原因は加齢による唾液分泌量の減少やストレスからも起こります。

糖尿病、唾液腺の病気でも起こる場合があり、原因を確認するために受診することがのぞましいです。

ドライアイと同時にこの症状がみられる場合、シェーグレン症候群の可能性は高くなります。

関節炎

目や口の乾燥だけでなく関節痛が起こることもあります。関節炎や関節リウマチの症状と似ています。また関節リウマチの人は合併症としてシェーグレン症候群を引き起こすこともあります。

疲労感・うつ

疲労感やうつがみられる場合に、この病気が関係している場合があります。これは免疫システムの攻撃による炎症によって引き起こされたり、症状によってストレスを感じるために引き起こされることが原因です。

自分の乾燥がシェーグレンかどうかをチェックしよう

シェーグレン症候群の主な症状として、複合的な症状の自覚とそれに伴う二次的症状が一緒に現れることがあります。乾燥以外に下記のような症状がないか、セルフチェックをしてみましょう。

主な症状

  • 口や目、鼻、喉の乾き
  • 肌の乾燥
  • うつ症状
  • 頭痛
  • 胃炎、消化不良

それらから導かれる二次的症状

  • 味覚や嗅覚のおとろえ
  • 虫歯が増える
  • 口臭が強くなる
  • 口内炎が治りにくい
  • 光がまぶしい
  • トイレの回数が増える
  • 疲れやすい
  • 集中力が低下する
  • 関節の痛み
  • 飲み込みの時にむせる、誤嚥する

ひとつひとつを見てみると、そう大した症状ではないように感じます。しかしいくつかに心当たりがある場合には全身の乾燥が進行している場合があります。

もしも3個以上に思い当たる症状があり、また年齢的にも更年期の時期にさしかかっているなら注意しましょう。

もちろん男性でも発症する人はゼロではありませんから、日頃から目や口の乾燥が気になる人はチェックをしてみて下さい。

シェーグレン症候群の診断方法と治療法

シェーグレン症候群かどうかは、

  • 涙の分泌量や唾液の分泌量を測定する検査
  • 血液検査
  • 生検病理組織検査

の結果によって判断されます。

治療には、シェーグレン症候群自体を治療する薬というのはなく、それぞれの症状を緩和させる治療が必要に応じて行われます。

  • 目の乾燥・・・目薬、目の乾燥を防ぐ眼鏡など
  • 口腔の乾燥・・・唾液の分泌を促進させる薬を服用する、人工唾液をスプレーする

漢方薬や民間療法も有効とされていますが、完治は残念ながら難しいと言われています。

完治はできないけど緩和することはできる

先ほどもお話しましたように、この病気の原因ははっきり解明されていませんが、自己免疫疾患のひとつと考えられています。

自己免疫疾患というのは、本来なら体内に侵入してきた病原菌を攻撃して体を守るための免疫システムが、自分の体に対して攻撃を向けてしまうために起こる病気のことです。

シェーグレン症候群ではその攻撃が涙腺と唾液腺に向けられるため、主に涙と唾液を分泌する機能が低下する症状があらわれるのが特徴です。

残念ながら、今現在シェーグレン症候群を根本的に治す方法は見つかっていません。

対処療法をしつつ、シェーグレン症候群と共に生活を歩んで行くことが患者さんに求められます。対処療法では投薬治療や分泌腺を刺激するガムなどのアイテム、分泌液の代わりとなるものを使用することになります。

渇きの症状を放っておくと、口内であれば虫歯や口内炎などの炎症に繋がりますし、目であれば結膜炎などの炎症に繋がります。

内臓関連に症状がある場合、放っておくと肺炎やアシドーシスを引き起こしたり最悪死に至ることもありますので、対処療法といえど治療を行うことが非常に重要となってきます。

根本的に治す治療ではないので症状が強く出る日があったり、すこぶる体調が良い日もあったりしますが、治療により健康的な生活を目指すことが治療の目標とされます。

幸いシェーグレン症候群は予後が良く、死亡ケースは稀です。

合併症を併発することもある

シェーグレン症候群そのものの症状は”渇き”がほとんどで、目や口の渇きに悩む方が多く、あまり生活に支障がない程度の人もいます。しかしその一方で、シェーグレン症候群は合併症を引き起こすリスクも持っています。

合併症の多くは膠原病です。中でもよく知られているのが関節リウマチで、関節炎の症状を引き起こす方が多いです。他には全身性エリテマトーデスも合併症として知られています。

シェーグレン症候群の患者さんは悪性リンパ腫になるリスクも高く、健康な人よりも様々な病気を引き起こす可能性が高くなるため、注意が必要です。

こういった合併症の早期発見のためにも、症状が軽くとも定期的な通院が必要になります。

シェーグレン症候群になったら日常生活で心がけること

どの病気にも言えることですが、規則正しい生活、十分な睡眠、栄養バランスのとれた食生活といった健康管理に気をつける心がけは必要です。シェーグレン症候群の人は加えて、日常生活では次のようなことを心がけると良いでしょう。

  • 病気を受けとめ、一生付き合っていくつもりで生活を楽しむように考える
  • 無理をしない
  • きちんと受診し、医師の指示に従って正しい治療を続ける
  • ストレスを避ける
  • 紫外線を避ける
  • 体を冷やさない
  • 適度な運動を行う
  • 口腔、歯の手入れを丁寧に行う

そして、乾燥にも対策しましょう。

人は一日中室内で過ごすので、住環境の乾燥を常にやわらげておく必要があります。湿度計を部屋に設置して、空気が乾燥し過ぎないように気をつけましょう。

  • 夏の適正な湿度・・・55~65%
  • 冬の適正な湿度・・・45~60%

エアコンをつけると湿度はあっという間に30%を下回ることがありますので、冬場は特に加湿器を使う、ストーブの上にやかんを乗せておくなど、普段から一定の湿度を保っておく必要があります。

何よりこの病気によるストレスを感じすぎないことが大切ですね。きちんと対応していれば症状の緩和は可能なので、ゆっくり受け止めて毎日ケアをしましょう。
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