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B型肝炎って性病!?性行為でも感染するし危険度も上がります

B型肝炎と言うと、昭和の時代に予防接種の注射針が原因で感染したとか、母子感染が怖いというイメージの強い病気ですね。でも、実際には性行為や、その関連行為でも感染する可能性のある病気なのです。

むしろ大人になってからの感染は、性行為に起因するものが一番多いのかもしれません。そうした大人になってからの感染は、まれにではありますが発症から間もなくという短期間で命を落とす危険もあり、非常に注意を要する性感染症なのです。

海外での感染

もう10年近く前になりますが、当時の私の上司…直接の上司ではなく勤務先の子会社で、中国にあった現地法人の社長のお話をしましょう。ちょうど私が中国へ出張した折に、その社長さんが体調を崩されて入院されたと伺いました。聞けばどうやら肝臓の調子が悪いのだとか。

最初は、お付き合いで飲まれる中国の強烈なお酒が原因なのかなとも思いました。中国で乾杯に一気飲みする中国焼酎は、52度から60度もある火を噴きそうなお酒なんです。

私は出張中、一度お見舞いに行きましたが、思ったよりお元気そうだったのに、急いで日本で治療した方が良いという事で、既に帰国準備を整えておられる最中でした。

そして社長さんは数日後に帰国の途に付かれ、私はその一週間ほど後に帰国したのです。帰国してすぐに、直接の上司から喪服の準備と、告別式への出席を命じられました。

一番怖い劇症肝炎

聞けば、帰国してすぐに大学病院に入院されたのですが、その時はすでにかなり肝炎の症状が進んでいて、劇症化の危険性を告知されていたようです。そしてそのまま数日後に数値が劇症レベルに上がり、帰らぬ人となったそうです。

劇症肝炎は肝炎の症状が急速に重篤化するもので、肝炎ウイルスの他、原因不明の肝炎でも起こることがあるようですね。B型肝炎に、大人になってから感染した人の7割くらいは無症状で治癒し、ウイルスも死んでしまうようですが、残り3割の人は急性症状が出るようです。

さらに急性症状が出た人の1~2%は、劇症肝炎に移行するというデータもあります。劇症肝炎は発症したら90%の致死率ですから、最もたちが悪いとされるザイール型エボラ出血熱に匹敵する恐ろしさです。

これを押しなべて考えた場合、性交渉などでB型肝炎に感染すると、およそ0.2~0.5%の確率で致命的になります。割合にすると感染者200人~500人に1人という事になりますね。

性感染症

その方が還暦にして、なかなか夜の方がお元気であったことは、社内では有名でした。誰もそのことを口にする者はいませんでしたが、もしかしたらご家族も薄々は感づいておられたかもしれません。

中国では、もちろん性交渉を伴う風俗営業は禁止されていますが、飽くまでそれは建前で、性風俗産業が町の経済を支えているというレベルの地域も珍しくはありません。

オリンピックや万博など、国際レベルのイベントがある時だけは取り締まりが厳しくなりますが、それも結構なザルで、公安(警察)と業者とホテルなどの宿泊施設が情報を共有していたのだと思います。

今でこそ円安や中国の人件費高騰に伴って、特に北京や上海では高額になっていると伝え聞きますが、昔はそうでもありませんでした。北京オリンピック前の中国では、日本円にして数千円という日本人にとって非常にお気軽な金額でしたので、利用される人も多かったようです。

それだけに性感染症も蔓延していたんじゃないかと思います。ただ、古典的な性感染症である梅毒や淋病、さらにはHIV感染には意識が向いていても、B型肝炎が性感染症であるという事は知られていませんでしたね。

新タイプ登場

これまで、日本国内で性感染症として伝播してきたB型肝炎ウイルスは、基本的に慢性化することがなく、従って感染機会の低い病気でした。ちょっと生々しい話になりますが、例えば遊び好きな男性が浮気相手や風俗嬢から、B型肝炎ウイルスに感染してしまったとします。

しかし、B型肝炎ウイルスは潜伏期間が1~6ヶ月。その間は家に帰って妻に伝染してしまう危険性があるものの、思春期以降に感染した場合慢性化しないため、その後は再び感染のない状態になります。

ですから、一度感染してしまったら永続的に他の人に伝染させてしまう可能性がある慢性肝炎に比べて、感染の拡大の危険性は比較的低かったのです

欧米型とアジア・アフリカ型

B型肝炎ウイルスにはジェノタイプ(遺伝子型)が8種類あり、人間に感染するのはタイプAからタイプGまでの7種類です。タイプHは発見されているものの、人間への感染力などがまだよく分かっていないようです。

このAからHのジェノタイプはB型肝炎ウイルスの中での分類であって、ジェノタイプAがA型肝炎を引き起こすというものではありませんから誤解しないでくださいね。

ジェノタイプには地域性があり、2000年来の日本古来のものは、ジェノタイプBだと考えられています。朝鮮半島からの渡来人によってもたらされたジェノタイプCを持つものが、現在では日本でも支配的になってきましたが、地域によって大きな開きがあります。

例えば朝鮮半島との往来が活発だった九州では、ジェノタイプCが7割以上を占めているのに対して、東北地方では6割くらいが古来よりのジェノタイプBなのです。一方で、インドネシアや台湾にも多いジェノタイプBは、沖縄で8割近くを占めているのですよ。

この二つの遺伝子型のB型肝炎ウイルスは、大人になってからの感染では慢性化しないという特徴があったのですが、最近になって欧米・アジア・アフリカ型と言えるジェノタイプAのウイルスが、日本でも見られるようになってきました

ジェノタイプAはアメリカでは一位、ヨーロッパでは地域によってジェノタイプDと一位を争っている遺伝子型です。アジアではフィリピンが多いようですね。

慢性化するから感染が広がる

これまで日本にあったジェノタイプBやCとは異なり、ジェノタイプAのB型肝炎ウイルスは高確率で慢性化します。急性症状が出ず慢性化した場合、劇症肝炎に移行して短期間で命を落とす危険は少ないものの、一生のあいだ家族を含め他の人に伝染させる危険を伴います。

また慢性化して長い間症状が出なくても、ある時急に一過性の肝炎症状が現れたり、無症状のまま肝硬変、肝がんへと移行してしまったりなど、時限爆弾を抱えた状態になるんですね。

派手さがないだけに怖い

もともと日本国内になかったジェノタイプAのウイルスが広がりを見せているわけですから、複数の誰かが持ち込んだという事になります。そして一旦日本国内に入ってしまったからには、今度は日本人の間でも感染が広がってしまう可能性は十分以上にあるのです。

幸い空気感染や飛沫感染はしません、接触感染か血液感染だけです。従って麻薬・覚せい剤などの注射針の使い回しや、不衛生なピアスの穴開け、不充分な機器消毒によるプチ美容整形、タトゥーなども原因の一つとして挙げられます。

むしろ血液という最も感染の可能性が高いものを介するだけに、性交渉より一回の機会で感染する可能性は高いかもしれません。しかし、感染機会の多さで言うと、おそらくなら性交渉によるものが最大と言わざるを得ません。

何となく肝臓病というくくりにされてしまうと、派手さがないだけに軽視されがちですが、B型が慢性化するとウイルスを完全には排除できませんので、非常に危険なのです

ワクチンの有用性

海外からの流入に対して性交渉が原因という事になると、流れは二つです。一つは国際結婚など、健全な関係の中でパートナーが感染していた場合ですね。

これは性交渉を持つ前に二人で検査を受け、感染があったら非感染者の方がワクチン接種を受けて、免疫を完成させてから親密な関係を結べば防げます。

性交渉だけではなく、かみそりや歯ブラシの共用、何らかの原因で出血した際に、相手がそれに触れてしまうことなどでも感染は起こります。コンドームだけでは性交渉の折の感染は完全には防げません

もう一つの方が大いなる問題なのですが、性風俗従事者との関係によって感染する場合です。上でも述べたようにコンドームだけでは防ぎきれません。そこで有効なのはB型肝炎ワクチンです。

およそ半年の間に3回接種する必要があります。お値段は任意接種になりますのでばらつきがありますが、抗体完成検査を含めて2万5千円前後ぐらいでしょう。

そして忘れてはならないのが年齢です。B型肝炎ワクチンは若ければ若いほど効果が高いものなので、乳児の時期に接種し、10代のうちに追加することが多いようです。

一方で40歳を過ぎると、8割程度にまで効果が下がるようですね。自分は海外に出かけないからといって安心はできません。性風俗従事者は海外から日本にもたくさんやってきていますからね。

性感染症の予防はすべてに共通

どうしても性風俗従事者からの感染という話題になると、中年男性が主人公にされがちですが、ことB型肝炎についてはそうとも言い切れないようです。

B型肝炎の発症者のデータを見ると、性交渉による感染と推定されている人は10代から始まっていて、20代、30代にピークがあります。そして男女差がないという統計もあるようですから、風俗を利用しない女性だから安心とも言い切れないようですね。

最初の持ち込みは外国人の性風俗従事者だったのかもしれませんが、すでに数次の伝染を繰り返して定着しつつあるようです。

今も昔も危ない橋は渡らないに限る

こうした病気に男女差がないというのは、肉食系女子や草食系男子という言葉がもてはやされた後としては、不思議ではないのかもしれません。先にも紹介したようにB型肝炎ウイルスに感染して慢性化した場合、一生そのウイルスは身体から消せません

ですから性行為と、それと前後する様々な交わりによって、コンドームでは防ぎきれない感染ルートがある以上、あまり肉食すると危険性は比例して上がるという事になります。

検査、ワクチンも良い手段ですが、何よりもたくさんのパートナーを持つことを避けるのが一番の予防法と言えるでしょう。昔ながらの性感染症予防法ですね。

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