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元気でも突然死に…!働き盛りに多い恐怖のくも膜下出血とは

head hurts man

誰しも生を受けたからにはいずれは死を迎えるものですが、元気な時には「今の自分には病気や死なんて関係ない」と思うものです。また、そう思いたいと誰もが願うものです。

しかしそれは誰しも保証されているものではありません。実際に心疾患、脳血管疾患、ぜんそく、てんかんなどの発作により突然死を迎える人はいるわけです。

中でも突然死のおよそ6%にあたる「くも膜下出血」は、元気だと思っていた人が急に亡くなってしまうこともある怖い病気で、働き盛りの男性に発症しやすいので注意が必要です。

くも膜下出血とはどのような病気なのでしょうか。

最悪の場合死に至るくも膜下出血とは?

くも膜下出血は脳卒中の一種です。脳卒中というのは、脳血管が破れたり詰まったりして脳にダメージを与える疾患の総称で、ほかに脳梗塞、脳内出血などがあります。

type of stroke

脳梗塞
脳の太い動脈が詰まり、脳細胞に血液や酸素が行き渡らなくなり、脳細胞が死んでいくために起こる
脳出血・くも膜下出血
血管の一部が破裂したため脳内に血液がたまり、脳が圧迫される
くも膜下は脳の外側にある層のひとつです。脳は脳を保護する3層の膜に覆われており、その外に頭蓋骨があります。

頭蓋骨、その内側に硬膜(こうまく)、くも膜、軟膜(なんまく)、脳があります。くも膜と軟膜の間(くも膜下)は脳を保護するための脳脊髄液で満たされています。また、くも膜下には脳につながる太い動脈が走っています。

くも膜下出血というのは、くも膜下の太い動脈が破裂するために起こります。動脈からあふれ出た血液が脳脊髄液と混ざり、脳を圧迫することで症状が起こります。硬膜などが固い組織なため、血液は逃げる場所がなく、どんどん脳を圧迫し死に至ります。

mechanism of subarachnoid hemorrhage

脳は生命や体のさまざまな機能をつかさどる重要な場所ですから、ここにダメージを受けると体の機能に障害が起こったり、最悪の場合は死に至ることもあるのです。

くも膜下出血を疑うべき症状

太い動脈からあふれ出た血液が一気に脳脊髄液に広がり脳を刺激するために、突然激しい頭痛が起こるのが特徴です。

よく「金属バットやハンマーで殴られたような激痛」と例えられるように耐えがたい頭痛が多いです。頭痛は痛んだり止んだりするのではなく持続性があります。

そのほかの症状には

  • 嘔吐
  • 意識障害

などがあります。突然強い頭痛や嘔吐を起こしたらくも膜下出血を疑ってよいでしょう。

symptoms of subarachnoid hemorrhage

他の脳卒中の場合は強い頭痛を伴うことは少なく、めまい、運動機能の麻痺、しびれといった症状が多いですが、くも膜下出血の場合には症状の特徴が異なっています。

出血量が多いとすぐ死に至ることが多いので、症状が起こったらすぐに病院に搬送しなければなりません。

くも膜下出血の原因と注意したい人の特徴

くも膜下出血の原因は、

  • ほとんどがくも膜下の動脈瘤破裂によるもの
  • そのほかは外傷による動脈破裂や動脈の奇形による出血

になります。

動脈瘤とは動脈の一部がコブのように膨らむ症状です。これは血圧や血管の弱さが原因で加齢により起こりやすくなるものです。脳動脈瘤は数パーセントの人にあるとされており、無症状の場合もありますがいずれ破裂する可能性も持っています。

脳動脈瘤は、運動や興奮、血圧上昇などの刺激によって破裂しやすくなります。太い脳動脈はくも膜下に多くめぐっており、破裂するとくも膜下出血を引き起こします。

くも膜下出血を引き起こしやすい人は、

  • 高血圧
  • 喫煙、飲酒の習慣がある人
  • くも膜下出血の家系の人

とされています。また40~50代の男性に多く、他の脳卒中に比べると比較的女性にも起こりやすい病気です。

見逃すな!くも膜下出血の前兆と予防策

高血圧、くも膜下出血の家系の人は発症リスクが高いので、日ごろから健康管理を行うことが大切です。

喫煙、飲酒は控える努力をしましょう。ストレスがかかっている人も発症リスクを高めます。

また、くも膜下出血の前に軽い発作が起こる場合があります。これは少量の出血によるもので、しばらくするとおさまります。

  • 「警告頭痛」とも呼ばれる急な頭痛
  • めまい
  • 目のかすみ
  • まぶたの下垂
  • 吐き気

といった症状がみられます。個人差はあるものの脳動脈瘤が破裂する1週間から3週間ほど前に出ることが多いと言われています。

warning symptoms of subarachnoid hemorrhage

視界がぼやけ、物が二重に見えるというのも多いのですが、片方の目だけ見えにくいと感じたり、視界が暗くなったと感じる人もいます。

くも膜下出血の前兆としては頭痛の方が先にくるイメージがありますが、実際は視覚の異常が起き、その後激しい頭痛というように出るケースが多いので、視覚の異常を感じたときすぐに病院に行くようにすればリスクは軽減できますね。

つい忙しくしていると疲れていると自分に言い訳をしてしまいますが、視界の異常の後に激しい頭痛が起きたらくも膜下出血の可能性も高くなりますので、すぐに対処しておきたいところです。

自分ではわからない前兆

くも膜下出血の前兆の中には、自覚できない前兆もあります。

それは瞳孔の拡大です。多くの場合どちらか片方だけの瞳孔に拡大が見られると言われているので、もしも今までにないような激しい頭痛や視覚異常があったとき、瞳孔もチェックしておくといいかもしれません。

頭痛持ちの人は注意して!

ここで一つ心配なのは普段からよく頭痛を起こす、頭痛持ちの人です。

この場合の頭痛は偏頭痛や緊張からくる頭痛ですが、症状としては吐き気を伴うような、時にはめまいもする頭痛が起こることもあります。普段からこうなってしまうと、薬を飲めば治ると軽視してしまいがちですね。

実際にくも膜下出血の前兆の頭痛でも、それほどひどくないこともありますし、風邪と勘違いするようなケースもあると言います。

ただの偏頭痛であればいいのですが、そもそも頭痛というのは血管に炎症が起きることで起こる症状です。頭痛持ちの人は頻繁に頭痛を起こす、つまり血管に炎症を起こしている状態なので、くも膜下出血のリスクが高まることがわかってきています。

頭痛持ちの人全てがくも膜下出血になるということではありませんが、そのリスクがあるとわかっているのなら、いつもと違う痛みを感じたらすぐ病院に行くなど意識しておくと安心ですね。

前兆は体のどこかが病気になっているというサインを送っているので、自分自身がそのサインを見逃さないようにすることも大切なのです。

40歳をこえたら受けたい診断と動脈瘤の治療方法

40才を迎えたらMRI・MRA検査等の画像診断を受けて脳内の動脈の状態を確認しておくことが重要です。異常なければ、5年間隔にまた実施しましょう。

会社の健康診断や住民健診では脳の検査を行っていませんので、自主的に実施しなければなりません。しかもこれらの検査は健康保険が適用にならず全額自費になります。

このあたりがなかなか受診できない壁になると思います。しかし、いずれもっと簡単な方法が開発されるかもしれませんが、現段階では予防の方法となるとこの方法しかないのです。

特に糖尿病や高血圧の特定疾患の方は、是非受診することをお勧めします。

最近のMRI等の医療機器は細かい所見まで発見されてしまうようになりました。

以前は、画像が鮮明ではなく発見できなかった異常が発見されてしまうことが多く、治療対象になる動脈瘤は5mm以上なのに、画像診断では2mm以下でも発見されてしまうといった問題がありました。

この状態では医師もいつ破裂するかわからない上、動脈瘤の治療薬も存在しないため、この段階では大きくならないよう様子を見ていくしかありません。

ご本人は心配してしまいますが、動脈瘤が発見されても1年以内でそれが原因で死亡した方は1%未満と非常に少ないのが現状です。

逆に、他の臓器が原因で死亡した確率の方がはるかに高いので、心配するあまりうつ病になってしまう方もいますが、前向きに治療に取り組むことが大切なのです。

動脈瘤が見つかったらうける治療

画像診断で大きな動脈瘤が見つかったらどのように治療するのでしょうか?治療すべき動脈瘤の大きさは医師により意見が分かれるところです。

5mm以上で形がいびつになっているようでしたら何らかの治療を選択することが多いようです。

どうしていびつな形なのかは、動脈瘤内に壁が厚いところと薄いところがあり、薄いところが破裂する可能性が非常に高いからです。手術方法は通常2つの方法がとられます。

クリッピング法
開頭手術により、動脈瘤の根元にクリップを止めて動脈瘤に血液が流れ込まないように遮断してしまう方法です。このままクリップを放置して手術は終了します。

クリップはチタン製で体への影響はほとんどありません。ただし、脳の深い場所へは別の神経を傷つけてしまう可能性がありますので向いていません。

コイル治療
この手術は開頭手術せず、太ももの動脈からカテーテルという細い管を脳の患部まで入れていき、動脈瘤のコブの中にクルクルとコイルの様な細い線(やわらかいプラチナ製)をいっぱいに入れます。

血液が侵入しないようにする手術方法です。クリッピング手術が困難な場合でも手術可能で、患者さんの負担が少ない新しい手術法です。

しかし、経験豊富な医師がまだまだ少ない状態なので、日本全国どの地域でも実施できるとは限りません。

どれくらい危険?発症から死までの時間が短いくも膜下出血

発症しても必ずしも突然死に至るわけではありません。くも膜下出血は以下のような割合でその症状や容態が異なります。

  • 1/3は無症状または軽症
  • 1/3は死亡
  • 1/3は幸い命は取り留めても後遺症が残る

ただし、他の脳卒中と比べると発症してから死に至るまでの時間が短いので油断できない病気です。また、一度発症すると再発しやすく死に至る可能性が高まるので予後は警戒が必要です。

自分は大丈夫、ただの頭痛…と油断せず、症状に敏感になり積極的に受診をすることが最悪の事態を免れる方法なのです。

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