TOP > > 自分でできる逆流性食道炎の治し方!食後に胃液が上がるなら

自分でできる逆流性食道炎の治し方!食後に胃液が上がるなら

食後の皿

テレビのコマーシャルを見ていると沢山の市販薬を見かけることがあります。中でも多いのが「胃腸薬」で、「食べ過ぎには…」「胃のムカツキには…」などのキャッチコピーはお馴染みのフレーズです。

私たちは普通に生活していても胃の不調を起こすことがあり、ちょっとしたことで胃痛や胸焼けを発症させてしまいます。

また胃痛は精神的な問題にも関係しており、ストレス性の胃痛なども珍しい症状ではありません。確かに困った時や問題が起きた時に、「考えただけでも胃が痛む」とは昔からある言葉ですよね。

しかし近年増加している胃痛はちょっと内容が違うみたいです。それは胃の原因により「食道」に炎症が起きる「逆流性食道炎」で、なんと食道細胞が胃の細胞に変化してしまうこともあります。

また正しい処置を怠ると細胞が腫瘍化して、「食道がん」や「喉頭がん」のリスクも高まることから、近年では最も注目されている病気の一つと言えます。自分でできる逆流性食道炎の発見と対策を紹介します。

まずは胃の構造を知ろう!食べ物を強い酸で溶かす胃の役目とは

人間は食べ物を摂取することで栄養を得ており、「酸素」「栄養」「水」は生命を維持するためには必須の要素と言われています。胃は摂取した食べ物を一次消化することで、栄養素を吸収しやすい状態にする働きがあります。

そのためには強い胃液(胃酸)が必要なのです。

まずは胃の構造を理解しましょう

食べ物は口から入り食道を通り胃の内部に入り込みます。食道は喉(咽頭)から胃に繋がる管状の臓器で、長さは約25cm、太さは大体2~3cmです。

食べ物を飲み込むと食道に流れ胃に入り込みますが、胃は大きく3つの部位に分類されています。

  1. 食道との接合部である「噴門部」
  2. 胃の本体部分である「胃体部」
  3. 胃と十二指腸の接合部である「幽門部」

胃の構造と名称

簡単に説明しますと、食べ物は食道を通り胃の噴門部から胃の内部に入ります。胃体部で一次消化された食べ物は、幽門部を通過して十二指腸から小腸へと運ばれて行くのです。

ここで重要なのは食道も胃も一方通行であると言うことで、基本的に食べ物は逆流することはありません。ベルトコンベアーのように「口->咽頭->食道->胃->十二指腸->小腸->大腸」と一方通行で、消化吸収を行っているのです。

消化は胃だけで行なわれている訳ではなかった

胃に入り込んだ食べ物はそのままでは十二指腸に送ることはできません。栄養を吸収するには食べ物をドロドロに溶かす必要があります。

胃の働きは食べ物を溶かす消化であると言うことは、誰もが知っている常識的な話ですが、食べ物は胃だけで消化されていると思いますか?

実は消化は胃だけの機能ではなく、あくまで胃で行っているのは一次消化であり、全ての消化ではありません。一次消化された食べ物は胃の幽門部から十二指腸に運ばれます。

そして十二指腸において膵臓で作られる「膵液」、肝臓で作られる「胆汁」と混ざることで二次消化を行われるのです。消化は胃の専売特許ではないと言うことですね。

塩酸が含まれる胃液は超強力な消化液だった

食べ物を消化するために胃で分泌されるのが「胃液」です。胃液には「胃酸」と呼ばれる塩酸が含まれており、そのPHは1.0~1.5もある強酸性の液体です。

さらに胃液にはタンパク質を分解しやすくする「ペプシン(タンパク質分解酵素)」、脂質を分解しやすくする「リパーゼ(酵素)」なども含まれています。

強酸性の胃液は金属をも溶かすと言われてくらい強力な消化液であり、大抵のものは問題なく溶かす能力を持っているのです。

また、胃液の役目は食べ物の消化だけではありません。実は身体の防御機能としての一面もあり、体内に入り込んだウイルスや細菌などの異物を死滅させる働きも持っています。

胃液は食べ物の消化だけではなく、免疫作用としての一面も持ちあわせていたのです。

強力な胃液で胃が溶けてしまわないのはなぜ?

金属でも溶かしてしまう胃液ですが、それならなぜ私達の胃は溶けてしまわないのでしょうか?人間の胃など簡単に溶けてしまいそうですが、この謎には胃の内部にある粘膜が関係しています。

胃の粘膜上には「粘液」と呼ばれるネバネバした液体が粘膜層を作っており、これが胃液から胃を守る作用を持っています。

粘液はアルカリ性の物質であり酸を中和させる作用があります。そのため胃液が粘膜層に触れても、その部分は中性であることから胃が傷つくことはないのです。

胃潰瘍などの胃炎のほとんどは何らかの原因で粘膜層が崩れてしまい、胃液によって胃が傷つけられた状態と言えます。粘膜層がない胃は単なる食べ物と同じ状況に置かれてしまうのですね。

胃は食べ物だけでなく細菌やウイルスを死滅させる作用もあります。それだけに強力な胃液を持っているのです。

胃酸が食道へ流れ込む!逆流性食道炎のメカニズム

先程も説明しましたが食道と胃の結合部分が噴門部ですが、正常時には胃液は噴門部より上に入り込むことはありません。

しかし、何らかの原因で胃液が噴門部を通過して食道に流れ込むと、食道に大きな影響を与えてしまいます。

食べ物が通過する時だけ開く噴門のおかげで逆流しない

正常な噴門の働きと異常があり胃液が逆流してしまう噴門の様子

食道と胃の入り口である噴門部ですが、その入口となるのが噴門です。噴門は「下部食道括約筋」と呼ばれる筋肉によって「開いたり」「閉じたり」する胃のドア(扉)と考えて下さい。

食べ物を飲み込むと食道から流れてきた食べ物は噴門まで運ばれますが、この時に下部食道括約筋を緩めることで噴門が開き、食べ物が胃に入り込みます。

それ以外の時は下部食道括約筋が締まっているために、噴門も開かず胃の内容物が食道に入り込むことはありません。

お腹一杯に食べても胃の中身が逆流しないのは、下部食道括約筋によって噴門が閉められていたからだったのです。また逆立ちしても逆流しないのも同じ理由からですね。

下部食道括約筋の異常が胃液を逆流させる結果に

このように下部食道括約筋は胃液などの胃の内容物を食道へ逆流させないために重要な働きを行っていますが、この筋肉が弱まってしまったらどうなると思いますか?

「逆流性食道炎」はこのように、噴門の働きが何らかの原因によって機能しなくなり、胃液が食道に逆流してしまう病気です。そしてその多くが下部食道括約筋の機能低下によるものと言われています。

下部食道括約筋の機能が低下する理由としては以下のことが考えられます。

  • 加齢による筋力の低下
  • 脂肪分の多い食生活
  • タンパク質の多い食生活
  • 姿勢
  • 肥満
  • その他

人間の消化機能は一歩通行であり、それが逆流することは生体的に考えられていません。つまり人間の身体は強酸性の胃液が、食道に流れ込むようには作られていないのです。

逆流性食道炎の原因は下部食道括約筋だけではありません。しかし、多くの症状で下部食道括約筋が関係しているのです。

逆流性食道炎の症状は呑酸や胸焼けの他に口臭や咳も

胃液の逆流が起こる逆流性食道炎が発症すると、本来ないはずの胃液が食道に入り込みます。食道は胃と違い粘液による酸の中和作用はもっておらず、胃液による影響をまともに受けてしまいます。

つまり強酸性の胃液と接触することで、食道の細胞を傷つけ炎症などの症状を発症させてしまうのです。またこの状態が慢性化することは、細胞を腫瘍化させる原因にもなることから、早期の対応が求められる状態とも言えます。

ここで代表的な逆流性食道炎の症状を紹介しましょう。

狭心症に似た胸の痛みが起きる

動脈硬化によって心臓の血管が細くなってしまうことで、心臓に血液が十分に供給されなくなる「狭心症」は、心筋に酸素や栄養が行き渡らないことで発症する病気です。

主な症状は胸の痛みですが、この症状が逆流性食道炎と酷似していることから間違えてしまうこともあります。逆流性食道炎と狭心症の似ている痛みの症状を紹介します。

  • 胸の上部奥に痛みを感じる
  • 胸が締め付けられるような感じがする
  • 胸が焼けるような痛みを感じる
  • 背中の痛みを感じる
  • 肩こりのような痛みを感じる
  • その他

痛みは胃の上部(みぞおち周辺)に感じることが多く、締め付けられる感覚が特徴です。また背中に痛みを感じることも多いのですが、これは食道が身体の中心近くにあるためで、胸、背中と両方に痛みを感じることがあるのです。

「心臓の病気と思って診察したら逆流性食道炎だった」などの話は珍しいものではなく、「背中の筋肉痛だと思ったら逆流性食道炎だった」と言う話も多く聞かれます。

胸の痛みは様々な病気が考えられるので、自己判断は止めたほうがよさそうですね。

呑酸や胸焼けを感じたら逆流のサイン

あまり聞き慣れない「呑酸(どんさん)」ですが、これは口の中に酸っぱいものが広がってしまう症状のことです。ここで言っている「酸っぱいもの」とは胃酸であり胃液が正体であり、酸っぱいだけでなく苦味を感じることも多いようです。

つまり胃から逆流した胃液が食道を通り、喉の奥から口に入り込むことで酸により酸っぱいと感じてしまうのです。また、ゲップをする時に胃液が逆流して口の中が酸っぱく感じることも多いようです。

横になる姿勢をとると呑酸の症状がでることが多く、これは胃が横になることで逆流しやすくなるのが理由とされています。寝起きに口が酸っぱく感じる場合は、夜間に胃液が逆流している可能性が高いのでの注意して下さい。

口が臭く感じたら逆流を疑ってみよう

口臭を気にしない人はあまりいないと思いますが、自分の口臭を正確に把握することも難しいことです。逆流性食道炎では胃液が逆流するために、胃酸の匂いが口から出ることがあります。

これは呑酸が起きた時はもちろんですが、口が酸っぱく感じていない場合でも酸味のかかった口臭が出るのです。また普段は臭うことのない胃の内容物の匂いも感じることもあります。

口臭のキツイ人は結構いますが、「ツン」とした酸味がかった口臭の場合は、胃液が逆流している可能性があることを覚えておきましょう。

咳や喉の痛みは炎症が原因だ

人間の喉は食道だけとつながっているのではなく、食べ物を胃に運ぶ食道と空気を肺に送る気管に分かれています。つまり食道の上部は気管との分岐点であり、ここまで胃液が逆流すると気管に対しても悪影響をもたらしてしまいます。

気管の入り口である喉頭部は胃酸とは全く関係のない組織であり、何の防御策も持ちあわせていません。

つまりこの部分に胃液が流れてくると酸の影響で瞬く間に炎症が発症してしまい、咳や喉の痛みを感じることになります。また、悪化すると声がかすれたり、声を出すことができなくなったりするケースもあります。

逆流性食道炎の症状は他の病気と勘違いしやすいのが特徴です。単なる胃痛と思いこまないことが大切ですね。

逆流性食道炎はがんの入り口って知っていましたか?

胃液が逆流する逆流性食道炎は様々な症状を引き起こしますが、その恐ろしさは慢性化した後にあります。慢性化することで組織が腫瘍化してしまい、がんへと進行するリスクが高まるのです。

食道がんの大部分は逆流性食道炎が原因か?

逆流性食道炎の症状を説明してきましたが、中には「特にたいしたことはないじゃないか!」「口が酸っぱいぐらいだろ!」と感じている人もいるかもしれません。

しかし、実はそのような考え方は間違っており、逆流性食道炎の恐ろしさは症状が慢性化した後にやってくるのです。

なぜ逆流性食道炎が食道がんの原因になるのか…それは「食道が胃に変化してしまう」ことが原因です。

食道が胃になってしまうバレット食道とは?

食道内部の粘膜は「扁平上皮」で作られていますが、胃の粘膜は「円柱上皮」と呼ばれる組織で作られています。逆流性食道炎が慢性化すると食道に胃液が頻繁に入り込むために、食道の扁平上皮細胞が炎症を繰り返してしまいます。

炎症は扁平上皮の破壊と再生を繰り返し、最終的には胃液に対応しようとすることで円柱上皮に近い組織に変異するのです。

つまり食道の一部が炎症を繰り返すことで、胃に違い細胞へと変化してしまうのですね。この食道の変異を「バレット食道」と呼びます。

バレット食道は胃に近い組織と言っても胃と同じではなく粘液層もありません。あくまで近い組織にしか変異しないため、慢性的な炎症は繰り返されるままです。そしてその炎症が細胞のがん化を引き起こしてしまいます。

バレット食道が3cm以上になると食道がんのリスクが10%向上すると言われており、またバレット食道を持っていない人と比較して10倍リスクが高いとの指摘もあります。

喉のがんである咽頭・喉頭がんも胃液が原因

逆流性食道炎で咳や喉の痛みを感じることがあります。前述しましたがこれは胃液が喉にまで逆流したことが原因で、気管や食道の入り口である咽頭・喉頭部に対して炎症を起こす結果になります。

これは食道と同じく咽頭・喉頭部に炎症が発症しているのが原因であり、細胞ががん化するリスクが高くなってしまいます。

咽頭・喉頭がんはアルコールや喫煙が一番のリスク要因になっていますが、これに逆流性食道炎を加味することでリスクが一段と高まると言われています。

口が酸っぱく感じて咳が出るようであれば、注意しなくてはいけません。

ピロリ菌と逆流性食道炎の関係が難しかった

近年、日本では胃がん対策としてピロリ菌の除菌に注目が集まっています。ピロリ菌は胃の中に潜む細菌の一種ですが、胃液の影響を受けない物質を分泌することで胃に悪影響を与えます。

研究では胃潰瘍や胃がんの原因の多くがピロリ菌によるもので、ピロリ菌を除菌することでこれらの病気の予防が可能になることが判明しています。

そこで薬剤による除菌が推奨されているのですが、実はこの行為が逆流性食道炎を増加させていることはあまり知られていません。

欧米と比較して日本は食道がんの発症数が少なかったのですが、近年では増加傾向にあります。これは食生活の変化もありますが、ピロリ菌の除菌と関係していることが専門家により指摘されているのです。

日本は欧米と比較してピロリ菌に感染していた人が多く、特に50代以上の年代には多くの人が感染していました。ピロリ菌は胃の細胞を傷つけることで、胃液の分泌を阻害してしまいます。

つまり、ピロリ菌を除菌することは胃を元気にして胃液の分泌が活発になることから、胃液の量を増加させて逆流するリスクが高まると言うのです。

ピロリ菌の除菌によって胃が元気になることが、逆流性食道炎のリスクを高めるとしたら皮肉としか言いようがありませんね。

逆流性食道炎を慢性化させることはとても危険です。がんの予防からも早期の対応が必要です。

逆流性食道炎を早期に発見するには?逆流性食道炎セルフチェック

逆流性食道炎は症状も比較的軽いために、気が付かなかったり放置していたりする人が大勢します。しかし、対処を怠ることはがん化などの重病を発症させる原因になります。

早期発見について考えてみましょう。

逆流性食道炎発症のチェック項目を理解しよう

逆流性食道炎の診断チェック表

現在日本ではFSSG(Frequency Scale for the Symptoms of GERD)と呼ばれる、逆流性食道炎の診断チェック項目が診断に使用されるケースが多いようです。

問診チェック項目に自分の状態を合わせて「ない:0点」「まれに:1点」「時々:2点」「しばしば:3点」「いつも:4点」を出し合計点数を算出します。

合計点数が8点以上で逆流性食道炎の可能性が高く、精密検査が推奨されています。それではチェック項目を紹介します。

【Fスケール問診票】

1 胸焼けがしますか?
2 お腹がはることがありますか?
3 食事をした後に重苦しい(もたれる)ことがありますか?
4 思わず手のひら胸をこすってしまうことがありますか?
5 食べた後気持ち悪くなることがありますか?
6 食後に胸焼けがおこりますか?
7 喉の違和感(ヒリヒリなど)がありますか?
8 食事の途中で満腹になってしまいますか?
9 ものを飲み込むと、つかえることがありますか?
10 苦い水(胃酸)が上がってくることがありますか?
11 ゲップがよく出ますか?
12 前かがみをすると胸焼けがしますか?

このチェック項目はもちろん医療機関でも行っていますが、自分でも簡単に評価することが可能です。また定期的に行うことで、逆流性食道炎の早期発見にも繋がるので、家族でやってみましょう。

合計点が8点以上で逆流性食道炎の可能性が高まり、点数が高くなるほどリスクがあがります。放置しないで消化器専門病院で診察を受けるようにしましょう。

定期的な内視鏡検査が有効

通常の健康診断では食道の検査は十分に行われていません。バリウムを使用した胃がんのレントゲン検診においても、食道を流れるバリウムは撮影されますが、バレット食道を見つけることは困難と言えます。

逆流性食道炎の初期診断はFSSGを使用した問診で可能ですが、最終確認や進行状況を知るには内視鏡による検査が重要になります。

しかし、胃の内視鏡を経験した人ならあの嘔吐感は、なんとも嫌なものですよね。これが逆流性食道炎の早期発見の妨げになっていることも事実ではないでしょうか?

しかし内視鏡も進化しており、昔であれば10mmもある内視鏡を口から挿入する方法しかありませんでしたが、現在では約半分の太さの内視鏡を鼻からいれる方法が普及しています。

さらに鎮痛剤を併用した検査では、意識が薄まっている状態で検査が終わってしまうので、苦しさを感じることも少なくなっています。

私も以前に鎮痛剤を併用した内視鏡検査を受けたのですが、気がつかない間に終了していたので驚いた記憶があります。ただ検査後もしばらくは頭が「ボーッと」してしまうので、車の運転や仕事は控えた方がよいと思います。

「胃カメラ(内視鏡)は怖い」「苦しい」は昔のことだと思って、定期的な内視鏡検査を受けることが早期発見に繋がるのです。

FSSGは自宅で簡単に行える問診検査です。年に数回は家族でやってみるのもよいですね。

自分でできる逆流性食道炎の治し方&予防法

もともと逆流性食道炎は日本では珍しい病気でした。それが増加傾向にある理由は、生活の欧米化とも言われています。しかし、この生活の中で少しの部分に気をつけることで、逆流性食道炎の改善や予防に繋がります。

自分でできる対策&予防法を紹介します。

まずは自分が逆流性食道炎を発症しやすいのかを知る

逆流性食道炎は発症しやすい人と発症し難い人がいます。多くは生活習慣の違いなのですが、そこを改善することで症状を鎮めたり予防できたりします。

逆流性食道炎になりやすい人

  • 食生活が乱れている人
  • メタボ体型の人
  • 腰が曲がっている高齢者
  • 長期間心臓などの薬を服用している人
  • 慢性的な便秘症の人
  • 高負荷の運動を行っている人
  • その他

ここに当てはまる人は逆流性食道炎になりやすい人と言えますので、自分が高リスクに該当「するのか?」「しないのか?」を覚えておくことが重要です。

偏った食生活は改善しなくてはいけない

食生活の欧米化で逆流性食道炎が増加しているとの指摘がありますが、その理由は「高脂肪」「高タンパク質」の食生活を指しています。

高脂肪食中心の食生活では十二指腸で分泌されるホルモンの影響で、下部食道括約筋が緩むことがあります。また、大量に食べることで胃が重くなり筋肉が緩むこともあるのです。

また高脂肪食では胃液の分泌が活発になるため、逆流するリスクも向上してしまいます。

肉類中心の食生活も脂質中心と同じく逆流性食道炎を引き起こす原因になります。肉類などのタンパク質は消化するのに時間がかかり、胃の中に長く留まってしまいます。そのために胃液の分泌の活発で、逆流してしまうリスクが向上します。

高脂肪、高タンパク質中心の食生活は改めて、バランスのよい食生活を心がけましょう。

アルコールなど胃を刺激するものはほどほどに

胃は刺激されることで胃液を分泌させます。お酒などのアルコール、コーヒーなどの刺激物は、胃液を増加させて逆流性食道炎のリスクを高めます。

お酒を飲み過ぎると吐いてしまうことがありますが、簡単に吐けると感じませんか?これはアルコールによって下部食道括約筋が麻痺した状態で、噴門が緩んでいるのです。

慢性的にアルコールを摂取すると徐々に下部食道括約筋の機能が低下して、噴門がゆるんでしまうことがありますので、過度なアルコール摂取は控えるようにしましょう。

肥満の解消が改善や予防とって最も重要

逆流性食道炎で苦しんでいる人の中には、肥満の人や過去に肥満だった人が多く見られます。肥満は逆流性食道炎のリスク要因であり、肥満を解消することで症状が改善されることは珍しくはありません。

肥満と逆流性食道炎の関係は大きく分けて2点あります。

  • 肥満によって筋力が低下して逆流を防げない
  • 皮下脂肪や内臓脂肪で胃が押し上げられる

筋力不足ではダイエットだけでなく、筋肉を鍛えることも重要です。負荷の高い運動は避けてウォーキングや軽い腹筋などで、少しずつ体重削減と筋力アップを目指しましょう。

悪い姿勢は胃を圧迫して逆流を助けてしまう

胃液の逆流は姿勢によっても起こされる場合があります。前かがみの姿勢が多いと胃を直接圧迫してしまうことから、逆流の原因となってしまいます。

特に高齢者には腰が曲がって前かがみの姿勢をとるケースが多く見られます。姿勢を真っ直ぐにして胃を圧迫しないように注意しましょう。

食事の後に横になるのは牛か?逆流か?

昔は「食事の後に寝っ転がると牛になってしまうよ!」と注意されていましたが、これは太ってしまうことを比喩した言葉だと思います。

実際には牛にはならないのでしょうが、逆流性食道炎になってしまう可能性はありそうです。食後すぐに横になると胃が横になった状態で胃液の分泌が活発になります。また噴門の位置も横になるために、胃液が逆流しやすい位置関係を作り出してしまいます。

これを繰り返すことで少しずつ逆流が増えて、食道に炎症が発症してしまいます。人間が牛なることはありませんが、逆流性食道炎になることはありそうです。

服装は身体を締め付けるものを避ける

ファッションは人それぞれで自由ですが、逆流性食道炎の改善や予防の観点から考えるとそうは言っていられません。最近身体のラインを意識した服や、ボディースーツが一般的になりましたが、お腹を締め付ける服装は逆流の原因です。

特に服は日中着たままなので、長時間お腹を締め付ける結果になります。そうなると胃が圧迫されて胃液が逆流しやすくなってしまいます。

ベルトやガードルも使用はほどほどにして、身体を締め付ける服は避けたほうがよさそうですね。

「ちょっと逆流しているかな?」と感じたら枕を高くする

気をつけて生活していても、体調不良や疲労が蓄積したことで軽い逆流が起きることがあります。そのような時は寝る時に一工夫することで、症状を改善させることができるのです。

逆流性食道炎の症状が最も表れやすいのが起床時と言われており、その理由は寝ることで胃と食道の位置が水平になり逆流しやすくなるからです。

そこで頭から背中にかけてタオルを入れることで、頭を高くして寝ることが効果的です。食道の位置が胃より高くなることは逆流を防ぐ効果が高く、軽い症状であれば改善させることも可能です。

日本人は布団で寝る時に水平な姿勢で寝ることを好んでいますが、欧米人は大きな枕で頭を高くして寝る人が多いようです。頭を高くして寝ることも逆流性食道炎にも効果的だったのです。

オリーブオイルを毎日に取り入れて逆流性食道炎を予防する

常習性便秘症の人の約10%に逆流性食道炎が見られます。

便秘によりお腹が張った状態になると、胃は腸から圧迫を受けます。これによって胃液も押し上げられ逆流を起こしやすい状態になるのです。

つまり便秘の解消も逆流性食道炎の予防になります。そしてこの便秘の解消にもオリーブオイルが有効なのです。

オリーブオイルを適量飲むと、小腸内に留まり便の排出を促進する潤滑剤となります。またオリーブオイルは小腸を刺激し、蠕動運動を高める作用があるのです。

この効果を得るためには一日大さじ一杯、朝食時に飲むことが最も良いと言われています。味噌汁などに入れるのも良いですnね。

オリーブオイル、その中でもエキストラバージンオイルと呼ばれる物は、抗酸化作用が高いフェノール類の含有量が多良いのです。

エキストラバージンオイルは酸度8%以下の物と決められています。酸度とは油の中でグリセリンと結合せず、浮遊している脂肪酸の事を指します。この脂肪酸が多いと油は酸化しやすくなるのです。

つまりこのエキストラバージンオイルは酸化しづらく、人の体に良い効果をもたらすのです。

逆流性食道炎の対処法として重曹、重層水は有効か?

逆流性食道炎の治し方や胃酸過多の対処法として、重曹、または重層水を飲む、という情報が多くあります。

重曹の成分は炭酸水素ナトリウムといって、体内のphを安定させ胃酸を中和してくれる効果があります。即効性が高くすぐ楽になるという声が多いようですね。

元々重曹は胃薬として使用されていたという歴史から、また株式会社太田胃散が販売している「太田胃散」には炭酸水素ナトリウムが配合されているという点から、「胃薬として重曹を飲む」という情報が出てきたようです。

しかし、医師の指示なしで市販の重曹を自己流で飲むのはやはりおすすめできません。胃酸の中和を行えば症状が落ち着くかもしれませんが、炎症が治るわけでも下部食道括約筋の機能異常が回復するわけでもなく、根本的な解決にはなりません。

また塩分が含まれるため、塩分の制限をされている方はとくに注意が必要なのです。安易に試してみようとはせず、やはり専門医に相談し適切な指示を仰ぎましょう。

メタボを指摘されている人は肥満解消が必須です。またアルコール、タバコも控えるようにしましょう。

逆流性食道炎の一般的な治療を探る

近年テレビのコマーシャルでも逆流性食道炎のキャンペーンが行われており、病気の理解も進んできました。理解が進むことは早期発見にも繋がり、多くの人が治療に訪れるきっかけにもなっています。

逆流性食道炎の一般的な治療法について紹介します。

逆流性食道炎の治療薬は胃液量を減らすのが目的

現在、逆流性食道炎の治療は薬で胃液の分泌を抑える方法が一般的です。胃液の分泌量を抑えることで逆流を防ぎ、傷ついた食道細胞を修復するのが目的ですが、この治療には代表的な薬が2種類あります。

  • プロトンポンプ阻害薬(PPI)
  • ヒスタミン受容体拮抗薬(H2ブロッカー)

2種類の治療薬について各々の働きを紹介します。

現在の主流はプロトンポンプ阻害薬

胃壁には胃液(胃酸)を分泌させるプロトンポンプと呼ばれる組織があり、その働きを阻害するのがプロトンポンプ阻害薬です。プロトンポンプ阻害薬は胃酸分泌制御に優れており、長時間効果があるのも特徴です。

胃液が減ると噴門に異常があっても逆流する量が減少し、逆流性食道炎の症状も軽くなります。炎症を起こしていた細胞も再生し、各症状も軽減されるのです。

プロトンポンプ阻害薬は逆流性食道炎だけでなく、胃潰瘍などの胃炎、ピロリ菌の除菌など幅広く使用されており、現在の治療においては主流になっています。

一世を風靡したヒスタミン受容体拮抗薬

プロトンポンプ阻害薬が普及するまでに治療薬として主流だったのが、ヒスタミン受容体拮抗薬です。この薬は胃壁にあるH2受容体とヒスタミンの結合を阻害することで、胃液(胃酸)の分泌を抑制します。

薬の効果としてはプロトンポンプ阻害薬と同じですが、効果はヒスタミン受容体拮抗薬の方が低く、持続性も短くなっています。

現在ではH2ブロッカーとして市販されており、ドラッグストアなどで気軽に購入することができる薬です。病院に行くまでもないような軽い症状では便利な治療薬と言えます。

症状が酷い時には外科手術が必要なケースも

胃液の分泌を抑える薬はあくまで炎症を抑える効果しかなく、下部食道括約筋の機能が低下した状態では症状を抑えることしかできません。そのような状態では薬の服用をやめることで、すぐに再発してしまい完治することはできません。

そこで外科手術により噴門を整形する手術で「噴門整形術」と呼ばれています。手術は腹腔鏡下で行われ、緩んだ噴門を狭くすることで逆流を阻止するのです。

この手術には適用があり以下の症状がみられる逆流性食道炎で行われています。

  • プロトンポンプ阻害薬を使用しても症状が改善されない
  • バレット食道が進行している
  • 出血や狭窄など食道炎が重症化している
  • その他

プロトンポンプ阻害薬が普及している現在では、手術の適用自体が少なくなっています。しかし、症状が酷く再発を繰り返す場合には、手術による噴門整形が効果的です。

基本的な逆流性食道炎の治療法は投薬です。プロトンポンプ阻害薬の投与で大部分の患者が改善しています。

これから増加が危惧される逆流性食道炎に対抗するには

逆流性食道炎は発症当初は症状も軽く、自覚することも少ないかもしれません。しかし、悪化することでバレット食道や食道がんなどの重篤な症状を引き起こしてしまいます。

まずは日常生活を点検して食生活や肥満の解消に注力することが必要です。またチェック項目をよく理解して該当するようであったら、専門医のいる病院で診察を受けるようにしましょう。

食道は食道のまま変わらずいてくれればいいのですから。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る