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口移しはやめて。虫歯だけではない、ピロリ菌は赤ちゃんにも感染する

日本人に多いピロリ菌感染者数>

ピロリ菌の感染率は国によって大きく異なります。ヨーロッパやアメリカでは20~30%前後にとどまるのに対して、タイやインドなどでは80~90%以上にのぼる感染率です。

ピロリ菌は上下水道の普及率が低く、衛生状態が悪い地域では感染率が高いことがわかっています。理由は水道管内に菌が繁殖しているからです。

ですから、先進国である日本の場合は、感染者が少ないかといえば、そうではありません。実は恐ろしいことに、日本人の場合、全人口1億2000万のうち半数の約6000万人がピロリ菌に感染していると考えられています。

特に、50歳以上の人は、子どもの頃に感染していると考えられる場合がありその確立は50~70%とも言われています。

完治できるようになった胃潰瘍・十二指腸潰瘍>

「ピロリ菌の発見と、胃炎や胃・十二指腸潰瘍におけるピロリ菌の役割の解明」がノーベル賞を受賞し、一躍脚光を浴びたピロリ菌の存在。一見、可愛い名前をしているようですが、ピロリ菌が原因で起こる怖い病気はいくつもあります。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃がん、胃MALTリンパ腫、胃過形成性ポリープ、急性胃腸炎などです。このノーベル賞の発見により、ピロリ菌の除菌治療が胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療を大きな変化をもたらしましたと。

ピロリ菌の除菌治療が確立される以前は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍という病気は、症状が悪化すると胃や十二指腸を手術で切除するのが一般的でしたが、1980年代に胃酸の分泌を強力に抑えるh3ブロッカー(シメチジン等)という薬が開発されると、薬物療法で潰瘍の進行がかなり抑えられるようになりました。

しかし、この新たなピロリ菌の除菌治療により、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を完治し、高い確立で再発を予防することができるようになったのです。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍に罹る主な原因菌はピロリ菌が引き金となって発病します。残りの約25%は消炎鎮痛剤の副作用、約5%は胃酸の分泌過多で潰瘍が生じるといわれますが、大半の潰瘍はピロリ菌の感染が引き金となっています。

ストレスを受けても、ピロリ菌が胃の中に存在していなければ潰瘍が生じることはありませんが、ピロリ菌感染者は容易にストレスなどで潰瘍を引き起こしてしまうことから、ピロリ菌に感染している胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者の治療は、まずピロリ菌の除菌治療が基本となったのです。

胃がんの予防、再発予防に効果の高いピロリ菌除菌

胃がんにはいくつかのタイプがありますが、慢性胃炎→萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃がんの発生という具合に進行していくことが多く、その全過程にピロリ菌が深くかかわっています。

ですから、胃がんの予防において、ピロリ菌の除菌は有効です。また、一度胃がんに罹り、治療をしてからの再発予防としてもピロリ菌の除菌は有効であると考えられています。

簡単に出来るピロリ菌の除菌と保険適用がされるもの、されないものについて知っておく

ピロリ菌の除菌は抗菌薬を飲むといった実に簡単な方法です。副作用も軽微で患者の10%程度に下痢という症状が現われます。また、便秘や味覚異常が起こることが稀にありますが、これらの副作用は治療が終われば自然に治まるものです。

健康保険の適用も2回までが対象とされています。ただし、使われる抗菌薬は限定されていてクラリスロマイシンとアモキシシリンと胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬との3剤を組み合わせた使用が認められています。

ただし、耐性菌の出現による影響もあり、初回の治療で除菌できる人は8割です。初回の除菌に失敗した人が2度目の選択肢として注目されているのがメトロニダゾールです。初回の治療が上手くいかなかった人の9割が除菌できます。

ただし、このメトロニダゾールを使用すると初回の除菌を含めた全治療費が健康保険の適用外とされ、全額自己負担になることを事前に知っておく必要があります。

ピロリ菌の除菌に成功すれば、ほぼ再感染はしないといわれていますが、稀に年0~2%の確立で再感染するといわれています。ですから、除菌後も必ず定期的に検査をすることをお勧めします。

乳幼児期に口移しで感染するピロリ菌>

ピロリ菌の感染は幼少期に生じます。大人になると細菌を排除するための免疫力が強いため、少々のピロリ菌が口などから入ってきても体外へ排除してしまいます。

しかし、免疫力の弱い5歳前後までに感染すると、ピロリ菌は胃の中に定着してしまうのです。赤ちゃんがピロリ菌に感染するのは、お母さんやおばあちゃんからの食べ物の口移しによるものが多いといえます。

ミュータンス菌が虫歯のもとになり、食べ物の口移しで虫歯が移るということは、子育て中の親なら意識している人も多いのですが、ピロリ菌も感染してしまうということを知っている人は少ないと思います。

その上、考える以上に日本ではピロリ菌感染者が多いのです。ピロリ菌は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんとあらゆるリスクとなり得ます。いますぐ、食べ物の口移しはやめてください。

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