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トラウマが原因?心的外傷後ストレス障害と急性ストレス障害の違い

強い精神的衝撃を受けると人は

一生が穏やかで何の苦痛もないまま終わればどれだけ幸せか分かりません。実際には悲しみや苦しみのない人生というのはあり得ません。それでも、一時的な辛い経験はたいてい時間の経過と共に乗り越えることができるものです。

しかし、世の中には残念なことに災害、事故、事件、戦争など過酷なトラブルがたくさん存在しており、不幸にして巻き込まれる人も少なくありません。こういったトラブルは人の人生を変えてしまうほどの影響力を持つこともあります。

特にその経験で強い精神的な衝撃を受けてしまうと、それが強いストレスとなり精神的な症状を引き起こしてしまう場合があります。「トラウマ」という言葉は日常的にもよく使われるようになりました。この言葉はもともと「外傷」という意味を持ちます。

一般には「心の傷」といったニュアンスで用いられることが多いです。まさに過去の経験がトラウマとなってさまざまな精神的な障害を引き起こすことがあるのです。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とASD(急性ストレス障害)

人の命や尊厳をおびやかすほどの過酷な体験をしたことで強い精神的ショックを受けたことが原因でその後に精神的な障害が起こる病気には、PTSD(心的外傷後ストレス障害)とASD(急性ストレス障害)があります。

原因になる経験は多様であり、人それぞれにその衝撃の強さも異なりますが、事件や災害のように突然に起こった衝撃の場合もあれば、虐待やいじめのように長時間受け続けたストレスが原因になる場合もあります。

PTSDとASDの違い

PTSDとASDにはどのような違いがあるのでしょうか。

「ASD」

精神的衝撃を受けた後に起こる急性の精神的な症状。一時的なものでしばらくすると自然に解消されます。ただし、治癒したと思われる後、PTSDに進む可能性もあります。

「PTSD」

過去のトラウマが原因となり、精神的衝撃を受けるようなきっかけから数か月~数年経った頃に急に記憶が蘇ったり精神的な症状が起こるもの。症状は長く続くことがあります。

つまり、発症のきっかけとなる経験の後に起こる急性の一時的な症状がASD、その後も慢性化して長く続くのがPTSDとされます。ASDは1か月以内に症状がおさまりますが、PTSDの場合は1か月以上長引くのが特徴です。

ASDの特徴

「症状」

事件などの直後から数時間~数日間、症状が起こります。

・感情や感覚が麻痺してボーッとする。
・現実感がない。
・フラッシュバック(記憶が突然蘇る)
・悪夢を見る。
・トラウマの原因に関係する話題や事柄を回避する
・神経症(イライラ、不眠、多動、不安)といった症状が起こる。

「治療」

すぐに治療を受けることがのぞましいです。病院を受診して心理療法を受けます。必要に応じては薬物療法を受けます。また、周囲の人の協力が必要で、ストレスを解消してあげたり、気持ちをよく聞いてあげることが大切です。同じ体験をした人同士で話をするのも効果が期待できます。

ASDは1か月以内に解消するもので予後は良いとされていますが、この段階できちんと治療しておかないとPTSDに進むことがあるので注意が必要です。

PTSDの特徴

「症状」

事件などから1か月以上経ってから発症します。

・フラッシュバックにより当時と同じ苦痛を繰り返す。
・悪夢を見る。
・当時の記憶が消えない。
・トラウマに関する事柄を回避する。
・当時の記憶を失う。
・トラウマに関する事柄に触れると強い不安を示す。
・無力感・意欲の低下
・感情や感覚の麻痺
・不眠
・神経過敏
・イライラ

「治療」

早期発見と早期治療が重要になります。心理療法、薬物療法が必要になります。PTSDの症状が続くのは、過去のトラウマを過去のこととして終わらせることができない点にもあります。

ですから、治療ではトラウマを無理矢理忘れさせようとするのではなく、自分が実際に経験した事と認識させて過去の経験としてとらえることができるようにしていく必要があります。

PTSDを発症していても本人または周囲の人も気づかない場合があります。もし過去にショックを受けるような経験があり、日常で精神的な症状に苦しめられるという場合にはPTSDが疑われる場合もありますので、早めに専門医を受診することがのぞましいです。

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