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心身症の症状に治療と併用して研究されたヨガ療法を試してみよう

ヨガといえば、肉体的健康に効果があるものとして、ストレッチや運動感覚で人気のあるものです。しかし、ヨガの本質的な効果は精神的なもの。身体への健康は付属に過ぎません。実は、ヨガは心身症へのポジティブな効果が期待でき、ヨガがもたらす精神の安定や健康は、代替医療として研究され、治療プログラムの一環として活用している病院も多くあります。

治療目的で行われているヨガは、巷のヨガとは少し違います。しかし、本来のヨガの良さや効果を十二分に取り入れた方法です。心身症で治療を受けると同時に、ヨガでのケアも取り入れてみませんか?

心身症といわれる病気とは?

精神的な原因が影響して、身体の症状として不調が現れる疾患の総称を「心身症」と言います。しかし、心の問題として簡単に済ますことはできません。肉体的疾患は現れている為、心と身体の状態が複雑に絡み合い関与し合っています。つまり、心理状態が多大に影響した上で、身体的症状を伴い発病した疾患 なのです。

心身症に分類される病気

ストレスや、大きなショックなど心理的に負荷がかかり、身体にまで影響をおよぼす心身症には、以下のようなものがあります。

  • 喘息
  • 狭心症
  • リウマチ
  • 嘔吐
  • 胃潰瘍
  • 過敏性大腸炎
  • めまい
  • パニック障害
  • アトピー性皮膚炎
  • 片頭痛
  • 自律神経失調症 など

心身症の治療には心と身体の同時ケアが大切

心身症は身体への症状が出るため、病院で受診し治療を受けながら薬を飲んで療養しても、心の部分のストレスやショック症状が解決しないと症状が良くならず、病気を悪化させてしまうケースもあります。

心の問題に本人の自覚がない場合は、病状が改善しない不安からあちこちの病院を渡り歩いたり、薬に頼りすぎる生活となり、根本治療とは程遠い長年の「持病持ち」となり、仕方がないと諦めてしまう方々も多いのが現状です。

心身症の症状の改善には、身体の症状への治療とともに、カウンセリングなどを利用し、心理状態と向き合う状況を作ることが大切です。どちらかだけの治療では改善しにくいのが心身症なのです。

ヨガ療法でできる事

ヨガ療法、またはヨガセラピーという言葉を聞いたことがありますか?セラピーと聞くと、リラクゼーションを思い浮かべる方も多いと思いますが、ヨガ療法(セラピー)とは統合医療、代替医療の一種です。

ヨガのアーサナ(運動)、呼吸法、瞑想法、などを使い分け、心の状態と身体の状態を自身で内観していく方法で、おもに心身症の症状が対象となり研究されているものです。ヨガの本場インドでは、ヨガ学科を取り入れた大学も多数あり、インド中央政府が推進し、日本でもヨガ療法を学べる財団などがあります。

ヨガ療法を取り入れる方法

パニック障害や喘息、胃潰瘍など、心身症の代表的な病気のこれらに共通する事は、ストレスが常に付きまとっている事です。いつ発作が出るか分からない状態や、発作が起きた時の苦痛が頭にあります。それと同時に、病気の原因を悩みとして抱えた状態が続いているため、頭の中が悩みに囚われすぎて、目の前の状況が見えなくなっています。

今の状況に集中する事の難しさ

悩みがなくても、人間は常に過去や未来の心配事や願望に囚われやすく、心ここにあらずの状態でいます。心身症を患う方は特にその状態が重く、料理を作っていたり、仕事をしている状態でも頭は悩みに囚われ、今を生きていません。

頭と心と身体の状態がちぐはぐになると現実感が薄れ、ますます心理的不安感を募らせます。この状態をヨガのポーズや呼吸法、瞑想の刺激や観察によって、今の状況に集中する状態を作るのです。

日常の動作の中でもヨガ的内観ができる

ヨガの大切な目的の一つに、今に集中する事で余分なエネルギー消耗をせず、心身を安定させる事があります。その方法は徹底した内観です。ヨガのポーズも呼吸法も瞑想も、この内観がなければただの健康体操になってしまうのです。

内観とは、今自分の中で起こっている考え事や外的刺激、呼吸の状態などあらゆる事を、意識化し感じていく事です。すべての状態を頭で判断することなく、ただ起こっている事、感じている事として受け入れていくのです。

内観が伴っていれば、ヨガのポーズは簡単な物や、極端に言えば何でもいいと言えるでしょう。ただし、呼吸法や瞑想法は正しい方法を取り入れ、身体に無理のないやり方で実践する事が大切です。

自己をジャッジする事で自身を追い詰める場合も

心身症を患う方の多くは、真面目で人に気を使い過ぎたり、物事を全て自分の中のルールで判断し、コントロールするような所があります。自分のルールから自らがズレてしまうと、自己嫌悪に陥り、いつまでもくよくよ悩んでしまったりします。

優しい性格は美点ではありますが、極度の自己ジャッジは心的疲労を生み、神経をすり減らします。頭が常に忙しく、自分自身をジャッジしている状態から、ヨガの業法により、今に集中させ、ただありのままに感じていく事で、精神的調和を取り戻すのがヨガ療法の目的です。

簡単にできるヨガ療法入門

それでは、実際にヨガ療法の中でも簡単にできる入門編を見ていきましょう。大切なポイントは次の4点です。

  • ゆっくりとした動きをする。
  • ポーズを取ることによって、身体が感じる刺激を意識し続ける。
  • 身体負荷をかけたり緩めた時に感じる感情を受け止める。
  • 運動やトレーニングではないので、決して無理をしない。

呼吸を意識化して、深い呼吸を促す方法

意識を自分の内側へ向け続ける為には、しっかりと今行っている動きに集中する必要があります。呼吸と身体の動きを合わせる事は、身体への負担を軽減すると同時に、集中力を高めたり、リラックスする効果があります。

1.両足を腰幅に開き、リラックスした状態で立ちます。

2.両腕を肋骨にそっと触れさせた状態で、呼吸によって動く肋骨を意識化します。手で触れ、意識化することによって深い呼吸がしやすくなります。

3.呼吸の速度、呼吸のしやすさ、しにくさ。肋骨が呼吸によって開いたり閉じたりうする動き、すべての行為を難しいと感じていたり、心地よいと感じていたり、今起こってる全ての事を観察します。(上手にやろうとは考えずただ、感じましょう。)

4.両手を胸の上に移動して、同様の観察を行います。余裕があれば呼吸のスピードをなるべくゆっくりとコントロールしていきます。自分が心地良いと思える範囲を保ちましょう。

5.両腕を両肩に移動します。肩が緊張して上がっていないか、呼吸が浅くて肩まわりだけの呼吸をしていないかなど、意識していきます。余裕があれば、肩の力を抜いて深い呼吸がしやすいようにしましょう。

6.慣れてきたら両腕を下ろし、深い呼吸を続けます。

太陽礼拝

一連の流れが決められています。一つ一つの動きで身体全体を動かすことができ、体力をつけたり柔軟性を養うことにも最適な太陽礼拝ですが、内観に集中してゆっくり行うことで、気持ちの安定感と不安感を取り除いてくれる効果があります。

悩みや不安で頭がいっぱいになるのを予防してくれますし、心的疲労からくる不調を整えます。最初は3週ほど。慣れてきたら、スローペースで好きな数を決めて行います。

0.両足を揃えて真っ直ぐ立ちます。両手は身体の横に伸ばし、余分な緊張を抜いてリラックスしましょう。ゆっくりと呼吸を整えます。

1.両手を胸の前で合掌し、目を閉じ呼吸に集中しましょう。吸って、吐いての呼吸をリズムをただ感じるようにします。

2.息を吸いながら、両手を横から頭の上まで持って行き、合掌します。

3.息を吐きながら上半身を折り曲げ前屈します。目を閉じゆっくりと、どこに刺激を感じているか、痛い場所、気持ちのいい場所、呼吸の状態を感じます。

4.膝をゆるめて、右足を大きくうしろに伸ばして着地させます。左膝を深く曲げ、腰を落としていきましょう。辛ければ右足の膝を下ろします。両足の付け根がしっかりと伸ばされているのを感じながら、目を閉じポーズを味わいます。左足も後ろへ伸ばし膝を下ろします。

5.うつぶせになり、肘を曲げて両手を胸の横に付いたら、息を吸いながら胸と背中の力で上半身を起こします。

6.胸を下ろし、うつぶせに戻ってから今度は四つん這いになりましょう。四つん這いの姿勢から、お尻を後ろにひいて踵にお尻を下ろします。

7.5の姿勢から、お尻を天井に向かって引き上げ、床の面を底辺とし、身体を下を向いた「くの字」になるように曲げ、三角形を作ります。

目を閉じ刺激と呼吸を感じます。呼吸が荒くなる、止まる、顔をしかめてしまうなどの状態は、無理をしすぎていますので、負担のないところまで膝を緩めましょう。呼吸を5回ほどキープします。

8.6の姿勢から膝を下ろし、四つん這いに戻ります。

9.右足を手と手の間へ入れて、右足と左足の縦の幅を十分に取ります。腰を沈めて(4のポーズの足が逆になるポーズです。)目を閉じます。付け根が伸ばされているのを感じながらポーズを味わいます。

10.左足も手と手の間へ引き寄せて、無理のない範囲で膝を伸ばし前屈します。

11.両手を横から上へ向かって伸ばしながら、同時に身体を起こして2のポーズに戻ります。

12.頭の上で合掌した手を胸の前まで下ろして呼吸を整えます。

ヨガ的内観はどこでもできる

不安感や、悩みに押しつぶされそうになると、発作が出る場合があります。発作時に内観やヨガをするのは難しいでしょう。しかし、パニックに気を取られ過ぎず、自分自身を客観的に見る癖をヨガの内観を通して身につけておくと助けになります。

ヨガのポーズや呼吸法を、体調の良い時に練習し身につけておくことで、どんな状況でも役に立ってくれます。しかし、心身症は、心的要因から身体に不調が出るものですから、病院での治療を継続する事は大切です。

ヨガ療法を学んでみよう

ヨガ療法を、治療の一環として勧めていたり取り入れている病院や、ヨガ療法を学べる団体や施設などを調べ、実際に体験してみましょう。同じ症状で悩んでいる方々と出会い、仲間ができると継続しやすいかもしれません。

家でヨガ療法を続けていきたい場合にも、専門の先生やヨガ講師のアドバイスが受けられる環境は心強いです。いかがでしたか?心身症の辛さは、本人しか分かりません。家族の支えがあっても孤独になる事も多々あるでしょう。そんな時はヨガ療法を身につけておくことで、自分自身を支える助けになってくれます。

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