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葉酸は妊娠前・妊娠初期に必須!正しい摂取量とおすすめ食品

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「葉酸」という栄養素の特徴や役割をご存知ですか?ビタミンの一種で、特に胎児の成長には欠かすことのできない栄養素です。

女性に葉酸が不足してはいけない理由、またすこやかな赤ちゃんを授かるために女性は葉酸をどれくらい摂取すれば良いのかについて説明していきます。

妊娠したら通常の2倍の葉酸が必要!日本人女性は不足傾向?

妊娠中の女性は、非妊娠時に比べてより多くの栄養素が必要となります。中でも妊娠初期に十分摂取しなければならないのが、ビタミンの一種「葉酸」です。

厚生労働省は、1日あたりの葉酸の推定平均必要量を次のように推奨しています。

  • 成人男女…200μg
  • 妊婦…400μg
  • 授乳婦…280μg

(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」 より)

女性は妊娠したら非妊娠時の2倍も多い葉酸を毎日摂取することが必要だと言われているのです。

皆さんは葉酸をしっかり摂取していると思いますか?厚生労働省が毎年実施している「国民健康・栄養調査」によると、女性の平均摂取量は全世代とも推定平均必要量の200μgを超えており、多くの人は食事から葉酸が摂取できていることが分かります。

しかし女性の平均摂取量は、20代で217μg、30代で233μg、60代以上で300μ以上となっており(平成25年度のデータ)、20~30代は妊娠を経験する人が多い世代でありながら葉酸の摂取量がそれほど多くないことに気付きます。

重要!妊娠中に葉酸が不足してはいけない理由とは

なぜ妊娠中は、葉酸を大量に摂取しなければならないのでしょう。

葉酸は水溶性ビタミンの一種で、体内では核酸塩基やアミノ酸、たんぱく質を合成する際に酵素の補助をする役割を担っています。つまり、細胞を分裂させ体を成長させる時に必要な栄養素なのです。

細胞分裂が最も盛んに行われるのは胎児の時です。そのため妊娠中の女性は胎児の成長のために非妊娠時より多くの葉酸が必要になります。

葉酸の摂取が特に重要なのは妊娠初期です。脳や脊髄の元となる「神経管」が作られるためです。この時期に成長が阻害されると、神経管が正常に作られず脳や脊髄の先天的な障害を持った赤ちゃんが生まれるリスクが高くなってしまいます。

この先天的な障害を「神経管閉鎖障害」といい、下半身まひを伴う「二分脊椎」や大脳が欠損する「無脳症」などを伴います。

しかし、十分な葉酸を摂取すれば神経管閉鎖障害のリスクを低減できることが研究で分かっているのです。

葉酸摂取による胎児神経管閉鎖障害(二分脊椎、無脳症など)予防の啓発活動が先進各国に広がった。

例えば、アメリカやイギリスでは葉酸摂取によって、胎児神経管閉鎖障害の発生は、この10年間で約10分の1に減少した。

このように欧米は日本よりも葉酸の摂取に関心が高く、小麦粉の葉酸強化を義務づけている国も複数あります。そのため欧米は日本よりも神経管閉鎖障害のリスクを低く抑えることができています。

日本でも厚生労働省から女性の葉酸摂取が推奨されているものの、実際に葉酸を意識して摂取している人はまだまだ少ないのが現状で、欧米に比べると神経管閉鎖障害の確率はそれほど減少していません。

日本で神経管閉鎖障害の赤ちゃんが生まれる確率は1万人におよそ6人。まれな確率で起こる障害なのかもしれませんが神経管閉鎖障害は重い障害のため、死産になるか、そうでなくても赤ちゃんは長く生きることができません。

日本でも、妊娠を計画している女性はもっと葉酸に関心を持ち、意識して葉酸を食事に取り込む必要があるのです。

葉酸はいつから摂取する?サプリメントでもOK?

では神経管閉鎖障害を予防するために女性が葉酸を適切に摂取するには、どうすれば良いのでしょうか。

厚生労働省は妊娠を計画している女性に対し、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間、葉酸、その他のビタミン類を多く含む栄養のバランスがとれた食事を心がけるよう勧告しています。

また妊婦には1日400μgの葉酸摂取を推奨していますが、食生活によっては葉酸摂取が困難な人がいることも考慮して、食事からの葉酸摂取に加えサプリメントなどの栄養補助食品で1日400μgの葉酸を補助することも推奨しています。

(参照…厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」)

胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減するためには、妊娠中だけでなく「妊娠が発覚する前」から葉酸を摂取する必要があったのです。つまり妊娠の可能性のある女性は、妊娠に備えて普段から400μgの葉酸を摂取しておくのがのぞましいというわけです。

葉酸は野菜に幅広く含まれており、厚生労働省が推奨する1日あたり350gを目標に野菜を食べれば、自然と400μgの葉酸が摂取できるとされています。

しかし「国民健康・栄養調査」を見ると日本人は慢性的な野菜不足となっており、平成25年度のデータではどの世代の女性も1日あたりの野菜摂取量は目標の350gより少なく、20~40代の野菜摂取量は240gほどと、目標より100gも不足していること分かります。

健康に関心を持つ人が多いのに野菜不足の人が増えているのは、食生活が多様化し野菜中心の和食を食べる人が少なくなったこと、忙しさから野菜の少ない外食やコンビニの商品などで食事を済ます人が増えていることなどが理由に挙げられます。

妊娠を計画する女性は、厚生労働省から推奨されているようにサプリメントで葉酸を摂取するのもひとつの手でしょう。

しかし皆さんもご存知のように、人工的な栄養素を凝縮したサプリメントは、食品由来の天然栄養素と異なり過剰摂取による副作用を引き起こす危険性があります。

妊婦が摂取した成分は胎盤を通して全て胎児に移行し、時に胎児の健康に悪影響を及ぼすため、妊娠中には安全な食品を選んで摂取しなければなりません。

できれば、妊娠中または妊娠を計画する女性は1日350gの野菜から400μgの葉酸を摂取することを前提とし、補助としてサプリメントを利用するならば必ず信頼できるメーカーの製品を選んで正しく利用することをおすすめします。

葉酸が効率良く摂取できる食品はコレ!毎日食事に取り込もう

葉酸の含有量が多い食品を知り、1日にどの食品をどれくらい食べれば良いか把握しておきましょう。

葉酸が特に豊富な食品の中から、1食分で葉酸が摂取しやすい食品をピックアップしました。(妊婦でも安心して食べられるよう、塩分や脂質の多い物は対象外としております。)

妊娠を計画している女性、妊婦は400μg摂取を目指し、これらの食品を献立に取り込んで葉酸を効率良く摂取してください。

食品名 葉酸の含有量(μg) 1日分に占める割合
アスパラガス(3本) 108 27%
えだまめ(20さやくらい) 105 26%
ほうれんそう(おひたし1食分) 105 26%
菜の花(おひたし1食分) 95 23%
ブロッコリー(1/5株) 91 23%
キャベツ(1/8個) 76 19%
モロヘイヤ(おひたし1食分) 75 19%
かぼちゃ(煮物・小3切れ) 75 19%
いちご(5個) 66 17%
卵黄(1個) 50 12%
納豆(1パック) 48 12%
おくら(3本) 33 8%

次に挙げる食品は、葉酸の含有量が豊富ですが摂取量には注意したい食品です。

食品名 葉酸の含有量(μg) 1日分に占める割合
鶏レバー(50g) 650 163%
牛レバー(50g) 500 125%
豚レバー(50g) 405 101%
玉露(1杯) 150 38%

レバーの摂取量に注意したい理由は、葉酸の含有量が非常に多いことです。葉酸は1日の耐用上限量が1,000μgとなっており、葉酸が豊富なレバーを食べ過ぎるとほかの食品に含まれる葉酸と合わせて1日の耐用上限量を容易に超える可能性が出てしまいます。

またレバーには過剰症を引き起こしやすいビタミンAも豊富に含まれています。レバーは栄養豊富で、妊婦に不足しがちな鉄が豊富に含まれている点が魅力ですが、少量で十分に栄養補給できるので、食べるなら1食分以下に控えておくことをおすすめします。

玉露はカフェインが大量に含まれるので妊娠中は飲むのを控えましょう。ただし非妊娠時のカフェイン摂取は胎児に影響がないので、葉酸摂取にはぴったりな飲み物と言えます。

いかがでしょう。葉酸の多い食品をいくつか組み合わせれば、サプリメントに頼らなくても1日に400μgの葉酸を摂取することがそれほど難しくないように思いませんか?

おすすめ食材はカルシウムや鉄も豊富なモロヘイヤ、胎児の成長に欠かせないたんぱく質や妊娠中の血圧上昇を防ぐカリウムが豊富なえだまめですよ。

葉酸を意識して摂取しましょう!葉酸が不足しやすい人とは?

もうひとつ、妊娠の可能性がある女性に知っておいていただきたいことがあります。生活習慣などによって体内の葉酸が不足しやすい人もいるのです。

葉酸の吸収が抑制され、体内の葉酸が不足しやすい人

  • アルコールを飲んでいる
  • 喫煙している
  • ピルを飲んでいる
  • 特定の抗てんかん薬・抗生剤を飲んでいる

妊娠を計画している人は、葉酸をしっかり摂取すると同時に飲酒や喫煙を控えることをおすすめします。

薬を飲んでいる人は貧血・下痢・口内炎など葉酸の欠乏症と思われる症状がみられたら担当医に相談し、必要に応じて栄養補助剤などで葉酸を十分に摂取するようにしましょう。

貧血や肌荒れの予防にも…野菜で葉酸をしっかりチャージ!

葉酸には、貧血を予防したり新陳代謝を促進して美しい肌を作る作用もあります。まさに女性の味方といえる栄養素ですね。

妊婦さんはもちろん、妊娠の可能性のある女性は、1日あたりに推奨される350gの野菜(小鉢で5皿分が目安)や400μgの葉酸が摂取できているか食生活を見直し、すこやかな赤ちゃんを授かるために意識して葉酸を摂取するように心がけてください。

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