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直立歩行のメリットの一つは「喋れる」ですが、それが窒息死を招く?

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はるか遠い昔の昔、私たちの祖先は二本足で立ちあがり、歩く技術を獲得しました。「歩く」ということは私たちに色んなメリットをもたらしました。そのメリットの一つに「喋れる」というのがあります。

「喋れる」というメリットはデメリットでもあります

私たちヒトは他の動物とは違い、「言葉」を持っています。「話す」というヒトにだけ与えられた素晴らしい技術で、ヒトは高度な文明、文化や複雑な社会を作りだしてきました。この「喋れる」「話す」こそ、二本足で立って歩く行動によって得られたものなのです。

しかし、この立って二本足で歩くということはメリットばかりではなく、デメリットもあるのです。それは立って歩くということは窒息事故、誤嚥性肺炎になる確率が高くなるということにつながります。その理由は順を追って、これから説明していきます。

ヒトが話すということを獲得する仕組み

ヒトが二本足で立ち上がると、口腔と咽頭(喉の奥の空間)が直角になり、咽頭は長く広がっていきます。そのために、声帯から発せられる単純な音声信号を咽頭で共鳴させることができるのです。

さらに、舌や唇を複雑に動かすことで、母音や音節を区切った複雑で豊かな音声信号、つまり言葉を発することができるようになったのです。

同じヒトでもヒトの乳児はチンパンジーと同じです

ヒトとよく似ているチンパンジーは咽頭が短くて狭いです。口腔とほぼ水平につながるチンパンジーには、ヒトのような複雑な音声は出せません。ヒトの乳児もチンパンジーと同じで咽頭がまだ狭く、短いため複雑な音声は出せないのです。

ヒトもチンパンジーと同じように気道と食道は喉の奥で交差しています。しかし、チンパンジーは咽頭が狭く、短いため、液体や液状の食物は呼吸するために開いている気道の周囲をすり抜けて食道に入っていきます。

チンパンジーと同様な咽頭の構造を持つ乳児もミルクが気道の両側をすり抜けて食道に入っていくので、乳児は鼻で呼吸しながらミルクを飲むことができます。そのため、大人のように気道にミルクが入ってむせ返るというような失態にはならないのです。

生後4~6か月過ぎると、少しずつ「ヒト」らしくなっていきます

意味はないけれども声を発せられるようになると、気道の蓋である咽頭蓋の位置が下がり始め、気道と食道の共有スペースでもある咽頭が長く広がってくるため、ミルクの飲み込みと呼吸の両立ができなくなっていきます。

赤ちゃんがお餅やゼリーなどで窒息する事故が多いのは、乳児の時に同時にできた呼吸と飲食ができなくなるからです。乳児期を過ぎると、飲食時には水や食物が気道に入ることを防ぐために、咽頭蓋が反射的に閉じて、気道に食物が入ることを防いでくれます。

しかし、老人になるとその反射が遅くなっていきます。それが、老人の窒息事故や誤嚥性肺炎の原因となっているわけです。

ヒトは直立二本足歩行になったおかげで言葉を喋れるようになりました。しかし、そのことが窒息事故や誤嚥性肺炎になりやすいというデメリットにもつながるというお話でした。

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