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生理じゃないのにお腹が痛いのは排卵痛かも?排卵痛の原因と対処法

腹痛をおこしている女性

生理痛や生理前の下腹部痛は多くの女性が経験する腹痛ですね。子宮や卵巣はデリケートなため下腹部には痛実が起こりやすいのです。

例えば、生理予定日が近づいていないのに下腹部痛やお腹の張りを感じることがあります。生理と生理の中間に起こる腹痛なら、それは排卵が原因で起こる「排卵痛」かもしれません。

いつどんな症状が起これば排卵痛なのか、排卵痛の特徴をチェックしておきましょう。

生理以外の日に起こる腹痛「排卵痛」のメカニズムは

なぜ排卵痛が起こるのかご存知ですか?まずは排卵の仕組みと排卵痛の関係について説明いたしましょう。

排卵とは卵巣から卵子が飛び出すこと。生理のある人の卵巣では、さまざまな女性ホルモンのはたらきによって毎月1回の排卵が起こっています。

卵巣内、ホルモン、基礎体温の変化それぞれのグラフ

生理が始まると卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌が始まり、卵巣の中にたくさんストックされている未熟な卵子のうち15~20個くらいの卵子が成熟を始めます。

卵子は1個ずつ「卵胞」という袋に包まれ、成長していきます。そして卵胞は生理が開始した日からおよそ2週間後に成熟期を迎えます。

その頃に、排卵前の卵胞から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)が排卵を起こす黄体化ホルモン(LH)の分泌を高めます。すると最も大きく育った卵胞が1個だけはじけ、中の卵子と卵胞液が飛び出します。

卵子は精子と受精するために「卵巣の壁を突き破って卵管に出ていくのですが、この時に卵巣の壁が少し傷つくので痛みが起こりやすくなります。

排卵のメカニズム

そのほか排卵痛が起こる理由として

  • 排卵期に卵巣が腫れて周辺の臓器が圧迫され痛みを感じる
  • 卵子が卵管を通過する時に痛みが起こる

といった説も聞かれます。

このように排卵痛は排卵の刺激で起こるごく自然な現象で病気による痛みではないため、それ自体はあまり心配する必要がありません。

排卵が近づくと粘り気のあるおりものが増加するので、おりものの量で排卵期かどうか判断することもできます。

生理と生理の中間の時期(生理の開始日から約2週間後)でおりものが増えており、一時的な腹痛があったなら、排卵痛が起こった可能性が高いです。

これは排卵痛?排卵痛の特徴は人それぞれ異なる

排卵痛はどんな痛みなのでしょう。排卵痛の感じ方は次のように個人差があるようです。

  • 右または左の下腹に痛みを感じることもある
  • 下腹部全体に痛みを感じる
  • 針で刺したようなチクッとした痛みを感じる
  • 生理痛のような痛みがある
  • 下腹が張る
  • 腰痛がある

卵巣は左右の下腹部にあり、毎月交互に左右の卵巣から排卵が起こるのが一般的です。そのため排卵のあった側で痛みを感じることがあります。ただし下腹部全体が痛む人も多いようです。

排卵痛は全ての人に起こる現象ではありません。排卵痛は月によってあったりなかったりするのも普通です。

たいていの排卵痛はわずかなので気づかないことが多く、痛みに感受性の強い人は痛みを感じやすいといわれます。排卵時の卵子の大きさはおよそ0.2mmと小さいので、卵巣を突き破る時の痛みはそれほど激しいものではないのです。

排卵痛は、排卵に伴って数時間~2日ほど続くといわれます。排卵日が過ぎて腹痛がおさまれば問題ありません。

不正出血したけど大丈夫?排卵期出血について

排卵痛が起こる時には出血を伴うことがあります。女性にとっては不安になる症状ですが、排卵の刺激で起こる「排卵期出血」は病気とは関係ない出血なので、それほど心配する必要はありません。

排卵期出血は生理がある女性の約5%にみられます。また排卵期出血も排卵痛と同様に、月によってあったりなかったりするのが一般的です。

排卵期出血が起こる理由は

  • 卵子が卵巣から飛び出る時にできた傷から出血するため
  • 排卵後に卵胞ホルモンの分泌が減ったことで内膜がはがれ出血を伴うため

と考えられています。

「生理が早く来た」と勘違いしてしまう人もいますが、排卵期出血は生理と異なり出血が軽いので見分けることは容易です。

排卵期出血の特徴

  • 出血量が少ない
  • 出血は1~3日程度でおさまる
  • 黒っぽい血液、鮮血、ピンク色や薄茶色のおりものなど色はさまざま

もしこのような症状の排卵期出血があっても、3日程度でおさまれば問題ありません。

出血があっても妊娠の確率に影響はなく特に性交渉を控えなくて良いので、排卵日を見つけて妊娠したい人はこの時期に性交渉のタイミングを持つと妊娠のチャンスが高くなります。

強い腹痛や大量出血…こんな時は受診が必要!

排卵痛は我慢できる痛みでそれほど長くも続かないので、気付いたら自然とおさまっていたということが多いようです。この後に生理がスムーズに来たならそのまま様子を見ていて問題ないと考えて良いでしょう。

しかし中には、ただの排卵痛ではなく受診が必要な病気のサインの場合もあります。もしも次のような症状があれば、器質的な原因も考えられるのですぐ婦人科を受診することをおすすめします。

  • 鎮痛剤が必要になるくらいの強い痛みが起こる
  • 立っていられないほどの激痛が起こる
  • 腹痛に吐き気や嘔吐を伴う
  • 大量出血を伴う
  • 腹痛が1週間以上続く
  • 少量の出血が1週間以上だらだら続く

心配な腹痛で考えられるのは次の病気です。

受診が必要な排卵痛を伴う病気:卵巣出血

排卵で卵子が卵巣の壁を突き破る時、まれにその傷が大きくなってしまい出血量が多くなって強い腹痛を引き起こすことがあります。これを「卵巣出血」と呼びます。

卵巣からごくわずかな出血があった程度なら腹腔内に吸収されて自然に止血し、腹痛が起こることもありません。しかし卵巣からの出血量が多くなると、腹腔内に溜まった血液が腹膜の神経を刺激し、急に強い腹痛を引き起こすことがあるのです。

卵巣出血のきっかけは性交渉がほとんどです。卵巣出血の90%は性交渉の24~48時間後に発症しています。

性交渉のある女性に次のような症状が起こったら卵巣出血の可能性が考えられます。すぐ受診して治療を受けてください。

卵巣出血の症状

  • 膣からの出血は起こらない
  • 突然強い下腹痛が起こる
  • 顔面蒼白・低血圧など貧血の症状がみられる
  • 排卵日から黄体期(排卵日から次の生理予定日までの期間)に起こっている

出血は止血剤を投与して安静にすることでおさまりますが、症状によっては入院したり開腹手術が必要になる場合もあります。

卵巣出血は誰にでも起こり得る病気で予防することも難しいのですが、卵巣出血を起こしても妊娠や出産にさしつかえたり習慣になったりすることはない点については安心してください。

受診が必要な排卵痛を伴う病気:子宮内膜症

子宮内膜症の人は排卵痛が起こりやすくなるといわれています。子宮内膜症は、子宮の中にある内膜が生理のたびに経血と共に逆流し、子宮外に増殖してしまう病気です。20~40代に多く、女性の10人に1人の割合でみられます。

子宮内膜症は、骨盤内にある卵巣、腹腔、ダグラス窩などに発症して臓器の癒着を起こし、生理痛や排卵痛が強くなるのが特徴です。「毎月のことだから仕方ない」と我慢している人に子宮内膜症が潜んでいることも少なくありません。

痛みが強くなると日常生活にさしつかえるようになり、進行すると卵管が癒着して不妊症になることもあります。痛みがあれば我慢したり放置したりせず早目に治療を受けてください。

また子宮内膜症は命に別条のない病気ですが、卵巣にできる「チョコレート嚢胞」はごくまれに卵巣がんへ進行することもあります。

次のような症状があれば受診して早めに治療を始めましょう。

子宮内膜症の症状

  • 生理痛が強くなってきた
  • 生理の出血量が増えてきた
  • 日頃から腰痛や下腹部痛がある
  • 排卵痛が起こりやすくなってきた
  • 性交痛や排便痛を伴う

子宮内膜症には症状にあわせて薬物療法や手術などの治療を行ないます。妊娠を希望する人は卵巣を温存する治療を受けることもできます。

子宮内膜症は年々かかる人が増えている病気です。昔の女性と比べると、初潮を迎える年齢が早くなった上に出産の機会が減り、生理の回数が増えたことが主な原因と考えられています。

受診が必要な排卵痛を伴う病気:卵巣嚢腫

片側だけに排卵痛が起こりやすい場合は、そちらの卵巣に腫れや炎症が起こっている可能性があります。卵巣の腫れを伴う病気でまず考えられるのは、女性の4人に1人が経験するといわれる「卵巣嚢腫」です。

卵巣嚢腫は、卵巣に良性の腫瘍ができて肥大する病気です。卵巣嚢腫が肥大すると腹膜の神経が圧迫され、排卵痛を感じやすくなってしまう場合があります。

卵巣嚢腫は命に別条のない病気ですが、嚢腫が大きくなり過ぎるとその重みで卵巣を支えるじん帯がねじれ、急に激痛を引き起こす危険性が出てきます。(これを「茎捻転」といいます。)

卵巣嚢腫が小さい時は無症状であることが多く、卵巣の肥大に伴って自覚症状に気付くようになってきます。次の症状がある時は卵巣の肥大が疑われるので婦人科を受診してください。

卵巣の肥大に伴う症状

  • 下腹が張る
  • いつも下腹の同じ側で排卵痛が起こる
  • 腰痛がある
  • 生理痛が強くなってくる
  • お腹周りが太ってきた
  • 体重が増加した
  • 不正出血が起こる

卵巣腫瘍が見つかった場合は、まれに悪性の場合があるので詳しい検査が必要となります。(卵巣腫瘍の9割以上は良性の卵巣嚢腫です。)

肥大した卵巣嚢腫は卵巣の摘出手術が必要です。片方の卵巣を摘出しても妊娠・出産に影響はりません。また最近は、妊娠を希望する場合は卵巣を温存する方法が選択されることも多くなっています。

我慢は無用!排卵痛は治療で回避することもできる

受診して検査を受けても器質的な原因が見つからなかった場合、「排卵痛が起きても、これは病気ではないのだから痛いのは仕方がない」と我慢するしかないのでしょうか?

いいえ、排卵痛は無理に我慢する必要はありません。排卵痛を感じやすいタイプの人は、薬を使って痛みを抑えることができます。

排卵痛が毎月ではなくたまに起こる程度なら、誰にでもよくある体調不良が原因と考えられるので、市販の鎮痛薬を飲んで安静にして過ごしてください。

排卵痛がしばしば起こるようなら婦人科に相談しましょう。鎮痛剤や「低用量ピル」が処方されることがあります。

ピルは排卵を止めるため避妊薬として知られている薬ですが、排卵による卵巣のダメージを抑える目的で低用量のピルが処方されることも多くなっています。

ただし、ピルを服用している間は妊娠できない、頭痛や吐き気などの副作用を伴いやすい、といったデメリットがあるので医師と十分に相談した上で低用量ピルを服用する必要があります。

また漢方薬も排卵痛の緩和に有効です。痛みを止める即効性はありませんが、しばらく飲み続けることで体質ごと改善され、排卵痛だけでなくホルモンバランスそのものが整うメリットが得られます。副作用を避けたい人、妊活中の人にはおすすめです!

排卵痛の緩和に用いられることの多い漢方薬

当帰芍薬散
ホルモンバランスを整える婦人科系トラブルの定番薬
安中散
冷えを取ったり女性の下腹部痛をやわらげたりする効果がある
加味逍遥散・芍薬甘草湯
排卵障害を改善する効果が期待される
田七人参
血の巡りを良くして排卵に伴う痛みや出血を抑えたりする

漢方薬は体質に合わないと効果が得られないので、漢方薬を扱っている婦人科や薬局に相談して自分の体質に合った漢方薬を処方してもらってください。

ホルモンバランスの乱れをなくして排卵痛を予防しましょう

排卵痛の有無は正常な排卵に関係ありません。できれば痛みはないほうが嬉しいのです。しかし女性の体はデリケートなので、体に器質的な異常がなくてもストレスや血行不良が原因で自律神経や女性ホルモンのバランスが乱れ、排卵痛が起こりやすくなります。

排卵痛が起こるために排卵期を迎えるのが憂うつになっている人は、日頃から体の調子を整えて自律神経やホルモンのバランスが安定するように心がけましょう。

排卵痛を予防するには

  • 冷たい物、薄着、強い冷房を避け、体を冷やさないようにする
  • 適度な運動をして血行を促進させる
  • 自分なりのストレス発散法を見つけてストレスを溜めないようにする
  • 排卵期には下腹部を使い捨てカイロなどで温める
  • 便秘を予防して腸の張りを抑える
  • 排卵痛の痛みを意識し過ぎない

といった対策がおすすめです。

栄養素ではビタミンB6・ビタミンE・マグネシウムに排卵痛を予防する作用が期待できます。排卵痛が気になる人は日頃から意識して次の食品を食事に取り入れてみてください。

ビタミンB6

マグロ
レバー
鶏肉

ビタミンE

かぼちゃ
アボカド
ナッツ類

マグネシウム

しらす
大豆製品
貝類

排卵痛が気になる人は基礎体温でホルモンバランスをチェック

毎月ではないものの排卵痛が起こりやすいという人は、ホルモンバランスが不安定になっている可能性があります。排卵痛の気になる人は基礎体温を測って、ホルモンのバランスが安定しているかどうかチェックしてみることをおすすめします。

基礎体温は朝の起床時に測る、活動を始める前の体温のことです。

女性の体温はホルモンバランスの変動によって体温が周期的に高くなったり低くなったりしているので、毎日の基礎体温の推移を見れば容易にホルモンバランスの異常を発見することができます。

基礎体温は0.5℃の範囲で微妙に変動しているので、通常の体温計で正確にチェックすることはできません。基礎体温用の体温計を用意して毎朝測ってください。

体温の推移を折れ線グラフで表示した時、ホルモンバランスが正常な時は低温期と高温期がきれいな二相に分かれます。

しかしホルモンバランスが乱れると、折れ線がギザギザになったり低温期または高温期が長くなったり短くなったりしてします。このような基礎体温が出る時は排卵痛が起こりやすくなります。

ホルモンバランスによる基礎体温の変化

一時的なホルモンバランスの乱れは誰にでもよくあることなので、1周期の基礎体温が不規則になる程度ならあまり心配することはありません。

ただし不規則な基礎体温が3か月以上続く場合には、卵巣機能そのものが低下して排卵障害が起こっている可能性があるので、基礎体温表を持参して婦人科を受診することをおすすめします。

また、排卵日を探したい時にも基礎体温が役立ちます。排卵日は低温期の最後に訪れて最も体温が低くなり、排卵日の翌日から体温が高くなるという特徴があるので、基礎体温を見れば、腹痛が排卵によるものかどうか判断することもできます。

自動的にグラフが記録できる機能付きの体温計や紙の基礎体温表が不要なスマホの無料アプリを利用すると、毎日の検温が楽にできます。是非、習慣にしてみてください。

不妊治療でおなじみタイミング法

不妊治療でまず行われるのは、タイミング法という排卵日を予測しパートナーの協力をあおぎ、妊娠の確率を高めるというものです。

基礎体温を測りタイミングを予測するのが通常ですが、排卵痛をうまく利用し、その痛みでタイミングを定めるということも可能です。

ここで注意したいのは、排卵痛が起きているそのときに排卵が行われているのではなく、排卵痛を感じてからだいたい5~6時間後に排卵がある、ということです。ただしこれは個人差が大きいので、基礎体温との併用で判断するのが賢明ですね。

排卵痛に気付いたら見過ごさないで早めに対処しましょう

たいていの排卵痛は我慢できる程度で特に器質的な原因のないものです。不快感を感じつつも特に対処をしないで過ごす人が少なくありません。

しかし排卵痛が起きている時はいつもより体調やホルモンバランスが不安定になっていることが多いので、排卵痛に気付いた時は自分の体に目を向けて不調の原因となるストレスや生活習慣の乱れがないか再確認したいですね。

特に妊娠を希望している人は排卵痛を放置しないで、基礎体温を測ったり早めに受診したりして、子宮や卵巣にトラブルのないことを早めに確認しておくこともおすすめします。

キャラクター紹介
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