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パーソナリティ障害を克服するために本人や家族が取るべき適切な対応

パーソナリティ障害は専門家の間でも様々な意見があり、その定義が難しいのですが、私なりに解釈すると、パーソナリティ障害とは、職場や学校、近所付き合いなど集団の中で、周囲の人が考えていることを読み違えて行動したり、自分の感情をコントロールすることができなくなる障害のことです。

分かりやすく言えば、「空気が読めない」、あるいは「場にふさわしい行動ができない」という表現が当てはまると考えます。その前提に立った上で、パーソナリティ障害を克服するために、どのような対処をすれば良いか考えてみたいと思います。

パーソナリティ障害は、性格の問題ではなく病気である

パーソナリティ障害の人は、その場に応じて適切な言動や行動ができずに、感情の赴くままに、その場にふさわしくない発言や人の感情を害するような行動をします。ですから、周りの人は、その人の性格が異常だと考え、変わった人、頭のおかしい人、空気が読めない人と判断されてしまいます。

しかし実際には、生まれ持った個人の性格の問題ではなく、いじめや暴力、性的虐待、あるいは過去の辛い体験などによって、理性や感情をコントロールする脳の一部がダメージを受けている障害や病気と考えるべきなのです。

パーソナリティ障害を克服するためには?

この障害を持つ人の特徴として、実は人と関わっていたいという潜在的な願望があります。つまり、その場の状況を考えず、人の気分を害したり、感情のままに行動することは、それが人と関わるための、ひとつの手段だと脳が誤解しているのです。

逆に言えば、真の孤独になることを恐れている、とも言えます。ですから、「孤独ではない」ことを理解させることによって、症状を改善させることが可能になると考えられます。

家族や周りの人がしてあげること

家族や周りの人は、その人の人格を否定したり、その人と関わることを諦めたり、接することを面倒がる素振りをしてはいけません。それが最も危険です。この障害の人は、他人や社会から見捨てられ、孤独になるのを最も恐れているのです。

そして、見捨てられると感じることで、自傷行為や暴力をふるったり、自殺行為をしたりと、自己の存在をアピールしようと過激な行動をするのです。ですから、どんなに非常識な言動をしても、それを注意し、叱ってあげることを続けて、決して諦めてはいけないのです。

また、時々おとなしくしている時に、「今日は落ち着きがあって立派だね」などと、自分のことをきちんと見てくれていると認識させるようにしましょう。そのうち、徐々に脳のダメージを受けた部分に新しい情報が上書きされていき、障害が改善に向かうのです。

本人が努力すべきこと

本人も人間関係が上手くいかないことで自己嫌悪を起こしているので、自分など価値がない、どうなってもよい、死んだ方がよい、など現実逃避や絶望感を感じているのです。しかし、これでは幼児がダダをこねているのと同じです。本当は立派な大人の振る舞いができるはずなのです。

まずは、挨拶をすることから始めてみましょう。家族や知っている人に丁寧に挨拶をすれば、必ず返事が返ってくるはずです。この挨拶の交換によって、自分が孤独ではないと徐々に実感できるようになるのです。

はじめは勇気がいるかもしれませんが、大きな声ではっきりと言うことが大切です。自信がついてきたら、お天気の話など、世間話をするようにしていきましょう。孤独感から解放され、気持ちがほぐれていくはずです。

心理カウンセラーに相談しましょう

この種の病気の治療を行うのは、心療内科や精神科の医師ですが、医師は症状を問診して薬を処方するだけで手一杯です。できれば、心理カウンセラーに相談することをお奨めします。医師は薬で症状を治そうとしますが、カウンセラーは会話によって症状を治す専門家です。

話す内容は病気のことに限らず、過去の辛い経験や世間に対する不満、日頃の愚痴など何でもいいので、とにかく話をすることです。カウンセラーなら必ず話を聞いてくれます。

そして、今できる対処法を教えてくれたり、心を軽くする言葉をかけてくれます。カウンセラーとの会話は、問題の解決方法を見つけるというよりも、話をすること自体が目的だと考えて、気楽に話をすれば良いのです。もし、身近にカウンセラーが見つからなければ、保健所でも同様の相談を受けてくれます。

パーソナリティ障害は性格の問題ではなく、心や脳が傷ついたことによる病気なのです。病気はしっかり治療すれば必ず治ります。家族は決して見捨てることなく、本人も少し勇気を出して、挨拶をすることから始めてみましょう。

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