TOP > > 歯周病が寿命を縮める!?歯周病が原因で起こる病気一覧と予防法

歯周病が寿命を縮める!?歯周病が原因で起こる病気一覧と予防法

歯周病を知らない人は少ないと思いますが、歯周病が原因で起こる様々な病気については、意外と知らない人が多いのです。歯周病は口の中だけの問題ではなく、体のあらゆるところに影響を与えます。歯周病が原因で起こる病気と予防法をご紹介します。

そもそも歯周病とは?

TVコマーシャルなどで盛んに宣伝されているので、歯周病という名前の認知度はかなり高いと思います。すでにご承知の方も多いかもしれませんが、歯周病とは、歯を支える歯ぐきや歯肉などに起こる炎症の総称です。

その歯周病は、歯肉の炎症から始まり、軽度の段階では歯肉炎と呼ばれます。さらに症状が進行すると、歯肉の奥にある歯槽骨という骨の部分を溶かすようになり、最終的には、歯が抜け落ちるということになります。

歯周病の原因は?

歯周病の原因は、プラークと呼ばれる垢のようなもので、歯垢とも言います。プラークは、大部分が細菌でできていて、この細菌が出す毒素によって、歯を支えている歯肉や歯骨を溶かしていくことが原因です。また、歯周病は歯槽膿漏とも呼ばれます。

日本人は特に歯周病の罹患率が高く、最新のデータによると、軽度の歯周病を含めて40歳以上の88%の人が歯周病にかかっています。歯周病は、誰でも罹患する可能性のある、まさに国民病ともいえる病気なのです。

歯周病には気がつきにくい

歯周病という病気の名前は知っていても、自分が歯周病かどうか正しく判断できる人は、ほとんどいないといっても良いのです。歯周病を自分で見つけられない理由は、歯周病は虫歯と違って痛くも痒くもなく、症状に気がつきにくい病気だからです。

そのため、よほど重症になって、歯がグラグラと抜け落ちる手前の状況になるまで、受診や治療をしない人が圧倒的に多いのです。これが、40歳以上の88%もの人が歯周病にかかっている大きな原因でもあるのです。

歯周病が原因で起こる病気

歯周病は、歯の表面やすき間に溜まったプラークの塊が出す毒素が原因ですから、その毒素が血液を通り全身に回れば、体のいたるところに悪影響が出ます。歯周病は口の中だけの問題ではなく、体全体に影響を及ぼす問題でもあるのです。ここからは歯周病が原因で起こる病気をあげていきたいと思います。

1.糖尿病

糖尿病と歯周病とは、一見すると何の関係もないように思えますが、歯周病菌が出す毒素(PG菌)によって、血糖値を下げるインシュリンの働きが鈍くなったり、血糖地を高めるTNF-αが分泌され、血糖値の調節機能が正しく働かなくなるのです。

実は、糖尿病という病気は、肥満や運動不足など病気を引き起こす要因は分かっていますが、糖尿病を起こす直接の原因は、未だに分かってはいません。ウイルス説もありますが、歯周病菌に含まれる細菌の一種が原因ではないかとも考えられています。

いずれにしても、血糖値のコントロールが十分でなくなり、境界型糖尿病や慢性糖尿病を引き起こしたり、糖尿病の症状を悪化させるのが歯周病菌ですから、普段の食生活などの健康管理に加えて、歯周病に対する注意も怠ってはいけないのです。

2.心臓病

心臓病も一見すると、歯周病とは関係がないように思えるかもしれません。歯周病菌は、現在分かっているだけでも数十種類の細菌があり、そのうちいくつかの細菌が血液を通って心臓に達すると、心臓病の症状が出たり悪化することが分かっています。

心臓病が起こるメカニズムは、歯周病の細菌が心臓の内膜に付着し、心内膜症という炎症を起こすことによります。心臓に炎症があると、何かをきっかけに心臓発作を起こす要因にもなりますので、命に関わる病気なのです。

3.肺炎

肺炎は、最近になって急増しており、死亡原因の第3位にまでなっている病気です。特に肺炎にかかる95%は65歳以上の高齢者です。

65歳以上の高齢者は、食べ物を飲み込む機能が低下するため、食べ物が食道ではなく気管のほうに入ってしまう、誤嚥という症状が出ることが多いのですが、その時に食べ物と一緒に、歯周病菌が気管に付着して、気管支や肺に炎症を起こします。

そのため、毒素や細菌によって咳や粘膜の繊毛運動ができなくなり、肺が炎症を起こしたり、免疫機能を弱めてしまうため、肺炎が起こると考えられています。肺炎を起こす要因の1つに歯周病菌が関わっているのです。

4.動脈硬化

動脈硬化にも歯周病が関わっています。歯周病菌が歯茎から動脈の中に入ると、動脈壁を傷つけたり、動脈硬化を促進する物質を作り出すため、動脈硬化を引き起こしたり、悪化させたりします。

実際に、動脈硬化の患者の歯周病の罹患率を比較すると、歯周病がない人に比べて、歯周病のある人のほうが3倍も動脈硬化にかかりやすくなることも分かっています。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞など重篤な病気の原因となるので、決してあなどってはならず、動脈硬化を防ぐためにも、歯周病に対するケアを十分に行わなければいけないのです。

5.早産

歯周病の細菌は、妊婦にとっても大きな問題を起こします。妊娠の末期なると、プロスタグランジンという物質が羊水を刺激して出産を促すのですが、歯周病菌による炎症がプロスタグランジンの量を増やしてしまうため早産が起こります。早産のリスクは、歯周病の人とそうでない人を比べると、歯周病の妊婦が約8倍も早産になる確率が高くなってしまいます。

6.骨粗しょう症

骨粗しょう症は、骨密度が低下して、骨がもろくスカスカになる病気ですが、この骨粗しょう症も歯周病が原因で起こると考えられます。骨を形成するカルシウムを調整する甲状腺の機能が、歯周病菌によって正常に働かなくなるのです。

特に更年期から女性ホルモンの分泌が少なくなり、高齢者の女性は急激に骨密度が減少することに重なると、骨粗しょう症が起こりやすくなるため注意しなければいけません。

7.網膜症

歯周病は目にも悪影響を与えます。歯周病菌が目の網膜に入り込むことによって、網膜に炎症が起こり、目が見えにくくなったり、かすんで見えるようになります。ひどくなると、緑内障を起こしたり、失明する恐れもありますので注意が必要です。

歯周病の度合いを自己チェックしてみましょう

歯周病が全身の病気を引き起こす病気だとご理解いただけたら、自分が歯周病なのか、あるいはどの程度歯周病に近いのかをチェックすることが重要です。次にあげる項目に該当する場合は、歯周病の疑いがあります。

  • 歯磨きの時に歯肉から出血することがある
  • 歯肉が腫れていたり、痛みがある
  • 歯に食べ物が詰まりやすい
  • 歯が長くなったような気がする
  • 口臭がある
  • 歯がグラグラする

こうした歯肉の状態は、すでに歯周病であるか、歯周病の疑いがあります。いつもは歯だけを見ていることが多いと思いますが、歯肉に異常がないかも確認するようにしましょう。

歯周病を防ぐには?

歯周病は口の中だけでなく、全身のあらゆる部分に大きな病気や障害をもたらします。場合によっては命にも関わります。歯周病を決して甘く考えてはいけないのです。ここからは歯周病の予防法についてご紹介します。

正しいブラッシングが基本

歯周病を予防するには、正しいブラッシングをすることが基本です。歯周病をもたらす細菌は10種類以上ありますが、ほとんどはプラークといわれる歯垢の中にいます。まずは、正しいブラッシングをすることで歯垢を取り除くことが必要です。

歯を磨く時、力を入れてゴシゴシと磨いたほうが、しっかり磨けると勘違いしている人が多いのですが、プラークを除去するには、力を入れず歯ブラシの先を細かく動かして、歯の1本1本を丁寧に磨くのが正しい磨き方です。

そのような磨き方をスクラビング法といい、歯ブラシを歯に当てて、小刻みに20回動かすようにして磨きます。できるだけ細かく、手にあまり力を入れないようにして下さい。ブラッシングは単にプラークを取り除くだけでなく、歯肉のマッサージにもなります。

歯肉の血流を改善し、歯肉の炎症を予防する効果もあるのです。ただし、力を入れすぎて行うと、歯肉に傷がつき炎症を引き起こしてしまうので注意して下さい。

自分に合う歯ブラシを選ぶ

正しい歯磨きをするには、自分に合う歯ブラシを選ぶことも重要です。成人の場合は、歯ブラシの毛が植えてあるヘッドの部分の幅が狭くて先が丸く、ネックの部分が細くて長いものを選ぶようにして下さい。

自分の口の大きさや口の中の奥行きから判断して、奥歯や歯の裏側までしっかり磨くことができるコンパクトなものを選ぶようにしましょう。毛の硬さは、歯肉への刺激が少ない、普通からやわらかめを選ぶようにすると良いと思います。

硬い毛の歯ブラシを使って、力を入れてゴシゴシと歯を磨かないと、歯を磨いた気がしないという人がいるかもしれませんが、あくまでも歯周病の原因になるプラークを取り除くことが目的ですから、歯を磨いた気になることはあまり意味がありません。

デンタルフロスを使う

正しい歯磨きをしても、実際に磨けているのは6割程度だと言われています。残りの4割は歯と歯の間と、歯と歯茎の境目です。この部分はプラークが溜まりやすく、歯ブラシの毛が届かないことや、見えにくく磨き残しに気づかないのです。

そこで、お奨めしたいのはデンタルフロスを使用することです。フロスの習慣は日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、欧米では当たり前の習慣になっています。フロスの使い方は簡単で、糸状になっているフロスの両端を手で持って歯間を動かすだけです。

簡単ですからすぐに慣れます。また、フロスを使うと歯肉が痛むという人がいるのですが、フロスは歯肉にあたっても痛くないように加工してあります。

デンタルリンスで仕上げ

正しい歯ブラシの使い方をして、フロスで歯間のプラークを除去できれば90%以上のプラークの除去ができます。残りは歯並びの悪い部分や、歯と歯肉の間の歯周ポケットの奥などの、歯ブラシやフロスでも届かない部分です。

歯ブラシやフロスでも除去しきれない部分は、デンタルリンスを使うことで歯垢をきれいに除去することができます。デンタルリンスは、マウスウォッシュともいいますが、どちらも同じものです。

デンタルリンスは、口に少量含んでブクブクうがいをするだけで、歯ブラシやフロスが届かない部分まで、歯垢を分解したり殺菌したりできるので、最後の仕上げに使うことをお奨めします。

電動歯ブラシの効果は?

最近では、電動歯ブラシも市販されていますが、電動歯ブラシは正しい使い方をすれば、手で磨くより簡単で高い効果が期待できます。しかし、正しい使い方でなかったり、手で押さえつけすぎたりすれば、歯肉を傷つけ逆効果になることもあります。

手磨きが基本ですが、何らかの理由で手が十分に使えない場合や、忙しくて歯磨きをする時間がないような人には、試してみるのも良いと思います。効果は手磨きと同様、正しく磨けているかによるということになります。

ビタミンCを摂ると歯周病が改善する

歯周病を予防するには、原因となるプラークをしっかり除去することが必要ですが、その上で、食生活からも歯周病を予防することは可能です。それは、ビタミンCをたくさん摂るということです。

ビタミンCは、歯肉を合成する時に必要なビタミンで、コラーゲンを形成して歯肉を強くする働きがあります。また、歯肉の炎症を抑えて出血や化膿を防ぐ働きもしますから、歯肉炎が気になる人は特にたくさん摂るように心掛けて下さい。

歯周病予防のために日常習慣

歯磨きは雑に3回行うのであれば、1日に1回で良いので丁寧に磨いたほうが、歯周病の予防には効果が高いと言われています。とにかく、歯磨きをしたような気持ちにだけなって、実際にはプラークの除去がしっかりできていないのが最もいけません。

歯磨きをする時は、歯肉を傷つけないように、歯の表面についた柔らかい歯垢をできるだけ丁寧に、力を入れず掃き取るようにブラッシングするのが効果的な磨き方です。

爪楊枝は使ってはいけない!?

爪楊枝を使うと、どうしても歯肉を傷つけてしまうので、歯周病が気になる人は爪楊枝は使わないほうが良いのです。爪楊枝を使わないと気がすまない人もいるとは思いますが、爪楊枝を使う頻度が高い人ほど歯周病になっていることが多いのです。

それでも爪楊枝を使いたい場合は、爪楊枝で歯に挟まった食べカスだけを、爪楊枝の先が歯肉にあたらないように十分に気をつけて使うようにして下さい。歯肉を傷つけると、そこから菌が入りやすくなるので十分に気をつけて下さい。

歯周病は誰もがかかりうる病気です。そして歯周病は全身の様々な病気と関わりあっているので、決して甘く見てはいけません。日頃の歯磨きの習慣や歯の磨き方について、改めて考えてみることが大切です。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る