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同じ生活を続けては慢性膵炎が悪化する!まずは食事の見直しから

慢性膵炎になると、激しい腹痛を繰り返すことになります。この時膵臓は少しずつダメージを受けていっていて、これが続いてしまうと膵臓はどんどん正常に働けなくなっていってしまいます。

膵臓のダメージをこれ以上大きくさせないようにするには、もちろん薬を飲むことも大切ですが、何よりも今までの生活を変えることが一番でしょう。

同じ生活を続けていては、慢性膵炎はどんどん進行していってしまいます。慢性膵炎を進行させないためには、どのような生活をしていけばよいのでしょうか。それにはまず、食事から見直してみましょう。

基本は禁酒!

慢性膵炎になってしまう最大の原因は、長年お酒を大量に飲んできたことです。毎晩たくさんお酒を飲み続けると、10~15年で発症してしまうとも言われます。

お酒好きが必ず慢性膵炎になってしまうというわけではありませんが、慢性膵炎患者の多くは大量飲酒を続けてきた人です。これ以上膵臓の状態を悪化させてしまわないためには、禁酒することが重要なのです。

慢性膵炎になった最初のころは、激しい腹痛のある時期とそれが治まって痛みが軽くなる時期とを繰り返します。激しい腹痛がある時期というのは、膵臓の細胞が炎症を起こしてしまっています。

炎症はしだいに治まるのですが、この時元通りの元気な細胞には戻れません。繊維化して硬くなり、細胞本来の働きはできなくなっているのです。炎症が治まると腹痛は軽くなりますが、「治った」わけではなく膵炎の状態が進行しています。

一度繊維化して硬くなってしまった細胞は、もう元に戻れません。ただ膵臓にはまだまだ正常な細胞が残っているので、それらがなんとか膵臓の機能を果たしてくれています。激しい痛みが治まった直後は、さすがにもう禁酒しようと誓われるでしょう。

ただ痛みが治まって時間が経つにつれ、少しくらいと飲んでしまうかもしれません。多少なら飲んでもすぐには痛みは出ないでしょう。ただそれで安心して飲み続けてしまっては、そのうちまた膵臓は炎症を起こし激しい痛みが出てしまいます。

これを繰り返すうちに正常に働ける細胞はどんどん減っていき、ついに膵臓はその機能を失ってしまうのです。アルコールがなぜ慢性膵炎を引き起こすのか、まだはっきり解明されていない部分もあります。

アルコールが膵液を過剰に分泌させたり、膵液の出口をふさいで流れを悪くしてしまったりということが原因ではないかとも言われています。そのメカニズムははっきりしていないものの、アルコールが膵炎に大きな影響を与えてしまうことは確かです。

膵臓の状態をこれ以上悪化させないためにも、お酒はもう止めてください。外食をすると、どうしても飲みたくなってしまうかもしれません。なるべく自宅で食事をするほうがよいでしょう。自宅の方が、栄養バランスを考えた食事が摂りやすいと思います。

脂質を控えよう

脂質は膵臓にかかる負担が大きくなります。脂質は消化管ホルモンの分泌を盛んにさせてしまいます。消化管ホルモンは膵臓を刺激して消化酵素をたくさん作らせ、膵液の分泌を増やしてしまうのです。

これが繰り返されると、膵炎の発作を起こしやすくなってしまいます。そのため脂質はなるべく控えたほうがよいのです。もちろん脂質は悪者なだけでなく、体にとって必要な働きもしています。

細胞膜の材料になったり、ホルモンを作ったり、脂溶性ビタミンの吸収を進めたりといったような働きもあります。いろいろな生理機能があり大切な栄養素のひとつではありますが、極端に少食でなければ不足してしまうことはないでしょう。

脂質の摂取量は患者さんそれぞれの膵臓の機能によって異なってきます。どのくらいまで摂っても大丈夫なのかは主治医に相談してみてください。肉の部位によっても、また調理法によっても脂質の量は違ってきます。

牛・豚のヒレ肉やもも肉、鶏の胸肉やササミなどは比較的脂質が少なくなります。調理法は網焼き、茹でる、蒸す、煮る、炒める、揚げるの順で脂質が落とせます。食べ方の工夫でも脂質を減らすことができるのです。

例えば、揚げ物や中華料理は避けるようにした方がよいでしょう。カレーやシチューのルーにも、脂質は多く含まれます。

カロリーは膵臓に優しい糖質で

脂質は他の栄養素に比べて効率のよいエネルギー源です。同量を食べても、脂質からのほうが生み出されるエネルギーは大きいのです。その脂質を控えてしまうため、カロリーが不足気味になってしまいます。

不足した分のカロリーは糖質で補うようにしてください。一日の総摂取カロリーの70%近くをご飯、パン、麺などの穀類を中心とした糖質で摂るようにするとよいでしょう。糖質が消化される時の膵臓への負担は、他の栄養素に比べると小さいと考えられています。

そのため脂肪はなるべく控えて、その分を糖質で補うようにするとよいでしょう。ただお菓子にも砂糖が使われて糖質が多いですが、これは膵臓に負担をかけてしまうため食べ過ぎないようにしてください。

香辛料や嗜好品も控えめに

香辛料やコーヒー、炭酸飲料、タバコなども膵臓に悪影響を与えてしまうため、控えめにしたほうがよいでしょう。カフェインは胃酸の分泌を促してしまいます。胃酸の分泌が増えると膵液の分泌も増え、それが膵炎悪化につながってしまいます。

コーヒーは控えるようにし、また緑茶などもあまり飲み過ぎないようにしてください。タバコについては、慢性膵炎にどのように影響するのか分かっていない部分もあります。ただ慢性膵炎患者の80%が喫煙者だったという調査結果があります。

これは普通の日本人の2倍もの喫煙率に当たります。この結果からもタバコは慢性膵炎に良くないとされます。タバコは他にも様々な病気に悪影響となります。この際、がんばって禁煙するようにしてみてください。

運動をしよう

肥満はいろいろな病気を引き起こしてしまうとされます。膵炎に対してもやはり運動をして体重を落とし、肥満を解消するようにしていくとよいでしょう。健康的なダイエットのためには有酸素運動が最適です。

ウォーキング、ジョギング、水泳などを定期的に、無理のないプログラムで行うとよいでしょう。特に歩くことは、体の全ての状態に対してお勧めです。ただし、膵炎が進行すると糖尿病を合併してしまうことがあります。

糖尿病の人が空腹状態で運動してしまっては低血糖を起こしてしまうので、気をつけてください。冷や汗、手の震え、意識がもうろうとするなどあれば低血糖なので、角砂糖を舐めたりしてください。

また運動途中で脱水してしまわないように、水分補給はしっかり行うようにしましょう。その他、ストレスや睡眠不足も膵臓にはよくありません。ストレスをためない、睡眠をしっかりとるなど心がけましょう。

脂溶性ビタミンやビタミンBを摂る

慢性膵炎になっても、最初のころはまだ正常な膵臓の細胞が残りなんとか膵臓の働きができていました。しかし進行していくにつれて正常な細胞は減り、消化酵素や膵液を分泌するという機能が行えなくなってきます。

膵臓が機能しなくなると、痛みは軽くなってきます。膵液の分泌ができないために、痛みが出なくなるのです。痛みがなくなったからといって良くなっているわけではなく、悪化しているのです。

膵臓から消化酵素の分泌が減ってしまうと、脂質などの吸収が悪くなってしまいます。脂質の吸収が悪いと、今まで脂質と一緒に吸収されていた脂溶性ビタミンもうまく吸収できなくなり、不足してきてしまいます。

脂溶性ビタミンとはビタミンA、D、E、Kです。場合によってはこれらをサプリメントで補うこともあります。脂溶性ビタミンは以下の食品に多く含まれています。

ビタミンA:レバー、ニンジン、カボチャなど
ビタミンD:鮭、うなぎ、キノコ類
ビタミンE:ナッツ類、豆類、レバー
ビタミンK:納豆

膵臓の機能が悪化してくると、エネルギーの多くは炭水化物で補うようになります。炭水化物を効率よく使うためにはビタミンB群が必要です。ビタミンBもなるべく摂るようにしましょう。膵臓を守るためには大食いも止めましょう。

たくさんの食べ物を食べると、それを消化しようと消化酵素や膵液もたくさん分泌されることになります。そうなると膵炎の状態によくありません。規則正しく、バランスのとれた食事をしてください。

なお慢性膵炎で急性の炎症を起こし腹痛などの症状が出てしまっている時には、絶食してください。食べ物を食べるとそれを消化吸収しようと膵臓が動いてしまいます。何も口にしないようにして、膵臓を安静にさせてください。

慢性膵炎になっても、症状が落ち着いて痛みがなくなると、つい以前の生活に戻ってしまうかもしれません。しかしそれでは、気づかないうちに膵臓の状態は悪くなっていってしまいます。一度壊れてしまった細胞はもう戻りません。

今ある細胞を大切にし、残された膵臓の機能を守るためにも、禁酒したり暴飲暴食をしないように心がけてください。

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