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自分で自分を消化するなんて本当なの?急性膵炎とアルコールの関係

昨年のことでしょうか。お笑い芸人が立て続けに入院するニュースを聞いたように記憶しています。原因は急性の膵炎でしたが、もともと膵炎(すいえん)なんて病気はあまり馴染みのない病気でした。

しかし、退院した彼らの姿を見て、そのガイコツのように痩せた姿にビックリしたのです。これは膵炎の過酷さを物語っているようにも見えました。

「いったい、膵炎って何なの?」疑問が湧いてきた私は膵炎について調査を開始して、その病気の深刻さと原因であるアルコールとの関係を知ったのです。

膵炎は膵臓で起きる炎症ですが、膵臓って知ってますか?

貴方は膵臓を知ってますか?人間には様々な臓器(内臓)がありますが、膵臓を理解している人は少ないと思います。

内臓には胃、小腸、大腸、心臓、肝臓、腎臓など全てが内臓と定義されています。しかし、ここに膵臓を持ってくる人は、医学的な知識や健康関係に詳しい一部の人のみと思います。それくらいに膵臓はメジャーではない内臓と言うことです。

また膵臓は「静かな臓器」と呼ばれ、異常が発生してもなかなか自覚症状が出ないのが特徴なので、気が付いた時点では重症化していることも多いそうです。このように膵臓は胃の裏側の奥にあり小さな臓器ですが、私達の身体に重要な機能を持っているのです。

膵臓には2つの大きな機能があります。一つ目はインスリンを代表するホルモンを作り出す作用で、ランゲルハンス島と呼ばれる小さな細胞の集まりにより作られます。

インスリンは血液中の糖を細胞に吸収促進させることで、血糖を低下させる重要なホルモンです。このインスリンの作用が弱まることで発症するのが「糖尿病」となります。

二つ目は「膵液(すいえき)」と呼ばれる消化酵素を作り出す作用になります。人間は食物を食べた時には、一時的に胃で消化されます。しかし、胃で全てを消化できないため、小腸においても消化を促進する必要性があります。

膵臓で作られた膵液は十二指腸に送り出されて、小腸で消化を促進することになります。膵液は強酸である胃液よりも強力な消化酵素であり、これにより栄養の吸収が行われる結果になります。実はこの膵液が急性膵炎の原因だったのです。

急性膵炎っていったいどんな病気なのですか?

急性膵炎は一言で説明すると「膵臓が自分で作った膵液で溶かされてしまう。」病気になります。ちょっとビックリしませんか?自分で自分を消化してしまうと言うことなんです。

本来炎症とは患部が何らかの原因で熱を持ったり、腫れたりすることが特徴ですが、膵炎に限っては消化されて溶けている状況なのです。

急性膵炎は膵液を十二指腸に送り出す「膵管(すいかん)」が詰まることで膵液が漏れ出し、膵臓を溶かすことが原因と考えられています。それでは膵管はなぜ詰まってしまうのでしょうか?そこには、あの物質が大きく関与していたのです。

アルコールと膵管の詰まりには関係があった

膵管が詰まる原因にはいくつかのことが考えられており、「胆石」「高コレステロール」などありますが、「アルコール」が一番の原因とされています。アルコールの大量の摂取により急性膵炎の発症が多くなることは分析により明らかですが、詳しい理由は解明されていないのが現状です。

現在では「大量のアルコールの摂取により作られるタンパク質が膵管を詰まらせる」説や「アルコールの刺激により膵液が過剰に作られて炎症を誘発させる」説があります。どちらにしても、急性膵炎の原因の4割近くがアルコールに起因すると考えられており、大量のアルコールを飲む人にとっては注意が必要です。

膵炎が発症したら一生禁酒しなくてはならない?

急性膵炎の治療は膵液の分泌を抑える目的から「禁酒」「断食」が必須であり、それにより回復が見込まれます。しかし、時間の経過により重症化することもあり、命の危険性も高くなります。

幸い経過が良好で順調に回復しても、その後の生活によっては再発しやすいのが急性膵炎の特徴と言えるでしょう。アルコールが原因で急性膵炎を発症した人の再発率は高く、約半数の人が再発する計算になります。

急性膵炎を経験した膵臓はアルコールに対して弱くなっていると考えられ、再度の飲酒で簡単に再発するようです。急性膵炎が発症したら医者から「お酒を止めて下さい。」と言われると思いますが、それを守れない人が多いようですね。

急性膵炎により膵臓が破壊された場合は命の危険性もありますが、インスリンなどのホルモンも分泌できなくなるので、命が助かっても糖尿病などの合併症が出ることになります。結局は大きな代償を自分の身体で払うことにもなるのです。

「さぁ今日はしこたま飲むぞ~」もいいですが、アルコールには「急性~」と言う病気が一杯隠されていることを忘れずにホドホドにして下さいね。

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