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なぜアルコールを飲むと膵炎になるの?飲酒と膵炎の関係とその症状

お酒をよく飲む人に膵炎のリスクが高いことは有名ですが、膵炎の危険性については割合軽く見ている人が多いのではないでしょうか。急性膵炎では内臓が溶けて、膵臓のあるあたりの皮膚にどす黒い血の痣が現れることもあります。

そうなったらもちろん激痛に苦しみ、さらには生命を落としてしまう可能性が高いことも知られています。そんなことにならないよう、無事なうちにお酒の飲み方をコントロールしましょうね。

慢性化してしまえば治らないという恐ろしいアルコール性膵炎と飲酒の関係について、そしてお酒の量についてお話します。

アルコール性急性膵炎が男性に多いのはお酒をよく飲むから

急性膵炎と言うのは、突然の腹痛にはじまる一連の急性症状で、最初にお話しした生命の危険があるものもこれに含まれます。急性膵炎の2大リスクファクターはアルコールと胆石です。

そして、アルコール性膵炎は男性に多く、女性の約2倍となっていて、女性ではむしろ胆石による膵炎が多いことが知られています。

アルコール性膵炎に性差はない

統計では男性に多いとされているアルコール性膵炎ですので、女性はあまり心配しなくてもいいと思ってはいけません。実は、この統計をアルコールの摂取量で調整すると男女差が消えてしまうのです。

つまり、男性の方がお酒を飲む量が多いからアルコール性膵炎になる人が多いというだけであって、同じ量のアルコールを飲んだら、女性でも男性と同じリスクがあるということになるのです。

また、女性に多い胆石による急性膵炎ですが、胆石はアルコールによって増加するコレステロールからできていることが多いので、やはりここでもアルコールが悪さをしてしまいます。

ですので、性別にかかわらず、飲酒は膵炎の原因になることを知って、飲みすぎないように充分注意して下さい。ただ、他の病気に比べると、いわゆる「大量飲酒」が悪影響する程度で、膵炎を発症していなければ、普通のお酒の量であれば問題はないでしょう。

大量飲酒の目安は1日に純粋なアルコールの量で60g以上です。このレベルの飲酒をする人では、そうでない人に比べて発症リスクが3倍程度に高まっているのです。

大量飲酒と言ってもそれほど多くはないかもしれない

この1日に60g以上の純アルコール量と言うのは、お酒をあまり飲まない人にとっては大量飲酒かもしれませんが、よく飲む人にとっては序の口かもしれません。具体的に書いてみましょう。

ビール(5%) 中ビン3本(1.5L)
ワイン(12%) フルボトル0.8本(625mL)
日本酒(15%) 2合8勺(500mL)
本格焼酎(36%) 1合2勺(208mL)
ウイスキー・ブランデー(40%) ダブル3杯(188mL)

「そんなに飲めないや」と思った人はそれほど急性膵炎を心配しなくてもよさそうですが、「そのくらい楽勝」と思った人は急性膵炎のリスクが高いので、お酒を減らす方向で検討してくださいね。

急性膵炎は正直怖い病気です。中には軽症で症状すら現れない場合もあるんですが、そうした場合、今度は慢性化が怖いと言う厄介な病気なのです。

急性膵炎は様々な形で現れる

急性膵炎で最も典型的な症状は腹痛です。しかし、逆から見た場合、腹痛の中で急性膵炎が占める割合はせいぜい2~3%ですので、腹痛だから急性膵炎であるとは言いにくくなっています。

腹痛の位置もお腹全体とか、お腹の上の方と言う、比較的漠然としたものになっています。さらに、押さえて痛い場所としては、腹痛を感じている場所の他、右の上腹部が痛むことが多いようです。

急性膵炎だけに見られる症状と言うものは少ない

その他の症状としてよく見られるものには、次のような物があります。

  • 背中の痛み
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 発熱
  • お腹が張る
  • 軟便
  • 下痢

このような症状が急性膵炎の兆候ですが、どれも急性膵炎以外でも良く見られる症状なので、現れている症状だけから急性膵炎を診断することはできません。強い腹痛を感じたら、すぐに受診して現れている症状を全部お医者さんに話して検査を受けて下さい。

一方、もともと脳血管疾患など、基礎的な病気がある人では痛みを訴えないケースもあります。そうした場合には、嘔吐などの症状だけでも受診すべきです。

特に普段からよくお酒を飲む人は、そのことも隠さずお医者さんに伝えておくと、正しい診断が早くできるでしょう。

腹痛は最初から強いケースが多いのですが、さらに痛み始めてから数時間でピークになるという感じで強くなってゆきます。

重症になると危険な症状が現れる

急性膵炎で症状が重い場合は、上で書いたような症状に加えて、ショック症状が現れます。意識がもうろうとしたり、顔面蒼白となったり、さらには呼吸が浅く、脈が弱く早くなるといった状態です。唇が青紫色になるチアノーゼが見られることもあります。

こうした症状が現れたら、本人はもう動けませんから、周囲の人が救急車を呼んであげて下さい。

さらに、最重症症例では精神神経症状をきたしていて、腹痛と言う形で痛みを認識できない場合もあります。ただ、この場合は錯乱などの症状が見られますから、すぐに救急車を呼ぶことになるでしょう。

こうした目立つ症状ばかりだと、お医者さんに行くのをためらわないから、生命に別条さえなければ、逆に安心な部分もあります。「ただの腹痛」と感じてしまう方が怖いこともあるんですよ。

急性膵炎は繰り返すと慢性膵炎に移行してしまう

こうした激しい症状の急性膵炎だけでなく、比較的症状が軽くて、ちょっとお薬を飲んだら治ってしまったように感じられる急性膵炎と言うものも存在しています。

しかし、痛みがなくなっても膵臓には確実にダメージが蓄積しています。ですので、多めのお酒を飲み続けるなど、生活習慣の改善がなければ、慢性膵炎に移行してしまうのです。

膵臓の消化酵素が膵炎を引き起こす

膵臓には2つの働きがあります。一つは消化酵素を出して食べ物を消化する働き、もう一つは血糖をコントロールしたり、他のホルモンをコントロールしたり、さらには補助的に食欲を増進させたりするホルモンを出す機能です。

このうち、消化酵素には次のようなものが含まれています。

アミラーゼ でんぷんをマルトース(麦芽糖)に消化
リパーゼ 脂肪を脂肪酸とグリセリンに消化
ヌクレアーゼ 核酸を消化
トリプシノーゲン 活性化するとたんぱく質から塩基性アミノ酸を切り離して消化
キモトリプシノーゲン 活性化するとたんぱく質から芳香族アミノ酸を切り離して消化

このような消化酵素が、重炭酸塩を含む液体に溶けて、アルカリ性の膵液として十二指腸に分泌されます。アルカリ性の膵液は胃酸を中和して弱アルカリ性となり、腸内での消化を行いやすくします。

上の3つの酵素は最初から活性型で分泌されますが、それは特に問題を引き起こしません。そのまま十二指腸に流れ出して、ごはんや脂肪や、古くなった自分の細胞が分解されて出てきたRNAなどを消化します。

一方下の2つについては、十二指腸に出てから、胃から流れてきたペプシンや十二指腸で分泌されるエンテロキナーゼによって、トリプシノーゲンは活性型のトリプシンとなってたんぱく質の消化を始めます。

さらに、エンテロキナーゼとトリプシンによって、キモトリプシノーゲンは一部の結合が切断され、そこから自己分解によって活性型のキモトリプシンとなり、これもたんぱく質の消化を行います。

なぜ下の2つだけ、こうした面倒な経路を通るのかと言うと、膵臓自体がたんぱく質でできているので、そこで活性化していると膵臓自体を消化してしまうからなのです。

慢性膵炎は急性膵炎から慢性化することもある

慢性膵炎は徐々に膵臓に炎症が広がる形で起こることもありますし、急性膵炎が発生しては治るということの繰り返しでも発生します。急性膵炎と慢性膵炎は現れ方が異なるだけで原因もメカニズムも、基本的には同じものです。

それは上でお話しした、不活性型で作られるたんぱく質消化酵素の2種類が、膵臓の中で活性化してしまうことで、自分自身を消化し始めることが膵炎を引き起こすと言うものなのです。

残念なことに、まだ「なぜ膵臓の中で酵素が活性化するのか」と言うことについては議論が続いていて、いくつかの候補に絞り込みはできているものの、結論にはまだ至っていないようです。

ただ、大量飲酒や胆石が引き金になってそれが起こることは確認されています。分子レベルでの結論が得られていないだけで、根本的な治療方法の開発のために、それが早く判ることが期待されています。

現段階では、2016年にノーベル医学・生理学賞を受賞された大隅良典博士が明らかにされた「オートファジー」が関係しているのではないかと言う考え方も候補に入っているようです。

いずれにせよ、この「自己消化」が膵炎の中心的なメカニズムであることは確かです。一方、何かのはずみで酵素の活性化が起こっても、人間の身体にはそれを無害化する働きも備わっています。

膵臓の中には「トリプシン・インヒビター」と言う物質が分泌されています。この物質は食べ物として摂ると有害なもので、食べ物の消化を阻害し、身体に様々な悪影響を及ぼします。

しかし、膵臓自身が膵臓の中に分泌しているものは、膵臓の中でトリプシノーゲンが誤って活性化されトリプシンになった際に、直ちにこれに結合して不活性化する働きを持っています。

だいたい、膵臓の中にあるトリプシノーゲンの20%くらいまでなら活性化しても抑え込めるようですね。トリプシンが不活性化されると、キモトリプシノーゲンも、活性化の第一歩が踏み出せないため、活性化されませんから安心です。

しかし、お酒や胆石の影響で、より多くのトリプシノーゲンが活性化されてしまうと、自己消化が始まります。その際に、たくさんの消化酵素が活性化されると同時に、血流が悪化することで起こる虚血状態が重なると、症状は一気に悪化し、激しい急性膵炎を引き起こします。

一方で、それほど多くの膵臓の部分が傷めつけられなかった場合、軽い急性膵炎で終わったり、場合によっては急性症状を出すことなく、じわじわと膵臓が傷む慢性膵炎が始まったりします。

症状の軽重はともかく、急性膵炎が一旦治ったあと、何度も繰り返し急性膵炎を起こすと、膵臓がだんだん線維化していって小さくなり機能を失ってゆくのです。

炎症の繰り返しで、臓器が線維化して機能を失うというのは、肝硬変と同じメカニズムですね。肝硬変もアルコールによって引き起こされる病気ですので、お酒の飲み方には厳重な自制が必要です。

急性膵炎の治療は絶食と輸液による栄養の摂取から始まる

膵臓は食べ物が入ってきたという信号を受け取ると、消化酵素をせっせと作って分泌し始めます。その消化酵素が膵臓自身を消化しますから、食べ物が入ってきたという刺激を与えないことが重要になるのです。

ですので、急性膵炎の基本的な治療は、絶食して輸液で充分な水分補給と栄養を摂ることになるのです。その上で重症度に応じて様々な治療が行われますが、絶食+輸液の必要性から、必ず入院しての治療になります。

重症度の判定には4日かかるので入院はそれ以上になる

急性膵炎の重症度判定は発症後48時間がもっとも重要です。最初の判定だけでは決められません。実際に、入院時に軽症または中等症だとされていた人の15%がその後重症化して亡くなっています。

ですから、最初の48時間は特に慎重に状態をチェックされますし、さらに72時間までは時間を追って慎重な検査が行われるでしょう。72時間と言うことは、0時きっかりに入院する人も珍しいでしょうから、足掛け4日になりますね。

この時間内に重症であると判断された場合、より専門性の高い病院に搬送されることが多いです。もちろん、救急で入った病院がそうした専門性の高い病院であった場合、集中治療室に移動するだけになるでしょう。

急性膵炎の症状は多種多様なので治療も多岐にわたる

急性膵炎の場合、上でお話ししたように、消化酵素の分泌を抑えるため絶食と輸液による水分補給と栄養が基本になります。特に水分補給は重要なので、他の病気の時に受けるような点滴の何倍もの点滴が行われることもあります。

これは重症化を予防するために大変重要なことですので、「多すぎないのか」と不安になることはありません。どんどん入れてもらいましょう。最初の方では特に多い量の点滴が行われる可能性があります。

ただ、だいたいこのくらいの量と言うのが示しにくいのが急性膵炎の特徴で、一人一人の病状に応じた量が使われるでしょう。また、他の治療法についても、「急性膵炎にはこれ」と言う決めつけがしにくいものなのです。

共通要素として、急性膵炎では腹痛がひどいケースが多いので、注射による痛み止めは良く行われると言って良いでしょう。軽症であれば、こうした治療を続けてゆくだけで、症状も軽くなり、血液検査の値が一定にまで下がったら退院できます。

一方、重症になるとこれだけでは治りません。その病態に応じて動脈へのお薬の注射や、24時間以上の連続的な人工透析などが用いられる場合もあります。さらには、胆石性の急性膵炎では胆のうの摘出手術が行われます。

膵臓そのものの症状の悪化によって手術が避けられない場合もありますが、現在はできるだけ手術を遅らせる方向になっているようです。

急性膵炎は比較的短期間で退院できることがあるかと思えば、どんどん悪化して助からないケースもあります。ですので、特にアルコール性の膵炎にはならないように注意しましょう。

慢性膵炎は治ることのない病気です!悪化させないためにできることは

慢性膵炎が起こるメカニズムは急性膵炎と変わるところはありません。急性膵炎では消化酵素の異常活性化が原因で膵臓そのものや、場合によっては周辺臓器までを消化してしまい激しい症状が出るのが特徴です。

一方、慢性膵炎ではそれほど激しい自己消化は起こらないものの、持続的に膵臓自体が消化され、それを埋めるために集まってくる繊維芽細胞によって、膵臓自体が機能を持たない線維で置き替えられて行く病気です。

アルコールが膵液の性質を変えてしまう

消化酵素をたくさん含む膵液は、本来サラサラの液体です。それがアルコールをたくさん飲むことによって、中に含まれるたんぱく質の性質が変化して、粘り気の強いものになります。

そうなると膵液がスムーズに流れなくなって、膵臓の中の管の圧力が上昇、その結果活性化した酵素によって膵臓が徐々に溶かされてゆきます。そうすると、その傷を埋めるために分裂の早い繊維芽細胞が集まり、繊維組織で傷を埋めるのです。

また、粘性の上がった膵液は、たんぱく質が固まりやすく、固まったたんぱく質に炭酸カルシウムが沈着して膵石と言う結石を作ります。この膵石によって慢性膵炎では腹痛が強くなるなどの症状の悪化が見られます。

そうした場合には、手術で膵石を取り出すことが行われる場合もあります。膵石はアルコール性慢性膵炎で早く形成されやすく、また、喫煙によっても形成が促進されることが判っています。

慢性膵炎では腹痛が楽になる姿勢がある

お腹が痛いと言う時には、大抵の人が身体をあちこち動かして、痛みが楽になる姿勢がないかを探ろうとします。そうした時、前かがみになると腹痛が軽くなるというのが慢性膵炎による腹痛の特徴です。

腹痛が出た時に、横になって仰向けになると痛みがひどくなり、椅子に座ると楽になるという特徴もあります。腹痛はお腹の上の方が痛み、背中や腰に痛みが出ることも少なくありません。またお腹が張ると言うケースも見られます。

多くの場合、食事を摂ってすぐではなく、食後数時間で痛みが起こるケースが多くなっています。特に脂肪分の多い料理やケーキなどの脂肪分の多いお菓子、アルコールを摂った時に痛みが出やすくなります。

また、痛みは持続性で、痛んだり楽になったりと言う変化は見られません。さらに鎮痛薬が効きにくいというのも特徴の一つに挙げられるでしょう。

このような特徴がある腹痛を経験したら、早めに受診して膵臓に異常がないかを検査してもらいましょう。治療開始が遅くなればなるほど重症化の危険性が高まります。

慢性膵炎の原因はストレスも無視できない

ストレスは多くの病気に深くかかわりを持っていますが、慢性膵炎も例外ではありません。ストレスの蓄積によって自律神経系に問題が出て慢性膵炎が発症・悪化することもあるのです。

ストレスが原因の慢性膵炎は、先にお話ししたような特徴的な症状ではなく、何んとなくおなかの調子が悪いという形で現れることが多くなっています。

ですので、お腹の調子の悪さがいつまでも治らないと言う時は、他の病気の可能性を含めて、一度検査を受けてみられるのが好ましいと思われます。

ただし、ストレスが悪いからと言って、お酒で発散してはいけません。ストレスによる慢性膵炎は、アルコールによるものよりゆっくりしか進みません。アルコールでストレスを発散すると慢性膵炎の悪化は早まります。

まさにストレスは万病のもとですね。お酒や食べ歩き以外のストレス解消法を見つけるのが重要だと言えるでしょう。

慢性膵炎・急性膵炎の治療は禁酒から

一度でも膵炎を起こしてしまったら、そこから先は禁酒あるのみです。慢性膵炎は一度かかったら治りません。症状の進行を遅らせるには、お酒を完全に絶つことが第一条件になります。

急性膵炎の場合は、お酒をやめないと次の急性膵炎がやってきて死んでしまうかもしれません。「お酒をやめるくらいなら死んだ方がましだ」と言う人もおられるかもしれませんが、その場合は先にアルコール依存症の治療を受けましょう。

慢性膵炎は治療を受けないと特殊な糖尿病になる

慢性膵炎を放置すると、どんどん膵臓が傷んでゆきます。実は発症から5年ぐらいすると、痛みがあまり起らなくなってくるケースも少なくありません。これは治ったのではなく、消化酵素が出せないほど膵臓が壊れてしまったということなのです。

ですので、慢性膵炎の診断を受けていたのに放置していたら、最近あんまり痛まなくなってきたなと感じたら、深刻に受け取ってもらった方が良いです。

慢性膵炎で症状が悪化すると、血糖値をコントロールするホルモンを出すランゲルハンス島と言う細胞も傷んでしまい、あまりホルモンが出せなくなります。

特にβ細胞から出るインスリンが減ってしまうと、血糖値が上昇して糖尿病になります。この糖尿病は一般的な糖尿病とは異なり、慢性膵炎と言う基礎疾患がありますので、二次性糖尿病と呼ばれ区別されます。

普通の糖尿病は、感染症などによってβ細胞が破壊され起こる1型糖尿病と、インスリン抵抗性によって起こる生活習慣病の2型糖尿病に分けられます。

膵性糖尿病はβ細胞が破壊されるため、1型に近い糖尿病ですが、同時にα細胞も破壊されるため、インスリン注射で治療を行う場合に低血糖発作が起こりやすくなります。

ランゲルハンス島のα細胞は、血糖値が下がりすぎた時に、血糖値を上げる働きを持つグルカゴンと言うホルモンを分泌しているのです。

低血糖発作は、めまいやふらつき、意識喪失程度で済むこともありますが、最悪の場合そのまま死に至ることもある、糖尿病患者がもっとも注意しなくてはいけない症状です。

インスリンが足りないから注射で補充したら、効きすぎて血糖値が下がりすぎる。そうした場合、グルカゴンの働きで血糖値が引きあげられるのですが、それも分泌されない膵性糖尿病は非常に厄介です。

もちろん、異常を感じたらすぐにブドウ糖を飲むなどして対応できるケースもありますが、頻繁に起こると危険性は増してきます。特に眠っている間に低血糖発作が起こると大変危険です。

慢性膵炎は膵臓がんのリスクを高める

膵臓がんはすべてのがんの中でも、最も悪性度が高いがんとして有名です。慢性膵炎の患者さんでは、膵臓がんによる死亡リスクが、慢性膵炎でない人より8倍近くも高くなっていることが判っています。

ですので、慢性膵炎はできるだけ早くから症状を送らせるための治療に取り組まなくてはならないのです。

膵臓がんは初期には特徴的な症状がありません。ですので早期発見が難しく、高い死亡率につながっていると考えられます。しかし慢性膵炎を積極的に治療している人は、当然医療機関の側でも膵臓がんのリスクを考えた検査を行うでしょう。

そうなると、一般の人より早い段階で発見できる可能性がないわけではありません。ですので、がんに繋がらないよう治療することと並行して、定期的な検査を行ってもらうようにしましょう。

膵臓の酵素が減ってしまったら酵素を飲んで対処する

膵臓から分泌される酵素は三大栄養素すべてに関わりのあるものですので、これが不足してくると栄養が取れないだけでなく、お腹が痛くなり下痢をして出してしまうことになります。

そこで、食事の際に消化酵素を一緒に飲んで、消化を助けるという対症療法が行われます。消化酵素複合薬(商品名:ベリチーム/エクセラーゼなど)をたくさん飲む方法で膵臓の負担を軽減し、消化を助けます。

こうしたお薬によく配合されているのはパンクレアチン(商品名:パンクレアチン・ジェネリックなし)と言う物質です。豚の膵臓から精製された消化酵素です。海外ではサプリにもなっています。

こうしたお薬はカプセルに入っていることもありますが、原末や顆粒の場合もあります。そうしたものを飲むときは、たくさんの水で一気に飲んで下さい。消化酵素ですので、口の中などに長く置いてはいけません。

また、原末などの場合は、粉を吸いこまないようにする注意も必要です。

膵臓がんは怖いですね。膵炎になったらそのリスクが高まったことを意識して、栄養指導に従って悪化させないような生活を送ることがとても大事なのです。

膵炎を起こしたら禁酒・禁煙・節脂肪の生活に組み立てなおす

1日に日本酒1合、あるいはビール中ビン1本相当の節度ある飲酒量を守っていたら、膵炎のリスクはそれほど高まりません。リスクが明らかに高くなるのはその3倍くらいの量からです。

男性に多いアルコール性急性膵炎ですが、同じ量を飲んでいたら女性でも同じリスクがあります。

そして、一度膵炎になってしまったら、節度ある飲酒量であっても悪化の原因になります。ですから、一度でも膵炎と診断されたら、完全禁酒です。他のどんな治療を行っても、お酒を飲めば効果がなくなります。

また、一度膵炎を起こしてしまうと、たばこも悪化の原因になりますので、完全禁煙あるのみです。世界的な流れによって、たばこは21世紀以降必要のないものになりました。この記事を読んでいただいたことを機会に禁煙されることが良いでしょう。

さらに、脂肪分の多い食事は、膵炎を悪化させることが判っています。一方で脂肪は三大栄養素の1つで、必ず摂らなければいけないものでもあります。ですので、脂肪の量を減らすという方向で食生活を組み立てなおしましょう。

その上で、定期的な診察を受けて病状の進行が抑えられているのを確認しつつ、消化酵素剤を処方してもらう、そう言う生活パターンを作って下さい。

予防としては、とにかくお酒を「節度ある飲酒量」の範囲にとどめておくことです。節度ある飲酒量の具体例については、別の記事をご覧下さい。

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