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急性中耳炎の応急処置!症状や原因を知って正しい治療を

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急性中耳炎は急に発症して耳が強く痛む病気です。子供に起こりやすく、夜中に耳が急に痛くなって泣いたりぐずったりと大変な思いをすることが多いようです。

急性中耳炎になったら家庭で応急処置をすれば、受診するまでの間の苦痛をやわらげることができ、かなり楽になります。これを知っておけば急性中耳炎も怖くない!急性中耳炎の原因や症状、応急処置についてまとめました。

子供に多い病気「急性中耳炎」の原因・症状

「中耳炎」は、耳の「中耳」という器官に細菌やウイルスが感染して炎症が起こる病気です。

耳は耳の入り口から順に外耳、内耳、中耳に分かれており、耳の一番奥に位置する内耳は耳管で鼻や喉とつながっています。中耳炎が起こるのは、耳管を通して鼻や喉からウイルスや細菌が侵入するためです。

耳の構造と中耳炎により炎症が起きる箇所

急性中耳炎は名前の通り中耳の粘膜に急性の炎症が起こる病気で、大人よりも子供に多くみられます。好発年齢は0歳~10歳です。

これは、大人より子供の耳管が太くて短く傾斜がなだらかで、鼻や喉から中耳へ細菌やウイルスが侵入しすいためです。約8割の子供が3歳までには急性中耳炎を経験するといわれるほど、子供には比較的ありふれた病気となっています。

大人と子供の耳管の特徴比較

原因のほとんどは風邪による鼻づまりで、ウイルスや細菌を含む鼻水が耳管から中耳へ流れ込んで中耳に炎症が起こります。子供は風邪と中耳炎がセットで起こりやすいと考えてください。

そのほか、鼻をすすったり鼻のかみ方が間違ったりしても鼻水が耳管に入りやすく中耳炎の原因となってしまいます。

急性中耳炎を発症すると中耳の中に膿が充満して鼓膜を圧迫するため、耳の中が強く痛むのが特徴です。

この痛みは鼓膜に穴が開いて膿が外に出ることでおさまりますが、ズキンズキンと鋭く痛んで小さな子供はとても辛いため、受診までの間も家庭で応急処置をして痛みと不安を落ち着かせてあげることが大切です。

耳鼻科が診察時間内ならばその間に受診し、夜間や休日ならば次の診察時間まで安静にして待ちます。

これらの症状がみられる場合は急性中耳炎と考えて間違いありません。家庭で応急処置を行なってください。

急性中耳炎の症状

  • 強い痛みがある
  • 発熱(38~40℃の高熱が出ることもある)
  • 耳がつまった感じがする
  • 片側の耳が聞こえにくい感じがする
  • 耳から耳だれ(膿)が出る

赤ちゃんや小さな子供は具合が悪くても、言葉で症状を伝えることができません。原因不明の発熱に伴って次のような仕草や症状がみられたら、急性中耳炎を疑ってください。

  • 機嫌が悪くなる
  • 急に泣き出す
  • 耳をやたらと触る
  • 頭をふる
  • 食欲がなくなる
  • 「頭が痛い」「お腹が痛い」とどこか体の痛みを訴えてくる
  • 風邪をひいて黄緑色の鼻水が出ている
発症すると強い痛みで慌ててしまいますが、救急車を呼んだり夜間・休日外来を受診したりするほど治療を急ぐ病気ではないので、冷静に対応してくださいね。

治療が遅れたために重症化することもありません。

耳が痛くなったらすぐ実践して!家庭でできる4つの応急処置

耳鼻科を受診するまでの間、家庭では次の応急処置をとって過ごしてください。

解熱鎮痛剤を使う

急性中耳炎を発症したら、積極的に痛みを止めることを考えます。中耳炎の場合は受診するまでに自己判断で解熱鎮痛剤を使って問題ありません。家庭に常備してある薬を使ってください。 

子供には小児用の解熱鎮痛剤を使います。ドラッグストアにアセトアミノフェン系の小児用の製品が販売されているので、ひとつ常備しておくといざという時に重宝します。解熱鎮痛剤は対象年齢と使用量を正しく守って使いましょう。

また、小さな子供には座薬タイプの解熱鎮痛剤がおすすめです。腸から成分が吸収されるので錠剤を飲むより早く効き目があらわれます。

赤ちゃんのいる家庭は、以前にほかの病気で小児科にかかった時に処方されている座薬が手元に残っていることも多いので、使用期限を確認しながら使ってください。

鎮痛剤の使用も1~2回にとどめ、それ以上連用するのはやめましょう。また子供に大人用の解熱鎮痛剤を使ってはいけません。量を減らして飲ませても効き過ぎて体温が下がり過ぎてしまうことがあります。

小児用の解熱鎮痛剤に配合されるアセトアミノフェンは体温が下がり過ぎることのない比較的安全な成分です。子供に解熱鎮痛剤を使う時は、必ず対象年齢と使用量を正しく守ってください。

数時間は効果が持続するので、夜間や休日に発症しても翌日の診察時間までなんとか痛みがしのげます。

解熱鎮痛剤の使用はあくまでも痛みを一時的に止めるための手段。中耳炎そのものが治せるわけではないので、耳鼻科には診察時間内になるべく受診するようにしてくださいね!

横にならず体を起こしておく

急性中耳炎は夜中に痛くなることの多い病気です。これは横になることで耳の血管に血液が多く流れるようになり、鼓膜が圧迫されやすくなることが原因です。

そこで痛みを和らげるためには、寝ないでなるべく体を起こして過ごすことをおすすめします。座るか立って過ごす、または気分が悪い時や夜間に休む時は、なるべく上体を起こしてください。

痛い側の耳の後ろを冷やす

また急性中耳炎になったら、患部は温めるのではなく冷やすようにしてください。冷やすことで耳の血管が収縮し、鼓膜の圧迫がおさえられて痛みがやわらぐようになります。

耳の後ろ、首にアイス枕や冷やしたおしぼりなどをあてて冷やします。冷やし過ぎに注意し 、アイス枕や保冷材はタオルに包んで温度を調整してください。

また、体が温まって全身の血行が良くなると痛みを感じやすくなることがあります。風の当たる場所や冷房のきいている涼しい場所に移動して過ごすと楽になるでしょう。

耳だれや鼻水は拭き取っておく

中耳に膿が溜まり過ぎると鼓膜が少し破れ、耳の穴から耳だれが出てくることがあります。耳だれをそのままにしていると肌に炎症を起こすので、ティッシュやガーゼでやさしくぬぐい取ってください。

この時、綿棒を耳の穴に入れて中まできれいに掃除する必要はありません。耳の中は触らないで見える所を清潔に保つだけで大丈夫です。

中耳に溜まった膿は耳管から鼻のほうに自然に流れていくため、鼓膜の腫れは1週間ほどで自然にひいていくのですが、この時に鼻がつまっていると膿がスムーズに排出されにくくなって中耳炎が長引いてしまいます。

急性中耳炎にかかったら、鼻の通りも良くしておきましょう。急性中耳炎の人はたいてい鼻がつまっていることが多いので、鼻水をこまめに取り除きます。赤ちゃんの鼻水はベビー用品の「はな吸い器」で吸い取ってあげるのもおすすめです。

薬は?鼓膜切開は?急性中耳炎の治療法について

受診するのは耳鼻咽喉科です。子供も小児科より耳鼻咽喉科の受診がのぞましいです。急性中耳炎は医師が鼓膜を見れば、腫れ、赤み、膿の有無から容易に診断することができます。

急性中耳炎の治療法は症状に合わせて次の3つから選択されます。

  1. 経過観察
  2. 抗生剤の投与
  3. 鼓膜切開

膿が出ている時は耳を洗浄します。鼓膜が腫れている時は、消炎剤や鎮痛剤を処方して2~3日経過観察をします。急性中耳炎は自然に治る病気ですが、経過観察をしても治りが悪い時は抗生剤を投与して原因菌となっている細菌を死滅させます。

また鼓膜の腫れがひどい場合は、鼓膜を切開して膿を出すこともあります。鼓膜に小さな穴を開けてそこから膿を出します。鼓膜は傷ついても再生するので、急性中耳炎で炎症を起こしたり治療で切開したりしても聴覚を損なうこともありません。

急性中耳炎が完全に治るまでには1か月以上かかります。ここでこじれると、耳だれを繰り返す「慢性中耳炎」や浸出液が溜まって耳が聞こえにくくなる「滲出性中耳炎」に進んでしまうので、医師の指示に従ってしっかり治してしまいましょう。

耳が聞こえづらくなる滲出性中耳炎とは

中耳腔という本来は空気で満たされている箇所に、中耳炎により起きた炎症が耳管を通って侵入し、炎症性の体液を分泌することで中耳腔内に水がたまってしまっている状態です。

耳管が正常な状態であればこの水は鼻を通して排出されるのですが、炎症を起こしてしまっているとうまく排出されず耳の中でどんどん水がたまっていってしまうのです。

痛み症状がないことから本人は気づかないことが多いので注意が必要です。

  • テレビの音が異様に大きい
  • 大きな声で話すようになった

といったことがあれば滲出性中耳炎を疑いましょう。

親御さんの世代には、子供の頃に中耳炎で鼓膜を切開して痛い思いをしてトラウマになっている人もいるようです。

昔と違って最近はすぐに鼓膜を切開することが少なくなってきており、切開する時も局部麻酔で負担を軽減する工夫がなされているので、安心して治療を受けてくださいね。

中耳炎の再発を防ぐために…日常生活で気をつけること

急性中耳炎の診断を受けたら、処方された薬を指示通りに飲むと同時に規則正しい生活を送って抵抗力を高めましょう。抵抗力が落ちると細菌に再感染しやすくなります。

また一度急性中耳炎にかかった人は再発しやすいので、再発を防ぐために次の点に注意しましょう。

鼻水はこまめに取り除く

鼻水がつまっていると中耳に細菌やウイルスが侵入しやすくなるので、普段から鼻水が出たらこまめに取り除くようにします。特に子供は中耳炎を繰り返しやすいので、風邪をひいたら鼻づまりを起こしていないかチェックしてください。

黄緑色の鼻水が出る時は、副鼻腔(鼻腔の奥)まで細菌やウイルスが感染しています。黄緑色の鼻水は中耳炎の原因になりやすいので、小児科または耳鼻科の治療で早く治すようにしてください。

正しい方法で鼻をかむ

強く鼻をかんだり両方の鼻を同時にかんだりするのは間違いです。鼻水と一緒に細菌とウイルスが耳管のほうに押し込まれてしまい、中耳炎が起こりやすくなります。大人も子供も正しい鼻のかみ方をしっかりマスターしておきたいですね。

正しい鼻のかみ方

ティッシュで鼻をかまずにすするのも、細菌やウイルスが残ったり鼻水が奥に押し込まれたりしやすいので良くありません。

風邪を予防する

なるべく風邪をひかないよう予防することも大切です。普段から規則正しい生活や十分な睡眠で体の抵抗力を高めておきましょう。手洗い・うがいにはウイルス感染を防ぐ高い効果があります。

風邪をひいてしまったらゆっくり休養し、ひき始めのうちに感冒薬を飲んだり受診したりして早めに治してしまいましょう。

応急処置を知っておけば急に発症しても冷静に対応できる

急性中耳炎の痛みは「大人でも泣くほど痛い」と言われ夜中に突然発症することが多いので慌ててしまうかもしれませんが、急性中耳炎は治療を急ぐ病気ではなく応急処置で対応できることが分かっていれば、いざという時に冷静に対応でき安心かと思います。

また再発したり慢性化しやすい病気でもあるので、一度急性中耳炎にかかった人はきちんと治して、あの痛みが繰り返されないようしっかり予防することが大切です。

特に小さな子供のいる家庭では、中耳炎を経験するまでに鼻吸い器や小児用の解熱鎮痛剤を用意しておくこともおすすめします。

小さいうちはしょっちゅう風邪をひきますからね。

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