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耳掃除のやりすぎで痛み・カビ・耳垢過多が!正しい耳掃除法とは

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耳垢の量は個人差があり、ほとんど耳掃除をしない人もいれば、毎日耳掃除をしないと耳垢が溜まってしまう人もいます。

人より耳垢が多い場合、耳の病気が原因で耳垢が増えていることも考えられます。今回は耳垢を増やしてしまう3つの病気について説明していきます。特に、毎日の耳掃除を習慣にしている人にはチェックしていただきたいテーマです。

なぜ耳垢が溜まるの?耳垢の正体と役割

いつも何気なく取っている耳垢。「なぜ溜まるのか」なんてあまり考えませんよね。そこで、まずは耳垢の正体と役割について説明したいと思います。

耳垢は、

  • 外耳から分泌される「耳垢腺」
  • 皮脂線
  • ほこり
  • はがれ落ちた皮膚

などでできているのです。いわば、垢やへそのゴマといった老廃物のようなものですね。

耳垢が湿っぽい体質の人は、耳垢が乾燥している人より耳垢の量が多くなりますが、アポクリン腺の量によるもので異常ではありません。

極端に耳垢が溜まると、耳の穴が塞がって音が聞こえにくくなってしまうので、耳垢を溜めっ放しにするのは良くないのです。

かといって耳垢ゼロが良いかと言えばそうではありません。というのも、耳垢はただのゴミでなく耳の穴に必要な存在だからなのです。

例えば耳垢には、次のように重要な役割があるのです。

【外耳道と鼓膜の保護・洗浄】
鼓膜も外耳道の表皮もいずれも比較的薄い皮膚組織ですから、あまり丈夫な物とは言えません。

耳垢はこれらを覆う事で物理的な保護・乾燥防止・潤滑の役割を持っているようです。

【感染防御】
耳垢の成分にはリゾチーム・IgA・IgG等が含まれ、抗菌・抗真菌作用を持っています。

なお、感染防御の成分は乾燥耳垢に多く含まれます。その為か乾燥耳垢の人の方が外耳疾患が少ない傾向にあります。

湿性耳垢が圧倒的多数を占める欧米では、日本人に比べ外耳疾患が多い事が知られています。

【昆虫の侵入防御】
耳垢の成分が持つ苦味・臭いは、耳の穴に昆虫が侵入してくるのを未然に防いでいる、という説があります。

耳垢が溜まるのは、健康を守るために起こっている自然な現象なんですね。

しかし「毎日耳掃除をしているのにすぐ溜まる」「以前より耳垢の量が増えた」という場合は、問題です。耳垢の量が異常な時は、

  • 外耳道炎
  • 外耳道真菌症
  • 外耳道湿疹

などの病気が疑われるようになります。

耳掃除がクセになっている人に多い「外耳道炎」

耳垢が多い人のほとんどは、耳掃除のし過ぎから「外耳道炎(外耳炎)」を起こしている可能性があります。

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外耳道とは外耳の入り口から鼓膜までの道、つまり「耳の穴」のことです。耳掃除を頻繁に行なうと、皮膚の薄い外耳道に小さな傷がついてしまい、炎症を引き起こしてしまうのです。つまり、

耳掃除をする

外耳道に傷がつく

傷から分泌物が出る

分泌物が耳垢に混ざり、耳垢の量が増える

耳掃除の回数が増える

傷をいじって悪化させてしまう

耳垢の量が増える 

…が繰り返される状態になってしまうのです。

外耳道炎の患部がムズムズするのでかきたくなり、耳かき棒や綿棒でいじってしまうことも炎症の悪化を招きます。

外耳道炎の人が大量の耳垢だと思ってせっせと掃除しているのは、普通の耳垢ではなく傷から出る分泌物のかたまりなのです。

外耳道炎の治療法

耳垢の量を減らすには、まず外耳道炎を治さなければなりません。

外耳道炎が軽症なら、耳掃除を控えるだけで治すことが可能です。

外耳道を綿棒でやさしく掃除した後、市販の消毒液または軟膏を塗って、傷が治るまで数日間は耳の中をいじらないようにしてください。

炎症がおさまれば分泌物が出なくなるので、自然と耳垢の量も減ります。それ以降は、耳掃除の回数を2週間に1回程度に減らしましょう。

もし、耳掃除をやめて数日間経っても分泌物や痛みが残るようなら、耳鼻科を受診して治療を受けてください。こじれると慢性外耳道炎に進む場合があります。

外耳道炎を予防するには?正しい耳掃除の仕方

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外耳道炎を予防するため、外耳道に傷をつけないように注意する必要があります。正しい方法で耳掃除をすれば、外耳道を傷つけることがありません。

【正しい耳掃除】

  • 耳掃除は2週間に1回程度にとどめる
  • 綿棒を使う
  • 爪先や耳かき棒は皮膚を傷めるので使わない
  • 耳の穴の入り口から1㎝までのところだけ耳垢をぬぐい取る

「2週間に1回」というペースは、耳掃除が好きな人には少な過ぎるかもしれませんが、それくらいに控えて問題はありません。

そもそも耳の穴には自浄作用があります。放っておいても奥から少しずつ耳垢などの老廃物を押し出しているので、わざわざ奥の耳垢を取り除かなくてよいのです。

お年寄りの方はこの機能が弱まるため耳掃除を定期的にする事が勧められますが、それ以外の特に若い方にとっては耳掃除はしなくても良い事だと言えます。

耳掃除をすると迷走神経が刺激されるので気持ち良いし、大きな耳垢が取れた時には喜びも大きいので、耳掃除にはまってしまう人も少なくありませんよね。

しかし耳の穴は傷つきやすく、鼓膜という重要な器官もあります。炎症を起こしては元も子もないので、耳掃除が好きな人は我慢して回数を減らしましょう。

耳かきアイテムの保存方法も重要です。最近では抗菌使用のものや金属製のものも販売されていますが、安価なものや竹製の耳かきは使用後かならずアルコール消毒するなどして、清潔に保つ事が勧められます。

不潔な耳かきを使用すると感染症のおそれがあります。出来るならば使い回しをせず、自分専用の耳かきを用意するのが望ましいでしょう。

耳の穴にカビが生える「外耳道真菌症」

さらに外耳道炎に「真菌」が感染すると「外耳道真菌症」を引き起こしてしまいます。

真菌とは、水虫などのように体にすみついて増殖するカビの一種です。アスペルギルスやカンジダといった日常にありふれている真菌が、なんらかのきっかけで外耳道炎の傷口に接触することで起こります。

外耳道真菌症にかかると次のような症状が起こります。

  • 分泌物が増え、耳垢の量が多くなる
  • 耳垢の色が黒、白、黄色などに変わる
  • かゆみや痛みがある
  • 外耳道が腫れる
  • 出血が起こる
  • 耳の聞こえが悪くなる

この耳掃除のし過ぎが原因でおこる病気は、耳の中に生えたカビが原因です。耳の掃除をし過ぎると元々の耳が持っている自浄作用を弱めてしまい、耳の中にはもともと湿気があるためカビが繁殖しやすくなります。

また汗をかく季節、プールや海水浴などで耳に水が入り込み、そのままにしておいても同じように外耳道真菌症になりやすくなるので注意しましょう。

外耳道真菌症の治療

外耳道真菌症にかかると、患部に感染した真菌が完全に除去されるまで症状が続きます。自然に治ったり家庭で治したりすることは困難なので、必ず耳鼻科の治療を受けましょう。

治療では、真菌の種類を検査し、抗真菌剤で真菌を除去していきます。真菌は生き物なので、途中で治療を怠ると再び増殖してしまう可能性があります。

1か月以上などの長い期間通院しなければならない場合もありますが、再発しやすいので根気よく治療することが必要です。

また、音楽を聴くイヤホンも耳の通気を悪くして症状を悪化させてしまいがちなので、しばらくはヘッドフォンなどの耳を塞ぎきらないもので代用しましょう。仕事の都合などでどうしても…という場合以外はヘッドフォンも控えてほしいくらいですが。

外耳道真菌症を予防するには

外耳道真菌症の予防も外耳道炎と同じで、耳掃除をし過ぎないことが第一です。外耳道に傷をつけないよう注意しましょう。

ポイントは奥まで入れないこと。せいぜい入り口から1cmくらいのところで充分です。そして清潔にして常に外耳は乾燥させておくようにします。

本来、耳は自浄作用によって真菌や病原菌の感染を予防することができるのですが、免疫力が低下していると耳に菌が感染しやすくなってしまいます。

体調の悪い人や持病のある人は外耳道真菌症にかかりやすいので、耳に違和感があれば早めに耳鼻科を受診して治療を始めてください。

アレルギーや皮脂分泌の異常などで起こる「外耳道湿疹」

しかし中には、耳のお手入れに問題はないのに耳垢がどんどん溜まる人もいます。これは「外耳道湿疹」という病気が原因かもしれません。

外耳道湿疹とは、アレルギーや皮脂分泌の異常などが原因で外耳道に湿疹が出る病気です。傷による外耳道炎は片耳または両耳に起こるのですが、外耳道湿疹は両耳に起こりやすいのが特徴です。

この湿疹からは滲出液がにじみ出し、液が乾燥する事で新たな耳あかとなって、いくら掃除しても毎日の様に耳あかが溜まってしまう様になります。

また耳の中に痛みがでたり、腫れてしまうと外耳道を塞いでしまい耳が聞こえづらくなる恐れも考えられます。

外耳道湿疹にかかると、

  • ふけのようなものが増える
  • 発疹(じゅくじゅくしたもの、水疱、膿疱など)
  • 赤み
  • かゆみ
  • 痛み

などが起こりやすくなります。

外耳道湿疹の人の耳垢の状態は、乾燥していたり湿っていたりと人それぞれです。

外耳道湿疹の治療

外耳道湿疹の症状がみられたら、耳鼻科または皮膚科を受診してください。ステロイド剤を塗ったり抗生剤を服用したりすることで治っていきます。

同時に耳以外の場所にも湿疹が出ていたら、シャンプーや化粧品などによるアレルギーの可能性が高いです。アレルギーの原因を見つけ、使用を中止してください。

外耳道湿疹を予防するには

外耳道湿疹の原因はさまざまですが、外耳道に傷がつくと起こりやすいので耳の中をいじり過ぎないようにします。

皮脂分泌をコントロールするため、

  • 油っぽいものを食べ過ぎないようにする
  • ビタミンB2(レバー、納豆、卵など)を意識して摂る

のも効果的です。

耳の中はデリケート、適切な耳のお手入れを心がけて

耳垢が多くなるのは、ほとんどが「耳掃除のし過ぎ」で起こっていることがお分かりいただけたでしょうか。

人より耳垢の多い人は、耳の中はデリケートで耳垢はこまめに掃除しなくても自然に出ていくものだということを頭に入れ、耳のお手入れは必要最低限にとどめるようにしてみてください。

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