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熟年婦人ご用心!カルシウムの摂り過ぎで骨粗鬆症になるなんて

どうして骨粗鬆症になるの?

人間の体というものは常に同じではありません。細胞は新陳代謝をくり返し、体組織は日々新しく生まれ変わっています。もちろん体の中心を形作る骨格もです。破骨細胞が骨を壊して吸収し、骨芽細胞が新しい骨を築きあげるのが骨代謝です。

その追いかけっこがバランスよく、一定の距離感を保って行われていれば問題ないのですが、高齢の女性が閉経を過ぎますと、女性ホルモンのエストロゲンの低下によってこのバランスに狂いを生じ、破骨細胞の浸食に骨芽細胞の骨形成が追いつかず、骨密度は下がり続ける一方です。

この現象が骨粗鬆症の主な原因であり、その大部分を女性で占めるのです。その他に、ダイエットによるカルシウムや亜鉛やビタミンDなどの栄養不足、喫煙や飲酒、遺伝などによっても骨粗鬆症を引き起こす場合があります。

カルシウム不足は言うまでもなく、亜鉛は骨を作るために、ビタミンDはカルシウムを吸収するために必要な栄養素です。また骨というものは、スポーツなどで負担をかけたり、体重的な負荷をかけたりした方が、それに耐え得る骨を形成しようと働くのでより強固になります。

そのため痩せている人の方が太っている人よりも骨粗鬆症になりやすいと言われております。昔のニュースで宇宙から帰還した宇宙飛行士が自分の足で歩くこともできず、車椅子で移動していた映像をご覧になったことはありませんか?

人間は無重力の状態に長く置かれると筋肉量の低下と共に骨粗鬆症が起こるそうです。現在の宇宙飛行士は、無重力空間でもトレーニングを積んで体に負荷をかけ、骨や筋肉量の減少を防いでおります。

骨粗鬆症の予防対策が思わぬことに?

骨粗鬆症は気づかぬうちに、本人の知らぬ間にじわじわと進行していきます。気づいたときには骨がもろくなり、ちょっとした圧迫で骨折をしてしまうようになり、高齢者の場合はそこから寝たきりになってしまうケースもめずらしくはありません。

腰の曲がった老齢のご婦人を見かけたことなどないでしょうか?あれは骨粗鬆症による背骨の骨折の症状です。骨粗鬆症で背が縮んでしまうこともあります。

このような状態になることを阻止するために、熟年女性の中には積極的にカルシウムを摂取しようとして、牛乳などを意識的に多く飲む習慣をつけている方がおられます。

ところが、この予防対策がかえって骨粗鬆症を促進させてしまう、いわゆる「カルシウムパラドックス」に陥ってしまう場合があるのです。

カルシウムパラドックスには、カルシウムの摂取量の多い場合と少ない場合の二種類あり、どちらも原理についてあまり変わりはありませんが、ここでは前者の摂取量の多い場合のカルシウムパラドックスについて、ご説明をさせていただきます。

カルシウムパラドックスとは?

近年になって不思議なことに、カルシウム摂取量の多い国ほど骨粗鬆症を発症する人が多いという報告がなされております。なぜ、このようなパラドックス(逆説)が起こるのでしょうか?

結論から申しますと、原因は血中のカルシウムを常に一定に保とうとする体の仕組みによるものです。体の中のカルシウムは、そのほとんどが骨として蓄積されておりますが、血中にも微量ながら存在し、その濃度は常に一定に保たれております。

血中のカルシウム濃度が一定でないと、心臓や脳が正常に働かなくなり、最終的には生命の安全まで脅かされることとなります。そのような危険な状態に陥らないように、人間の体には血中のカルシウム濃度を必ず一定にするという、生命保全のための大切な仕組みがあるのです。

この仕組みにより、カルシウムを必要以上に多く取ってしまうと、急激に高くなり過ぎた血中カルシウム濃度をとにかく下げようとする機能が働き、余分なカルシウムを排出させようとします。

ところが今度は、それにブレーキがかからずに行き過ぎてしまって、逆にカルシウム不足を引き起こしてしまいます。

すると血中のカルシウム濃度が低下し、それを補うために骨から血中へと多量のカルシウムが放出されるため骨密度は減少し、再び血中のカルシウム濃度が高くなり過ぎてしまいますと、一巡りしてスタート地点に逆戻り、悪循環に歯止めが利かなくなります。

この排出と放出の負の無限ループの結果、充分過ぎるほどカルシウムを摂っていたにも関わらず、骨粗鬆症を発症してしまうこととなるのです。

大人のカルシウム摂取量の上限は、1日に2300mgまでとのことです。一般的なカルシウムサプリメントは、1日あたりの目安量が1500mgとなっておりますので、骨粗鬆症対策でカルシウムを摂取する方は、この適正量を目標にするとよろしいでしょう。多過ぎても少な過ぎてもいけません。

カルシウムパラドックスを防ぐためには、マグネシウムの摂取が肝心だとも言われておりますが、その必要量を食品のみから摂取するのも、現実的にはなかなか難しいようです。

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