TOP > > 変形性膝関節症の原因は腱のこり!膝の痛みを改善するセルフ腱はじき

変形性膝関節症の原因は腱のこり!膝の痛みを改善するセルフ腱はじき

ここ最近、傷病の原因や病態が解明されることで、数十年前と大きく変わってきている傷病が少なからずみられるようです。変形性膝関節症もその一つです。

変形性膝関節症
膝関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減ることで、膝の関節に炎症が起きたり、関節に水が溜まったりして痛みが生じ、最後には関節が変形して固まる疾患。

中高年の女性に多く、長い間、加齢による筋力の衰えが原因とされました。そのため、病院では筋トレを勧められる事が多かったように思います。

ところが近年、西洋医学においてもその原因が、膝まわりの筋肉のこりであると言われ始めました。

実はこれ、手技療法を行うものは何十年も前から気付いていたことなんです。

今回は筋肉のこりを解消し、軟骨のすり減りや関節の変形を予防する方法を専門家が伝授します。

変形性膝関節症は腱のこり、しこりより始まる

変形性膝関節症による痛み、膝が曲がりにくいと自覚している患者は全国で約1000万人、自覚症状はないがX線検査で症状が現れている患者は約3000万人いると推定されています。日本の人口からすると実に3割です。

変形性膝関節の初期には、立ち坐りや歩き始めの膝のこわばり感や階段の上り下り、正座や横座りをした後、長時間の歩きや立ち仕事をした時などに痛みが起こります。

ひどい時は、関節内に水が貯まって関節が腫れて痛み、膝の曲げ伸ばしが制限されてきます。階段の下りや立ち座り動作に支障をきたします。

初期の場合は、休むことで痛みや動かしにくいなどの症状が治まりますが、無理をすると再発します。

改善と再発を繰り返しているうちに、軟骨がすり減り関節が変形してくると、もとの膝に戻すことはできません。

変形性膝関節症は、いきなり軟骨がすり減ったり、骨が増殖したりして起こるわけではありません。

膝関節に無理をかけた後や起床後に発生する、膝回りの腱のこり・しこりより始まります。

同じ体勢や繰り返し動作をすることで筋肉が収縮を強いられ、関節に付着する腱の部分で痙攣を起こしてきます。

太ももの裏側の筋肉やふくらはぎの筋肉の膝関節に付着する腱が痙攣すると膝が曲がって伸びなくなります。

また、太ももの前側で、膝蓋骨の内外の安定に働く外測広筋と内側広筋のバランスが崩れ、どちらかの腱が痙攣を起こすことで膝蓋骨が傾き、太ももやすねの骨が捻じれます。

もちろんこれには、大腿骨に付着する臀部の筋肉や深部の腹筋も関与します。

このような、膝蓋骨の歪みや関節のかみ合わせの異常が続く事で、軟骨のすり減りが起きてくるわけです。

こんな人は変形性膝関節症の予備軍!自分の足をチェックしよう

まずは、О脚といわれる内反膝の人です。О脚は、まっすぐ立った時に、左右の脚をぴったりとつけることができず、隙間が空いてしまう状態をいいます。

О脚は、美容上の問題だけでなく、変形性膝関節症に進行するリスクが非常に高いです。膝の内側に負荷がかかることで、内側の軟骨がすり減ってしまうためです。

О脚において、大腿骨は内に捻じれて膝蓋骨は内を向き、すねの骨は外に捻じれます。

最近、テレビや街角で内股の若い女の子をよくみかけます。自然に立ってつま先を内側にした姿勢をとる人は大腿は内側に捻じるため、О脚の入り口にあるといえます。

それと同時に、将来の変形性膝関節症の予備軍となります。

若い女の子に限らず、自然に立った時、つま先が外に開かず、まっすぐかハの字に内を向いている人は要注意です。

このタイプは、坐骨が開くことで太ももの骨の外にある大転子という突起が外に出て、太ももが外に開き(外転)ます。かつ、太ももが内側に捻じれ膝の内側に負担が掛かり、膝の内側の痛みが出やすくなっています。

一方、骨盤の上方の腸骨が開くタイプは、立った時につま先が開いてVの字になっています。このタイプは、大腿が外に捻じれて膝の外側に負担が掛かり、膝の外側に痛みが出やすくなっています。

甘いものが好きな人は変形性膝関節症になりやすい?

30年近く前に、私が鍼灸の修行をしていた時に、当時の師匠は膝の悪い患者さんに甘いものを食べることを禁じていました。実際に、膝が変形した人やリュウマチの方は、甘党の人が多いようです。

変形性膝関節症の人に特有の関節が広がる症状には、甘いものをとることで血糖値を下げるために分泌されるインシュリンが関与していることも一因です。

これは業界新聞で初めて知ったのですが、インシュリンは出産前に骨盤や関節を開かせる働きのあるりラキシンと言うホルモンの分子構造に酷似しているのです。

東洋医学で言われ続けてきた事に、西洋医学の研究の裏付けがなされたのは興味深いですね。

膝のこり、しこりが変形性膝関節症の原因となる筋肉とは

膝の痛みや動かしにくい原因のひとつとなるのは、膝まわりの腱のこりや、痙攣を起こすことによりできるしこりです。そのうち、とくに変形性膝関節症をに関わる筋肉について説明しましょう。

膝蓋骨を含む膝関節の安定に働く大腿四頭筋

大腿四頭筋は膝関節の前側にある筋肉で、膝関節を伸ばす働きがあります。また、しゃがみ動作や正座、階段の上り下りなどに、膝関節にかかる衝撃を吸収する緩衝作用があります。

そして、もう一つ重要なのは、膝のお皿を含む膝の関節を安定させる働きがあることです。膝の関節は、太ももの骨―大腿骨とすねの骨ー脛骨の関節で、前側には、膝蓋骨という膝のお皿が張り付いています。

それらを安定させるのは、大腿四頭筋と膝蓋骨の下にある膝蓋靱帯というスジです。

膝蓋骨は、大腿四頭筋により吊り下げられるようにして存在します。四頭筋という名前のごとく、4本の筋肉により成り立っています。

  • 前側の安定や上下の安定に働く、大腿直筋と中間広筋
  • 外側への安定に働く外側広筋
  • 内側の安定に働く内側広筋

膝蓋骨は、その形状上、伸展時には外側に脱出する力が掛かり、それを防止しているのが内側広筋です。外側広筋は膝を伸ばす作用とともに、すねを外に捻じる作用があります。

中間広筋は、膝蓋上包に付着します。大腿骨と膝蓋骨をつなぐ滑液包で関節を効率よく動けるようにしています。

大腿直筋はサッカーボールを蹴るような、膝を伸ばし股関節を曲げる動作を行う筋肉です。

膝関節の屈曲伸展に働くハムストリングス

ハムストリングスとは、太ももの裏の筋肉のことです。膝関節を曲げる働きをするのは、内側ハムストリングスで、伸ばす作用のあるのは外側ハムストリングスです。

内側ハムストリングスのひとつ、半膜様筋は、内側半月板に付着し、膝を曲げる時に内側半月板を後ろに引き、膝関節屈曲時の円滑な運動を誘導します。

膝の裏側の筋肉である膝窩筋は、外側半月板に付着し、膝を曲げるときに外側半月板を後方に引いて膝関節屈曲時の滑らかな運動を誘導します。

膝まわりの腱のこり・しこりは、腱を弾くと緩む

大腿四頭筋は、伸展時の安定に働くほか、屈曲時でも緩衝作用に働くため痙攣しやすい筋肉です。

4つの筋肉のうち、どの筋肉に負担が掛かりやすいか、左右どちら側に負担が掛かるかは、その人の重心の掛かり方によって決まります。

膝の前側にある筋肉の腱を弾いて緩める

О脚により膝の内側やお皿の下が痛い場合、内側広筋にこり・しこりがあります。この内側広筋の腱を弾くことで痛みが改善し、関節の可動が広がります。

がに股により、膝の外側やお皿の上が痛い場合、外側広筋にこり・しこりが見られます。この外側広筋の腱を弾くことで痛みが改善し、関節の可動が広がります。

内側広筋の腱弾き

  1. 右手人差し指で、左膝蓋骨下の外膝眼を押さえ、左親指で左の内側広筋を弾く
  2. 左手人差し指で、右膝蓋骨下の外膝眼を押さえ、左親指で右内側広筋を弾きます。
  3. 内側広筋の腱のこりこりを左右に揺すって探し、弾きやすい方向に弾きます。
  4. 左内側広筋は息を吐きながら、右内側広筋は息を吸いながら弾きます。
外側広筋の腱弾き

  1. 右手人差し指で、左膝蓋骨下の内膝眼を押さえ、左の外側広筋を弾きます。
  2. 左手人差し指で、右膝蓋骨下の内膝眼を押さえ、右外側広筋を弾きます。
  3. 外側広筋の腱のこりこりを左右に揺すって探し、弾きやすい方向に弾きます。
  4. 左外側広筋は息を吐きながら、右外側広筋は息を吸いながら弾きます。

※膝のお皿の下に内外2つのくぼみがあり、膝を顔に見立てて、それぞれ内膝眼・外膝眼といいます。

膝の後ろ側にある筋肉の腱を弾いて緩める

脚の後ろ側にあり、膝の関節の曲げ伸ばしに関わる筋肉のうち、半月板に付着して、動きをスムーズにする筋肉の腱を緩めると、膝の動きがよくなります。

内側半月板に付着する内側ハムストリングスの一つである半膜様筋と、外側半月板に付着する膝窩筋です。半膜様筋を単独で弾くのは難しいので、半腱様筋とともに内側ハムストリングスとして弾けばよいです。

内側ハムストリングスの腱弾き

  1. 左手人差し指で、左膝蓋骨下の外膝眼を押さえ、右示指・中指で左内側ハムストリングスの腱を弾きます。
  2. 右手人差し指で、右膝蓋骨下の外膝眼を押さえ、左示指・中指で右内側ハムストリングス筋の腱を弾きます。
  3. 左側は息を吐きながら、右側は息を吸いながら弾きます。

※ハムストリングスの腱は、膝の横しわの上下で弾き易い部位で弾きます。

    膝窩筋の腱弾き

  1. 親指を骨のグリグリの上から指を膝裏に回します。
  2. 外から2本目の太いスジを揺すって探します。
  3. 左親指で、左の膝窩筋を息を吐きながら外側に弾きます。
  4. 右親指で、右の膝窩筋を息を吸いながら外側に弾きます。〔写真6〕

※膝窩筋の腱は、膝の横しわの上下で弾き易い部位で弾きます。

膝蓋骨の癒着を緩め、動きをよくするお皿の揺らし

膝関節に異常があると、膝のお皿の動きが悪くなり、変形すると癒着して動かなくなります。膝周りの腱を弾いて緩めた後に、膝のお皿を軽くゆすって、動きをつけましょう。

膝蓋骨に動きをつけるお皿揺らし

  1. 椅子に脚を伸ばして座って膝の力を抜きます。
  2. 親指と人差し指で膝のお皿を軽くつまみます。左手で左膝に、右手で右膝に行います。
  3. 上下左右に、各3回ずつ揺らすように動かします。

膝の悪い側がお皿の動きが悪いため、内側広筋・外側広筋の腱弾きをした後に、もう一度揺らすとよいです。腱を弾いた後に動かすと、膝の動きも改善されているはずです。

変形性膝関節症の対策は筋トレより腱弾き!

膝関節症というと、軟骨のすり減りや骨が変形するイメージがありますが、今まで説明したように最初は、筋肉や腱のこり・しこりから始まります。

膝に異常を感じると、筋トレをして、筋力をつけて治そうとする人が多いようですが、逆効果です。

または、ウオーキングや関節の曲げ伸ばしの運動をするとひざの痛みや運動制限が良くなると思って頑張っておられますが、関節の変形を進めてしまうリスクがあります。

それは、その原因が腱の痙攣だからです。腱が痙攣して、関節が固まろうとしているのに、運動したり負荷をかけるのは、余計に負担をかけて固まらせてしまうので要注意です。

腱を弾く事で、膝関節周りのこり・しこりが緩み、関節の動きがよくなります。ぜひ、腱弾きを行って、膝の変形に移行するのを防いでください。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る