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馬肉の効果効能は疲労回復や貧血改善!生食もOKな栄養たっぷりお肉

馬肉料理

馬肉と言えば、今では安価で安全に食べられる「ユッケ」用のお肉と言うイメージが一番強いのではないでしょうか。これは衛生的に処理される屠畜場であれば、牛とは違って規制対象の病原菌が精肉に移る可能性が低いからです。

しかし、馬肉は美味しく生で食べられるばかりがメリットではありません。健康に役立つだけではなく、実は「疲労回復」にも大きな効果が期待できるたんぱく源なのです。

一般的な栄養価では牛や豚と変わりなし…でも馬肉が優れている栄養も!

食肉として提供される馬肉は、基本的に赤肉で脂肪の少ないローカロリーのお肉です。一般的な栄養素のどれかが、飛びぬけて多いと言うこともありません。

さらに、価格的にも特に高いとか安いとか言うこともなく、お肉として見た場合味の特徴はあるものの、特に大きなアドバンテージを持っているわけではありません。

お肉の栄養価比較をしてみよう

そこで、まずお肉をいくつか集めて、栄養価の比較をしてみましょう。馬肉は赤肉が基本なので、他のお肉も脂肪の少ない部位で比べてみます。

肉種100gあたり エネルギー 水分 たんぱく質 脂質 炭水化物 ミネラル
馬肉・赤肉 110kcal 76.1g 20.1g 2.5g 0.3g 1.0g
牛肉・外もも 127kcal 73.6g 21.2g 3.9g 0.3g 1.0g
豚肉・もも肉 128kcal 73.0g 22.1g 3.6g 0.2g 1.1g
鶏・胸肉皮なし 116kcal 74.6g 23.3g 1.9g 0.1g 1.1g
このように、三大栄養素を中心に見た場合、特に際立った特徴と言う物はありません。カロリーの差も、生肉ですので水分量の差によるところが大きいでしょう。

お肉なのに炭水化物が含まれているのかと言う疑問を抱かれる方もおられるかもしれませんね。これはグリコーゲンの分です。

グリコーゲンは余剰になった血糖を多糖類に合成して、血糖値が下がった時にすぐ補充できるように貯蔵型に変換したものです。肝臓に蓄えられて、いざという時には血液中にブドウ糖として放出されます。

一方で、筋肉にも低濃度ながら蓄えることができて、運動でエネルギーが必要になったら、肝臓に頼らずにしばらくは自前のグリコーゲンで動けるようになっているのです。

だいたい筋肉の重量の1~2%ぐらいが蓄えられる上限ですので、お肉100gあたり1~2g(1000mg~2000mg)が上限ですし、生きている状態からお肉になった後からも、自然に分解しますからグリコーゲンが大量にお肉に残ることはありません。

一部の栄養素では馬肉が優れていた

もう少し詳しく見てみると、馬肉には優れた栄養素と呼べるものがいくつかありました。

肉種100gあたり カルシウム ビタミンB12 α-リノレン酸
馬肉・赤肉 11mg 4.3mg 7.1μg 91mg
牛肉・外もも 4mg 1.9mg 1.5μg 26mg
豚肉・もも肉 4mg 0.9mg 0.3μg 9mg
鶏・胸肉皮なし 4mg 0.3mg 0.2μg 24mg

ここには他のお肉に比べて2倍以上多く含まれていた物を示しています。但し、例えばカルシウムは、比率で見た場合2倍以上ですが、絶対量は多くないので他の食品から摂る必要があります。

一方、近頃人気のω3多価不飽和脂肪酸で必須脂肪酸のα-リノレン酸は、豚肉に比べたら10倍も含まれていますね。脂肪分が少ない赤身ではそれほど摂れるわけではありません。

しかし、馬肉にも「タテガミ」と呼ばれる首のお肉や「フタエゴ」と呼ばれる、いわゆるばら肉があります。この部位は脂肪の多い部位ですから、ここを食べるとα-リノレン酸が期待できるでしょう。

バランスからみると、全脂肪酸の5%程度に過ぎませんが、動物のお肉からα-リノレン酸が摂れると言うだけでも大きなメリットだと言えるでしょう。

食事全体で見た場合、αリノレン酸にEPAやDHAも含めてω3多価不飽和脂肪酸は全脂肪酸の10%くらい摂れればOKです。1日おきに魚と肉類を交互に食べたとしたら、時々肉の日に馬肉を挟むことで脂肪酸バランスが良くなるでしょう。

一般的な栄養素で見る限り、馬肉だけが特に優れていると言う要素はなさそうです。ではなぜ馬肉に注目が集まるのでしょう。次はその要素を探ってみます。

イミダゾールジペプチドと言う抗疲労物質が馬肉に多く含まれている

コラーゲンの話題の時などに良く耳にするペプチドと言う物があります。これは「短いたんぱく質」と言うと判りやすいかと思います。たんぱく質はアミノ酸が概ね50より多く、時として数千万個と言う数がつながったものです。

それに対してペプチドはアミノ酸の数がだいたい50より少ないものです。アミノ酸が2個以上含まれていれば、それはペプチドと呼ばれます。短いためアミノ酸に消化されやすく、食べたらすぐに消化吸収されるのが特徴ですね。

ジペプチドはアミノ酸が2個でできたペプチド

「ジ」と言うのは2を表す接頭辞です。ですので、ジペプチドはアミノ酸2個でできたペプチドと言う意味です。ですので、消化酵素で1か所を切断するだけでアミノ酸になり、簡単に吸収できます。

このジペプチドを作っている片方のアミノ酸にはイミダゾール基と言う、アミノ酸の元になるアミンが含まれているので、イミダゾールジペプチドと呼ばれています。

名前が長いため、イミダペプチドと言う名前で健康食品やサプリ等では紹介されることが多いようです。

3種類のイミダゾールジペプチド

このイミダゾールジペプチドにはいくつかの物質が含まれていますが、どれもだいたい同じ働きを持っていて、動物の種類ごとに含まれている内容が変わると言った程度の差です。

陸上動物や淡水魚の一部の筋肉にはカルノシンと言うイミダゾールジペプチドが多く含まれています。それに対して、鳥類や海水魚などの場合、アンセリンと言う物質の方が多く見られます。

さらに、海洋哺乳類であるグジラ類にはバレニンと言う物が支配的になっています。

もともと、このイミダゾールジペプチドに注目が集まったのは、渡り鳥の筋肉の持久力の強さからです。渡り鳥は、あの小さな体で、非常に遠い距離を毎年往復して飛んでいます。

なぜ渡り鳥は疲れ知らずで羽ばたき続けることができるのだろうかと言う疑問を解き明かしたのが、このイミダゾールジペプチドだったのです。

イミダゾールジペプチドには強い抗疲労作用と抗酸化作用があることが判っています。この物質のおかげで渡り鳥は直距離を飛ぶことができると言うことが判って、一躍注目を集めました。

馬肉にはイミダゾールジペプチドが多く含まれる

馬と言えば、軽くてもサラブレッドの体重が450~500kg、重いものになるとペルシュロン種の1トン越えも存在しています。一般的な肉牛が700kg前後、食用豚が100kg強であることを考えると大きな動物ですね。

この大きな身体で騎手を乗せて全力疾走したり、重い荷馬車を引いたり、中世ヨーロッパではあの金属製の全身を覆う甲冑を付けた重装騎兵を乗せていたりしたわけですから非常に持久力のある筋肉を持っています。

馬肉に含まれるカルノシンと言うイミダゾールペプチドは、牛肉や豚肉の1.6倍から3.5倍にも達します。ただ、含有量だけで見ると、大型鯨類はバレニンと言うイミダゾールペプチドが馬の2倍前後の量含まれています。

現在では、鯨肉を買えなくはありませんが、やはり非常に高価ですので、上手く買えば100g100円以下で買える馬肉の方が現実的でしょう。

疲労が軽減できる!?イミダゾールジペプチドの抗疲労効果

イミダゾールペプチドは食べ物から摂ることのできる抗疲労成分として非常に注目を集めています。もちろん人間の体内にも自然に存在している物質ですが、その量を増やすことで疲労が軽減できる可能性が示唆されているのです。

また、その抗疲労と言う働きは抗酸化作用によってもたらされているとされていますので、二重にありがたい効果だと言えるでしょう。

ヒトへの介入実験でもイミダゾールジペプチドは有効だった

動物実験や、実際にヒトに飲んでもらって様々な運動負荷などを掛けた実験でも、明らかに抗疲労作用があることが見出されています。

20名弱から、200名以上のグループに対して実験は行われています。それほど大規模なものではありませんが、少なくとも有効性を示唆できる程度ではあるようです。

実験方法も二重盲検法と言う、精度の高いものが用いられていますので信頼に値するでしょう。

イミダゾールジペプチドは身体作業負荷の試験条件下のみならず日常生活で生じる疲労に対しても効果を有することが確認されている。

イミダゾールジペプチドは食肉中に多く含まれていることによる食経験での安全性の他、非臨床試験およびヒト試験により、高い安全性が確認されている。

疲労感はアラームの一種であることから、疲労感だけをマスクするものは潜在的に疲労を蓄積させる危険がある。このことから疲労感だけではなく真に疲労に効果のある食品成分を見いだすことが最重要課題であった。

日常生活の作業負荷による疲労を軽減するには、バランスの良い食事による栄養補給とともに、作業負荷によって生じる酸化ストレス、細胞機能の低下を軽減する必要がある。

イミダゾールジペプチドは食品成分23種の中で最も顕著な抗疲労効果を示し、さらにその作用機序(抗酸化作用)が明確に捉えられていることから、今最も注目されている抗疲労成分である

このように食品成分としての有効性を検討したものですので、私たちにとっても非常に興味のあるところです。この実験では鶏の胸肉からイミダゾールジペプチドを抽出して使っています。

鶏は飛ばなくなって久しい種族ですが、それでも、羽ばたくための筋肉である胸肉は、もも肉の数倍イミダゾールジペプチドを含んでいるのです。

鶏の場合アンセリンと言う物質で、馬肉のカルノシンとは異なるものですが、効果や体内に入った時の影響は同じと考えて差し支えありません。

そして、馬肉とどちらが多く含んでいるのかと言うことになると、鶏肉の場合ばらつきが多いため比較はしにくいものの、ほぼ同レベルか、馬肉の方が少し多いようですね。

イミダゾールジペプチドは消化吸収されても元に戻る

コラーゲンの時に良く話題になったのですが、たんぱく質あるいはペプチドであるコラーゲンは、消化されてアミノ酸として吸収されるため、必ずコラーゲンに再合成されるとは限らないと言う事実があります。

このイミダゾールジペプチドもペプチドだから、分解されてしまったら体内で違うものになって役に立たないのではないかと言う不安が出てくるのも無理からぬことです。

しかし、これについては安心してもらっても良いでしょう。馬肉に多く含まれるカルノシンはβ-アラニンとヒスチジンと言うアミノ酸1個ずつが結びついたもので、消化されると2つに切れて吸収されます。

そして、筋肉に吸収されたらすぐに結びついてカルノシンを再構成するのです。鶏肉に含まれるアンセリンは陸上哺乳類である人間の身体にはカルノシンほど多くは含まれていません。

しかし、アンセリンもバレニンもβ-アラニンとメチルヒスチジンが結びついてできていますので、そのままの形で再合成されるだけでなく、メチルヒスチジンが脱メチル化することで、カルノシンに再合成されるともあります。

この再合成は主に筋肉の中で行われ、その際に抗酸化作用を発揮して活性酸素を減らすのではないかと考えられています。

鶏の胸肉と馬肉と言われると、価格差でイミダゾールジペプチドの含有量の差が埋められてしまうかもしれませんね。でも、他の肉にはない旨さがあるので、食べたいお肉です。

馬肉を買うなら冷凍品を通販で買うのが安くてお手軽

馬肉を食べたいと思っても、なかなか馬肉を置いている食品スーパーは見当たりません。そして置いていたとしても、いわゆる「さくらユッケ」に加工されていて、結構高価だったりします。

そういう時はネット通販ですね。最近では馬肉のように、ちゃんとした屠畜場を経由したものではない、ジビエ料理に使われる野生動物の肉類も通販で入手できるくらいですから、食肉流通のシステムに乗っている馬肉の入手は難しくありません。

意外に安く手に入る馬肉

2016年10月下旬にちょっと検索してみたところ、煮込みなどの加熱用の切り落としだと、楽天市場でもAmazonでも、1kg910円(税込)で売っていました。

▼検索リンク
楽天市場で「馬肉」を検索
楽天「馬肉」検索結果ページのスクリーンショット

Amazonで「馬肉」を検索
アマゾン「馬肉」検索結果ページのスクリーンショット

もちろんこうした品は値動きもあるでしょうから、皆さんが探される時にはもうないかもしれませんし、さらにお安いものが売り出されているかもしれません。

一方、馬刺しに使える生食用の冷凍馬肉は、1kg5,000円前後のようです。人間には寄生しませんが、馬肉には寄生虫がいることがあって、あまりに数が多すぎると下痢ぐらいはするようです。

それでも、中心温度-20℃48時間以上の冷凍で死滅させられますから、冷凍のお肉を買うのは安全性の面からもお勧めです。念のためお肉が届いたら-20℃設定の冷凍庫で3日くらい寝かせておけばもっと安心ですね。

余談ですが、新鮮な馬肉ではすき焼きをしない方が良いです。すごく泡立つんですよね。これは先にお話しした肉の中に含まれるグリコーゲンのせいです。

グリコーゲンは時間が経つと乳酸に分解されますから、加熱して食べた方が良いレベルのお肉になると泡立ちません。

逆に言えば、すき焼きにして泡が強く立つような馬肉は、生で食べた方が美味しかったと後悔することになると言うことです。

馬肉を生で食べても大丈夫なのか

腸管出血性大腸菌O157による食中毒が原因で、焼き肉屋さんでも一時ユッケが食べられなくなりました。現在は調理方法などを厳しく規定することで再び提供されるようになりましたが、今度は価格がとても高くなりました。

それに比べると「さくらユッケ」は、比較的安価に提供されています。馬肉は生で食べても大丈夫なんでしょうか。

これは、法的な規制が馬肉の生食については牛肉ほど厳しく及んでいないだけです。基本的には牛肉と同じですが、事故が起こっていないから問題になっていないと言う部分もあります。

一方、安全性を示す事実として、馬は牛と違って反芻動物ではないためO157感染リスクは低くなっていますし、鶏肉でよく問題になるカンピロバクター感染も少ないと言う報告もあります。

そして最も大事なことは、免疫力が不充分な人は、動物性食品の生食をしてはいけないと言うことです。おおむね18歳未満の子供や高齢者、糖尿病患者、免疫抑制状態にある人、ステロイド・免疫抑制薬を服用している人などです。

こうした人は、健康な成人であれば何の問題も起こさない程度の病原菌汚染によっても、致命的な食中毒が引き起こされることがあります。

子供以外の人については、本人が認識しているため、それほど問題になることはないでしょう。問題は子供ですね。高校生ぐらいになると見た目は充分育っていますが、免疫機能が完成しているかどうかは判りません。

また個人差も大きく、中学生ぐらいになれば結構大人に近い子もいれば、高校生になってもまだまだと言う子もいます。

これは私の個人的な考え方ですが、どんなに大きく立派に育っていても、小学生に生肉を食べさせるのは論外です。日本人にとって生食経験が豊富な魚のお刺身でも、子供に食べさせるのはどうかと思っています。

西洋でRの付かない月には牡蠣を食べないと言うのも、食経験から生まれたものですね。日本でも大阪万博の頃までは、雨降りにはお刺身を食べてはいけないなんて言うこともあったんですよ。

馬肉は普通のお肉!焼いてもカレーでも美味しく食べられる

そう遠くない昔には、馬肉の古くからの伝承がスポーツなどに応用されて湿布薬のベースにされることもありました。これはどちらかと言うと大きな面積の薄切り肉が取りやすいからだったと言う理由からかも知れません。

お肉は長時間水分を保持できるので、蒸散による冷却効果が期待できたのではないかと思います。これをベースに薬草などで膏薬を作って伸ばせば、特性湿布薬の出来上がりと言うわけです。

そう聞くと、馬肉はなんだか特別なお肉のように感じられるかもしれませんが、さくら肉と呼ばれて古くから食べる習慣のあったものです。

このように、馬肉は何も特別なお肉と考える必要はありません。歴史的にも牛肉や豚肉と同じか、むしろ古くから食べ続けられてきたものです。ですから、普通のお肉として煮たり焼いたり生で食べたりと、牛肉と同じように扱えば美味しく頂けます。

馬肉を加熱調理して初めて食べる時は、まずあっさりした味付けで肉の風味を確認して下さい。好みに合えば塩コショウだけでも充分美味しいですし、違和感を感じたら醤油やみそ、焼肉のたれなどを使って調味するのもお勧めです。

焼き油にごま油を使って香りを付けると言うのも一つの方法ですね。これも好みに合わせて試してください。どうしても苦手だったら、残りはカレーに入れて煮込んでしまいましょう。

でも、生の状態で100gたったの110kcal、それを聞いただけで美味しく感じられそうですね。

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