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吐き気の原因になる危険な病気一覧!すぐ受診が必要な症状は

women feel nausea

風邪をひいた、体調が悪いといったときに「吐き気」を感じたという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

「吐き気」や「嘔吐」といった症状は誰でも経験したことがあると思いますが、その原因は様々です。よくある原因としては食べ過ぎや飲み過ぎといったことですが、中には命に関わるような重大な病気が隠れていることもあります。

吐き気が現れる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。また吐き気と同時にどんな症状があるときには気をつけなくてはいけないのでしょうか。

吐き気だけでなくその他の症状も総合的にみて判断し、対応していくための参考にしていただきたいと思います。

重大な病気が隠れている?こんな吐き気や嘔吐は心配あり

重大な病気が隠れている可能性のある、心配な吐き気や嘔吐にはどのようなものがあるのでしょうか。

吐き気や嘔吐の症状が現れる病気には、以下のようなものがあります。

<腹痛がある場合>

みぞおち辺りの痛み 急性胃炎
慢性胃炎
胃・十二指腸潰瘍
胃がん など
右上腹部の痛み 胆石
胆のう炎
A型急性肝炎 など
左上腹部の痛み 急性すい炎
慢性すい炎 など
下腹部の痛み 感染性腸炎や食中毒
虫垂炎
月経困難症 など
腹部全体の痛み 腸閉塞など
腹痛のほかに腰や背中の痛み、残尿感 急性腎盂腎炎など

<腹痛がない場合>

頭痛があり、意識障害もある 脳梗塞
脳出血
くも膜下出血 など
頭痛があり、光や音に過敏になる 片頭痛
頭痛があり、目の痛みもある 急性緑内障
眼精疲労 など
胸の痛みがある 心筋梗塞 など
めまいがある 突発性難聴
メニエール病 など
ストレスによる吐き気

順番にそれぞれの病気について、詳しくみていきましょう。もしもこのような症状があれば、医療機関を受診するようにしてください。

腹痛(みぞおち辺り):急性胃炎、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなど

吐き気や嘔吐とともにみぞおち辺りに痛みがある場合には急性胃炎、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの可能性があります。

急性胃炎

急性胃炎はストレス、アルコールやカフェインといった嗜好品、ピロリ菌やアニサキスなどへの感染、鎮痛剤など薬の副作用などが原因となって起きる、胃の粘膜の炎症です。

みぞおち辺りにキリキリするような胃痛が起き、吐き気や嘔吐をともなうこともあります。ひどいと血を吐いてしまうこともあります。

胃薬を服用したりすることで比較的早く治っていきます。ただし繰り返すと慢性胃炎や胃十二指腸潰瘍になってしまうこともあるため、注意が必要です。

慢性胃炎

慢性胃炎は、胃粘膜が長期間に渡って繰り返し炎症してしまった状態です。食欲がなく、常に胃の不快感や吐き気が続き腹痛も起きます。ただ中には、ほとんど自覚症状のない場合もあります。

胃・十二指腸潰瘍

胃・十二指腸潰瘍は胃酸の影響によって粘膜が傷つき、潰瘍となってしまったものです。ピロリ菌や非ステロイド性消炎鎮痛剤が大きな原因になります。みぞおちの痛みが出て、吐き気や嘔吐も起き、食欲がなくなります。

悪化すると吐いたものに血が混じったり(コーヒーの残りかすのようなもの)、便に血が混じる(黒っぽい便になる)こともあります。このような症状が現れた場合には、なるべく早く受診するようにしてください。

胃潰瘍は食後30分から1時間後に痛みが出ることが多く、十二指腸潰瘍では空腹時に痛みが出ることが多くなります。ただし痛みが出ない場合もあります。

胃がん

胃がんでも吐き気や胸やけ、食欲不振などが現れますが、多くの場合は早期には特に自覚症状が現れません。そのため定期的に検診を受けることも大切です。

腹痛(右上腹部):胆石症、急性胆のう炎、A型急性肝炎など

胆のうや肝臓の病気でも吐き気が出ることがあります。

特に胆石症や急性胆のう炎では右上腹部辺りに鋭く差し込むようなかなりひどい痛みがあり、吐き気も出てしまいます。痛みは右肩から背中にまで広がってしまうこともあります。

それぞれの症状について、詳しくみてみましょう。

胆石症

「胆石」とは「胆汁」の成分が固まったものです。胆汁は肝臓で作られていて、脂肪の消化を助ける役割があります。肝臓で作られた胆汁の貯蔵場所が「胆のう」です。胆のうで貯蔵されている胆汁が、まれに固まって胆石となってしまうことがあります。

その胆石が胆のうの中で動いて、胆のうの出口などに詰まってしまったのが胆石症です。みぞおちから上腹部にかけてかなり激しい差し込むような痛みが現れるという特徴があります。その痛みは右肩から背中にまで広がります。

そして症状がひどいときには吐き気を感じることもあり、冷や汗や寒気が出ることもあります。黄色の液体を吐いてしまうこともあります。

食事の数時間後に激しい痛みが起きることが多く、その後1~2時間で治まります。ただ胆石は胆のうの中に残っているため、また同じような痛みを繰り返すことが多くなります。

もし白目が黄色くなる、尿が紅茶のような濃い色になるなどの「黄疸」の症状が出ていたら、すぐに受診してください。高熱が出たときにも、すぐに受診しましょう。

高齢化や食生活の欧米化にともなって、胆石を持つ人は増えてきています。特に、40~50代のやや太めの女性に多いとも言われます。

また、脂肪の多い食事や不規則な食事は、胆石ができやすくなってしまいます。ただし胆石を持っていても、症状の出ないまま一生を終えるという人も多くいます。

急性胆のう炎

急性胆のう炎は胆のうに炎症が起きた状態で、胆のうの出口に胆石が詰まったりすることで起きます。油っこい食事の後などに右上腹部から右肩、背中などに激しく鋭い痛みが起き、吐き気も現れます。熱が出てしまうこともあります。

早期に治療を始めれば問題ありませんが、炎症がさらに悪化すると生命に危険が及ぶこともあるため早めに受診することが大切です。

A型急性肝炎など

A型急性肝炎はA型肝炎ウイルスに感染して起こる肝臓の病気です。衛生状態のあまり良くない地域で、ウイルスに汚染された生水や生ものを口にしたことで感染してしまいます。

2~6週間の潜伏期間の後、38度以上の発熱、倦怠感、食欲不振、腹痛、下痢そして吐き気や嘔吐などの症状が現れます。これらは風邪にも似た症状のため、海外旅行から帰国後にこのような症状が出た場合などには注意してください。

その後黄疸も現れますが、適切な治療を行えば経過は良好です。ただしまれに劇症肝炎を起こすこともあります。

腹痛(左上腹部): 急性すい炎、慢性すい炎など

吐き気や嘔吐とともに左上腹部に激しい痛みがある場合には、すい臓の病気が疑われます。

すい臓は消化酵素を含んだ「すい液」を分泌したり、インスリンなど血糖を調節するホルモンを分泌しています。急性すい炎も慢性すい炎も、一番多い原因はアルコールになります。

急性すい炎

急性すい炎とは、すい臓が自分で分泌した消化酵素によって自分のすい臓を消化していってしまう病気です。

みぞおちから左上腹部にかけて激痛が起きます。その痛みは左肩から背中にまで広がり、吐き気や嘔吐もともないます。お腹が張ったり食欲不振になることもあり、発熱することもあります。

お酒をたくさん飲んだり、油っこい食事をした数時間後に突然激しい痛みが出ることが多く、就寝中ということもよくあります。なるべく早く医療機関を受診する必要があり、また軽症であっても数日間は入院して治療を行うことになります。

慢性すい炎

慢性すい炎はすい臓に慢性の炎症が起き、徐々にすい臓の機能が低下していく病気です。症状は病気の進行度合いによって違ってきます。

初期には急性すい炎にも似た激しい腹痛が出ます。痛みは肩から背中にまで広がり、吐き気、下痢、黄疸、発熱などをともなうこともあります。激しい痛みが治まった後も、重苦しいような痛みが残ります。

食事や飲酒の後に症状が出ることがほとんどです。ただ激しい痛みはなく、ずっと重苦しい痛みだけが続くということもあります。

その後症状が進行すると、腹痛は軽くなっていきます。臭くて白っぽい軟便が出るようになり、糖尿病の症状が現れることもあります。これらはすい臓の機能が低下したために現れる症状です。

腹痛(下腹部):感染性腸炎や食中毒、虫垂炎、月経困難症など

吐き気や嘔吐のほかに下腹部にも痛みがある場合には、感染性腸炎や食中毒、虫垂炎、月経困難症などの可能性があります。

感染性腸炎や食中毒

吐き気や嘔吐の症状とともに下腹部辺りが痛い、下痢している、発熱があるといった症状がある場合には、感染性腸炎や食中毒かもしれません。血便が出ることもあります。

これらは腸管に細菌、ウイルス、寄生虫などが感染してしまったことが原因で起きています。

食中毒には細菌性のものが多く、サルモネラ菌や赤痢菌、腸管出血性大腸菌などが原因となります。ウイルス性にはノロウイルスやロタウイルスがあります。寄生虫は魚介類に生息するアニサキスなどです。

下痢がひどいからと自分の判断で下痢止めを飲んでしまうと、細菌やウイルスがせっかく排出されるのを妨げることになります。医師の指示に従うようにしてください。脱水状態になりやすいため、注意が必要です。

虫垂炎(もう腸)

虫垂炎(もう腸)の場合にも吐き気や嘔吐、そして腹痛や食欲不振が起こります。痛む場所は初めはみぞおち辺り、その後へその辺り、そして右下腹部と症状が進行するにつれて移動します。

悪化すると腹膜炎を起こすこともあるため、すぐ受診するようにしましょう。特に幼児や高齢者では症状が現れにくいため、注意が必要です。

月経困難症

女性の場合、月経時に吐き気や嘔吐、腰痛、頭痛、胃痛、便秘、下痢、めまいといった症状が起きることもあります。ゆっくりとリラックスしたり、体を冷やさないようにすることも大切ですが、毎回ひどいようなら一度医療機関を受診するようにしてみましょう。

腹痛(腹部全体):腸閉塞

開腹手術の影響などにより、腸管が閉塞して内容物が通過できなくなる腸閉塞になってしまうことがあります。この場合には嘔吐のほかに腹痛、お腹が張る、便やガスが出なくなるといった症状が出ます。

腹痛のほかに腰や背中の痛み、残尿感:急性腎盂腎炎など

吐き気や嘔吐のほかにもトイレが近い、残尿感があるといったような膀胱炎のような症状があり、高熱が出てしまっているというときには急性腎盂腎炎かもしれません。

これは腎臓が作った尿を溜めておく場所である「腎盂」や、もしくは腎臓そのものが細菌感染してしまったことで起きます。膀胱炎などが原因となり、細菌感染が広がったことで発症します。

トイレが近い、残尿感や排尿痛といったような膀胱炎の症状に続いて、38度以上の高熱が出ます。そして寒気、わき腹や腰や背中の痛み、吐き気や嘔吐といった症状も現れます。尿が白濁することもあります。

早期に抗生剤を服用すればすぐに治ります。しかしきちんと治療をしなくては慢性化してしまうこともあり、注意が必要です。膀胱炎で高熱が出ることはないため、高熱が出たときには腎盂腎炎を疑ってなるべく早く医療機関を受診しましょう。

頭痛、意識障害:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など、脳の血管が詰まったり破れたりして起きる脳の病気を脳卒中(脳血管障害)と言います。

脳卒中を発症してしまったときにも吐き気や嘔吐の症状が現れます。このときの症状の見極めは非常に重要で、緊急性を見逃してしまうと取り返しのつかない状態になってしまいます。

脳卒中の際には吐き気や嘔吐以外に、このような症状が現れます。

  • 激しい頭痛がする
  • めまいがする
  • 体の半分がしびたり、思うように動かせない
  • 口の片側から、水や食べ物がこぼれてしまう
  • よだれが垂れる
  • 言葉がうまく出てこない
  • 視野が半分欠けたり、ものが二重に見える
  • まっすぐに歩けない
  • 意識がもうろうとしている
  • 意識がない

ただし、これらの症状が全て現れるというわけではありません。人によって現れる症状やその激しさは違ってきます。

脳梗塞の際にはこれらの症状の中でも特に体の片側がしびれたり動かせなくなる、ろれつが回らない、物が二重に見えるということが起きやすくなります。

脳出血の際には特に頭痛や吐き気、嘔吐、めまい、片側の手足に力が入らなくなりうまく歩けないなどといった症状が起きやすくなります。

くも膜下出血の際には突然、今まで経験したことないくらいに激しい頭痛に襲われます。吐き気や嘔吐なども起こります。

吐き気や嘔吐と同時に頭痛や体の麻痺、意識がもうろうとするなどということがあった場合には脳卒中を疑い、すぐに救急車を呼ぶようにしてください。本人の意識があるようなときでも、ためらわずに救急車を呼びましょう。

脳卒中は一刻を争う病気です。脳の血管が詰まったり破れたりして脳へ酸素や栄養が行かなくなってしまうと、脳の細胞はどんどんダメージを受けていってしまいます。少しでも早く治療を始めることが大切なのです。

頭痛があり、光や音に過敏になる:片頭痛

片頭痛は頭の片側が脈打つようにズキンズキンと痛む頭痛です。ひどくなると吐き気や嘔吐をともなってしまうこともあります。他にも、普段なら気にならない光、音、臭いなどが妙に気になるということもあります。

痛みが治まると何ともないため市販の鎮痛剤で我慢しているという人もいますが、症状が頻繁に起きる場合や、薬の効きめが悪くなった気がするなどということがあれば早めに受診しましょう。

また「片頭痛」は「頭の片側に脈打つような痛み」が出るというイメージですが、中には両側に痛みが出ることや、脈打つ痛みではないこともあります。定期的に頭痛があるときには受診したほうがよいでしょう。

頭痛があり、目の痛みもある:急性緑内障、眼精疲労など

目の病気が原因で吐き気が出ることもあります。その場合、頭痛や目の痛みといった症状もあります。

急性緑内障

緑内障とは、眼圧が高くなることで視神経が圧迫され視野が欠けてしまう目の病気です。通常は気付かないうちにゆっくりと進行していくのですが、「急性緑内障」の場合には突然発症してしまいます。

急性緑内障では眼圧が急に上昇し、吐き気や嘔吐、激しい頭痛、急に目が痛む、目がかすんだり見えにくくなるといった症状が起きます。

このときには一刻も早く治療を行い、眼圧を下げなくてはいけません。治療が遅れると、失明の危険すら出てきてしまいます。

ただ吐き気や頭痛といった症状がある場合、内科を受診してしまいやすいでしょう。しかし内科の医師の場合、急性緑内障の発作であることを見逃してしまうこともあります。目の症状もある場合には、眼科受診も考えるようにしてください。

急性緑内障は50歳以上の方、男性よりは女性、そして遠視のある方がなりやすい傾向にあります。

眼精疲労

眼精疲労では目が重い感じ、痛い、かすんだり赤くなったりするといった症状とともに吐き気、頭痛、肩こりなどが起きます。原因は目に問題がある場合から、高血圧や精神的なことまでいろいろです。

症状が続くことで、目だけでなく全身的に様々な問題が起きてしまいます。「目が疲れただけ」と軽くみないで、なかなか改善しない場合には一度眼科を受診してみてください。

胸の痛みがある:心筋梗塞など

心筋梗塞というと、胸に激痛が出てのたうちまわるほどに苦しがるというイメージでしょう。しかし実は胸痛以外にも、胃の不快感や吐き気、嘔吐といった症状が現れることもあるのです。

他にも左腕から肩や背中にかけて痛みが出る、肩こりがひどくなる、冷や汗、めまい、のどが詰まる感じがする、奥歯が痛いといった症状が出ることもあります。ただこれらの症状は心筋梗塞のイメージと違うために、発見が遅れてしまうこともあります。

心筋梗塞は少しでも早く治療を始めることが重要です。これらの症状も心筋梗塞のサインなのだということを知っておいてください。

めまいがある:突発性難聴、メニエール病など

耳の病気が原因で、めまいとともに吐き気や嘔吐が出てしまうこともあります。

突発性難聴

原因不明の、突然起きる難聴です。片耳だけのことも多いのですが、両耳に起きてしまうこともあります。聴こえが悪くなるとともに、耳鳴り、めまい、そして吐き気や嘔吐の症状も出ます。なるべく早く治療を開始するほど治りやすくなります。

メニエール病

メニエール病はめまいの病気としてよく知られているでしょう。内耳のリンパ液が過剰になってしまったことで起きるとされ、ストレスなどが原因と考えられています。

めまいとともに吐き気や嘔吐があり、他に耳鳴りや耳が詰まったような感じ、難聴なども起こります。

めまいには他に良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などもあります。これらのめまいの場合にも吐き気や嘔吐をともないます。目が回るようなめまいと吐き気や嘔吐があるというときには、耳鼻科を受診してみてください。

ただし体がフワフワした感じのめまいがする、ふらついてまっすぐ歩けない、頭痛がある、顔や手足がしびれる、ろれつが回らないなどという症状の場合には脳の異常が原因かもしれません。すぐに脳神経外科や神経内科を受診するようにしてください。

ストレスによる吐き気

ストレスも吐き気の原因になります。ストレスを受けると自律神経の働きが乱れ、これが吐き気につながってしまうのです。頭痛、腹痛、下痢などの症状も現れやすくなります。食欲がなくなったりだるいということもあります。

思い当たることがあれば、たまにはリラックスできる時間を作ってストレスを解消するようにしてみてください。ただ現実的にはそんなに簡単ではないでしょう。またストレスを受けていても、自分でそれに気付いていないということもあります。

このままの状況が続いてしまうと、「うつ病」になってしまう恐れもあります。ストレスがある、原因不明の吐き気が続いていて食欲もなくだるいなどということがあれば、一度心療内科などを受診してみるとよいでしょう。

この他にも異物を誤飲や薬の副作用で吐き気や嘔吐の症状が出ることもあります。

吐き気や嘔吐の副作用が出る薬には鎮痛剤、抗生物質、ジギタリス製剤、テオドールなどがあります。またがん治療のための化学療法や放射線療法なども、吐き気や嘔吐の症状が出ます。気になることがあれば、医師や薬剤師に相談してみてください。

吐き気や嘔吐の際に、こんな症状があればすぐに医師にみてもらいましょう。

  • 激しい頭痛や腹痛、めまい、発熱もある
  • 吐き気や嘔吐の症状がひどい、吐いてもすっきりしない
  • 嘔吐物に血が混じっている
  • 症状の原因がはっきりしない

原因がはっきりわかっている吐き気や嘔吐は心配ない

原因がはっきりわかっていて吐いたらすっきりするというような吐き気や嘔吐の場合には、特に心配はいらないでしょう。例えば次のようなものがあります。

暴飲暴食

食べ過ぎやお酒の飲み過ぎは、吐き気や嘔吐の原因としてよくあることでしょう。食べ過ぎてしまうと胃に過度の負担がかかり、吐いてしまうことがあります。

お酒の飲み過ぎによる嘔吐の原因のひとつは、アセトアルデヒドです。アルコールは体内に入ると、酵素によって分解されアセトアルデヒドとなります。そしてすぐにまた別の酵素によって分解され酢酸となり、最終的には炭酸ガスと水にまで分解されます。

しかしアルコールの飲み過ぎで分解が追いつかなくなったときや生まれつきアセトアルデヒドを分解する酵素が少ない人の場合、体内にアセトアルデヒドが増えてしまうことになるのです。

このアセトアルデヒドこそが、二日酔いの元凶とされています。アセトアルデヒドには吐き気や嘔吐を起こさせたり、頭痛や動悸そして顔を赤くさせるといった働きがあるのです。そしてさらに、発がん性も疑われています。

つまり飲み過ぎてアセトアルデヒドの分解が追いつかなくなると、体内にアセトアルデヒドが増えて、それによって吐き気や嘔吐が起きてしまうのです。

お酒は適量をゆっくり飲むことが大切です。また空腹のままお酒を飲んでしまうと吐き気などの症状が出やすくなるため、何が食べてから飲むようにしましょう。

乗り物酔い

乗り物に乗ったことで起きる吐き気や嘔吐も、経験したことのある人が多いかもしれません。乗り物に乗ると、体には上下左右の揺れやカーブの回転や速度といった変化が加わります。

この変化を内耳の器官が感じると、その情報は脳へと送られます。しかし視覚などその他の器官が感じた情報と調和がとれなくなってしまうと、自律神経はバランスを崩してしまうのです。

そしてその結果、吐き気や嘔吐、冷や汗をかく、生唾が多くなるといってような症状が現れるのです。

乗り物酔いを防ぐためには、このようなことを試してみて下さい。

  • 前日は睡眠をしっかりとっておく
  • 空腹な状態、逆に食べ過ぎな状態は避ける(腹八分目で)
  • なるべく進行方向を向いて座る
  • みんなで歌を歌ったりゲームをしたりして、気を紛らわす
  • 携帯をいじったり、ゲーム機でのゲーム、読書はしない
  • 遠くの景色を見るようにする

もちろん揺れの少ない席に座ることも重要です。毎回、必ず酔ってしまうという人は酔い止めを飲むようにしてもよいでしょう。

もしそれでも酔ってしまった場合には窓を開けて新鮮な風に当たるようにしたり、衣服を緩めて楽な姿勢にするようにしてみてください。

つわり

つわりは妊娠4週頃から10~12週頃に起こります。ただしその時期や程度には、個人差が大きくあります。女性の場合、吐き気を感じたときには妊娠の可能性も疑ってみてください。

つわりが続くと食欲も落ちてしまいますが、食べられるときに少量ずつでよいので食べられる物を食べていくようにしましょう。症状がひどいときには医師の診察を受けるようにしてください。

心理的な吐き気

人の嘔吐を見て吐きそうになったり、気持ちの悪いものや臭いものを見たりして吐きそうになることもあります。

お酒が原因とわかっていても心配な症状がある!

嘔吐の原因がお酒だとわかっていれば、嘔吐を繰り返しても特に心配されないかもしれません。吐いてしまったほうが楽になることもあります。

ただ知っておいて欲しいのは、嘔吐を繰り返すことで食道と胃の境目辺りがダメージを受けて傷つき、出血してしまうことがあることです。この症状が起きると吐血するようになり、まれに下血してしまうこともあります。

これは嘔吐するときに、腹圧が上昇することが原因です。嘔吐を繰り返してしまうと、腹圧の上昇によって食道と胃の境目辺りが裂けて傷ついていってしまうのです。このような症状を「マロリー・ワイス症候群」と言います。

マロリー・ワイス症候群の原因は飲酒だけではありません。つわりや乗り物酔いでも、嘔吐によって腹圧が上昇するために起きてしまうことがあります。嘔吐以外でも、咳やくしゃみ、排便のときのいきみなどで起きてしまうこともあります。

出血量が多いと、最悪の場合にはショック症状に陥ってしまうこともあります。お酒を多少飲み過ぎても吐けばすっきりするからと安心していないで、飲み過ぎは控えるようにしましょう。

そしてもしも嘔吐物の中に血が混じっているようなことがあれば、なるべく早く医療機関を受診してください。また吐血の量は少なくても、胸やお腹が痛かったり呼吸が苦しいということがある場合には別の症状の可能性もあります。必ずすぐに受診してください。

「お酒を飲み過ぎても、吐けばすっきりするから大丈夫」っていうのは大間違い!お酒は適量にしておきましょう。

吐いてしまった後の対処法6つのポイント

原因がはっきりしている、心配のない吐き気や嘔吐でしたら、医療機関を受診することなく様子をみることになるでしょう。

そんなときには、こんな対処法をとりましょう。

1、嘔吐の後にはすぐ口をすすぐ

吐いてしまった後に、口の中の臭いでさらに気持ち悪くなってしまうことがあります。吐いた後はまず、すぐに口をすすぐようにしましょう。

その際には普通の水道水でも構いませんが、冷たい水、炭酸水、レモン水、塩水、番茶などですすぐのもよいでしょう。口の中だけでなく気持ちもすっきりします。

2、嘔吐物はすぐに片付ける

嘔吐物を見たりその臭いでも、また吐き気を催してしまいます。吐いた物はなるべくすぐに片付けるようにしましょう。

ノロウイルスなどウイルス感染による嘔吐の場合、嘔吐物から他の人に感染してしまうこともあります。必ず手袋やマスクなどの感染予防をして片付けるようにしましょう。最後に消毒もするようにしてください。

3、右を下にして横向きに

仰向けではなく、右を下にして横向きになり膝を曲げた姿勢にするとよいでしょう。吐いた物を気管に詰まらせたりしないように気をつけて下さい。特に子供や高齢者は注意しておいてください。

洋服を緩めて、深呼吸して目を閉じ安静にしましょう。胃に食べ物が残っている場合には、全部を吐ききったほうが楽になることもあります。

4、水分を補給する

嘔吐が激しいとき、体の中からは水分や電解質(カリウムやナトリウムなどミネラル)が失われていっています。このままでは脱水症状になってしまう恐れがあります。

水分や電解質をしっかり補給するようにしておいてください。スポーツドリンクなどが良いでしょう。

ただし吐き気が治まってすぐに飲み物を飲んでしまうと、また吐いてしまうことがあります。症状が完全に治まるまでは何も飲まず様子をみて、落ち着いてから水分を摂るようにしましょう。

5、食べられそうなものを少しずつ食べてみる

吐き気が治まり水分を摂っても問題がないようなら、食べられそうなものを少量ずつ食べて様子をみてみましょう。吐いた後、1~2時間は間をあけるようにしてください。

消化のよいもの、刺激やにおいの少ないもの、あっさりとした冷たいもの、流動性があって食べやすいものなどがおすすめです(ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、スープなど)。食後30分くらいは安静にするようにしてください。

食事をするとまた嘔吐してしまうようでしたら、1~2食くらい食事を控えて様子をみてもよいでしょう。

6、症状が治まらないようなら病院へ

安静にしていても症状がなかなかおさまらない、吐き気や嘔吐を頻繁に繰り返してしまっているというときには、一度医師の診察を受けるようにしてみてください。

また吐き気や嘔吐以外ににも激しい頭痛や腹痛がある、めまいなどもある、思い当たるような原因がないといった場合には重大な問題が起きていることも考えられるため、すぐに病院へ行くようにしましょう。

もしもしびれや麻痺がある、ろれつが回らない、意識がもうろうとしているなどということがあれば脳卒中の可能性もあるため、すぐに救急車を呼んで下さい。

吐き気や嘔吐は日常的にもよくある症状ですが、その裏に重大な病気が隠れていることもあります。

もしも気になることがあるようでしたら、きちんと医師の診察を受けるようにしておきましょう。

「嘔吐」は本来、異物を体内に入れないための防御反応

ところで、「吐き気」とは吐く前に起きる吐きたいというムカムカした不快感のことで、「悪心(おしん)」と言われることあります。「嘔吐」は吐くことで、食道を逆流して胃の中にあるものが口から出てしまう症状です。

吐き気だけで嘔吐はしないこともありますし、場合によっては吐き気を感じることのないまま嘔吐してしまうということもあります。

嘔吐は、「延髄」にある「嘔吐中枢」が刺激されて起こります。延髄は脳の中でも、特に生命維持に関わる重要な機能を担っている部分です。

嘔吐中枢から命令が出ると、胃の出口が閉まって逆に胃の入り口は開きます。そして横隔膜や腹筋が収縮して胃が圧迫され、胃の中にあったものが食道を逆流して口から吐き出されます。こうして嘔吐が起きるのです。

吐き気や嘔吐というのは、生体の防御反応のひとつでもあります。異物や毒物を誤って飲み込んでしまったときに、それを体内に取り込まずに吐き出すために起きているのです。

ただし場合によっては重大な病気の、その症状のひとつとして嘔吐が起こる場合もあります。この場合には生命に関わることもあるため、すぐに対処しなくてはいけません。

今起きている吐き気や嘔吐が注意すべき症状なのか、それとも心配のない症状なのかを見極めて、必要があればすぐに医療機関を受診するようにしてくださいね。

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