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心筋梗塞の前兆と生死を分ける症状!5分以上の痛みは超緊急

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皆さんの中に明日、自分が死ぬかもしれないと思って生きている人はいるでしょうか?

ほとんどの人はそんなことを考えてはいないと思います。ですが、そんなことが現実となるかもしれない怖い病気が心筋梗塞です。

心筋梗塞はある日突然、何の前ぶれもなく誰にでも襲ってきます。そして心筋梗塞を発症した人のおよそ半分はそのまま帰らぬ人になっています。

今、まさか自分が・・・と思った人にこそ知っておいていただきたい心筋梗塞の怖さと命の守り方をお教えします。

突然襲う悲劇!心筋梗塞で亡くなるということ

心筋梗塞は、とても簡単にいえば、ある日突然心臓の血管が詰まって心臓が壊死してしまう病気です。いうまでもなく、人間のからだは心臓が動かなくなれば、からだのあらゆる臓器や組織に酸素や栄養が行き渡らなくなるので、あっという間に死んでしまいます。

家族や親しい人にお別れの言葉もいえず、これからやりたいと思っていたこともできず、身の回りの整理や旅立ちの準備を何もすることができないまま、あっけなく死んでしまうのです。そんな最期は誰もが避けたいと思うでしょう。

冒頭から怖がらせてしまったかもしれませんが、心筋梗塞を発症した人の約半数は亡くなってしまいますが、逆にいえば、生きて帰ることができる人も半数はいることになります。では、亡くなってしまう人と死の淵から生還できた人との違いはどこにあるのでしょう?

心筋梗塞で亡くなる人と生還できる人の違いとは?

これからお話しするのは、心筋梗塞に襲われた二人のエピソードです。一人はある日突然、心筋梗塞の病魔に襲われそのまま亡くなったAさん。もう一人は心筋梗塞の死の淵から生還したBさんです。その二人の発症から結末までを振り返ってみましょう。

帰らぬ人となったAさんの場合

Aさんは50歳の男性。中堅商社の部長職。奥さんと大学生の長男、高校生の次男の4人家族。仕事にも精を出し最近ではプロジェクトの責任者を任され、気合を入れてがんばっている、いわゆる、がむしゃら営業マンというタイプ。

子供の学費や養育費もまだまだかかりますし、人生もう一花咲かせてやろう!という意気込みで毎日が全力投球。まさに働き盛りの年齢といえます。

毎晩遅くまで残業し、取引先との接待や部下や同僚とのお酒の付き合いにも積極的に顔を出すようにしているため、ここ数年はお酒を飲む量も多く外食になりがちな食生活を送っていました。

そんなAさんが突然倒れたのは、暮れも押しせまった12月の初め頃でした。ちょうど忘年会シーズンで、立て続けにパーティーやら飲み会やらのスケジュールをこなす毎日。

少々のデスクワークを片付け会社を出たのが夜8時頃。例年より早く初雪が降り、コートの襟を立てながらも足早に宴席の会場に向かい歩いていた時、突然、悲劇に襲われました。

Aさんは胸のあたりに今までには経験したことのない、焼け火鉢に胸を突き刺されたような、胸の中をえぐり取られるような、激しい胸痛に襲われたのです。あまりの痛さで胸を押さえ立っていられなくなり、そのまま倒れ意識を失いました。

道行く人が異変に気づき、すぐに救急車が要請されましたが、年の瀬のためか道路は大渋滞。普段なら7~8分ほどで到着するはずの救急車が到着するまでに25分。

救急隊が到着し心筋梗塞ではないかと判断。最寄の大学病院への搬送を行いました。それまでに要した時間はおよそ40分。Aさんが倒れてから1時間半が過ぎた頃、緊急手術が行われましたが、医師の懸命の治療にも関わらず、Aさんは深夜12時過ぎに他界。

家族にも連絡が入り病院へ駆けつけましたが、すでにAさんは白い布で顔を覆われ、もはや帰らぬ人となっていました。あまりの突然の出来事に、あの日一体何が起こったのか?なぜこんなことになってしまったのか・・。

初七日が過ぎても家族には到底理解ができない日々が続いています。

死の淵から生還したBさんの場合

さて、一方のBさんですが、年齢48歳の男性。海運会社の管理職で、家族はお子さんがおらず奥さんと2人暮らし。デスクワークが中心で運動不足になりがちだったためか、38歳のときに糖尿病を発症。それ以来10年間治療を続けています。

糖尿病を発症してからタバコをやめ、食事にも気をつけるようになり、外食はほとんどせず、お昼も奥さんの愛妻弁当。仕事が終わるとまっすぐ家に帰ります。

友人の奨めで数年前にゴルフを始め、休日にはゴルフに出かけるのが趣味の1つでした。

その日は初夏を迎えた7月の中旬で、ゴルフをするには少し汗ばむ陽気でした。連休だったためかゴルフ場はいつもより混雑気味。スタートは午前9時。簡単な運動をしてから、気の合う仲間といつものように冗談を言いながら、プレー開始。

1ホール目の最後のパットを打ったとき、肩から背中にかけて少し痛みを感じ、50cmほどの簡単なパットを打ち損じてしまいました。

冷や汗のような妙な汗が流れ、あれ、おかしいなと思いましたが、まあそんなこともあるだろうと気を取り直し2ホール目。日差しが強くなってきたと感じた第一打。ドライバーを大きく振りかざした瞬間、事態は起こりました。

クラブを大きくスイングしたその瞬間、Bさんは胸を激しく打ち叩かれたような衝撃と激痛を感じ、クラブを放り投げ胸の辺りを押さえながらその場に倒れ込んでしまいました。

一緒にラウンドしていた仲間がかけ寄り、胸の痛みを訴えて倒れたことから心筋梗塞ではないかと判断。すぐさまクラブハウスに連絡し救急車を要請。

クラブハウスの係りの人が機転を利かし、備え付けのAEDを持って駆け寄り、手順に沿ってAEDを操作。同時に心臓マッサージなどを行いました。5分ほどで救急車が到着し付近の総合病院へ緊急搬送。15分ほどで病院に到着しすぐに緊急の処置が行われました。

たまたま倒れたのがゴルフ場であったことや周りの人たちの迅速な救行動が功を奏し、一命を取り留めることができました。

命を落としたAさんと死の淵から生還したBさんの違い

さて、この二人の違いはどこにあったのでしょう?状況を整理すると次のようになります。

Aさん(50歳 営業職)

  • 12月初旬、夜8時頃、忘年会に向かう途中で発症
  • 突然、胸に激痛が起こった
  • からだに異変が起こってから病院で処置を受けるまでに1時間以上要した
  • 忘年会シーズンで宴席が続き疲労やストレスが蓄積していたと推測できる
  • 日常的に飲酒や外食が多い生活習慣が続いていた
  • 仕事へに対する情熱や責任感が強くバリバリがんばる性格
  • 持病は特に自覚なし

Bさん(48歳 事務管理職)

  • 7月中旬、朝9時頃、ゴルフのラウンド中に発症
  • 突然、胸に激痛が起こった
  • からだに異変が起こってから処置を受けるまで15分程度
  • 発症直後にはAEDで緊急処置が行われた
  • 事務管理職で疲労やストレスは比較的少ないと推測できる
  • 外食はほとんどせず、日頃から食生活には気をつけていた
  • 糖尿病の持病あり

今までにない激しい胸の痛みがサイン!心筋梗塞の特徴的な症状

先ほどのたとえ話にもありましたが、心筋梗塞は発症直後には、次のように表現される今までにない激しい胸の痛みが起こることが症状の特徴です。

  • 焼け火鉢を胸に突き刺されたような激しい痛み
  • 鉄の爪で心臓を引き裂かれるような痛み
  • 胸を押しつぶされるような激しい痛み

こうした激しい痛みが起こった場合、かなり高い確率で心筋梗塞が疑われます。どんな人でも、こうした症状の特徴をあらかじめ知っておくと知らないのでは、突然の事態において、冷静に対応できるかどうかに関わってきます。

命を救ったのは処置するまでの時間!1分でも早い処置が命を救う

心筋梗塞の発作が起こったら1分でも早く救急処置をすることが命を救うことにつながります。先ほどの例でも、Aさんは処置が行われるまで1時間以上かかり、Bさんは15分で処置が行われました。この数十分の違いでさえ命に関わるといえます。

その理由は、心筋梗塞は心臓の血管が詰まり心臓の筋肉や組織が壊死する病気だからです。心臓の壊死は時間の経過とともに拡大するため、血流を再開させるまでの時間が短ければ、それだけ壊死する部分を少なくくい止めることができます。

心臓の壊死を防ぐためには、1分でも1秒でも早く緊急の処置をして心臓の血流を再開する必要があります。

AEDは迷わず使え!1分につき死亡率が10%ずつ高くなる

公共施設や駅、ゴルフ場などの施設にはAED(自動体外式除細動器)が置かれていることが多くなっています。心筋梗塞が起こると心臓が痙攣を起こし、血液を送り出すポンプの働きが停止してしまいます。これを心室細動といいます。

心室細動が起こると実質的に心臓が停止したのと同じことになるので、命に関わる状態状態に陥ります。

心臓の機能が停止してから、1分経つごとに10%ずつ死亡率が高くなるといわれています。つまり、生死を分ける時間は、5分経てば50%の確率にまで低下してしまうのです。ですから、1分でも1秒でも早く心臓の蘇生を行う必要があります。

こうした場合、AEDを使い電気ショックを与えることで心臓の動きを蘇生させる処置をすることが必要になります。

AEDは一般の人でも機器に記載されている方法と手順によって、誰でも比較的簡単に使用することができるようになっています。誰でも迷わず使うことが命を救うのです。自治体などで事前に講習を受けることもでき、万が一のときのために備えておくことが大切です。

冬は夏の1.5倍の発症率!心筋梗塞が起こりやすい時期と時間帯

心筋梗塞はいつどこで誰に起こっても不思議ではない発作です。しかし、統計的には、夏より冬の方が1.5倍も発症する確率が高くなります。さきほどのAさんのケースにあてはまります。

この理由は、気温が寒いと血管が収縮し血圧が上がり、血圧が上がると血管壁に溜まったコレステロールなどの塊が壊れたりはがれたりしやすくなり、血栓ができやすくなるからです。

さらに、血管が収縮すると血管の内腔が狭くなるため、小さな血栓でも血管が詰まりやすくなることも影響しています。

ただし、夏の場合でも発汗によって血液が濃縮され、いわゆる血液がドロドロの状態になれば、夏場でも心筋梗塞が起こりやすいといえます。さきほどのBさんの例にあたります。

また、時間帯別でみると午前8~10時頃と夜7~10時頃に心筋梗塞が起こりやすいとされています。AさんもBもこの時間帯に発症しています。

朝の時間帯はからだが動きだしたばかりで、心臓の働きがまだ鈍いためトラブルが起こりやすいのです。また、夜の時間帯はからだの疲労が溜まり心臓にも負担がかかりやすくなるためと考えられます。

心筋梗塞は冠動脈の動脈硬化で起こる!原因は食生活とストレスにあり

心筋梗塞を起こす人のほとんどは、血管にコレステロールなどが蓄積する動脈硬化の状態になっています。Aさんのように日常的に飲酒や外食が多くなると栄養のバランスが崩れやすくなり、血液中の悪玉コレステロールが血管に溜まりやすくなるのです。

血管にコレステロールが蓄積し塊になれば、それが血栓となって心臓の血管を詰まらせる原因になります。

心臓へ豊富な酸素と栄養を送り届ける役目をしている冠動脈血管という心臓の動脈に、動脈硬化が起こり内側の壁が狭くなることで発作は起こります。

冠動脈血管は大動脈などのように太い血管ではないので、プラーク(内膜にできる病巣)が発生し動脈硬化を起こすことはとても危険なのです。

心筋梗塞は冠動脈が完全に閉塞してしまうほどプラークや血栓がつまった状態であり、血液はほぼ流れない状態です。

心筋梗塞の冠動脈の状態

心筋梗塞の発作は突然起こるのですが、それよりかなり前の段階から動脈硬化が進んでいることが、心筋梗塞が起こる真の原因といえます。

ストレスが多いほど心筋梗塞のリスクも大きくなる

脳や体にストレスがかかると自律神経のうち交感神経の働きが優位になるため、血圧や心拍数が高い状態が続くことになります。こうした状態は心臓の働きに大きな負担をかけることになります。例えていえば、心臓が常に全力疾走している状態です。

また、血圧が高い状態が続くと血管に強い圧力がかかるため、血管の壁に細かなヒビが入り血管が傷むことになります。血管が損傷している部分にはコレステロールなどが溜まりやすくなるので、動脈硬化がより進行しやすくなります。

つまり、ストレスが多い生活を続けていると、心臓に負担をかけたり血管が傷みやすくなったりするので、心筋梗塞を起こしやすい状態になってしまうのです。

ストレスには性格も影響する!性格タイプA型とB型

温厚な人より気性の荒い人のほうが、動脈硬化を引き起こしやすいことも知られています。競争心が強く何ごとにも熱心で活動的な人を性格のタイプとしてA型の性格といいます。(血液型のことではありません)

一方、温厚でおおらか、感情を表に表わさない人をB型の性格といます。心筋梗塞になりやすいのは、圧倒的にA型性格の人です。性格と心筋梗塞とは関係が内容に思うかもしれませんが、自分の性格の特徴を正しくとらえることも病気の予防につながります。

持病と心筋梗塞との関係!己を知れば予防意識にもつながる

心筋梗塞は基礎的な疾患(持病)や習慣があると、発症するリスクが高まります。たとえば次のような場合、心筋梗塞のリスクは高まります。

  • 高血圧
  • 脂質異常症(高脂血漿)
  • 糖尿病
  • 肥満
  • 喫煙の習慣

先ほどのAさんとBさんのケースをみると、持病のあったBさんのほうが、持病がないAさんよりも心筋梗塞のリスクは高いはずです。しかし、Bさんは自分が糖尿病の持病を持っていることを正しく自覚して、食事や運動など日常生活の改善に取り組むきっかけとしていました。

この心掛けが大切で、持病があってもそれを機に生活習慣に気をつける人と、持病がないからといって生活習慣が乱れ、健康に気をつけない人では、日常の生活習慣での意識が異なります。

場合によっては、持病の1つくらいあったほうが、生活習慣への意識が高まることもあり、そのほうが良い意味での動機づけになることもあるでしょう。己を正しく知ることでたとえ持病があってもプラスの方向へ転じさせることもできます。

自分の現在の心筋梗塞のリスクはどれくらいか?

心筋梗塞は発病に至るまでにさまざまなリスクが関係しています。心筋梗塞がいつ起こるのかは誰にも分からないことですが、現在のからだの状態やこれまでの生活習慣から、今現在でのある程度のリスクを把握することは可能です。

その1つの方法として、「冠動脈疾患死亡リスク評価チャート」(出典:NIPPONDATA)があります。こうしたリスクチャートを活用し、現在の生活習慣を見直すきっかけにすることも大切です。

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心筋梗塞でも痛みの症状がでない!?無痛性心筋梗塞の場合にも要注意

心筋梗塞の特徴的な症状として、今までに感じたことのない激烈な胸の痛みが起こると述べましたが、同じ心筋梗塞でも痛みの症状がそれほど起こらない無痛性心筋梗塞(無症候性心筋梗塞)という場合もあるので注意しなければいけません。

無痛性心筋梗塞は、高齢者や糖尿病の患者などで神経の感覚に麻痺が起こっている場合、心筋梗塞が起きても痛みの感覚をそれほど感じないというものです。

こうした場合には、心筋梗塞の発作が起こっても自分では心筋梗塞であると気づかずに処置が遅れてしまい、そのまま命を落とすことにもなりかねません。

無痛性心筋梗塞の場合は、次のような細かなサインを見逃さないことがとても重要になります。

  • 暑くもないのに冷や汗がでる
  • 胸や腹に感じるむかつき
  • めまいや吐き気
  • 顔面蒼白になる
  • 全身のだるさ

リスクチャートなどでリスクの高かった人で、高齢者や糖尿病の持病がある人は、こうした症状を見逃さないようにすることが大切です。

狭心症と心筋梗塞の違いは?冠動脈の閉塞率

心臓の血管が詰まって起こる病気に、狭心症があります。心筋梗塞は血管にこびりついたコレステロールなどによって心臓の冠動脈が完全に閉塞したときに起こります。

一方、狭心症は血管が完全に閉塞しないまでも、およそ75%程度閉塞した状態になると胸の痛みや締めつけられたような感覚が起こります。

狭心症と心筋梗塞の血管の比較

但し、狭心症は心筋梗塞のような壮絶な痛みが起こることはほとんどなく、比較的自覚症状は軽いものです。

狭心症は動脈硬化がかなり進んでいる証拠ですし、心臓に送る酸素や栄養が十分に送れなくなるわけですから、心臓に負担をかけることには変わりありません。

狭心症と分かった時点で、これを機会に生活習慣などを見直し動脈硬化の進行を防ぐことが大切です。

命に関わる心筋梗塞を防ぐために!すぐにでも行うべきこと

心筋梗塞は知らないうちに動脈硬化が進み、ある日突然発症し命にも関わる怖い病気です。心筋梗塞から命を守る方法はないものでしょうか?

心筋梗塞につながる動脈硬化につながる要素は大きくとらえて、次の4つの要因が関係しており、それぞれが重なるほど心筋梗塞のリスクも高くなるので「死の4重奏」ともいわれます。さらに喫煙の習慣がある場合は、死の5重奏ともいえます。

  1. 高血圧
  2. 脂質異常症
  3. 肥満
  4. 糖尿病
  5. 喫煙

これらのリスク要因は、健康な人に比べてそれぞれが1つにつき心筋梗塞のリスクを3倍に高めるといわれています。例えば、高血圧がある人は健康な人に比べて心筋梗塞を発症するリスクが3倍になります。

さらに高血圧に加えて脂質異常症もある場合は、3倍×3倍=9倍となり、健康な人に比べて9倍リスクが高まります。1つでもリスク要因が加われば、さらに3倍ずつ累積していくことになります。

しかし逆に考えれば、これらのリスク要因を1つでも減らすことができれば、トータルのリスクは3分の1ずつ減らすことができます。

心筋梗塞を防ぐには、これらのリスク要因を1つでも減らすことと、リスク要因をそれ以上増やさないように予防することが何より大切なのです。

1.高血圧の予防

私たち日本人が主食としている和食には、健康に良い部分もたくさんあるのですが、世界的にみると塩分の濃い食生活であることは否めません。味噌や醤油を味付けに使うことや、干物や味噌汁、漬物など伝統的な食文化には塩分の強いものが多いのです。

WHOは塩分摂取の基準として1日あたり6gまで制限することを推奨しています。これは日本人にとってはかなり厳しい基準です。そこで厚生労働省は塩分を1日10g以内とするように指導しています。

これでもかなり高いハードルですが、心筋梗塞など命に関わる疾患をよぼうするためには、できる限り1日10g以内を目標にします。具体的にはつぎのようなことを心掛けましょう。

  • 薄味に慣れる
  • 塩や醤油を使う代わりに素材の味や旨みを活かす
  • 酸味を使い塩分を減らす
  • 塩分を排出する野菜や海藻類をたくさん摂る
  • 塩分が濃くなりがちな外食や加工食品を控える

2.脂質異常症の予防

脂質異常症も動脈硬化を引き起こす大きな要因の1つです。脂質異常症は血液中の悪玉コレステロール(LDL)と中性脂肪が増えることによって起こります。脂質異常症を改善するには次のことに注意しましょう。

  • 過食をしない(食べ過ぎない)
  • 牛、豚、鳥など動物性脂肪を取り過ぎない
  • 卵やレバーなどコレステロールの多い食品を減らす
  • コレステロールを排出する野菜や海藻を多く摂る
  • 歩いたり、からだを動かして運動不足にならない
  • 規則正しい生活を送る

3.肥満の解消

肥満も心筋梗塞を起こす要因の1つです。肥満は、過食やカロリーの高い食事、運動不足などによって起こります。自分の肥満の程度を知るには、BMIという数値を参考にします。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の式で求めることができます。

BMIが25以上であれば、肥満と判断され、BMIが25未満になるようにする必要があります。

肥満を解消やダイエットの方法は、世の中に数え切れないほどありますが、1つだけいえることは、食べないダイエットは必ず失敗するということです。

食事を抜いたり極端に食べる量を減らすと、消費カロリーを減らすために代謝が落ち、逆に痩せにくくなります。筋肉量も減りストレスもかかるので、結局失敗します。

体重を減らす鉄則は、食べる内容を替えるということです。野菜や海藻をたくさん摂り、肉や炭水化物を減らす食事を3食きっちり食べるだけでも効果がでてきます。

無理なダイエットを急激に行うのではなく、できるダイエットを長期間続けることのほうが、健康的で確実に体重を減らすことができるのです。

4.糖尿病の予防

心筋梗塞を発症した人のうち、およそ40%の人が糖尿病であるといわれています。糖尿病は動脈硬化を進行させる最も悪い疾患ともいえます。ですが、糖尿病を自覚ししっかりと血糖値をコントロールすれば、それほど怖い病気ではなくなります。

糖尿病で最も悪いのは、本当は糖尿病なのに糖尿病だと気づかないで生活している人や糖尿病の治療をせず、ほったらかしにしている人です。こうした高血糖状態を放置している人は、動脈硬化が急激に進行していきます。

年に1回は健康診断を受け、糖尿病のリスクがないか調べることや、血糖値が高い人は専門医の指導を受ける必要があります。糖尿病は自分だけで改善できるほど簡単な病気ではありません。栄養士から指導を受け食生活全般の改善を行ったほうが良いでしょう。

5.禁煙も必要

タバコのパッケージにも警告文が表記されているように、喫煙は心筋梗塞のリスクを大きく高めます。タバコには60種類以上の発ガン物質や有害物質が含まれており、心筋梗塞を引き起こす引き金になります。

その中でもとくにニコチンには、次のような心筋梗塞のリスクを高める作用があります。

  • 血管を収縮させ血圧を上げる
  • 心拍数を高め心臓に負担をかける
  • 悪玉コレステロール(LDL)の濃度を高める
  • 中性脂肪の濃度を高める
  • 血液をドロドロにし血栓ができやすくなる(血小板の凝集を亢進する)

また、タバコの煙には一酸化炭素が含まれており、一酸化炭素は酸素と結合しやすい性質があるため、本来心臓へ送るべき酸素の量を減らしてしまいます。それ自体が心筋の虚血につながり、心臓の機能そのものにも悪影響を与えます。

心筋梗塞はある日突然起こる病気ですが、その背景にはそれまでの生活習慣が大きく関わっています。緊急時の対処法を身につけるとともに、日常での生活習慣にも目をむけ、危険因子を1つでも減らすよう心掛けることが大切です。

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