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発見不能の高脂血症?食後の中性脂肪上昇は心疾患のリスクを向上

毎年のように健康診断や人間ドックを受診されている人は多いと思います。このような検診で重要視されているのが血液検査であり、検査によって血糖値や腫瘍マーカーなどの数値に異常がないかを調べるのです。

面白いもので普段は節制もせずに生活しているのに、血液検査の結果が良ければ嬉しいし、悪ければなんとなく憂鬱な気分になってしまいますよね。血液検査は私達の健康を調べる上で重要な指針となりますが、本当にその精度に疑問の余地はないのでしょうか?血液検査に問題が無ければ、本当に健康体と胸を張ることができるのでしょうか?

健康診断の血液検査は様々な異常を教えてくれる

健康診断で行う血液検査には、どの様な検査項目があるのでしょうか?血液からは身体の異常を示す様々なデータが得られます。医師はそのデータを読み解いて、その人が健康体なのか、そうでないかを見分けることになります。

検査で抜かれる血液はあんなに少ないのに、その中には色々な秘密が隠されていたのです。血液検査で分かる代表的な情報を紹介します。

コレステロール(脂質)量に関する項目

健康診断における検査項目として脂質異常は重要な検査項目の一つと言えます。この検査は血液中のコレステロール(脂質)の量を測定することで、コレステロールが原因で発症する病気を予防することを目的としています。

コレステロールは細胞膜を構成したり、ホルモンを生成したりする上で重要な働きを行いますが、量が増えすぎると血管に沈着して梗塞を引き起こす可能性があります。この検査で予防可能な病気を紹介しましょう。

  • 高血圧(血管内の血液の流れる圧力が高い症状)
  • 動脈硬化(動脈内に脂質が付着して硬くなったり、弾力性が失われたりする症状)
  • 狭心症(心臓の血管が狭くなる事で栄養が不足して機能不全に陥る症状)
  • 心筋梗塞(心臓の血管が閉塞してしまい心臓の筋肉が壊死してしまう症状)
  • 脳梗塞(脳血管が閉塞してしまい脳細胞が壊死してしまう症状)

一般的には血液検査でコレステロールの量が適正であれば、このような病気のリスクが少ないと考えられることから重要検査項目となっているようです。

血糖値に関する項目

この検査は糖尿病の判定に使用される項目で、血液中の糖の量を測定することで判定されます。実際にはヘモグロビンA1Cを測定することで、血液中の高血糖の持続時間を予測して、数値が高い場合は糖尿病の可能性が高いと診断されます。

糖尿病はインスリンの分泌異常で起こる病気ですが、早期発見により治療が可能な病気です。その上では毎年の血液検査で異常が見つかった際には、すぐに対処を行うことが重要です。

肝臓の機能に関する項目

肝臓は肝(きも)と言うだけあって、臓器の中でも重要な働きを持っています。その肝臓の状態を調べることが血液検査で可能です。実際にはALT、AST、γ-GPTなどですが、肝臓の機能に問題があれば、これらの数値に異常が見られることになるのです。

最近ではアルコール性の脂肪肝による肝機能低下が多いようで、放置する事で「肝硬変」「肝臓ガン」に進行する可能性もあることから、血液検査の中でも重要項目となっています。

その他の検査項目とは

これら以外にも、血液には様々な情報が隠されています。特に直接見ることができない臓器の状態を知る上では、血液検査は最も簡単な検査方法となり、精密検査へのきっかけとしても利用されているのです。

  • 痛風の原因である尿酸値を調べる項目
  • 腎臓の機能を調べる項目
  • 細胞で炎症が起きているかを調べる項目
  • 免疫力の異常がないかを調べる項目
  • ガンなど腫瘍がないかを調べる項目

このように、様々な身体の異常を知ることができる血液検査ですが、異常がなければ本当に安心して良いのでしょうか?実はちょっと気になる話があったのです。

血液検査で見つけられない異常があった

健康診断で自分の血液に問題が見つからなければ、「やったー健康体だっ」と喜んでしまうのも仕方がないことです。実際、上記した通りに様々な検査項目が含まれており、それに異常がないのだから事実的に健康体と考えても良いのですから。

しかし、血液検査の検査項目にありながら、発見できない異常があるということをご存知でしたでしょうか?

発見不能のコレステロール異常がある

心筋梗塞のような心疾患は、突然のように発症します。いきなり胸が締め付けられるように痛んだり、痛みと共に脂汗が止まらなくなったりするのですが、意識を失い命まで奪われてしまうことも多いようです。

このような症状は、コレステロール異常による高脂血症が引き金になることが多いのですが、健康診断では血液に問題なしと診断されていた人も含まれています。つまり、血液検査では血液中のコレステロール値に問題はないのですが、実際にはコレステロールが沈着しており、血管を塞いでしまっていたのです。

血液検査を信じている人にはショックな話なのですが、実際には検査によっても分からないコレステロール異常が存在していたのです。

謎のコレステロール異常は血液検査の方法に問題があった

それでは、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?前述した通りコレステロール値の異常は、血液検査の検査項目としてピックアップされています。この検査で異常が見つからない場合、血液中に含まれる脂質量が適正なので、高脂血症になる訳がありません。

いったい何が問題なのでしょうか?その秘密を解く鍵が血液検査を受ける前の状況にありました。一般的な人間ドックの場合、検査日の前日からちょっとした制限がかけられることが多いようです。

「検査前日は夕食を21時までに済ませて、それ以降は検査日当日の朝も絶食すること」

このように、人間ドックでは血液検査前の12時間を絶食させることが多いのです。これは血液検査の精度を上げるために行うもので、一番落ち着いた状況で血液採取をすることが目的となります。しかし、ここに盲点がありました。

実はコレステロール異常の中には、平常時は問題ないのですが、食後にだけ中性脂肪の量が急激に増加してしまう症状があったのです。この症状は「食後高脂血症」と呼ばれており、通常の血液検査では発見できないことが特徴となります。

食後高脂血症では食後に健康な人と比較して、大幅に中性脂肪の量が増えますが、8時間から10時間で健康体と変わらない数値に戻ります。通常の血液検査では12時間以上絶食させることが大部分なので、血液検査を行う時点では異常が見つからないのですね。

検査に隠された高脂血症はこんなに怖い

高脂血症とは「血液中に含まれるコレステロール(脂質)が高い」ことを意味していますが、問題なしと思っていてもこのような症状が出ることがあるのです。食後高脂血症の場合は、数時間後に健康体と変わらない数値に戻るのですが、その危険性は通常の高脂血症となんら変わりがないようです。

コレステロールの一種である中性脂肪は食後に血液中へと流れ込みます。これを酵素の働きで脂肪酸に分解してから、各細胞へエネルギーなどとして使用されます。この段階で中性脂肪の量が多かったり、酵素の働きが弱かったりすると、血液中にある中性脂肪が処理しきれずに高脂血症が発症するのです。

分解されずに血液中に残った中性脂肪は血管内に残り、血管壁に付着したり入り込んだりすることによって、血管が狭く硬くなる症状を引き起こすのです。これが「動脈硬化」と呼ばれる病気であり、心疾患のリスクを向上させる直接原因と考えられます。気が付かない間に動脈硬化が進行していると思ったら、本当に怖いことですよね。

食後高脂血症の発見と予防法

通常の血液検査では食後高脂血症をなかなか発見することは難しいのですが、ちょっとしたポイントを理解することで、自分がそうなのか気が付くことが可能です。

体型の変化には注意

血液検査では問題は見つからないのに、最近急激に太った人はいませんか?同じ食生活を送っていて、急激に体重が増加することは、中性脂肪の分解が追いついていない可能性があります。

「最近太ってしまったけど、健康診断では問題なかった!」って喜ぶ前に、食後高脂血症を疑いましょうね。体重が100kg以上もあって太っているにも関わらず、血液検査は異常なしという人を見かけますが、このような人は食後高脂血症の疑いがあると言えます。

内臓脂肪は食後高脂血症のサイン

血液検査には問題ないのに、内臓の超音波診断で「内臓脂肪」を指摘されたことはありませんか?そもそも血液検査に問題がないのに、脂肪肝などの内臓脂肪が多いのは不思議な話ですよね。このような人も食後高脂血症の疑いがありますので、精密検査を受けることをオススメします。

食後高脂血症を予防するには

食後高脂血症を予防するには大きく考えて二通りの方法があります。一つは「脂肪分が多い食事を減らすこと」、二つ目が「中性脂肪の分解を促進すること」になります。一つ目の「脂肪分が多い食事を減らすこと」は食事制限を意味していますが、特に30歳以降は20歳代と同じ食生活では、どうしても脂肪の摂取が多くなりがちです。

食事内容には十分注意して、脂肪分の食べすぎには気をつけるようにしましょう。そして二つ目の「中性脂肪の分解を促進すること」は、中性脂肪を分解する酵素を活性化させることが必要になります。実はこの酵素、筋肉量を増やすことで増加することが分かっています。

つまり、筋肉を鍛えることで酵素の量も増えて、血液中にある中性脂肪をどんどん分解してくれるようになるのです。また筋肉を鍛えることは内臓脂肪の燃焼にも繋がり、生活習慣病の予防効果も期待できます。

運動は有酸素運動を基本に考え、軽いランニングやウォーキング、水泳などを一日30分程度行うことを意識して下さい。本格的な筋肉トレーニングや無酸素運動は、効果が薄いので行う必要はありません。筋肉量が増えてくると必要になるエネルギーも増加し、中性脂肪を分解する酵素も活性化しますので、効果も上がるという訳なのです。

健康診断は絶対ではないことを理解しよう

毎年の健康診断に一喜一憂する人もいますが、健康診断は絶対ではないことを理解することが必要です。食後高脂血症のようにタイミングによって起こる症状もあり、別のタイミングではなかなか見つかりにくい異常もあるのです。

内臓脂肪が多くあり太っているのに健康体って本当にあるのでしょうか?一度自分の身体を見直して考えてみるのも良いかも知れませんね。

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