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鎮痛剤が血圧の薬の効きめを悪くする?!実はこんな影響があった

歳を重ねるにつれて、膝や腰に痛みが出てしまうことが多くなります。また血圧も、若い頃に比べて高くなってしまっているでしょう。血圧を下げる薬を飲んでいるという人も、多いかもしれません。

いつも血圧の薬を飲んでいる人が、膝に痛みを感じるようになったために整形外科を受診し、鎮痛剤を出してもらう、ということもよくあるでしょう。この時、血圧の薬と鎮痛剤を一緒に飲むと、血圧の薬の効きめが悪くなってしまうことがあるんです。

血圧の薬の効きが悪いということは、薬を飲んでいても、いつもより血圧が上がってしまうかもしれないということです。どうしてそんなことが起きてしまうのでしょうか。

鎮痛剤で血圧が上がることあり

一口に鎮痛剤と言っても、いろいろな種類があります。この中で「非ステロイド抗炎症薬」と呼ばれる鎮痛剤では、副作用で血圧が上がってしまうことがあるのです。非ステロイド抗炎症薬に分類される鎮痛剤は、ボルタレン・ロキソニン・ブルフェン・インダシンなどたくさんあります。

よく使用される鎮痛剤のほとんどは、非ステロイド抗炎症薬と言ってもよいでしょう。カロナール(成分:アセトアミノフェン)もよく使われる鎮痛剤ですが、これは非ステロイド抗炎症薬には分類されません。

鎮痛剤で血圧が上がると言っても、1回飲んですぐ大きく上がってしまうというわけではありません。短期間だけ飲むというくらいでしたら、心配する必要はありません。長期間飲み続けてしまうと、血圧がやや上がってしまう可能性があるのです。

これは鎮痛剤の作用の仕方に原因があります。痛みを止めるための働きが、一方で血圧を上げてしまう可能性もあるのです。余談ですが、これとは逆にボルタレンやイブプロフェンには、血圧を下げてしまう副作用もあります。

これらの薬を、熱を下げることを目的として使った場合に、血圧が下がってめまいが起きたりすることがあるのです。この場合の副作用、は薬を使ってから比較的すぐに起き、また一時的なもので数時間すれば落ち着いてきます。この血圧低下の副作用は、特にボルタレンンの坐剤で起きやすいようです。

なぜ鎮痛剤で血圧が上がるのか?

では、なぜ鎮痛剤で血圧が上がってしまうのでしょうか。それには鎮痛剤の作用の仕方が問題になります。

痛みの起きる理由と鎮痛剤の働き方

体のどこかが傷つくと、体は「プロスタグランジン」という物質を作ります。このプロスタグランジンこそが、痛みや炎症の原因となる物質です。別の物質に作用して通常よりも痛みを感じやすくさせたり、炎症を起こすことで熱や腫れなどの症状も出ます。

痛みや炎症が起きてしまうのは、体が自分自身を守ろうとするからです。痛みがなくては自分が傷ついたことに気づけませんし、炎症は自分自身を治していこうとする途中で起きてしまっているものです。全て、理由があって起きていることなのです。

とはいっても、痛みを抱えたまま過ごすのは辛いです。痛みがあることがストレスになってしまいます。そのためには鎮痛剤が有効でしょう。鎮痛剤はプロスタグランジンを作らせないように働きます。

体がプロスタグランジンを作れなくなると、痛みを感じにくくなり、炎症も起きにくくなるのです。こうして痛みを止める効きめを発揮します。

鎮痛剤は良い面ばかりじゃない

鎮痛剤により痛みや炎症が治まって、これで終了すれば良いのですが、そうはいきません。実はプロスタグランジンがなくなると、血管が閉じてしまったり、水分やナトリウムが体の中にため込まれてしまったりするのです。

血管が閉じると血圧は上がってしまいます。また水分が体の中に多くなると、体を巡る血液の量も増え、同じ太さの血管を通るために、今まで以上の圧力がかかってしまいます。つまり血圧が上がるのです。これが鎮痛剤によって血圧が上がってしまう原因です。

鎮痛剤の作用によりプロスタグランジンが作られなくなって痛みを感じなくなる一方で、そのせいで血圧が上がってしまうのです。ただし急性の痛みに、短期間だけ鎮痛剤を使うのでしたら問題ありません。

短期間に飲むだけなら血圧が急に上がってしまう心配はないですし、辛い痛みを我慢しているほうが血圧が上がってしまいます。痛みで眠れなくなることもあります。問題になるのは、それほどひどい痛みでないのに、長々と鎮痛剤を飲み続けた場合です。

半年とか1年といった単位で、ずっと鎮痛剤を続けるのは控えたほうがよいかもしれません。痛みがひどくない時には飲まないようにしたりしてください。慢性的な痛みは温めると楽になることもあります。症状にもよりますが、お風呂でゆっくり温めたりすることで痛みがやわらげば、鎮痛剤も減らせるでしょう。

血圧の薬と鎮痛剤を一緒に飲むと…

血圧の薬にもいろいろな種類があって、その作用の仕方はそれぞれ違います。そしてその中には、血圧を下げる作用をしていく途中で、プロスタグランジンを作ってしまうものもあるのです。

また他には、体の中の水分やナトリウムをなるべく外に出すことで、血圧を下げる効果を現すものもあります。これらの作用は、非ステロイド抗炎症薬の作用の仕方と全く逆なのです。このようなことから、鎮痛剤は血圧を下げる薬の効きめを悪くしてしまいます。

ずっと血圧を下げる薬を飲んでいた人が突然鎮痛剤を飲み始めてしまうと、気づかないうちに血圧が上がっていたということもあるのです。(大きく上がることはありません。)ただ、だからといって痛いのに、鎮痛剤を我慢したりはしないでください。

辛い痛み我慢することでも血圧が上がってしまいます。新たに鎮痛剤をもらう時には、血圧の薬をもらっていることを伝える、また血圧の薬をもらっている病院では、新しく鎮痛剤を飲み始めたことを伝えるようにしてください。薬局でも同じことを伝えてください。そして血圧の変化には気をつけるようにしましょう。

それぞれ対策はあります

「血圧の薬をずっと飲んでいるけど、痛みもあるから鎮痛剤も飲みたい」と、こんなこともあるでしょう。その場合には鎮痛剤の種類を変えたり、血圧の薬の種類を変えたりということで、対策ができます。カロナールは鎮痛剤ですが非ステロイド抗炎症薬ではありません。

血圧を上げてしまう作用はなく、血圧の薬と一緒に飲んでも、その効きめを悪くすることはありません。また血圧の薬のうち、カルシウム拮抗薬に分類されるものは、鎮痛剤の作用に影響がありません。一緒に飲んでも大丈夫でしょう。このように対策はあるのですから、心配はし過ぎないでください。

ただ鎮痛剤を使い過ぎることには注意してください。鎮痛剤は痛みがなくなれば必要ありません。それぞれの症状に対しては医師の指示に従っていただきたいですが、それほど痛みがないのに長々と使い続けたりはしないようにしてください。

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