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新薬が開発するまで:臨床試験・治験はこのように行われる

みなさんは、病気や体調不良になると検査や診断・治療を行うためにクリニックや病院を訪れると思います。診察の後、採血(血液検査)や心電図検査(生理学検査)、MRI・CT検査等の画像診断検査などを実施することがあると思います。

また、これらの検査の他に血液ガス検査・内視鏡検査等、多岐多様にあります。全ての医療行為は医師であればできますが、診察が仕事なので、検査自体は各技師に任されています。


これら検査のこと全般に『臨床検査』と呼びます。特に、血液検査の検査項目から読み取れるデータは膨大で、医師はこれらを総合的に解析して、最終的な結果である『病名』を確定します。

診察では読み取れない所見を臨床検査等行うことで、より精密に数値や画像として客観的に解き明かしていくことが、医師の醍醐味でもあり腕の見せ所です。

医療は、医師がすべての指示(検査・処置等)を出さないと医療行為をやってはいけないことになっています。診察をして、医師の指示が出ないといくら看護師等スタッフがいても、何もできません。

臨床検査と治療

血液検査でいえば、数値が小数点2位まで取り扱うような、少量で体に影響が出てしまう検査(例:腎機能を見るためのクレアチニン等)の精度というのが非常に大切になります。その数値を信頼できるかということです。

これらは、すべての医療機関において独自に『精度管理』という作業を徹底的に行っています。抜き打ちで血液検査・尿検査等を行い、いつも同じ数値が出るのかという作業を行います。

医療機関によって、若干数値が違いますが、これは分析する検査機器と試薬(検査する検査項目によって数値が変わります)によって変化します。

これらに関して代表的な血液検査に関しては日本全国で分析する方法を統一することも実施されています。これらの検査数値の精度が失われると、医療そのものの信頼性が揺らいでしまうので、非常に重要なことです。

脂質・肝機能・糖代謝検査などがそれにあたります。これらの数値を見て医師は様子を見るのか、薬を出して数値を抑えるべきなのか、入院させなければならないのか判断することになります。

臨床試験と治験

臨床検査は、長年の研究と医療現場の膨大なデータに基づいて確立された検査です。しかし、現代は未知の病気や多種多様な症状に悩まされる患者がたくさんいます。

これらを解決しようとするものが臨床研究・臨床試験になります。臨床研究は、臨床試験・治験等をすべて包括する症例報告や研究をすべて指します。これら、臨床研究で確証が固まったら、臨床試験に入ります。

新薬の方が効きもよく、副作用が少ないという薬の開発は、このような地道な努力による臨床研究の賜物と言えるのではないでしょうか?

・臨床試験

臨床試験は健常者及び患者に対して、新薬の開発に限らず治療を含めた試験のことです。当然、患者には医師から事前に臨床試験の趣旨と効能・副作用等を承認したうえで実施することになります。

医師は、その薬の追跡調査等をおこない、効能の確認等を行います。通常、厚生労働省に届け出は必要がなく、病院独自で試験を進めます。

・治験

それに対し治験は、新薬を開発するためだけの目的で臨床試験を行うもので、薬事法に則って勧められます。この試験で、主に製薬会社が開発した未承認薬・適用外薬の安全性・効果等を確認し、新しい薬として承認してもらうためのものです。

ひとつの薬が開発されるまでは、製薬会社が基礎研究からスタートして国に承認されるまでに、このように莫大な時間と費用が掛かります。そのため、新薬は薬価が高いわけです。治験は、4段階に分けて特定疾患の患者に対して臨床試験を行っていきます。

これら一連の流れの中で、医師・患者・看護師はもとより、治験コーディネーター(治験全体をコントロールするスタッフ)・臨床検査技師・薬剤師等スタッフが係わり、検討しながら行う大きなプロジェクトです。

これらの複雑な過程を経て、最終的に国に承認してもらうことになります。治験は、下記の4段階で実施されます。

・第一相(フェーズ1)

新薬治療に該当する患者数(少人数)で開始します。ここで、段階的に投与量を増やしたりして、薬の効果や適正投与量を調べます。

・第二相(フェーズ2)

第一相で効果や安全性が確認されたのち、もう少し対象人数を増やして同じように効果や適正使用量等を調べます。

・第三相(フェーズ3)

第二相で効果や安全性が確認されたのち、もっと対象人数を増やして同じように効果や適正使用量等を調べます。偽薬(プラセボ:まったく効果がない薬)や従来の薬との比較試験も行います。プラセボについては、実施する医師も患者も知りません。

・第四相(フェイズ4)

新薬が使用されてからの効果・安全確認の試験です。

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