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妊娠後期に湿布薬を使用すると、お腹の赤ちゃんに悪影響がある?

モーラステープとか、ミルタックスなどという貼付剤を病院でもらわれた方は多いと思います。効果があり、副作用も少なく、医師にとっても処方しやすい貼付剤の1つです。しかし、妊婦さんにとっては使い難い薬となりました。

妊娠後期の女性には使用禁忌

モーラステープ等の成分はケトプロフェンと言います。2014年、厚生労働省は妊娠後期の女性に対してこの薬の使用禁止、妊娠中期の女性に対しては、必要最小限の使用に制限する旨を添付文書に付け加えるように指示しました。

それまではそういう勧告はありませんでしたが、妊娠後期、中期の女性の、胎児に悪影響を及ぼす副作用の症例の報告が集まってきたことによる今回の対応でした。妊娠後期での使用による副作用症例は胎児動脈管収縮というものです。

胎児動脈管収縮とは?

動脈管とは肺動脈と大動脈をつなぐ血管です。胎児期のみにこの血管は開いており、出生後~12時間で閉鎖します。何故、胎児にだけこのような血管があるのでしょうか?胎児は羊水中では呼吸をしておらず、胎盤を通して血液中の酸素を供給しているので、血液が心臓から肺へ流れる必要がありません。

そのため、血液の一部は心臓から肺に行く肺動脈から肺には行かず、動脈管を通って心臓から全身に行く大動脈に流れます。胎児が子宮内にいる間は、血管拡張作用を持つプロスタグランジンなどで動脈管が開かれています。

しかし、妊娠後期に非ステロイド性抗炎症薬を全身に投与すると、プロスタグランジンの産生がブロックされ、胎児の動脈管が収縮し、胎児が死亡する場合があると、古くから知られていました。そのため、この薬の経口剤、注射剤等の使用は前から禁止されていました。

貼付剤も使用禁止

非ステロイド抗炎症薬の貼付剤などのように皮膚から薬が吸収される場合の作用は、局所のみにとどまると考えられていたので、今まで禁止とはなりませんでした。ところが、ケトプロフェンの貼付剤を使用した妊娠後期の女性で、前述した胎児動脈管が狭くなったり、閉じてしまったりした事例の報告が2014年1月までに4例ありました。

その中の1つ「1日1枚を1週間」という少量、短期間の使用での発生例であったために、妊娠後期の女性に対してこの製剤の使用禁止に至ったようです。

妊娠中期の女性の使用は?

妊娠中期の女性に対しては、ケトプロフェン製剤の貼付剤使用で、羊水過少症を生じた例が一例報告されました。そのため、今回の改訂指示において、妊娠中期の女性に対しては慎重投与ということになりました。

ケトプロフェン以外の貼付剤は?

この場合は、妊娠後期の女性に対しても使用禁止にはなっていませんが、ケトプロフェン製剤の事例を期に、添付文書には注意書きがされてあります。従って、ケトプロフェン製剤以外の貼付剤だからと安心せず、医師の指示通りの使用枚数を超えることが無いように気を付けましょう。

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