TOP > > 医療の歴史を変えた4つの薬を紹介

医療の歴史を変えた4つの薬を紹介

医学・薬学は休むことなく進化を続けています。医学・薬学が未発達だった時代には、ある種の疾患は罹患すると手の施しようがなく死に至る病として恐れられていました。

細菌やウィルスが原因となる疾患ではその地球規模の流行により人類が絶滅しても不思議でなかったかも知れません。近年でもインフルエンザの全世界的流行、パンデミックはその一例です。そのような危機から人類を救った薬剤についてその理由と歴史ともに振り返ってみたいと思います。

抗生物質

抗生物質とは、病気の原因となる菌などの微生物の増殖を抑えたり機能を阻害する薬です。抗生物質の発見される前。14世紀にヨ-ロッパを中心としてペスト(黒死病)が猛威をふるいました。

ペストとはペスト菌が原因でリンパ腺や肺などが障害を受け敗血症や呼吸困難を引き起こし死に至る疾患で感染すると皮膚が黒ずむことより別名黒死病とも呼ばれました。

14世紀末までの何回かの流行の繰り返しにより全世界で8,500万人の人が命を落としました。とりわけヨ-ロッパでは、当時のヨ-ロッパの人口の3割程度にあたる2,000万人から3,000万人が命を落としたと推定されています。もう少し流行が長引いていたらヨ-ロッパの人類は絶滅していたかもしれません。

そんな感染症から人類を救ったのが抗生物質です。世界初の抗生物質は1929年に発見されたペニシリンです。ペニシリンの発見は感染症の治療を一変させました。その後、他の様々な種類の抗生物質の開発と研究が世界中で一気に進みました。

その後の様々な抗生物質の開発により人類は、コレラや破傷風、赤痢と言った当時では死の病であった病気に打ち勝つことが出来るようになりました。

日本においても当時は死の病と呼ばれていた病気から日本人を救うことに貢献した抗生物質があります。それは結核に対するストレプトマイシンです。ストレプトマイシンの発見以前は多くの人が結核により命を落としていました。

第二次世界大戦前後の時期の日本人の死亡原因の第一位は結核でした。1943年に現れたストレプトマイシンにより結核は完治する病気となりました。

抗ウィルス剤

ウィルスが原因となって発症する疾患には身近なところではインフルエンザや風疹、ウィルス性肝炎などがあります。これらのウィルスの増殖を抑えて治療する薬が抗ウィルス剤です。抗ウィルス剤は、細菌などの細胞を直接攻撃して破壊する抗生物質とは作用が少し異なります。

インフルエンザを例に取るとインフルエンザウィルスは芯の部分がRNAによって構成されています。このRNAのコピ-を無数に作って増殖していきます。抗ウィルス剤はこのRNAを分解する酵素を活性化させてウィルスの増殖を抑えその数を減らします。

1900年代初頭、インフルエンザの一種であるスペイン風邪が世界的に大流行し6億人の人が世界中で感染しそのうち5,000万人が命を落としました。日本でも当時の日本の人口は5,500万人ほどでしたが39万人の人がスペイン風邪で命を落としています。

近年でもインフルエンザの大流行・パンデミックは発生しています。しかし抗ウィルス剤で適切に治療することにより短期間で完治することが可能となりました。

解熱鎮痛剤

鎮痛剤とは文字通り熱を下げたり痛みをやわらげたりする薬のことです。紀元前からエジプトやギリシャではケシやアヘンを原料にした鎮痛剤が用いられていたと言われています。

人間は痛みに弱い生き物です。その痛みを和らげたり熱を下げたりし、かつ身体に悪影響副作用のない薬が待ち望まれていました。それに答える薬が登場したのは1800年代末期のアスピリンです。現在でも頭痛や歯痛などの痛みに対して最もポピュラ-に用いられています。

インスリン

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで血統を下げる働きを持っています。インスリンが低下することによって発症するのが糖尿病で、放置すると腎不全を起こしたり失明したりする怖い病気で日本で、糖尿病を基礎疾患とした原因で年間14,000人が命を落としています。(平成19年人口動態統計)

インスリンはもともと人間の体内にあるものです。インスリン療法は、様々な理由で本来分泌されるインスリンが分泌されなくなるので、その足りなくなった成分であるインスリンを人工的に作って補充してあげます。

この点で他の抗生物質や抗ウィルス剤とは異なります。このように体内で不足したものを補充してあげると言う発想に基づいたインスリンも医療の歴史を変えた薬と呼べるでしょう。

このようにこれらの医療の歴史を変えた4つの薬は現在でも多くの人々の命を救い守ってくれています。残念ながら現代の医学・薬学を持ってしても治療出来ない、効果のある薬のない疾患はまだ数多く存在します。これらの薬の開発を心より期待します。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る