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薬の誕生物語〜新しい薬の発見からジェネリック流通までのストーリー

今、日本にはどれくらいの医薬品が存在するのか?成分の種類としては3000種類弱とされています。ひとつの成分でも含有量の違う薬、剤形の違う薬(錠剤や坐剤など)も存在するため、品目数としてはかなりの数になります。

それらの薬はどうやって生まれたのか?製薬会社が人の体に有効な成分を見つけてから、薬として皆さんの手に届くまでを追ってみました。

薬になりそうな物質を探す:2〜3年

自然界に存在するあらゆる物質の中から、病気の治療に効くと思われる化合物を探します。天然にある物質から効きそうな成分を抽出したり、ある程度効果のわかっている化学物質を分析、化学合成して新たな化合物を探したりします。

非臨床試験:3〜5年

薬の候補に上がった化合物について、細胞や動物を使って様々な試験をします。具体的には薬効を確認する試験、薬効以外の効果(副作用や毒性など)はどんなものがどれくらいあるかを確認する試験、どのくらいの量なら効果があり、どのくらいの量なら使っても安全で、どのくらいの量からは毒性が出てしまうかを確認する試験などがあります。

臨床試験(治験):3〜7年

非臨床試験を通過したものについて、本当に人にとっても有効で安全かを調べていきます。『治験』と言われる段階になります。

・第1相試験(フェーズⅠ)

少数の健康な成人男性のボランティアを対象に有効な服用量と安全性を調べます。動物試験の時と大きな違いはないかなどを確認します。

・第2相試験(フェーズⅡ)

少数の患者さんを対象に薬効やその量、副作用の確認をします。

・第3相試験(フェーズⅢ)

たくさんの患者さんを対象に薬効、安全性の確認などをします。多くの施設で実施され、その結果を収集、分析して最終的な確認をします。

申請して承認を得る:1〜2年

各データが集まったら、厚生労働省に医薬品製造の申請をします。様々な厳しい審査を通過して問題ないとされると、新たな薬として製造、販売してよいと承認を得ます。こうして、薬ははれて世の中に誕生します。ここまでくるには長い歳月と莫大な費用がかかっています。

薬として誕生できるのは研究開発された成分のほんの一部で、開発途中で残念ながら候補から外れる成分の方が多いのが現実です。でもここまできたからといって終わりではありません。薬は世の中に出たあとも、日々調査がされています。

広く使われていく中で発生した副作用は各医療機関から厚生労働省に報告され、安全性確認などがされます。また期待されていた薬効以外の薬効が見つかる事もあります。

逆に薬効があると思われて長年使い続けられていた薬でも、再度調査したところ期待するほどの薬効はないと結論づけられ、医薬品の申請を取り消されるものもあります。このように薬は日々、調査、研究されて変化しているのです。

ジェネリックとは?

ここまで説明してきた薬は先発医薬品と言われるものです。これに対して後発医薬品、つまりジェネリックとは何なのでしょう?

先発医薬品は世の中に出た後、20年間は特許に守られ開発メーカーのみが独占的に製造販売できます。この期間が切れると、他の製薬メーカーもこの薬を製造販売できるようになります。

こうして作られた薬が後発医薬品=ジェネリックなのです。ジェネリックは薬の研究開発に手間や時間、お金がかかっていません。そのため、安く薬を作って世の中に出す事ができるのです。

有効成分、含有量などは同一ですが、先発医薬品と全く同じなのかというとそうではありません。添加剤が違うことがあるのです。全ての薬には薬のカサを増やして飲みやすい量にするためや、溶けやすくするためなどに添加剤が入っています。

この添加剤が先発医薬品とジェネリックで違うことがあるため、本当にまれですが、ジェネリックに変えたら副作用が出たということが起こります。(これはたまたまその添加剤がそのジェネリックに使われていて起きた副作用です。同じ添加剤が先発医薬品に使われていれば、その先発医薬品でも起きる可能性があります。)

また成分は同じものでも製造工程などが違うため、微妙に溶け方などが違うこともあります。もちろん試験はされて、先発医薬品との違いは問題のない範囲と確認されています。

それでも実際に使ってみると先発医薬品の方が効いた気がするということもあります。逆に、ジェネリックの方が味や大きさに工夫がされていて飲みやすくなっていることもあります。

ジェネリックが気になるようなら、一度、「ジェネリック希望」と伝えてみてください。一度ジェネリックにした後でもやはり先発医薬品に戻したいという時には、次の受診時にそれを伝えれば戻せますので心配しなくても大丈夫です。

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