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肺がんのリスクは5倍に!PM2.5による病気から身を守る方法

中国国内でのPM2.5による大気汚染が、深刻な問題になっています。北京や上海などの大都市では、PM2.5が大気中に大量に拡散し、街の空気の色が黄色や鉛色でかすんで見えるほど深刻です。

そしてPM2.5による大気汚染は、決して中国だけの問題ではありません。PM2.5は偏西風に乗って日本にも飛来しています。猛毒で発がん性も指摘されているPM2.5の健康被害から身を守るには、どうすれば良いのでしょうか?

そもそもPM2.5とは?

PM2.5とは直径が2.5μm(マイクロメートル)以下という、目に見えないとても小さな粒子の総称です。スギ花粉の大きさが約50μmですから、その20分の1ということになります。

なぜ2.5μmの大きさを基準にするかというと、2.5μmより小さい粒子は、本来自然界には存在しない、人間が作り出した化学物質だという理由があるからです。スギ花粉のように自然界に存在するもののほとんどは、2.5μm以上の大きさなのです。

PM2.5はなぜ有害なのか?

PM2.5は単に砂粒を小さくしたようなものではなく、工場の排煙やディーゼル車の排気ガスに含まれる、二酸化硫黄や二酸化窒素のような、有毒な化学物質でできた粒子です。人間が直接触れるだけでも、皮膚や粘膜が炎症を起こすほど危険な物質です。

PM2.5によって汚染された空気を吸い込むと、その粒子は確実に肺の奥深くまで届きます。花粉のような大きな粒子であれば、鼻やのどの粘膜につかまって、ある程度は排除されるのですが、PM2.5は確実に肺の奥にある肺胞まで達します。

肺胞では酸素と二酸化炭素を入れ替えるガス交換をしているのですが、PM2.5は肺胞の細胞にこびりついて細胞を壊してしまうので、このガス交換ができなくなっていくのです。

酸素が血液に取り込めなくなれば、体のいたるところが酸素不足になり、細胞は死に、器官や臓器も正常に働くことができなくなります。また、二酸化硫黄や二酸化窒素は発がん性が指摘される物質なので、その部分ががん化することもあります。

子供への影響は深刻

中国国内でも問題になっているのは、PM2.5が特に子供の健康を害しているということです。子供は肺や臓器が未成熟なので、喘息や呼吸器障害を起こしやすく、皮膚病やアレルギー疾患も急増しているのです。

大気汚染がひどいので、外へ出ることすらできず、学校にも行けない状態の子供が増えているのも事実です。PM2.5の汚染は健康の問題だけでなく、子供の成長や日常生活自体にも問題を引き起こしているのです。

PM2.5が引き起こす10の病気

PM2.5が有害なものだという認識を持っている人は増えていますが、具体的にどのような病気が引き起こされるのか、実際に中国国内で発生している事例を元にあげてみたいと思います。

1.肺がん

PM2.5によって最も深刻な影響を受けるのは肺です。汚染された空気を吸い込めば、PM2.5は肺全体に拡がって、肺の機能をダメにしてしまいます。中でも最も恐ろしいのは、肺がんです。

PM2.5の大気中の濃度が高くなるほど、発がん性も高くなります。中国国内で観測されたPM2.5の大気濃度から推測すると肺がんの発生率は少なくとも5倍にも達するという報告があげられています。

2.COPD

COPDはタバコ病とも言われる病気で、本来原因のほとんどは喫煙によるものです。このCOPDがPM2.5によって引き起こされることも明らかです。タバコを吸わない人や、子供でもCOPDを起こす危険にさらされることになるのです。

3.気管支喘息

気管支喘息も、子供に多い呼吸器の病気ですが、PM2.5を吸い込むことによって、喘息を起こしたり、すでに喘息を持っている子供の症状を悪化させることが分かっています。

中国国内では、小児喘息の子供が小児期に喘息が改善せず、そのまま大人の喘息に進行してしまうケースが増えています。

4.心臓の病気

PM2.5は肺や気管など呼吸器の病気を引き起こすだけではありません。肺から入ったPM2.5は血液の中にも入り込みます。血管に入ったPM2.5は動脈硬化の原因となり、狭心症や心筋梗塞など心臓疾患を引き起こす大きな要因にもなります。

また、心臓の拍動をコントロールする神経を阻害し、不整脈を起こしたり、突発的な心臓発作が起こったという事例も中国で確認されています。

PM2.5の健康被害は、呼吸器だけでなく、心臓や循環器全般へも重大な病気を生じさせる原因になっているのです。

5.脳や神経にの影響

PM2.5は鼻の粘膜からも体内に取り込まれて、血液を通って全身に運ばれます。PM2.5が脳に入るとミクログリア細胞という特殊な細胞が異常を起こし、全身に炎症を起こしたり、神経組織を破壊するような働きをすることも確認されています。

6.不妊症の原因にも

一時期は環境ホルモンが不妊症の危険があるとして問題になっていましたが、最近ではPM2.5が精巣に取り込まれて、精子に影響を与え、不妊症を引き起こすことが分かっています。

とかく不妊症は女性に問題があるように受け止められがちですが、PM2.5による悪影響は生殖器にも影響を与え、あまり想像が及ばない不妊症という問題にも関わってくるのです。

7.喫煙者への影響は深刻

タバコを吸う人は、タバコを吸っているだけで体内に活性酸素ができたり、肺胞への大きなダメージが起こります。それに加えて、PM2.5による肺や気管支へのダメージがあるので、その害の大きさは計り知れません。

喫煙者がPM2.5の影響を受けると、肺がんの確率は少なくとも10倍以上になるという研究者もいます。

8.子供のアトピーの原因にも

PM2.5のような空気中の酸化物が皮膚や粘膜に付着すると、細菌やカビのエサにもなるので、皮膚の抵抗力が落ちたり、粘膜の働きが弱くなります。そのため、アトピー性皮膚炎のようなアレルギー疾患や皮膚病の原因になることも指摘されています。

9.リウマチ

PM2.5は呼吸器や皮膚だけでなく、骨や筋肉にも悪影響を及ぼします。PM2.5によって細胞からインターロイキンという筋肉や骨に炎症を起こす物質が作られ、それによってリウマチが起こることも報告されています。

10.糖尿病

PM2.5は細胞から分泌されるTNF-αという物質を大量に作り出し、糖尿病を引き起こしたり、悪化させたりすることが分かっています。中国国内でも、糖尿病や動脈硬化の患者が爆発的に増えており、PM2.5との関係も指摘されています。

このようにPM2.5は、呼吸器疾患だけでなく、循環器や脳神経、皮膚病など、全身のあらゆる病気を引き起こすことをしっかり理解した上で、予防には万全の対策を講じなければいけないのです。

PM2.5から身を守る方法

PM2.5による病気から身を守るためには、大きく分けて2つの方法があります。1つは、PM2.5をできる限り吸い込まないようにする方法。もう1つは、体内に入ったPM2.5を排除する方法の2つです。それぞれの方法をご紹介します。

基本はマスクの常時着用

PM2.5から身を守るためには、PM2.5を含んだ空気を吸わないようにすることが最も大切です。そのために、まず第一に考えるべきことはマスクの常時着用です。マスクは最も適したマスクを選び、正しい方法で着用する必要があります。

N95規格マスクの使用は?

PM2.5の粒子を確実に吸わないようにするには、N95規格というアメリカのNIOSHという機関が認証した工業用の防塵マスクを着用する以外に方法はありません。

しかし、N95規格のマスクは、微細な粒子を通さないために不織布の密度が極めて細かいため、日常生活で使うにはとても息苦しく、現実的には使えません。あくまでも、化学工場や特殊な医療機関で使われることを目的として作られています。

一般的なマスクでの予防法

PM2.5をできるだけ吸い込まないようにするために、市販されているマスクの中で「ウイルスを含む飛沫および花粉99%カット」などと表示されているものを選んで着用するようにして下さい。95%ではなく99%のものを選ぶようにして下さい。

マスクの着用で一番大事なポイントは、マスクと顔の間にすき間ができないように使用するということです。マスクをしている人をよく見ると、鼻の部分やアゴの部分にすき間ができたままで着用している人が多くいます。

マスクと顔のすき間から空気が漏れていると、どんなマスクをしていても全く効果はありません。ウイルスや花粉を99%カットするマスクを空気の漏れがないように着用すれば、PM2.5の吸入を最大で4分の1まで軽減することができます。

PM2.5はできるだけ吸い込まないようにすることが肝心で、4分の1まで減らすことができれば、それだけでも、大きな病気にかかるリスクを大きく軽減できるのです。

空気清浄機の使用

最近の空気清浄機には「プラズマクラスター」や「ナノイー」、「ストリーマ」などマイナスイオンやナノ粒子を発生させたりして、防塵を謳うものが多くなっています。

しかし、どの空気清浄機でも基本構造は同じで、空気をろ過するエアフィルターに空気を通過させて、粉塵や微粒子をとらえるように作られています。空気をふるいにかけるようなものです。

エアフィルターで捕まえることができる粒子は、0.3μm~5μmとされているので、PM2.5の粒子を、かなりの確率で捕集することが可能です。空気清浄機の室内での使用は、とても有効だと言えます。

ただし、エアフィルターを使用する時に気をつけなければいけないことは、使用時間と劣化です。エアフィルターは新しいものであれば捕集効率は高いのですが、長時間使用すると劣化し、捕集効率が悪くなっていきます。

空気清浄機を使う時には、取扱説明書などに書いてある通りに、フィルターをこまめに取り替えたり、機械のメンテナンスをきちんと行わないと、効果が半減してしまいます。使用の際は部屋を密閉することもポイントです。

衣服についたPM2.5は?

花粉は粒子が大きいので、外を歩くだけでも衣服に花粉がついてしまいます。家に入る前に花粉を落としてから入るようにしたほうが良いといわれます。しかしPM2.5は粒子が極めて小さく、常に空気中を漂っているので服に付着することはありません。

洗濯物を干す時には注意

PM2.5は乾燥した衣服に付着することはないのですが、洗濯物のように濡れた衣服であれば、話は異なります。濡れた繊維や衣服には粒子が吸着してしまうので、PM2.5の飛散量が多い日は、洗濯物は室内で干すようにして下さい。

吸い込んだPM2.5への対処法

PM2.5の害から身を守るには、できるだけ吸い込まないように、生活の場面ごとにで注意することが第一ですが、それだけでは不完全です。どれだけ気をつけてもPM2.5を空気中から吸い込んでしまいます。

PM2.5が厄介なのは、一度体内に入ると細胞にくっついたり、体液や血液に混ざってしまうため、そう簡単には取り除く事ができないということです。

放っておくだけではどんどん体内に蓄積され、蓄積される期間が長いほど、病気の発症率も高くなっていきます。PM2.5を体内から排除することも必要です。

ビタミンCを十分に摂る

PM2.5は体内で有害な活性酸素を発生させます。この活性酸素を分解して無毒化するものの1つがビタミンCです。本来ビタミンCは免疫力を高め、皮膚や粘膜を保護する働きをして風邪などの病気を防ぐ働きをしています。

しかしPM2.5が体内に入り活性酸素を作りだすと、活性酸素を無毒化するために、ビタミンCが大量に使われてしまうため、本来の働きである免疫力を高め、皮膚や粘膜の保護をするために使う分がなくなってしまいます。

PM2.5が体内に入り込むことによって、風邪や口内炎、ニキビや吹き出物などが悪化したり、傷の治りが悪くなったりしてしまう、という二次的な症状が現れるという問題も出てくるのです。

PM2.5による病気から身を守るためには、1日にビタミンCを2000mg程度摂ることをお奨めします。PM2.5が飛散する時期は、風邪や花粉の時期と重なることが多く、皮膚や粘膜が荒れていることが多いので、十分な量を摂りましょう。

キレート効果を利用する

細胞や血液などに取り込まれたPM2.5を無毒化するには、キレート効果を利用するという方法があります。キレートとはカニのハサミという意味で、カニが2つのハサミで獲物をつかむように、PM2.5の粒子を結合して無毒化する働きのことです。

キレート効果を持つ成分の1つにケルセチンという成分があります。ケルセチンには強い抗酸化作用があり、PM2.5を無毒化するのに有効だと考えられています。ケルセチンは次のような緑黄色野菜に多く含まれています。

  • パセリ
  • アスパラガス
  • ブロッコリー
  • ホウレン草

α-リポ酸にもキレート効果

α-リポ酸という成分には強力なキレート効果があります。α-リポ酸は20歳をピークに年齢とともに体内での合成が難しくなるので、特に年配の方は積極的に摂るようにして下さい。α-リポ酸を多く含む食べ物は次の通りです。

  • ホウレン草
  • ブロッコリー
  • トマト
  • グリーンピース

肝臓でPM2.5を無毒化する

体液や血液に入り込んだPM2.5を、肝臓で無毒化する方法もあります。もともと肝臓は体内に入った有害物質を無毒化する働きをしていますが、それはグルタチオンという成分によって行われています。

グルタチオンの作用を高めることで、肝臓でPM2.5を取り込み無毒化し排出することができます。グルタチオンが多く含まれるのは次のような食べ物があります。

  • アスパラガス
  • ブロッコリー
  • アボカド
  • 豚レバー
  • キャベツ
  • タマネギ

PM2.5を無毒化する最終兵器

肺胞に取り込まれたり、血液やリンパを通って体中に沈着したPM2.5は、体の解毒作用を高めることによって毒性を軽減していかなければいけません。そのためにはメタロチオネインという特殊なたんぱく質を作り、PM2.5にぶつけるのです。

このメタロチオネインという物質は、強力な解毒作用を持ち、体にとっては最終兵器ともいえる物質です。この物質を体内で作るには、体内にあるごく微量の金属電子に亜鉛とセレンが反応する必要があります。

PM2.5を無毒化するためには、亜鉛とセレンの2つのミネラルを十分に体内に蓄えておくことが必要になります。亜鉛、セレンを多く含む身近な食べ物には次のようなものがあります。

【亜鉛を多く含む食べ物】
豚、牛、鳥のレバー・アサリ・サザエ・ホウレン草・ニンジン・トウモロコシ・納豆・枝豆・ソラマメ・ゴマ
【セレンを多く含む食べ物】
豚、牛、鳥のレバー・ニラ・ネギ・ニンニク・タマネギ・トマト・ブロッコリー・マッシュルーム

亜鉛とセレンを同時に摂るには、豚・牛・鳥のレバーを摂るのが最も良い方法です。その他の食材も合わせて摂るようにすれば、PM2.5を無毒化するたんぱく質が作られやすくなります。

注目の解毒作用スルフォラファン

最近になって、体内にある有毒物質を排除すると注目されているのは、スルフォラファンという成分です。ブロッコリースプラウトに多く含まれる栄養素で、発ガン物質を分解したり、有害なミネラルの排出を促すことが確認されています。

スルフォラファンは、ブロッコリースプラウトに多く含まれていますが、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツにも含まれていますので、献立に合わせて積極的に摂るようにして下さい。

PM2.5によって引き起こされる病気や健康被害は、まだ研究が始まったばかりだと言えます。今後、日本でもPM2.5の悪影響は拡大していくに違いありません。今から対処法を探り、準備をしておくことが、将来のPM2.5への予防につながります。

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