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漢方で自分の体質を知る!東洋医学の「証(しょう)」を調べてみよう

漢方とは中国伝統の医学(中医学)や薬学であり、大きく含めると中国伝来の鍼灸や整体術なども漢方と言えます。漢方の考え方は日本においても独自の発展を遂げており、日本独自の漢方も存在しています。

西洋医学と東洋医学の考え方で大きく違うのが、治療の対象ではないでしょうか?西洋医学は病気を対象に治療を行うのに対し、漢方では人を対象に治療を行います。この人を対象にした治療に欠かせないのが「証(しょう)」になります。

証(しょう)とは何のことですか?

前述しましたが、漢方では人間は本来持っている体質や体力がそれぞれあり、そのバランスが崩れることにより病気が発症すると考えられています。この各人の現在持っている体質や体力のことを「証」と言います。

西洋医学では病気の原因は身体の中の一部に不具合があり、それを完治することにより病気を完治できると言う考えですが、漢方では身体のバランスが崩れたことが原因であり、総合的な治療を行うことで完治を目指します。

漢方の世界おいては、同じ症状の病気でもその患者の証の違いにより処方される薬に違いが出るのはこのためです。それでは証にどのような項目があるのか調べてみましょう。

身体の強さを表す虚実とは

証の中でも最も重要視されているのが、「虚証(きょしょう)」と「実証(じっしょう)」の見極めだと思います。虚実の見極めは病気を探るだけではなく、漢方薬を処方するのにも重要な証になります。

<虚証とは>

虚証の人の特徴は「体力がなく身体が細く、筋肉も柔らかい」「顔の形の細面で疲れた感じが見られる」「胃腸が弱くて寒がりである」「疲れやすく、回復も遅い」「消極的である」などが上げられます。体力がなく、ひ弱そうな感じの人がこれに当てはまります。

<実証とは>

実証の人は虚証とは反対に「体力があり、がっちりした筋肉質の体型である」「顔の作りが大きく、声もハッキリしている」「胃腸が強いが便秘気味である」「積極的で疲労回復も早い」になります。体力もあり積極的に人生を謳歌している人かもしれません。

虚証と実証の他にも「中間証(ちゅうかんしょう)」と呼ばれる証もありますが、これは日本で発達した漢方で作られた証であり、まさしく中間の体力を表しています。

虚証の患者には弱った身体の体力を回復する漢方薬が処方され、実証の患者には病気の原因を体外へと排出させる漢方薬が処方されます。このように同じ症状の病気においても、虚証では体力を回復させることで改善を目指し、実証では病気の原因を体外へ排出させることを促すことを目的とします。虚実は漢方の中でも最も重要な証の一つと言えます。

病気の進行や体力を表す陰陽とは

虚実と共に重要な証と呼べるのが、「陰証(いんしょう)」と「陽証(ようしょう)」です。陰陽の見極めは病気が今どの様な状態にあるのか探ります。悪寒がある場合においても、身体が発熱している悪寒なのか、それとも身体が冷えいる悪寒なのか、これらにより判断します。

<陰証とは>

陰証の人の特徴は「病気に対する抵抗力が少なく、消極的な状態にある」「身体は冷えており顔色も青白くなっている」です。陰証の人は病気が身体に勝っている状態にあり、身体を温める必要があります。

<陽証とは>

陽証の人の特徴は「病気に対抗する体力があり、発熱や炎症を併発している」「顔が赤らんでおり、目が充血していいる」です。陽証の人は体力がり、身体が病気と闘っている状態にあり、炎症を取り除いたり身体を冷やす対応を行います。

陰陽の見極めにおいて、患者の身体が病気とどのような状態になっているかが判明します。陰証で悪寒を訴える方に解熱作用のある漢方薬を服用させた場合、症状を酷くさせる可能性もあることから陰陽の見極めは慎重に行う必要があります。

身体のバランスを計る気・血・水

身体の中の重要な要素である「気・血・水」は漢方の世界では重要な概念です。この3つの要素が身体を循環することにより、バランスが保たれていると考えられているのです。病気とは気・血・水のバランスが崩れた時に発症するのだから、このバランスを戻すことで病気も改善すると言う考えです。

<気力が低下する気虚証(ききょしょう)とは>

気とは見えないエネルギーを指しています。気合や元気、やる気など精神面において気力の充実を表しており、気力が低下することで病気が発症します。気虚証の状態では「息切れや疲れやすい」「声が小さく、やる気がない」「うつの状態」が見られます。

<血が不足している血虚証(けっきょしょう)とは>

血虚とは身体の中の血が少ない状態を表します。特徴としては「顔が青白い」「舌の色が白い」「皮膚の乾燥が酷く荒れている」「目の疲れがある」などで判断します。血が滞ることで頭痛やめまいを訴える方も多く見られます。

<水分が停滞している水毒証(すいどくしょう)とは>

人間の身体には血液意外にもリンパ液などの水分が循環しています。この水分が身体に停滞している状態を水毒証と呼びます。特徴は「むくみがある」「肌に湿疹やべたつきがある」「下痢ぎみである」「排尿異常がある」などです。

漢方医学独特の証を調べる四診(ししん)とは何だろう

四診とは漢方医学において患者の証を見極め、患者に合った漢方薬を処方するための診断方法です。

<目で見る望診(ぼうしん)>

患者を目で見て証を見極めます。肌に色や目の充血、舌の状態や動作からも診断が可能です。

<声を聞く耳診(ぶんしん)>

声の質やハリなどを聞いて見極めます。問いかけに対しての返事についても大切な診断材料です。また体臭などの臭いにも重点を置く必要があります。

<話を聞く問診(もんしん)>

患者の病歴や状況などを問いかけて、答えを聞く診断法です。自覚症状などは重要な診断材料です。

<体に触る切診(せっしん)>

実際に身体に触れて脈を診たり、腹部を診たする診断法です。特に脈を診る「脈診」は重要であり、気・血・水の乱れを脈で診断することが可能です。

漢方医学では四診を使い各人の証を見極め必要があります。そして実際の治療となる漢方薬の処方は、各人の証に適合したものを選択するのです。漢方の「証」の世界はまだまだ深く、これは入り口にすぎません。自分の病気の原因を考える時に自分の証を調べるのも重要ではないでしょうか?

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