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噛むと耳の下が痛いのは顎関節症!顎の痛みを自分で改善する方法

顎が痛い女性

顎関節症(がくかんせつしょう)と言う名前も最近よく聞きますね。じつはあごの関節に何らかの異常を持っている人は全人口の70%~80%にも上ると言われています。異常のない人の方が少数派なんです。

ちょっとテストしてみましょう。まず、左右どちらの手も良いので、人差し指・中指・薬指をそろえてまっすぐ伸ばします。それを縦にして歯を超えて口の中にスムーズに入りますか。入らなければ開口障害の疑いがあるのです。

ただし、指の太い人は割り引いて考えて下さいね。数値としては、上下の門歯の間隔が40mm未満である場合を開口障害としています。

口を開いていって、痛みが出たらそれ以上無理に口を開かないで下さいね。あごの関節に痛みが出るようであればトラブルありと考えて受診して下さい。

顎関節症は咬み合わせだけの問題じゃない!顎関節症の原因とは?

顎関節症は19世紀から存在を知られていましたが、終戦直後ぐらいまでは咬み合わせの悪さが顎関節症の原因だと考えられていました。そして、その後も筋肉や関節に原因があるのではないかと、顎関節症の病因を何に求めるかと言うのは変遷してゆきます。

そうした変遷の間には、手術による治療が積極的に行われた時代も存在しました。結局、現在のように顎関節症はいくつかの原因があり、その原因ごとに分類して治療すべきであるという方向に向かったのは1980年代以降になります。

現在では患者さん一人一人の状況に合わせた治療法の選択という方向性が示されていますし、基本は保存的治療(手術を行わない治療)が中心になっていますので、気になったらまず受診して下さい。診療科は口腔外科です。

顎関節症の可能性をチェックしてみるのが先決

受診するにしても、どういう風に症状を訴えてお医者さんに行けばいいのか判らないという人も多いでしょう。まずは、次のチェックを行ってみて下さい。

顎関節症の自己チェック いくつか該当する人は顎関節症の可能性あり

・ 食べ物を噛んだり、長い間しゃべったりすると、あごがだるく疲れる

・ あごを動かすと痛みがあり、口を開閉すると、とくに痛みを感じる

・ 耳の前やこめかみ、頬に痛みを感じる

・ 大きなあくびや、りんごの丸かじりができない

・ ときどき、あごがひっかかったようになり、動かなくなることがある

・ 人さし指、中指、くすり指の三本を縦にそろえて、口に入れることができない

・ 口を開閉したとき、耳の前の辺りで音がする

・ 最近、あごや頸部、頭などを打ったことがある

・ 最近、かみ合わせが変わったと感じる

・ 頭痛や肩こりがよくする

いくつかと言うことですので、2項目以上当てはまったら受診して下さい。内容から見て「痛みがある」「口が開きにくい」「疲れや違和感がある」と言った感じで症状を訴えて受診されるのがいいでしょう。

顎関節症のリスクファクターは「癖」にある

顎関節症については、よく「頬杖をつく癖」とか「片側だけで噛む癖」が原因になると言われています。お医者さんによっては、顎関節症は生活習慣病であると言いきっておられる方もおられるぐらい、普段の生活習慣が大きく影響します。

例えば「歯を食いしばる癖」と言うのも顎関節症を引き起こす要因ですが、食いしばると言うほど強くかみ締めなくても、顎関節症の原因になる場合があります。

上下の歯は、食べ物を食べたりするときに接触することはありますが、普段は安静空隙と言って少し離れた位置をキープしています。研究によると、上下の歯が接触している時間は1日24時間に17分~18分だとされています。

ところが、口の癖で上下の歯が軽く接触し続けている人が一定数以上いることがわかってきました。歯を食いしばると言うほど強い力ではありませんので、自分で意識することはあまりないようです。

こうした状態は上下歯列接触癖(Tooth Contacting Habit)として、歯科などで略語のTCHが用いられるようになっています。この状態と言うのは、弱い力ですが下あごを持ち上げ続けているので、筋肉に負荷がかかり続けてあごが痛むことがあります。

さらに顎関節自体も圧迫され続けるため痛みが発生しやすくなります。TCHが必ず顎関節症に結びつくと言うものではありませんが、咬み合わせの悪さなどと同じように「顎関節症の要因」になっています。

さらには、「顎関節症が治らない原因」としても、このTCHは注目されています。TCHが発生しやすいシーンとしては次のような物があります。

  • パソコン作業中(文字入力)
  • テレビ・ビデオを見ている時
  • 家事や仕事をしている時
  • 乗車して移動中
  • 考え事をしている時
  • 散歩している時

こうしたシーンでは、上下の歯が触れあってしまうことで顎関節症を引き起こす可能性があることを知って、普段から気を付けておくようにするのが良いですね。

ストレスや睡眠障害も顎関節症を引き起こす

ストレスが多い生活を送っていると、昼間に歯を食いしばってしまうだけでなく、寝ている間に強い歯ぎしりを起こすことがあります。歯ぎしりも顎関節症の大きな要因になります。

あごに痛みを感じていて、誰かから歯ぎしりを指摘されたら、受診して歯ぎしりについて相談してみましょう。後でお話ししますが、それに適した治療法があります。

また、ストレスを感じやすい、いわゆる「神経質な性格」の人も、食いしばりや歯ぎしりによって顎関節症を起こしやすいです。性格は一朝一夕に治りませんが、癖があることに気づいて注意するだけで予防改善は可能でしょう。

寝付きが悪いとか夜中に目が覚めるという人も、こうした現象には注意しておくのがいいですね。

なくて七癖と言いますが、口の中で歯が触れあっている癖と言うのは他人から見えないだけに、自分で気づくしかないとが難しいところかもしれません。

顎関節症の症状は痛み・開口障害・異音

顎関節症の症状で一番に挙がるのが痛みです。痛みがあると受診動機にはなるのですが、少しぐらいの痛みなら我慢してしまう人も多いです。この我慢については女性の方が我慢される傾向が強いと考えられています。

顎関節症の発症率に性差はありませんが、実際の患者数は女性が多くなっています。これは初期の段階で我慢してしまって受診されず、治療に時間がかかる人が女性に多いからではないかと考えられています。

顎関節症には4つのタイプがある

症状ではなく、どこが傷んでいるかと言うことで見た場合、顎関節症には4つのタイプがあります。

顎関節は、頭の骨(側頭骨)のくぼみ(下顎窩)に、下顎骨の丸く突きでている下顎頭が入り込む構造をしています(図1)。下顎窩と下顎頭の間には関節円板というクッションの役目をはたす組織があり、下顎窩と下顎頭が直接こすりあわないようになっています。

顎関節の構造

(中略)

障害がある場合、関節円板がずれてひっかかり、はずれるときに音がしたり、ひっかかりが強くなって下顎頭の動きがさまたげられ口が開かなくなることもあります。

こうした関節円板の障害による顎関節症も含めて、顎関節症には4つのタイプがあります。筋肉の障害(I型)、関節包・靭帯の障害(II型)、関節円板の障害(III型)、骨の変形(IV型)の4つです。

顎関節症の痛みは関節と筋肉の2か所から出る

顎関節症でお医者さんにかかる人の一番の症状は「痛み」です。この痛みですが、実際には関節が痛んでいる場合と、筋肉が痛んでいる場合の2つがあります。もちろん両方同時と言うこともあります。

関節が痛む場合ですが、確認しなければいけない事の中で、もっとも大事なことは細菌感染がないということです。これはお医者さんで検査しないと判りませんから、強い、あるいは長く続く痛みがある場合は受診して検査を受けて下さい。

細菌感染によって関節炎が起こっている場合は顎関節症ではありません。もちろんあごの関節が痛むことに変わりはありませんから、受診して治療を受ける必要がありますが、顎関節症の治療とは異なるものになります。

ただ、細菌感染が見られた場合は、まず抗生物質や合成抗菌剤による感染の治療が必要になります。それと同時にNSAIDsのような消炎鎮痛剤を使って痛みを止めることになります。

一方、細菌感染がない顎関節症の炎症では、関節を包んでいる関節包や、関節の中にある骨を覆っている滑膜や、関節の中であごの動きをサポートする関節円板と言うコラーゲン線維でできた組織に炎症が起こります。

こうした組織の炎症は顎関節の動きによって神経を刺激しますので痛みとなって表れます。

それとは別に、筋肉の痛みが現れることもあります。筋肉の痛みは頭から首、あごを含めた口の周りに鈍い痛みが持続して現れます。そして、どこが痛いのかなと指で探ると、筋肉が張った場所が見つかります。

それを指で押すと痛みが強く現れます。特にこの場所の痛みが活動的であると「ジャンピングサイン」と呼ばれる、文字通り飛び上がるほどの痛みが出てしまいます。さらに、離れた場所に「痛みが響く」と言う現象が見られることもあります。

開口障害は鏡を見ても判断できる場合がある

最初に紹介した通り、開口障害を測るには人差し指・中指・薬指をそろえて、縦に口に入るかどうかが目安になります。自分は指が太いんだけど、と思う人は、40mm以上の幅であればどの指の組み合わせでも構いません。

さらに、顎関節症はどちらか片側の関節に起こることもありますし、両側で起こっても左右で症状が異なることもあります。そうした場合、鏡で自分の顔を見ながらゆっくりと口を開いてゆくと、あごが症状の重い側へ曲がりながら開いてゆくのが見えます。

こうした現象が見られたら、すぐに受診しましょう。開口制限は、関節そのものの動きが悪くなっている場合と、筋肉に異常が起こって開きにくくなっている場合があります。

ある日突然口が開かなくなったという場合は、関節円板が正しくない位置に移動してしまったことが原因と考えられます。一方、なんとなく開きにくいということが徐々に悪化したという場合には筋肉のトラブルが考えられます。

口を開け閉めする時に音がするのも顎関節症の症状

口を開け閉めするときに、カクッと言う音がすることがあります。これは関節円板が移動するときに軽いひっかかりがあって、それを乗り越える際の音です。

また、ジャリジャリとしたこすれるような音が聞こえる場合があったり、押しつぶすようなグニュっと言う音が聞こえる場合もあります。

これらは、顎関節の中で関節円板や骨の一部が変形して、直接・間接にこすりあわされることで発生している音です。

この様な異音を関節雑音と言いますが、関節雑音は痛みを伴ったり開口制限を伴ったりしない限り、特に治療の必要はありません。どうしても気になる場合は受診してお医者さんに相談して下さい。

今、口を大きく開け閉めしたらカクッと音がしました。気にしたこともなかったのですが、意外と以前からあったのかもしれませんね。

自分でできる顎関節症改善法

まず顎関節症の原因になっている悪い癖を取り除くことが重要です。片側だけで噛む癖がある場合は、意識的に反対側で食べ物を噛んでみましょう。

歯を食いしばったり、歯同士を接触させたりする癖のある人は、時々口の中の天井部分を舐めてみる習慣をつけてみて下さい。これで歯と歯が離れます。時々前歯だけでガムを噛むというのも効果的です。

トリガーポイントがわかる場合は温めたりマッサージしたり

あごに痛みがある場合には、その付近を指でなぞって行って、触れると痛みが強くなる部分がトリガーポイントです。痛みが鈍痛である場合は、その部分を指でマッサージしてください。

また、痛みが鋭かったり、場合によっては飛び上がるほど痛かったりする場合には、お湯で絞った暖かいタオルなどで、その部分を温めます。カイロなどでも良いですが、お風呂程度の温度であっても30分以上加温してはいけません。低温やけどの恐れがあります。

いずれの場合でも、自分が気持ちいいと感じられる程度に刺激して、筋肉の緊張をほぐすようにして下さい。

もし可能であれば、顎関節周りを温めてから一杯に口を開いて、筋肉が伸ばされるのを感じながら5秒間キープします。このストレッチを1時間に1回くらいのペースで繰り返します。

あごの安静と負荷をかけないことが基本

ストレッチの場合を除いて、あごを安静にしておくことが重要です。安静にしておくというのは、歯同士の接触もないようにするということです。そして、固いものを噛むということも、症状がある程度治まるまでは少なくした方がいいですね。

顎関節症は長い期間かけて、関節に負荷がかかりすぎたために起こっている症状ですから、1週間や2週間では治りません。それでも、こうしたセルフケアや、通院治療を継続することで半年以内程度でほとんどの人が治ります。

根気良く治療に取り組むことが大事です。一度受診して、セルフケアだけで問題ないと診断されれば、そうした指導に従って生活を見直してみましょう。

意外に自分でできる手当と言う部分が大きいのも顎関節症の特徴です。根気よく取り組んで見て下さい。それと、頬杖や下向き寝は禁止です。あごに負担がかかっちゃいます。

重症例では手術が必要になるケースもある

顎関節症は保存的治療が基本ですが、重症度に応じて手術が選択される場合もあります。お医者さんの説明をよく聞いて、理解し納得してから取り組んで下さい。

そこまで重症でない場合には、スプリントと呼ばれる装具を歯にはめるという有効な治療法もあります。これは症状に応じていくつかの装具が選ばれるようになっています。

受診しての治療には段階がある

先にもお話しした通り、顎関節症は原因になっている良くない習慣がありますから、それをなくすという指導が行われます。実はこれが一番重要で、これを理解して実践しないと、一時的に症状が治まっても必ず再発します。

さらに、患部を温めたり冷やしたりして痛みを軽減する物理療法が行われるでしょう。同時に、口をあけたり閉じたり、先にお話ししたような開口ストレッチを行ったりします。

その上で、スプリントと言う装具を口の中にはめるという治療法が行われることもあります。スプリントにはいくつかの種類がありますが、基本的にオーダーメイドなので少し値段が張ります。

それでも健康保険対応なので、3割負担の場合だと5000円前後ではないかと思われます。

スプリントには種類がある

スプリントと言うのは樹脂でできたマウスピースのような物ですが、その働きによっていくつかの種類に分かれています。最も一般的なのはスタビライゼーションスプリントと言う、夜寝る時に装着するものです。

これを装着することで歯ぎしりや食いしばりが緩和され、顎関節が保護されるという効果を持っています。実はお医者さんたちの研究では、エビデンスと呼べるほどの充分な治療効果は確認されていません。

それにもかかわらず、治療の現場でよく使われるのは、ある程度の効果は充分期待できると言う症例が多く報告されているからです。なんとなく微妙な感じですが、お医者さんの説明をよく聞いて、使うかどうかの判断をして下さい。

このスプリントがよく使われるもう一つの理由は、効果がなかったら使うのをやめて他の治療を選択できるからです。例えば歯を削っての咬み合わせ治療とか手術と言うことになると、効果がなかっても元に戻せません。

それに比べると、効果がなかった場合でも時間と5000円ほどが無駄になるだけで済みますから、リスクは少ないと言えるでしょう。

スタビライゼーション以外のものとしては、リポジショニングスプリントがよく使われます。これは下あごを前に誘導することで関節円板のずれを矯正するのが目的で使われます。

口が開かないといった重症例でも、一定レベルまで治療した後のフォローアップとして用いられることもあります。この他にもいくつかのスプリントがありますが、基本はこの2つです。

痛みが強い場合には薬物療法も行われる

痛みが強くて食事が摂れないとか、仕事ができないとか、夜寝られないといった場合には、NSAIDsの消炎鎮痛薬が処方されます。但し、顎関節症の場合、消炎鎮痛薬だけの単独治療はありません。かならず他の治療法との併用になります。

食いしばりが強すぎる場合には筋弛緩剤が使われることもあります。その他、睡眠導入薬や抗うつ薬、抗不安薬が用いられる場合もあります。これらも、他の治療法との併用が原則です。

いずれにせよ、お薬の種類と目的、そして服用方法の指導をしっかり理解して飲んで下さい。また、関節内に強い炎症がある場合には、関節に針を刺して関節内部の炎症物質を洗い流すという治療が行われる場合もあります。

癒着や変形を伴う重症例では手術の可能性もある

関節の中で関節円板と骨が癒着してしまっている場合には、これを剥がさないとあごが動きません。そうした場合には、関節の中を生理食塩水で満たして内視鏡を入れ、それで患部を見ながら剥がす手術が行われます。

患部を切開する昔の手術に比べると、リスクが少ない手術です。感染の危険性も少ないですし、正常な組織を傷める危険性も低いです。さらに入院期間も短くて済むというメリットもあります。

一方、あごの骨格自体にひずみがある場合には、骨切術と言う割合大きな手術が必要になります。これは事前準備にもかなり時間がかかりますから、どのような手順で行われるかをお医者さんから聞いて、よく理解しておいて下さい。

骨切術が必要になるケースは、もともとあごの骨格に問題があるケースが多いですし、それ自体がそれほど多いものではありません。

顎関節症の治療を受ける際に、こうしたレアケースの話を聞いて、怖くなって治療を受けないと言うことにならないようにして下さいね。

顎関節症の治療は範囲が広いですね。でも大半のケースが、お医者さんの指導を受けながら、セルフケアを行うことで治療して行けます。安心して受診して下さい。

食事であごが痛いという人が行うべき4つのこと

食事で噛むという動作に伴ってあごが痛いとか、何となくいつもあごが痛いけれど、受診するほどひどいわけではない場合には、次のことを試してみて下さい。

  • 時々上あごをなめる
  • 痛む場所を手のひらで温めたりマッサージしたりする
  • 1時間に1回、5秒間大きく口を開ける
  • ストレスを減らす努力をする

意外にこれだけで症状が軽くなるんですよ。

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