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ギザギザの光が見える閃輝暗点!解決には眼科より神経内科?

閃輝暗点、または閃輝性暗点と言う症状があります。ここ数年で急激に認知度が上がったため、割合ご存知の方も多くなったのではないかと思います。比較的生活に支障が出るレベルの症状であるにも関わらず、一過性の症状なので軽く扱われてきた経緯があります。

かつては眼科で診断がつかず、多くの患者さんが受診先を探して途方に暮れると言った事態も多かったのですが、現在では内科・眼科・神経内科などさまざまな診療科で対応が可能になっています。

閃き・輝く・暗くて見えない点とはどんなものなのか

自分の眼の中でギザギザの壊れた鏡の集まりのようなカラフルで不思議な光が半月状または三日月状に拡がり、それを追うように暗くて見えない部分が拡がってくると言う現象だと説明されています。

ただ、こうした感じ方には個人差がありますので、専門の先生方は、患者さんに絵を描いてもらってイメージをつかもうとしているようですね。

閃輝暗点の多くは片頭痛の前兆だがそれだけで終わる場合も多い

共通するのは、最初に視野の中心に光る点が現れて、そこから半円状に縁がギザギザの輝くものが拡がってゆく「陽性兆候」です。さらに、その後ろを吸い込まれるような暗い点が追いかけて行く「陰性兆候」が続きます。

この閃輝暗点と呼ばれる現象は、大半が片頭痛の前兆現象なのですが、「片頭痛なんかない」と言われる閃輝暗点の患者さんも少なからずおられます。

片頭痛患者で前兆のあるものは約3割である。これらの患者は、前兆のない片頭痛発作も体験する。片頭痛は前兆を起こす神経系と頭痛を起こす血管系との連結した病態によると考えられている。

前兆のない片頭痛を経験する人が多いが、前兆のみを経験する人もいる。

若年期には前兆と頭痛のあった人が、加齢とともに頭痛が減少し、前兆のみとなることも少なくない。閃輝暗点のような前兆は片頭痛の部分症状であり、他の疾患が原因となる可能性はない。

しかし高齢者で今まで片頭痛を経験したことのない人が、初めて前兆らしき症状を訴えた場合には脳疾患を鑑別するためにMRI、脳波、脳血管SPECT検査を行う必要があり、神経内科に紹介する。

(脳血管SPECT検査:放射性同位体と専用CT装置で、脳の血流の状態を画像化する検査)

このように「他の疾患が原因となる可能性はない。」と断言されていますが、同時に「前兆のみを経験する人もいる。」とも言われていますので、片頭痛を伴わない閃輝暗点も珍しくはないのです。

片頭痛の部分症状と言う言葉が患者を惑わせる

妙なたとえですが、ハンバーグにフライドポテトが添えられていた時、フライドポテトはハンバーグの付け合せですよね。でも、フライドポテトだけを出されて「ハンバーグの一部です」って言われたらどうでしょう。

なんだか、怒っていいのか笑っていいのか悩んでしまいそうです。でも、「閃輝暗点は片頭痛の前兆だが片頭痛が起こらないこともある」なんて言われるのって、まさにこんな感じじゃないでしょうか。

ですので、閃輝暗点でお悩みの方は、片頭痛を起こすのと同じ脳の領域でトラブルが起こっているのだと理解しておいて頂くくらいの方が良いでしょう。

実際に閃輝暗点を見ている瞬間の患者さんをMRIで観察したところ、大脳皮質の一部で発生した興奮と抑制が周囲に拡がってゆく様子が画像化されて観測されています。

どの業界にもありがちですが、専門外の人が聞くと疑問符だらけになりそうな表現ってありますよね。閃輝暗点もその一つかもしれません。

閃輝暗点は前兆現象?運転中は停車するなど臨機応変な対応が必要

先に大脳皮質の興奮と抑制が観察されたと書きましたが、それだけでは充分な説明ではありません。それに伴って後頭葉の視覚野で血管の収縮が起こっています。それによって視覚に異常が生じているのです。

この収縮は5分から40分くらいで収まりますので、それに伴って閃輝暗点も消えて行くのです。閃輝暗点自体はほとんど生命に関わるようなものではありませんが、視界が遮られるため、運転中などでは事故に注意して下さい。

閃輝暗点は多くの場合、最初視野の中心部に光る点が現れて、それがギザギザの光と表現されるものになって視界の中に広がってゆきます。つまり、短いながら視界が覆われるまでに少し猶予があるのです。

運転中、視野の中心部に光の点が現れたら、ハザードランプを点けて車を左に寄せ停車するという判断を基本に、臨機応変に対応して下さい。

車一台がやっとの道では停めにくい時もあるでしょうが、そうした道では歩行者や自転車との距離も近いので、停められる場所を探すにしても慎重さが要求されます。

閃輝暗点が収まると片頭痛が現れることもある

閃輝暗点が片頭痛の部分症状だとされるのは、その後に片頭痛が続くことがあるからです。この片頭痛は、血管の異常収縮によって閃輝暗点が現れたあと、その血管が元に戻る際に拡張しすぎてしまうために起こります。

ですので、拡張しすぎずに元の状態に戻って血流が正常化するだけであれば片頭痛は起らないことになります。ですので、閃輝暗点と言う前兆があっても片頭痛に繋がらない人も多いのでしょう。

さて、片頭痛ですが、前兆現象を経験する人は30%程度だと言われています。そして、そのうちの90%が閃輝暗点だと言う事ですね。つまり、片頭痛を経験した人のうち27%程度しか閃輝暗点を経験していないことになります。

それでも、片頭痛自体の患者数は700万人程度ですので、200万人弱くらいは閃輝暗点を経験しています。しかも、この数字は片頭痛の前兆としての統計ですから、おそらくこの中に閃輝暗点だけを経験した人は入っていないでしょう。

と言うことは、最低でも60~70人に1人ぐらいの割合で経験しているのですから、もう少し早い段階で閃輝暗点と言う現象に注目が集まっても良かったような気がしますね。

閃輝暗点には予防薬は定期的な服用が必要!受診は神経内科がおすすめ

片頭痛の予防薬にもいろんな種類がありますが、閃輝暗点の予防に効果があるのはテラナスまたはミグシスです。いずれも先行医薬品で、一般名はロメリジン塩酸塩と言うカルシウムチャネル拮抗薬です。

このお薬は片頭痛が血管の拡張によって起こる前の血管収縮を抑えることで片頭痛を予防しますが、片頭痛が起こる前の血管収縮こそが閃輝暗点の原因ですので予防薬として使えるのです。

予防薬ですから、症状が出てから使ったのでは意味がありません。1日2回、毎日決まった時間に飲まないといけません。症状が改善しない場合はお医者さんの判断で倍量まで増量可能です。

カルシウムチャネル拮抗薬は本来高血圧のお薬ですが、このお薬は脳に対してだけ選択的に働き、全身には影響を及ぼさないと言う優れた特質を持っています。

妊娠中や脳卒中を起こして間もない人は使えません。重い肝臓病やパーキンソン病、不整脈やうつ状態の人も慎重投与対象となっています。

だいたい、3か月くらい継続して服用し、症状が消えたようであれば徐々に服用量を減らしてゆくと言う使い方をしますので、定期的にお医者さんに通って症状と経過の報告は必須です。

閃輝暗点について理解のある診療科が良いので、神経内科に相談に行かれるのが最も好ましいでしょう。

なお、このお薬は高血圧のお薬と同じ働きを持っているので、もしそうしたお薬と使っている場合は現物を持って行ってお医者さんに見せて下さい。黙って同時服用すると重い副作用に見舞われるかもしれません。

このお薬は片頭痛の予防薬ですので、閃輝暗点だけのお薬という扱いがあったとしたら、それは健康保険の対象外です。

でも閃輝暗点が片頭痛の前兆と言う扱いなので保険の対象になっていますから、片頭痛なんかないのにと思っても「閃輝暗点は片頭痛の前兆現象」と言う診断は受け入れて下さいね。

片頭痛を伴わない閃輝暗点は非常に危険な可能性が!

先の引用文にもあったように、「高齢者でこれまで片頭痛を経験した事のない人が閃輝暗点を経験した場合」と言う場合は危険性が高まります。

この引用文の先生は高齢者と仰っていますが、実際にはもっと若くても危険性があるため、閃輝暗点で受診された人の中で、特に片頭痛を伴わない場合はMRI検査などを行うことが多いようです。

閃輝暗点が片頭痛を伴わない場合脳卒中の危険因子になる

一度でも閃輝暗点を片頭痛の前兆として経験した人であれば多少は危険度が下がるのでしょうが、全く頭痛知らずの人が閃輝暗点だけを経験するようになると脳梗塞などの脳卒中の可能性が出てきます。

私が個人的に知っている範囲では、1年以上それを経験してから脳卒中で倒れた中年女性と言う例もあります。

ですので、頭痛なんて風邪の時ぐらいしか経験がないと言う人が、片頭痛を伴わない閃輝暗点を経験した場合は、神経内科のある病院を受診されるか、脳ドックを受けられることをお勧めします。

特に血圧が高いとか、動脈硬化を指摘されているとか、糖尿病があると言うような人は要注意でしょう。

閃輝暗点がきっかけで脳卒中のリスクが早期に発見できたら、それはそれでラッキーかもしれませんね。痛みや熱がないと病院を訪れにくいものですが、ためらわずに受診して下さいね。

視界の覆われ方は同名性に現れる

同名性と言うのは、左右の視界の同じ側が障害されると言う意味です。もし異なる現れ方をした場合は、お医者さんに必ずそのことを告げて診断を受けて下さい。

視野異常の種類とその見え方

閃輝暗点はこれまでお話ししたように、脳の神経や血管で起こるトラブルですが、おかしな物が見えると言う症状は、目の中のトラブルでも発生します。目の中のトラブルでは左右で同じ物が見えることはめったにありません。

光視症は閃輝暗点とは異なる症状だが念のため検査を

一定時間継続する閃輝暗点とは違って、暗い中で頭を動かした時などに、視野に一瞬光るものを見ることがあります。これは光視症と言って、眼球の中で起こるトラブルの一つです。

眼の中を満たしている硝子体が加齢などで痩せてくることによって、網膜との間に隙間ができ、頭を動かしたことによって眼球内で揺れ動くことが原因で起こります。

普通は網膜を刺激することはないのですが、痩せた硝子体の一部が網膜と癒着するとこの症状が起こります。自然に剥がれれば治りますが、癒着がひどいと、視線を動かすたびに光が見えますし、何かのはずみで網膜に傷がつきかねません。

ですので、暗いところで一瞬の光が見えるという現象が頻繁に起こる場合は、眼科を受診して検査を受け、適切な治療を行ってもらって下さい。

光視症は、基本的には単眼性に起こります。両眼に起こった場合でも、左右で異なる光を見ますから同名性には現れません。

飛蚊症は危険な場合とそうでない場合がある

あるはずのないものが見えるという代表的な症状がこれですね。視野の中を蚊が飛んでいるように黒い点や筋、水玉のような物が動き回るものです。

これの原因はいくつかありますが、硝子体と網膜の間に隙間ができてしまうことが一番多い原因で、加齢によっても発生します。治療方法はありませんが、進行もしませんので放置しておいて問題ないでしょう。

また、若い人に多く見られる生理的な飛蚊症は、胎児の時に体に吸収されてしまうはずの組織が、わずかに目の中に残ってしまっていることが原因で起こります。これも放置しておいて問題ありません。

飛蚊症は目の中にできた何かが網膜に影を落としているものですから、暗いところではあまり見えないのも特徴と言えるでしょう。

一方、糖尿病や高血圧などのような病気によって、網膜で出血が起こった場合にも飛蚊症が起こります。この場合はもとの病気に治療が優先しますので眼科を受診した上で、原因疾患の治療に取り組んでください。

さらに、度数-6を超えるような(絶対値が6より大きい)強度の近視では病的な飛蚊症が現れている可能性があるので、強度近視の人は飛蚊症を経験したらすぐに眼科で検査を受けて下さい。

頭をぶつけたときに目から火花が出たってよく言いますよね。あれは比喩的な表現ではなく、網膜に衝撃が伝わることで、その瞬間光視症が発生したということなのです。

スマホやパソコンが閃輝暗点をもたらす可能性は今のところ低い

閃輝暗点は目に映る障害ですから、どうしても目から入ってくるさまざまなもの、紫外線やブルーライト、汚染された空気や動きの激しい映像などが悪影響しているのではないかと考えがちです。

もちろん、間接的な影響までは排除できるものではありませんが、閃輝暗点は目の病気ではありませんので、今のところ影響は少ないのではないかと考えられます。

ブルーライトの健康障害はまだ研究中のレベル

慢性的な眼精疲労や網膜を中心とした目の老化促進など、スマホやパソコンの画面のバックライトなどのブルーライトによる好ましくない影響が取りざたされてずいぶん経ちました。

目に良くないであろうことはもちろん想定されているのですが、充分なデータがまだまだ集まっていません。疫学的な研究は数多く行われているので、近い将来そうしたことが明らかになってくるでしょう。

ブルーライトはそのまま「青い光」です。青い光は水に吸収されにくいため、網膜までダイレクトに届きやすく、目を傷めると言われています。

また、光は周波数が高い(=波長が短い)ほどエネルギーが高いため、紫外線や紫の光に次いで波長が短い青の光は悪影響があるのではないかと考えられています。

これまで光を直接見つめる生活と言うのは少なかった

もちろんテレビはブラウン管の時代から蛍光を直接見てきました。しかし、それ以外に光源を直接長時間見つめるという行動は生活の中にはなかったのです。

文字を読む場合でも、照明から出た光を紙に反射させて読み取っていたわけですので間接光ですよね。直射日光の下ではまぶしすぎるので、日陰で本を読むときは、反射光の反射光を読み取っていたわけです。

それに比べると、せいぜい20~30cmの距離から光源を見つめるスマホなどは、目に悪影響があると考えられるのも無理からぬことです。

現段階では、この直接光による健康への悪影響も充分なデータがありません。ですので、まずは目の使いすぎに注意するようなところから始めてみるのが良いかもしれませんね。

さらに電子書籍の場合では、スマホなどで読むのではなく、最もシンプルな専用ハードウエアを利用するのが良いでしょう。

いわゆる電子ペーパーだけを使ったもので、バックライトがなく外部の照明を必要とするものです。これなら紙の本とほとんど変わりありません。

目を使う仕事で血圧が上がってしまうと、回り回って閃輝暗点につながらないとも言いきれませんが、これは高血圧に注意するということで回避できるでしょう。

片頭痛と言う症状についても知っておいた方がいい

今回の話題は閃輝暗点ですので、片頭痛についてはあまり触れてきませんでしたが、閃輝暗点自体が片頭痛の部分症状とされているわけですから、知っておいていただいた方が良いことも多いでしょう。

片頭痛は偏頭痛とも書いて、もともとは「頭の左右どちらかに起こる頭痛」と言う意味でした。しかし、現在では「両側性の片頭痛」と言う、良く判らない表現をされる物も少なからず存在しています。

片頭痛と頭痛はどう違うのか

脳腫瘍やなど脳卒中、場合によっては風邪を引いたときの頭痛など、他に原因がある二次性頭痛は別にして、一次性頭痛には片頭痛の他、緊張性頭痛と群発頭痛があります。

片頭痛と他の頭痛の大きな違いは前兆現象の有無です。閃輝暗点ほど良く起こるものではありませんが、脱力感やしびれ感、しゃべりにくさなどが前兆になる場合もあります。

こうした前兆現象が60分以内の時間続いた後で、前兆現象が治まってから頭痛が現れた場合、それは片頭痛です。痛みは4時間から3日程度続きます。一か月に15日以上起こる場合は慢性片頭痛とされることもあります。

片頭痛はズキンズキンとした、脈動性の痛みが特徴です。吐き気の他、実際に嘔吐することもありますし、光や音、匂いに過敏になることもあります。

一方、痛みが30分程度で収まることもあれば1週間くらい続くようなこともあるものは緊張性頭痛です。痛みは、頭が締め付けられるようであったり、重苦しい鈍痛であったりします。

吐き気が現れることはありますが、嘔吐することはありません。軽いめまいや肩こりを伴うこともあります。

群発頭痛はほぼ毎日頭痛が起こるという現象が1~2か月の間に集中して起こるものです。目の奥がえぐられるような強い痛みが発生し、15分から3時間程度と、他の頭痛よりは短い時間で収まることが多くなります。

群発頭痛は涙や鼻水を伴うことが多いのが特徴です。目が充血することもありますね。また、群発頭痛は片頭痛と違って、必ず頭の片側だけが痛むのも特徴です。

3つを比較すると、群発頭痛がもっとも酷い痛みで、続いて片頭痛、最も軽いのが緊張性頭痛と言えるでしょう。

危険な目の症状と頭痛の関係

片頭痛や閃輝暗点からは少し離れますが、頭痛と目の症状と言う関係で危険なものが2つありますので、この機会に紹介して今回の記事を締めくくりましょう。

1つは一過性黒内障です。白内障や緑内障なら聞いたことがあるけど黒内障は初めてだという方も多いでしょうね。これは片側だけに起こる目の症状です。

内容としては、突然片側だけ視力が落ちて、数秒から数分で回復するという一過性の症状です。目の奥が痛むこともありますね。数秒で回復した場合、疲れのせいかなと思って放置されることもありますが、これが危険なのです。

これは動脈硬化によって頸動脈が細くなり、そこから血栓が飛んだり、血流が極端に少なくなって目の症状を引き起こしている症状なのです。

一過性脳虚血発作(TIA)の症状の一つと見られるもので、脳卒中を予告する症状だといわれています。60歳以上で高血圧があり、糖尿病を持っている人などはかなりのハイリスク群です。

すぐに脳神経外科を受診して、症状を伝えて下さい。事前に治療することで脳卒中を予防することが可能になることもあります。

もう一つは急性緑内障です。脳出血でも起こったのかと思うほどの強烈な頭痛が出て、救急車を呼んだら急性緑内障だったと言うケースがあります。こちらは頭痛が目の病気を知らせているわけです。

詳しいことは別の記事にあるのでそちらをご覧下さい。
失明もあり得る!突然の強い頭痛と吐き気は急性緑内障を疑え!

目は脳に最も近い器官の1つですので、脳とリンクする病気や症状が多いんです。くれぐれも油断せずに目の症状を見落とさないようにして下さいね。
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